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Xmal Deutschland “Early Singles (1981 - 1982)”
Xmal Deutschlandは、多分、英語圏で最も成功した独NDW(正確にはそうとは言えないかもしれませんが)バンドの一つだと思います。1980年に、ハンブルクのパンク・シーンから、Anja Huwe (Vo), Manuela Rickers (G), Fiona Sangster (Kbds), Rita Simon (B), Caro May (Drs)と言う全員女性のバンドとして結成されています。翌年に、Alfred Hilsbergのお眼鏡にかなって、ファースト・シングル”Großstadtindianer"を、彼のレーベルZick Zackよりリリース、更に、同レーベルのコンピ・アルバム”Lieber Zuviel Als Zuwenig”にも参加しています。この間に、ベースのRita SimonがWolfgang Ellerbrockに代わっています。1982年には、彼女達の代表曲でもある”Incubus Succubus"シングルを出しますが、同年、ドラムは、Caro MayからManuela Zwingmannに代わっています。独国内ではそんなにウケなかったのですが、UKのゴスバンドCocteau TwinsのUKツアーのオープニング・アクトをやったことがキッカケで、UKレーベル4ADと契約し、デビュー・アルバム”Fetisch”とシングル"Qual"と"Incubus Succubus II"を1983年に出します。独逸語で歌っているにも関わらず、UKインディー・チャートに入ります。その1年後、Manuela Zwingmannが脱退し、Peter Bellendirが加入しますが、このラインナップが最も長続きします。1984年には、セカンド・アルバム”Tocsin”をリリースし、1985年まで、ワールドツアーを敢行しています。1995年に出したEP “Sequenz”は、同年5月13日に、UKのJohn Peel Sessionで放送されていますが、このEPの中の曲”Autumn”は、初めて英語で歌われています。翌年には、The StranglersのHugh Cornwellのプロデュースで、シングル”Matador”をリリースし、The StranglersのロンドンWembley Arenaでのコンサートのオープニング・アクトも努めています。1987年には、サード・アルバム”Viva”をハンブルクで制作、続いてシングル”Sickle Moon”も出しています。しかしがら、”Viva”を出した後、Manuela Rickers, Fiona Sangster, Peter Bellendirが脱退してしまいます。残ったAnja HuweとWolfgang Ellerbrockはバンドを続けるおとを決心し、AbwärtsのFrank Zをギターで、独のスタジオ・ミュージシャンCurt Cressをドラムで、プロデューサーのHenry Starosteをキーボードで協力してもらい、1989年に、ラスト・アルバム”Devils”とシングル"Dreamhouse”と"I'll Be Near You”をリリースしますが、メジャー路線のポップミュージックになってしまい、数回のライブをやったものの、1990年に、バンドは解散してしまいます。 以上が、Xmal Deutschlandのバイオグラフィーとなりますが、本作品は、初期のシングル音源をコンパイルしたセルフ・コンピとなっています。パンクからポストパンク〜ゴス・ロックへと変化しつつある、最もアブラの乗った時期のXmal Deutschlandの音楽が詰まったアルバムとなっています。メンバーは、Anja Huwe (Vo), Manuela Rickers (G), Fiona Sangster (Kbd), Rita Simon (B), Wolfgang Ellerbrock (B), Caro May (Drs)で、A1-A3がZickZackから出た彼女達のファースト・シングル収録曲で、既にポストパンクなサウンドで、A2ではドラムマシンも使用されている所が、如何にも独バンドらしいです。また、ビート感もドカドカしていて、Malaria!っぽいところも。A4はZick Zackのコンピ・アルバムに提供した曲で、段々、テンポアップしていく曲です。シンセがのほほんとした味を出しています。B1-B3は、1982年にZick Zackから出たセカンド・シングル収録曲で、特にB1は、彼女達の代表曲で、歌詞とかは独逸語ながら、題名がゴスっぽくなってきて、めっちゃカッコ良いです。B2もメジャーコードながらもダークな雰囲気で良曲、B3はSioux & The Bansheesっぽい曲ですね。多分、Voスタイルが近いのかな? B4は、多分、ボーナス・トラックとして、今回、収録された彼女達のライブ音源ですが、音質も良く、非常にかっちょ良いです! この時期のX-mal Deutschlandは、ちょっとだけゴスに足を突っ込んだポストパンクな音作りをしていますね。なので、初期Bansheesとかが好きな方にはお勧めします!! 因みに、リリース元のレーベルは米国のレーベルです。 A1 “Schwarze Welt” (2:40) A2 “Die Wolken” (1:29) A3 “Großstadtindianer” (2:02) A4 “Kälbermarsch” (2:37) B1 “Incubus Succubus” (5:20) B2 “Zu Jung Zu Alt” (3:30) B3 “Blut Ist Liebe” (3:02) B4 “Allein (Live)” (2:35) B1 “Incubus Succubus” (5:20) https://youtu.be/BVFscjwD-gU?si=wBOkMr1eiJKYP4un [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nyg5iJeMbf9arUPD9ZkFnw-4GtdzvVEuo&si=nUhQKRc_fMzA6cDi #XmalDeutschland #EarlySingles(1981-1982) #SacredBonesRecords #SelfCompilation #Reissue #Remastering #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #AllGirlsBand #Goth #GothPunk #PostPunk #AnjaHuwe #ManuelaRickers #FionaSangster #RitaSimon #WolfgangEllerbrock #CaroMay
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Goth Rock / Punk Sacred Bones Records ¥5750Dr K2
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The Modern Lovers “The Original Modern Lovers”
