『ノーカントリー』DVD

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2007年アメリカ作品。
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督。
原題は『No Country for Old Men』で、内容を統括したタイトルとなっています。

当館の展示品『ビッグ・リボウスキ』と同じくコーエン兄弟による作品。
しかし内容はコメディではなく、災害の如き無慈悲な暴力による恐怖を味わうサイコスリラー映画です。
第80回アカデミー賞の4冠受賞作品でもあります。

異常な凶悪犯罪と、自身の老いと衰えを憂う老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)の語りから始まるこの映画。
なんと言っても恐ろしいのは、麻薬組織の金を持ち逃げした男(ジョシュ・ブローリン)を追う、無情な殺し屋アントン・シガー(ハビエル・バルデム)の存在です。
無用な殺生はしないプロフェッショナル・・・ではなく、気まぐれでターゲット以外も次々と手をかけていくサイコキラー。
しかも頭の回転も非常によく、異常なタフネスを誇るこの男は、ジェイソンやレザーフェイスのようなホラーキャラに分類されてもおかしくありません。
(殺し屋としては失格だと思うんですけどね)

映画の構成は複雑で、一見しただけですべて理解することはかなり困難です。
インターネット上の解説サイトなどを読んでから見返すことで、単純な犯罪映画ではないことがわかります。

大塚周夫さんは老保安官の叔父役の吹替え。
終盤に少しだけ登場するキャラクターですが、かなり重要な役回りを与えられています。
このキャラクター、何匹もの猫と同居して暮らしているのですが、演じる大塚周夫さんも大の猫好きとして有名でした。
そのため、キャスティングの決め手は恐らくネコ繋がりじゃないか、と勝手に邪推しています。

もう一つ吹き替えの観点から。
トミー・リー・ジョーンズは菅生隆之さん、ジョシュ・ブローリンは谷口節さんなのですが、お二人ともトミー・リー・ジョーンズの吹替えでお馴染み。
声質もよく似ていますので、画面から目を離すと、すべてトミー・リー・ジョーンズが話しているように聞こえてしまいます。
キャスティング時には問題にならなかったのでしょうかね。

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    ace

    2021/05/14

    ハビエル・バルデム、怪演ですね🤔
    ラストもインパクトありました✨

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