You'll Never Get Rich
正直に白状すると、コレと『You Were Never Lovelier』は区別がつかなくなってしまっている。マニアとしては恥ずかしい。
ただ、原題も出演者も、ストーリーがつまらないところも全部が似すぎている。
そんなことより。
撮影技術でダンスの動きがより的確に捉えられるようになったり、音響効果で音楽とタップの音のバランスが良くなったりと、その辺のおかげも少しはあるのかもしれないが、この作品から数本のアステアの“キレ”には目を見張る凄まじいものがある。年齢的にも最も“体がキく”頃に差し掛かっていた筈だ。
どアタマの「Boogie Barcarolle」でのリタ・ヘイワースとの短いデュオ。
シャッフルやフラップというタップ特有の足の使い方がどうのこうのではなく、ただ足を打つだけ、単に歩くだけ、のような動きのシャープさといったら!
そしてこの絶妙なブレンドバランスを「A-Stairable Rag」で、しっかり一曲見せてくれる。