このThe Modern Loversも、1980年代に友達K 君に教えてもらい、当時は、ダビングしてくれたカセットを聴いていたものです。それで、1990年代に中古を購入した次第です。それでは、先ず、The Modern Loversのバイオグラフィーについて改めて調べてみました。The Modern Loversと言うバンドは、Jonathan Richmanを中心として、米国Bostonで結成されたバンドで、厳密には、活動は1970年〜1974年までとされており、この時期に2枚のスタジオ・アルバムを制作していますが、1976年と1981年までは未発表のままでした。それで、彼等は再編成して、1976年〜1988年では、Jonathan Richman & The Modern Loversと名乗って、活動しています。それで、最初に戻りますが、Jonathan Richmanは1969年に高校卒業後、NYCに移り住み、その頃にVelvetsに夢中になり、マネージャーのソファーで2〜3週間、寝起きし続けて、NYC生活を堪能しますが、その後、彼は、ネズミの巣窟たる安ホテルAlbertに住み始めます。しかし彼は「もう充分」と言う理由で、9ヶ月のNYCでの生活を辞めて、欧州やイスラエルを旅行し、最終的にBostonに帰郷します。そこで、幼少期の友達John Felice (G), 後にThe Carsに加入することになるDavid Robinson (Drs)やRolfe Anderson (B)を誘って、たった1ヶ月後の1970年9月に、The Modern Loversを名乗って、The Sidewindersのサポートでライブ・デビューしています。ただ、1971年初頭に、AndersonとFeliceが脱退し、代わりにHarvard大学の学生でもあったErnie Brooks (B)とJerry Harrison (Kbd)が加入し、所謂、The Modern Loversのオリジナル・ラインナップとなります。このメンツでのThe Modern LoversのBostonでの人気は凄く、メジャー・レーベルも興味を示し、1971年秋には、Warner Bros. RecordsのStuart Loveがコンタクトを取ってきており、多チャンネルでの録音によるデモテープ制作も行っています。また、直ぐにA&M Recordsも彼等に興味を持ったようです。翌年1972年4月に、彼等はLAに行き、そこで2本のデモテープを作っています。ひとつは、John Caleプロデュースのもので、Warner Bros.用の、もうひとつは、Allan MasonプロデュースのA&M用の2本です。それと、彼等はその時、CAのBerkeleyにあるLong Branch Saloonでライブもやっており、この音源は、後にライブ・アルバムにもなっています。1972年6月には、Kim Fowleyと出会い、彼はBostonまで来てくれて、何本かのデモテープを作っています。しかし、バンドは、Felice (G)が数ヶ月間復帰したこともあって、MAのCohassetに皆んなで移住しています。1973年初頭には、Warner Brothersと正式に契約しています。しかし、John Caleと一緒に作業する為に、LAのスタジオに行くまでは、Ernie Brooks (B)の家族が所有しているBermudaのInverurie Hotelで演奏する許可をもらっています。そこで過ごしている内に、Richmanは、昔の音楽スタイルを気にするようになり、バンド内に衝突が段々と増えていきます。それでも、Richmanは、違った方向性の音楽になることを心配していましたが、初期の曲を録音することに同意しています。彼自身は、よりメローでリリカルな音楽を録音したかったようです。他のメンバーも反対はしなかったのですが、今風に聴こえるようにはしたかったようです。1973年9月に、Caleの元でのセッションは、彼等の友人Gram Parsonsの死によって、もはや良質な録音などあり得ないと、The Modern Loversのメンバーは思ってしまい、その結果、レコード会社としては、新たにKim Fowleyのプロデュースで、セッションを仕切り直し、Gold Star Studiosで録音して、1981年になって、やっと本作品でもあるアルバム”The Original Modern Lovers”をリリースしています(因みに、この作品は2000年にCDで再発されています)。しかしながら、Warner Bros.側としては、彼等のデビュー・アルバムをリリースし損ねたと考えてしまい、The Modern Loversへのサポートをやめてしまいます。そして、Robinson (Drs)が脱退し、代わりにBob Turner (Drs)が加入しますが、Richman自身が、古い曲(“Roadrunner”等)を段々とやりたがらなくなってしまい、RichmanとHarrisonとの間での音楽の方向性の違いから、1974年2月にバンドは解散してしまいます。その後、メンバーはThe Real KidsやTalking Heads, The Carsへと加入したり、結成したりします。Richmanは、昔のVelvets風の曲調には二度と戻ることはなかったのですが、CaleとMasonがプロデュースした最初の2本のデモテープから、Beserkleyレーベル側が曲を選んで、その傘下のHome Of Hitsから「ファースト」アルバムとして、セルフタイトルで、1976年にリリースしています。しかしながら、Richman自身は、このアルバムを「ファースト」アルバムとは決して認めず、「自分のデビューアルバムは1976年リリースの”Jonathan Richman and the Modern Lovers”だ」と主張しています。ただ、前出の「ファースト」アルバムは、評論家の受けも良く、「本当に偉大なアートロックのアルバムである」とベタ褒めされ、パンクへの影響力もありました。まあ、そんなこともあって、アルバムの順番についてはややこしいのですが、Richmanは、1976年から新生バンドとして、Jonathan Richman and the Modern Loversを始め、1988年まで続けますが、このバンドについてはまたの機会に書くことにします。 それで、リリース順としては、3番目になる本作品”The Original Modern Lovers”について紹介していきます。この時のメンバーは、Jonathan Richman (Vo, G), Jerry Harrison (Piano, Organ, Back-Vo), Ernie Brooks (B, Back-Vo), David Robinson (Drs, Back-Vo)で、Mars Bonfire (G [B5])がゲスト参加しています。それで、この作品は、Kim Fowler がプロデュースして、1972年に録音された音源であり、The Modern Loversとしては、一番古いものです。内容的には、両面とも5曲ずつです。では、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Road Runner Part 1” (4:35)は、ご存知「ワン・ツー・スリー・フォー・ファイブ・シックス」で始まる曲で、Kbdが効いてますね。Voは相変わらずヘナヘナですが、それがまた良い塩梅です。 ★A2 “She Cracked” (2:40)も、ワンコードとややヘロったRichmanのVoで押し切るような曲で、カッコ良いですが、間奏はラジオ音です。 ★A3 “Astral Plain” (2:43)は、相変わらずヘロヘロのVoと跳ねるようなリズムから成る曲です。間奏のGソロもヘナチョコですが、そこがまた良いんです。 ★A4 “I'm Straight” (4:05) も、Richmanの語りから始まるスローな曲なんですが、特にバラードとかには聴こえない位、グダグダ感が強い演奏です。その中で、オルガンだけが上手くて、曲を引き締めている感じです。 ★A5 “Walk Up The Street” (3:11)は、変なGソロ(?)から始まり、RichmanのヘロヘロのVo/Gを他の3人が支えている曲ですね。 ★B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29)は、軽快でアメリカンな曲で、RichmanのVoもそんなにヘロってはいません。コーラスもあり、良い曲で、最後には絶叫まで! ★B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste“ (1:40)は、Richmanの鼻歌のような独唱から成る小曲で、意外な感じで、物悲しさすら漂います。 ★B3 “Dance With Me” (4:26) は、G(エレキ)の弾き語りで始まり、徐々にBやDrsが微音で入って、更にエレピも入ってくるスローな曲で、盛り上がるところは盛り上がります。RichmanのVoに涙します。 ★B4 “Girlfren” (4:00)も、Richmanの独唱がイントロで、やや明るいような悲しいような甘酸っぱい曲で、やはりRichmanのVoと間奏の下手なGが素晴らしい! ★B5 “Road Runner Part 2” (3:49)は、カウント無しで始まる名曲(A1)のヴァージョン違いで、Richmanも字余りながらしっかり歌っています。この何とも言えない疾走感は、中学生が自転車で思いっきり走っている感じですね。 と言う訳で、Richmanにとっての「ファースト」アルバムでもある本作品は、ヘロヘロのVoとしっかりしたバックの演奏で成立している訳ですが、なんかもう「青春」な感じがして、嬉し恥ずかしで、懐かしい感じですね。Kim Fowleyの「とにかくセッションの場だけは確保するから」と言ったプロデュースは良かったと思いますよ。また、そのやり方は、その後のRichard Hell 辺りには影響を与えたようです。しかし、”Roadrunner”は名曲だと思いますので、未聴の方は是非とも聴いてみて下さい❗️ クレジット曲順 A1 “Road Runner Part 1” (4:35) A2 “She Cracked” (2:40) A3 “Astral Plain” (2:43) A4 “I'm Straight” (4:05) A5 “Walk Up The Street” (3:11) B1 “I Wanna Sleep In Your Arms” (2:29) B2 “Don't Let Our Youth Go To Waste “ (1:40) B3 “Dance With Me” (4:26) B4 “Girlfren” (4:00) B5 “Road Runner Part 2” (3:49) https://youtu.be/Q3iK4JU5Q3M?si=7rV_CODMuuIHJVpw #TheModernLovers #TheOriginalModernLovers #LineRecords #MohawkRecords #ドイツ盤 #FirstAlbum #ThirdAlbum #1981年release #Producer #KimFowley #ArtRock #Garage #AmericanBand #JonathanRichman #JerryHarrison #ErnieBrooks #DavidRobinson #Guest #MarsBonfire
Art Rock / Garage Line Records / Mohawk Records 不明Dr K2
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Himukalt “Dreaming Of A Dead Girl”
米国女性パワー・エレクトロニクスの筆頭、その名もHimukalt!その正体は、米国ネバダ州在住のEster Kärkkäinen女史です。彼女は、ヴォイス、エレクトロニクスだけでは無く、鋏を使った独特のコラージュ・アートワーク(xerox)もこなしており、欲望、性欲、敵意、怒り、マニア、抑鬱、血液、肉欲に関するサウンドを使うことで、肉体の複製や再生を試みることをコンセプトに表現活動をしています。今回は、彼女の本気度を知らしめることになった、パワ・エレ総本山の独Tesco Organisationからのリリース作品”Dreaming Of A Dead Girl”を紹介しましょう。Himukaltのバイオグラフィーについては、前回、書いた通りなので、そちらをご参照下さい。両面とも3曲ずつ収録されています。彼女のコンセプトがより一層剥き出しになった感がアルバム全体に漂ってますね。全体の第一印象は、押し殺したヴォイスが特徴的なパワー・エレクトロニクス作品です。それでは、各曲について紹介していきましょう。 A1 “Sehr Empfindlich”は、小声の囁きとゆったりと圧死させられるような電子音から成る曲ですが、その声が何故か「いけないこと(個人的には近親相姦を想起)」をしてしまった独白のように聴こえます。 A2 “The Chemical Lust”は、ひび割れた電子音とリズムが、もろパワ・エレのストロング・スタイルで、更に潰れ、歪んだ声が聴こえてます。 A3 “Hysterical”では、最初、通奏低音の上に乗る形で、女性の叫び声とか呻めき声のコラージュから始まります。そうしていると、テンポの速いキックとKärkkäinenの歪んだヴォイスによる告発が始まり、段々と切迫して、ドラマチックな展開になっています。 B1 “Suicidal Ideation”は、淡々としたリズムにぶ厚い電子音と抑制されたヴォイスが乗る「告白」系のパワ・エレです。淡々としている所に余計、悪意を感じます。 B2 “Naked, Soiled, Desperate”でも、ひび割れた持続電子音と淡々としたKärkkäinenの独白、そこに切れ込む電子ノイズ。題名通り、完璧にして名曲です! B3 “This Pig Is Crying Out”も、また緩やかな波状電子音と押し殺した独白系ヴォイスから成り、段々と彼女のヴォイスは電子音に覆い被されてしまい、後半にはハーシュな電子ノイズに蹂躙されてしまいます。 何となく、後味の悪いアルバムだと感じますが、これはEster KärkkäinenのHimukaltとしてのコンセプトがより明確になったことを意味するものと想像します。独白系のヴォイスは、抑制された「もの」(=秘密にせざるを得ない物事)を体現し、それ故に、この作品では必然であったのでしょう。それ故、危険なアルバムですので、聴く際は、注意して下さい‼️R18指定ですね! A3 “Hysterical“ https://youtu.be/o6mVJMAmac8?si=UxirK07oWPgRppQn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mhwpE74YaPbtE463Je_oY0OwR8M-2MSUE&si=qk9izIoRCVV0Ly2j [BandcampのURLも貼っておきます] https://himukalt.bandcamp.com/album/dreaming-of-a-dead-girl #Himukalt #DreamingOfADeadGirl #TescoOrganisation #PowerElectronics #Voice #13ThAlbum #Collage #Artwork #Female #SoloUnit #独白 #電子音 #EsterKärkkäinen
