A Damsel in Distress

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「アステア=ロジャース シリーズ」から一度離れたことになる。
その背景や理由についてはいろいろな所に書かれているが、それを考慮しながら見る必要はない良い一本だと思う。

これまでソロかジンジャーと踊るかしかなかったアステアがトリオで、しかも男性ダンサーを含む3人で見せる「Put Me to the Test」(捉えどころのない覚えにくいタイトル)は秀作。
伝わりやすく小気味いいリズムのステップに、ジョージ・バーンズが途中で二度 " Yeah! "と声を出す気持ちもわかるというもの。

中盤の遊園地のシーンの諸々を見て『バンド・ワゴン』の「Shine on Your Shoes」を連想して楽しくなるか、『レッツ・ダンス』の「Tunnel of Love」を思い出して苦い気持ちになるかは、その日の体調と運勢による。

「Nice Work If You Can Get It」のドラムナンバー、燕尾服は製作側からの要望だったかもしれないが、アステア本人が見せ場としてやりたいようにやった感じが滲み出ているようだ。

原題は「囚われの姫君」の意(自分のための備忘録)。

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