グルーヴの理論的なモノ
ローリング・ストーンズにどのようなイメージをお持ちだろうか? 不良っぽい、ワイルドなロックンロール、ブルーズに根ざした古めかしいロック、はたまた老齢になっても高価なチケットを売りつけスタジアムで繰り広げられる過去のヒット曲で食いつなぐバンド… などなど、色々な見方があるかもしれないが、どれも合っているようで、まるで間違っていると断言したい。 ストーンズはリズムである。 全てはリズムであり、グルーヴである。 決してメロディーでもビートでもない。 全てはリズムであり、ライヴにおけるグルーヴである。 キース・リチャーズのリズムギターのことだけを言っているのではない。 膨大な情報量を交信するキース・リチャーズのリズムギターとチャーリー・ワッツのハイハットの交尾を聴け。 極限までにリズムの裏の裏を目指すスネアの響きに耳を傾けろ。 キース・リチャーズとロン・ウッドのリズムの裏を、リズムを溢れ出させんとするリズムギターの綴織を聴け。 そこにはリズムとリードの区分けはない。 あるのはギターの性交のみ。 ロン・ウッドのシンコペーションを多用するギターに耳を踊らせろ。 それはマスターベーションの快楽のそれより遥かに恍惚を得られよう。 キース・リチャーズのSus4コードのあとに響くドローンノートに気づけるか。 冗長なギターソロなんてものは無用の長物。 裏拍と表拍を縫い合わせるビル・ワイマンのベースを聴け。 メロディーという概念が存在しないミック・ジャガーの言葉のビートを聴け。 さすれば、グルーヴの理論が見えてくる。 ストーンズの絶頂期は1972〜73 年ではない。 戯言を抜かすな、リズムが捻れる1975〜78年のロン・ウッド期が絶頂である。 なによりの証左は結成60周年に合わせて1977年のこのライヴをリリースしたではないか。 グルーヴ≒音の揺らぎ である。 音の揺らぎ≒リズムの溢れ である。 ストーンズはロックバンドであり、ファンクバンドであるが、そうではない。 リズムを産み出すバンドである。 グルーヴの理論は、無論、迷路であるが、 全てを感じ、悟りたいなら、これを聴け。 https://youtu.be/oEGjKcC7lgY #新発売 #なんかスミマセン #ロニー愛