Power Electronics Tesco Organisation 不明Dr K2
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Monitor “s/t”
Monitor、知ってる人ってどの位いるのかなあ。と言う訳で、今回は、米国地下音楽の初期の方から活動していたMonitorを紹介します。しかしながら、Monitorは本作品であるアルバムともう1枚シングル、別名義でもう1枚シングルを出しているだけなので、情報を収集するのに苦労しました。先ず、メンバーなのですが、Keith Mitchell (Drs, Perc, Effects), Laurie O'Connell (Vo, B) Michael Uhlenkott (G, Vo), Steve Thomsen (Synth [Micromoog], Organ, Kbd [RMI])の4人です。極初期には、Jeff Rankin (Drs)が在籍していましたが、シングルを出した後に、Mitchellと交代しています。それで、元々は言うと、Thomsenを中心に、1970年代後期に、米国CAのLos Angelesで、コピー・アートやメール・アート或いは音楽の集合体としてWorld Imitation Productions (WImP)が設立され、そこで、Monitorも結成されました。MonitorはWImPの音楽部門だったんですよ。WImPは1982年まで活動していますが、その間(1981年初頭)に、Monitorの変名サーフロック・バンドThe Tikisのシングルも1枚出しています。なお、中心人物のThomsenは、WImP解散後も、コラージュ・アートによるジンを作り続けており、また、後に、Joseph HammerとRick Pottsと一緒にSolid Eyeを結成しています。あと、インダストリアル・バンドNONのJeffrey VallanceとBoyd Riceとも協力関係にあったそうです。それで、Monitorの解説の前に、WImPについて少々。Mitchell以外は元々、同じ地区で、同じ高校に通っていました。そして、Uhlenkott, Thomsen, O'Connellは、Californi州立大学Northridge校に進学し、RankinとConnorはUCLAに、Keith MitchellはLong Beach市立大学へと進学していました。その中で、Uhlenkott, O'Connell,, Thomsenは1970年代初頭よりバンドを組んでいました。この頃は、大掛かりなインスタレーションやパフォーマンスをグループでやることが流行っていましたが、多くの参加者は音楽をBGMとしてしか使ってはいませんでした。1977年秋に、集まった仲間達は、より手作業で、細かい絵やドローイング、ペインティングやプリントを集めたジン”Science Holiday”を発行し、コピーアートやメールアートの世界に入っていきます。そうして、発行元となったのが、WImPです。彼等は、様々なジンを扱っていましたが、自分達のジンは基本、手売りで売ってましたし、メールアート界に参入して、Mark Mothersbaugh (Devo)やGenesis P-Orridge (Throbbing Gristle), Daniel Millerなどと繋がっていきます。そして、1978年10月には、WImPは先進的なアートを集めたより大きな個展を開きます。その一方で、活動を音楽にも広げる為、World Imitationレーベルを設立し、第一弾として、1981年に、Meat Puppetsのシングル”In A Car”をリリース。それで、ちょっと時代が前後しますが、1978年2月に、初期のDevoのエンジニアでプロデューサーでもあったEd Bargerとのメールアートの交流があったこともあり、実際に会って、プロデュースをしてもらいます。その時は、Michael Uhlenkott (G, Vo)とSteve Thomsen (Organ, Piano)がメンバーで、それにThomsenのガールフレンドAllison Andersを加えてCañon名義でフォーク・ロックをやっていました。その頃から、Monitorが先述のメンバーて結成されることになり、最初はハリウッドのパンク・シーンで活動していましたが、より大きなLAのパンク・シーンにも参入し、よりうるさい音楽シーンにおいて、Monitorの音楽はリズムも複雑で、音量もそんなに上げないで演奏していたこともあって、過小評価されていたようです。その当時、バンドは、アフリカや東欧の音楽のリズムとマイナーコードでのメロディを上手く取り入れて、余りにもユニークな音楽をやっていた為、アート・ロックとか言われていましたが、彼等はそう言われるのを嫌ってました。そんな中で、本作品てある唯一のアルバムが作製されています。なお、このアルバムには典型的パンクバンドMeat Puppetsの演奏が1曲”Hair”だけ収録されています(何故、入っているのかは謎)。彼等は、合計3枚のレコードを出して、1982年4月10日にラスト・ライブを行い、解散します。 ちょっと長くなりましたが、Monitorの足取りは以上となります。 それで、内容なんですが、先ず、ジャケのアートワークが素晴らしいです。それと私の持っているのは独のATA TAKプレス盤なのですが、恐らくこれはメールアート繋がりによるものでしょう。それから、メンバーは先述の4人ですが、Allison & Tiffany Anders (Vo [A2,B1]), Mary Jones (Vo [B1])もゲスト参加しています。重厚なシンセの低音から始めるこのアルバムは、確かに風変わりなヴォーカルの旋律と既にポストパンク的なリズムへの萌芽が聴けます。A2 “Mokele-Mbembe”なんかは正にアフリカンです。また、グダグダのコーラスやビートを刻まないドラムなんかはLAFMSの音楽を想起させますね。また、曲の中に立ち上がるThomsenのシンセがいい味わいを出しています。またA5 “Amphibious”なんかはHenry Cowっぽいです。B1 “Pavillon”ではシーケンサーまで使っており、メロディはアフリカとか東欧ではなく、和風と言うか演歌風です。B面の方がKbdやシンセの目立つ曲が多いです。それにしても、不思議な展開の曲が多いのですが、ここからSolid Eyeのメンバーが生まれたと考えると、なんか納得してしまいます。 と言う訳で、今まで断片的にしか認識していなかったMonitorの全貌を点と点を結んで、明らかにできたのは、個人的に収穫でした。アフリカや東欧の音楽との関係はそれ程感じませんでしたが、もし、LAFMSやSolid Eyeを深掘りしたいリスナーさんにはお勧めします‼️ *全曲のYouTube動画を貼っておきます。 A1 “We Get Messages” https://youtu.be/6l7EWATfm4A A2 “Mokele-Mbembe” https://youtu.be/S9GXI0_c-Ts A3 “In Terrae Interium” https://youtu.be/zzEA9b5huPU A4 “Herb Lane Theme” https://youtu.be/U5aMJ_sfxqw A5 “Amphibious” https://youtu.be/lVgvF-H784g B1 “Pavilion” https://youtu.be/JKDHSTPqMcw B2 “Phosphorea” https://youtu.be/JNtvYqfvoNw B3 Meat Puppets “Hair” https://youtu.be/rL86Ur7fhMs B4 “I Saw Dead Jim's Shade” https://youtu.be/zfZxQAbRH10 The Tikis single “Junie” c/w “Surfadelic” https://youtu.be/r6GHUvoMoAc #Monitor #WorldImitationProductions #ATATAK #XeroxArt #Collage #Installation #MailArt #American #WestCoast #Underground #MeatPuppets #KeithMitchell #LaurieO'Connell #MichaelUhlenkott #SteveThomsen #Boydrice #TheTikis #SolidEye
Experimental rock ATA TAK (World Imitation) 不明Dr K2
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Tangerine Dream “Phaedra”
またですかぁー。んで、今回もTangerine Dreamの登場です。今回は5作目のアルバム”Phaedra”を紹介します。一時期、私は独逸ロック(クラウトロック)もつまみ食いしていましたが、シーケンサーを使ったグループが割と好みでした。でも、当時はあんまり聴き込んだことが無かったので、今回は聴き込んでみようと思います。バンドの詳細なバイオグラフィーは以前に書いてものを参照して下さい。メンツは、Edger Froese (Mellotron, B, G, Organ, Synth [VCS3 Synth] ), Peter Baumann (Organ, Synth [VCS3 Synth], Flute, E-Piano [e-piano] ), Chris Franke (Synth [Moog, VCS3, SA], Kbd)と言う電子音楽界の鉄壁の3人です。プロデュースはFroeseがやっています。この担当楽器を見れば分かりますが、あのじゃじゃ馬シンセVCS3を3人とも使っています。バンドは、独逸Ohrを離れて、英国のVirgin Recordsと契約しており、1973年〜1978年までは、このトリオでガッツリやっています。内容はA面1曲でタイトル曲になっており、B面は3曲から構成されています。A面”Phaedra”では電子音の揺らめく中で、シーケンサー駆動の電子音の反復(本作で初めてシーケンサーが使われている)が心地良いんですが、全体としては、電子音によるオーケストレーションがやはり主体を占めているように思います。最後の「余韻」が良いですね。B1 “Mysterious Semblance At The Strand Of Nightmares”は、Froeseの作曲で、電子音の霞が幾重にも重なって、非常にゆったりと流れていく重厚アンビエント曲ですね。クチュクチュしたシンセ音やホワイトノイズの使い方が新鮮です。B2 “Movements Of A Visionary”では、やはり、電子音の海の彼方から立ち上がってくるシーケンサーの反復が心地よいです。まるで、口の中で球がコロコロ転がるようなシンセの音から成ります。B3 “Sequent C'”はBaumannによる小曲で、ふわふわした電子音がそこはかとなく流れて締めていきます。因みに、A面とB2は3人の共作となっています。と考えると、Tangerine Dreamとしては、シーケンサーをもっと加えて行こうと言う現れなのかも知れませんね。そう言う「反復音」が夢のような電子音と重なっており、そこがツボのように思います。これが「ロック」か?と言う疑問もありますが、そこは当時の状況によるのかも知れませんね。そこら辺に興味のある方は一度、聴いてみることをお勧めします。 A “Phaedra” (16:45) B1 “Mysterious Semblance At The Strand Of Nightmares” (10:35) B2 “Movements Of A Visionary” (7:55) B3 “Sequent C'” (2:17) https://youtu.be/HIQ0dd7B_FU?si=b_sixBL2UGNhL0Cg #TangerineDream #Phaedra #VirginInternational #1974年 #VirginRecords #1981年 #Krautrock #Electronic #Synthesizers #VCS3 #EdgerFroese #PeterBaumann #ChrisFranke #Orchestration #Sequencer
Krautrock / Electronic Virgin International 不明Dr K2
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Converter “Coma”
またまた、テクノイズの本山Hymen RecordsよりConverterをチョイスしました。テクノイズとかHymen RecordsについてはP•A•Lのところでも述べましたので、そちらを参照して下さい。今回、取り上げたConverterは、米国のScott Sturgisのソロユニットで、元々はオハイオでしたが、現在はシアトルで活動しています。この手の音楽をやっているアーティストで、米国人は珍しいです。その始まりは、1998年初頭で、Scottがリズムで押していく音楽にインスパイアされて、テクノイズを追求し始めたとのことです。1999年に、ファーストアルバム“Shock Front”をAnt-Zenよりリリースしており、それ以降、伝説的リズミック・ノイズの開拓者DiveやEsplendor Geometricoと同様に、P•A•LやImminent Starvationsなどと共に活動しています。Scottは、そのルーツとしてインダストリアル・ミュージックがあったことを表明しており、自らの音楽を「結構ハードで、ノイズ要素のある電子インダストリアル」であるとしており、ダンス・フロアへのリズムへの浸透と伝播を狙っているらしいです。実際、本作品のトラックはトロントではクラブ・ヒットしたとのこと。彼の音楽は、激流の如き電子音の土砂降りと爆発するようなマシンリズムから成り、それが歪んだパワーノイズ/アナログ・シンセの音の雰囲気を醸し出し、容赦無き音響攻撃を挑んでくると言うことらしいです。その雰囲気と言うのは、偏執狂や強靭或いは恐怖の類とのこと。彼は、そう言った音響効果を更に推し進める為にPain Stationと言う別プロジェクトを米国のハーシュノイズユニットR4とやっているそうです(私は未聴)。また、 Xenonics K-30などとのコラボもやっていますし、最近ではNotimeと言うプロジェクトも始めており、また自分自身のレーベルAuricle Mediaもやっています(レーベルは2008年までは続いていたようです)。 それで、本作品ですが、これはConverterのファースト・アルバムですが、マスタリングが良いのか、迫力満点で、かつ粗野でヘビーなテクノイズを放射しています。前回のP•A•Lと比べると、かなりノイズ寄りなアプローチだと感じました。リズミック・パワー・エレクトロニクスと言った方が良いのでしようか。そこら辺が如何にも米国らしいです(欧州のテクノイズ作品と比べると言う意味でですね)。そうですねぇ、初期のパワ・エレとか1990年代の米国のパワ・エレが持っていた攻撃性とか猥雑性を持ち合わせていると思います。なので、ダンス・ミュージックとしてのテクノイズでは無いですね。対峙して聴くべき「ノイズ」ではないでしょうか?もし、貴方が野蛮なテクノイズを聴いてみたいのであれば、本作品はお勧めです❗️ “Denogginizer (Kill The Brain https://youtu.be/bdvUSOj9pcc “Nix” https://youtu.be/nlwLXy5nkdU #Converter #Coma #HymenRecords #Technoise #ScottSturgis #SoloUnit #HarshNoise #Ant-Zen #FirstAlbum #Rhythmic
Technoise Hymen Records 不明。Dr K2
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Asmus Tietchens “4K7”より”Musik Unter Tage” LP4 & “Musik Hinter Glas” 7inch EP
Asmus Tietchensボックス、最後のアルバムは”Musik Unter Tage”です。この作品は1983年に米国Aeonからカセットではリリースされたものです。この時期に、Asmusは丁度、Sky Records(一応、独プログレとしてはメジャー)から自身のソロアルバムを出してした頃なので、その習作的な作品とも捉えられます。本作品では再びアブストラクト路線に戻り、更にはG1では電子音の寄るドローンをやっていたり、H1では重低音から成るループを使っていたり、中々侮れない引き出しを持っているんだなあと感心しました。「たかが電子音、されど電子音」と言う感じですね。誰でも出来そうで、誰も追いつけない、そんな音楽を奏でています。特にH1は19分弱の大作なんですが、逆回転ヴォイスが挿入されるところは、私のツボですね。最後のH2はビキビキした電子音のインプロみたいな小曲で締めます。 ついでに、ボーナス7”シングル”Musik Hinter Glas”についても。これはこの時期にAsmusが作っていた曲の中でも未発表曲らしいです。とは言ってもクオリティが低い訳ではないです。I面”Sonde Im Herzen”は軽いパルス的リズムのある落ち着いた小曲。J面”PR 622, 61-65”はドローンにドラマティックなストリングス・シンセが乗る伸びやかな小曲で、Asmusの作品にしては楽曲的ですね。 と言う訳で、Sky Recordsがら出していた時期の私的音楽をコンパイルした、このボックスは是非ともプログレ・ファンには聴いて欲しいですね! ◼️LP4: Musik Unter Tage G1 “Strenge Klänge” (6:52) G2 “Dämmerattacke” (8:58) G3 “Gelber Himmel” (7:06) H1 “Maschine 6B” (18:33) H2 “Einer 5” (4:22) ◼️Musik Hinter Glas 7" I “Sonde Im Herzen” (5:19) J “PR 622, 61-65” (5:42) G1 “Strenge Klänge” (6:52) https://youtu.be/F9WFXpO_YCs?si=GMah46GGl5xSZST- G2 “Dämmerattacke” (8:58) https://youtu.be/VP1hoLwhMDU?si=wd_xf8Gv7eOQh8NA H1 “Maschine 6B” (18:33) https://youtu.be/qw7WPIh0wmY?si=a_92XS1BfZKHhQfY 7” Single “Musik Hinter Glas” I “Sonde Im Herzen” (5:19) / J “PR 622, 61-65” (5:42) https://youtu.be/rg3xzfwf8XA?si=QZc8j2pruKmErldw #AsmusTietchens #MusikUnterTage #LP4 #4K7 #BoxSet #LimitedEditions #600部 #VinlyOnDemand #Reissue #2007年 #Aeon #1983年 #SelfCompilation #7-inchSingle #MusikHinterGlas #PreviouslyUnreleased #Drone #ElectronicMusic #Loop #Heaviness #MinimalMusic
Electronic Music / Experimental Vinyl on Demand (Aeon) €85.00Dr K2
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Asmus Tietchens “4K7”より”Musik Im Schatten” LP2
Asmus Tietchens ボックスセット”4K7”(このセットのタイトルは4種類のカセット[業界ではカセットはK7と評記される]と言う意味でしようか?)の2枚目は、1982年に米国Aeonからリリースされた”Musik Im Schatten”です。この作品は1988年に英国Auricleよりカセット作品として一度再発されています。シンプルで機能的なデザインと一緒で、音の方もシンプルなんですが、ミニマルと言う訳でもなく、説得力のある5曲が収められています。音程とか明確なリズムはないのですが、音色とか音同士から成る構造みたいなものを楽しむ「音楽」ですね。前作よりも音の輪郭がハッキリしていて、メリハリがあるので、然程、アブストラクトな感じはしないのですが、それでも彼の意図したところには中々触れられない感じは残りますね。多分、シンセを主に使っているみたいですが(辛うじてリズムボックスの音も聴こえる)、その表現力は流石といか言いようのない程の完成度で、彼の才能が窺い知れます。またB-2”Du Darfst”ではねじ曲がったシンセ音に彼の変調ヴォイスが被ると言う新しい面も見られます。この盤も名曲ばかりなので、機会があったら、音の構造な音色に興味のある方は是非とも聴いてみてください❗️ハマりますよーぉ! ◼️LP2: Musik Im Schatten C1 “Elektrauma” (9:21) C2 “Undine” (10:11) D1 “Nosferatu” (3:29) D2 “Du Darfst” (8:30) D3 “Elektroland” (6:29) C2 “Undine” (10:11) https://youtu.be/tnYQJ1S9gnM?si=IGvC29VXAaTqHTA_ D2 “Du Darfst” (8:30) https://youtu.be/y-FYz81LDrs?si=grLkQW-XPD8tUza8 D3 “Elektroland” (6:29) https://youtu.be/xVc7oE6jK5c?si=CULfnuKbB_kuhqoC #AsmusTietchens #MusikImSchatten #LP2 #4K7 #BoxSet #LimitedEditions #600部 #VinlyOnDemand #Reissue #2007年 #Aeon #1982年 #SelfCompilation #ElectronicMusic #Synthesizer #音色 #音の構造
Electronic Music/Experimental Vinyl on Demand (Aeon) €85.00Dr K2
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RLW “eaRLy W-Two: Nur Die Tiere Blieben Übrig”
RLWことRalf Wehowsky氏は、独逸の実験音楽集団P.D.、そしてそれから派生したP16.D4のリーダーであり、同時に独逸ノイズミュージック界最重要レーベルSelektionの創設者の一人でもあります。以前にここら辺の,彼のバイオグラフィーは書きましたので、ここでは省略しますが、P16.D4解体後、RLW名義でソロ活動を続けています。そんなRLWの最初期音源の蔵出し第二弾が、このアルバムになります。今回は、1980-1982年の間にラジカセで録音された習作を収めています。丁度、彼がP.D.からP16.D4に移行する辺りの録音で、音質は押して知るべしですが,中々、面白い音楽をやっています。割と、バンドセットみたいにP.D.とかのメンバーでもあるJoachim Stender, Joachim Pense, Edward Weber, Achim Scepanski, Gerd Poppe, Roger Schönauer達とのジャムセッション(と言っていいのかな?)の音源を整理して収めています。それはその頃、リリースしていたP.D.の”Alltag” や”Inweglos”のアウトテイクとかSelektionからカセット・リリースした”Nur Die Tiere Blieben Übrig”からの抜粋に当たります。Ralf氏は2曲調を除いてギターを担当、その2曲ではTape操作或いはオルガンを担当しています。あと、彼は余りシンセを使わないのも特徴です。何か、ノイジーなオルタネイティブ・ロック(1990年代のオルタナとは違う)を思い起こさせる曲群です。特にA面の3曲はドラムが入ったライブでの録音であり、「こんなライブしてたんだぁ」と言う意味で興味深いです。あとS.Y.P.H.の曲のイントロだけをサンプリング(?)したりしてます。独逸と言う国は面白いですね。一方では、Der Planのような諧謔的音楽やDAFのようなダンサブルな音楽が流行り、Neue Deutsche Welleと呼ばれる音楽が勃興した1980年前後ですが、その陰で、Selektionのような密室実験系音楽が下地を作っていたのですから。まだ若いRalfの実験音楽的アプローチの片鱗が聴取可能です。音は悪いですが、音楽のアイデアは面白いです。そんな独逸の地下音楽にも触れてみませんか?因みにテクニカル・ヘルプは元H.A.N.SのChistoph Heemannがやっています。因みに、本作品には、Ralf Wehowsky (G [A2-A4, B1, B4, B6, B7], Tapes [A1, A3, B1, B2, B6])の他、Roger Schonauer (B [B4-B7]), Gerd Poppe (Drs [B4-B7]), Achim Scepanski (Synth [B1-B3, B5-B7), Joachim Stender (Vo [A2, A4, B4-B7])が参加しています。 ★A1 “Kurzschluß” (3:57) Ralf Wehowsky (B), Joachim Stender (Stylophone), Joachim Pense (Tapes) ★A2 “Stahlbeton” (4:17) Joachim Pense (Bagpipes), Joachim Pense (B), Ewald Weber (Drs) ★A3 “Alltag” (8:18) Joachim Pense (B), Joachim Stender (B), Ewald Weber (Drs) ★A4 “Ajatollah Carter” (3:59) Joachim Pense (B), Ewald Weber (Drs) ★B1 “Rosenmontag” (2:48) Joachim Stender (B), Joachim Pense (Vo) ★B2 “Ein Tauchsieder Für H.K.” (1:56) Ralf Wehowsky (Heater) ★B3 “Baustelle (Incl. SB 2)” (2:08) Ralf Wehowsky (Organ) ★B4 “Mainzer Dom (Incl. SB 3)” (2:07) Achim Scepanski (Organ) ★B5 “O Haupt Voll Blut Und Wunden” (3:03) Ralf Wehowsky (Organ) ★B6 “Hauptbahnhof” (4:06) ★B7 “9Hunger” (2:07) [YouTubeに無いので、A4 “Ajatollah Carter”をP.D.のLive Versionで貼っておきます] https://youtu.be/13X9ZKvOCpw?si=c50JcyayalDxAIWG #RLW #eaRLyW-Two:NurDieTiereBliebenÜbrig #SwellRadio #Experimental #JamSession #LiveRecording #RalfWehowsky #JoachimStender #JoachimPense #EdwardWeber #AchimScepanski #GerdPoppe #RogerSchönauer #P.D.Era
Experimental / Noise Swell Radio 不明Dr K2
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RLW “EaRLy W One: in search of c.r.”
以前から推していたP16.D4の創設者であり、独逸の実験レーベルSelektionの創設者でもあるRLWことRalf WehowskyのソロユニットがRLWであります。それでどう言う経緯か知りませんが、Ralfが音の素材として録り貯めてした音源を一枚のアルバムにしたシリーズが、”eaRLy W”シリーズで、本作品はその第一弾になります。彼の経歴はP16.D4のところである程度書いていますので、そちらをご参照ください。P16.D4が解体された後に、Ralfは自らの名前のイニシャルからRLWとして、過去の様々な音源のリサイクルを行い,終わりの無い自己複製装置として作品をコンスタントに出しています。その音素材になり損ねた音源を集めたのが、このレコードになります。そこに目を付けたのが、米国レーベルSwell Radioです。内容はと言うと、ラジカセ一発録りの即興ギターの断片やチープなリズムマシンとギターのセッション、或いはそれをテープ操作したものなど、「これ、どうやって使うの?」とも思われる音源が曲として収録されています。実際にはボツ・テイクなのかもしれませんね。と言うか、これを使って聴者が曲を作ればと言うことなのかなあ?とも勘ぐってしまいます。しかしながら、その中の一部は、Selektion或いはその前身のWahrnehmungenのカセット作品に使われていたりしますので、「以前はこれでも曲になってたんよ」と言うことでしょうか?今でこそ、音響系ノイズの第一人者でもあるRalfの初期衝動を聴いてみてはどうですか?中々面白いですよー。因みに、ここで、Ralfが使っている楽器は、G, B, Vo, Tape, Drum Programming, TV, Radioとなります。 A1 “Datenerfassung” (3:22) A2 “Sind Wir The Human League, Der Plan, Die Albert Mangelsdorff Gruppe Oder Wer Sind Wir? Shut Up! (3:57), feat. Der Plan & P.D. A3 “Rütlischwur” (2:01) A4 “Familie Müller” (4:58) A5 “Kellermelodien (2:37) A6 “Angst (2:12) A7 “Encore Für Alle Pogofans” (0:42) B1 “Atemübungen” (2:01) B2 “B-m-phase” (2:42) B3 “Solo Für 2 Guitarren, 2 Hände Und 1 Fuß” (7:19) B4 “Für N.O.E.” (5:04) B5 “Encore II” (1:50) [本作品はYouTubeに無かったので、同時期の他の曲] https://youtu.be/6_aEpxOtxps?si=HsY56ZtHZxaDg1BV #RLW #eaRLyWOne:InSearchOfC.R. #SwellRadio #UnreleasedTrack #SoundRawMaterials #SoloWork #P16.D4 #P.D. #RalfWehowsky
Experimental Rock / Home-Recording Swell Radio 不明Dr K2
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Die Gehirne “Ihre großen Erfolge 1983-85”
Die Gehirne (「ディー・ゲヒルネ」と呼ぶのか?)は、タイトル通り東独で結成されたFlorian Merkel (Dr, Vo), Claus Löser (G, Sax), Frank Maibier, Stefanie Schmoll, Steffen "Gullymoy" Geißlerから成る不定形プロジェクトだそうですが、前2者が基本的にコアメンバーで、Florian Merkelは写真家/芸術家、Claus Löserが、独逸映画史研究家の顔があったようで、場合によって、参加者が変わるみたいです。 本作の内容は?と言うと、1983-1985年に録音された、パンク、即興、 LoFi、Jazz、サイケ等をゴチャ混ぜにして煮込んだような自由奔放な音楽です。このことから、コミューン的なバンドでは?と想像していましたが、どうも前述のコアメンバーに管理されたグループであったそみたいです。当時は西東に独逸は分断されていましたので、その初期衝動がパンクだけではなく、様々なスタイルに向いたところが興味深いと思います。なお、Wikiで調べても、彼等の情報は殆どありませんでしたので、詳しい方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。 曲順 A1 “Amok in Watte” (0:37) A2 “Am Hofe Zu Xanten” (1:25) A3 “Ich Schenk Dir...” (2:04) A4 “Motorkopf” (0:24) A5 “Traum Von Akadien” (1:20) A6 “Für Lou” (2:07) A7 “Mänadentanz” (5:15) A8 “Hirnsäge” (1:19) A9 “Entzug” (1:29) A10 “Montabur” (0:20) A11 “Das Eis Des Peipusses” (2:04) A12 “Nacht Ohne Morgen” (1:02) A13 “Aufgeflaggt” (0:48) B1 “Banale Fanale” (6:45) B2 “Zwei Schritte Vowärts, Einen Zurück” (1:04) B3 “Todesfugen-Fragment” (1:39) B4 “Vierundzwanzig Zentimeter” (1:32) B5 “Nekrophile Kinderspiele” (5:19) B6 “The Smile Of The Turkish Dancer” (0:35) B7 “Unter Grüner Flagge” (0:49) B8 “Die Maßnahmen” (1:31) B9 “Symptome” (1:59) A4 “Motorkopf” https://youtu.be/vOdDI1c01aw?si=jjWQDUxYa4VfPQVM [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n0n0-KpEsemFjot67sF-buTAwiMfof7A4&si=aPNgnWkgirSq_S2S #DieGehirne #IhregroßenErfolge1983-85 #ExperimentalRock #EastGetmany #Punk #LoFi #PlayLoudProductions #FlorianMerkel #ClausLöser #FrankMaibier #StefanieSchmoll #Steffen’Gullymoy’Geißler
Experimental / Punk / Jazz Play Loud Productions 2500円位?Dr K2