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Pussy Galore “Live In The Red”
やっと引っ張り出しました!Pussy Galoreのライブ・アルバム”Live In The Red”です。暫く聴いていなかったのですが、ちょっとロックなアルバムが聴きたくて、探しました。先ず、Pussy Galoreのバイオグラフィーについて書いておきます。Pussy Galoreは、米国Washington D.C.で、1985年に結成されたガレージ/パンク/ジャンク・ロック・バンドで、1990年に解散しています。彼等は “Rolling Stones meet Einstürzende Neubauten”と呼ばれる特異な立ち位置にいました。もう少し詳しく書きます。元々は、Ivy League college Brownの学生だったJohn Spencer (G, Vo)とJulia Cafritz (G, Vo)が、1984年にJohn Hammill (Drs)を誘って結成したのが、最初で、シングル” Feel Good About Your Body”を出しています。その後に、Neil Hagerty (G)が加入し、EP”Groovy Hate Fuck”を自身のレーベルShove Recordsから出しています。SpencerとCafritzが大学を卒業後、彼等はNYCに活動の場を移し、そこで、16歳のCristina Martinezをギタリストとして加入させますが、彼女は単に7㌅シングルの写真のモデルとしてだけで、演奏はしていません。そうして、Hammillはクビになり、元Sonic YouthのドラマーだったBob Bert (Drs)が加入します。その時に、Sonic Youthの誘いで、Rolling Stonesの”Exile On Main Street”を丸々カバーした限定カセット・アルバムを出しています。 Pussy Galoreは、1987年1月には、EP”Pussy Gold 5000”を自身のレーベルから出しますが、この時には、既にメタル・パーカッションを使っており、メンツはJohn Spencer (Vo, G, Metal-Perc), Neil Hagerty (G, Vo, Organ), Julie Cafritz (G, Vo), Cristina Martinez (G, Organ), Bob Bert (Drs, Metal-Perc)です。その直後に、Martínezは脱退しています。1987年9月に、彼等はデビュー・アルバム”Right Now!”をCaroline Recordsから出しますが、直後に、Hagertyが脱退し、代わってKurt Wolf (G)が加入します。しかしながら、Hagertyは、EP “Sugarshit Sharp”の時に戻ってきて、逆にWolfはLoudspeakerに加入する為に脱退しています。このEPは、1980年代中期の曲”Yu-Gung”から続く、Einstürzende Neubautenのインダストリアル/ダンス・バンド的側面をガレージ・ロックの文脈で解釈した名盤と評されています。彼等は、Neubautenの音をサンプリングしたり、引用したりしており、その為、F.M. Einheitが”Yu-Gung”のカバーをいたく気に入っています。そして、このEPでは、彼等は新しいロゴYu-Gung Man(Neubautenのロゴに、Rolling Stonesの舌のトレードマークを加えたPussy Galoreのロゴ)をジャケに使っています。そうして、1989年に、彼等はセカンド・アルバム”Dial 'M' for Motherfucker”をリリースします。初めはアルバム・タイトルは”Make Them All Eat Shit Slowly”にしようとしたのですが、レーベル側から拒否されてしまいます。この作品はより明確な実験性みたいなものがありました。このアルバムを作製したことで、Cafritzは、よりバンドにのめり込むことになったようです。1989年には、彼等は、Black Flagの曲”Damaged I”のカバーを含むスプリット・シングルを出しており、また、これとは別に、Black Snakesとのスプリット・シングルを日本のSupernatural Recordsから出しています。その後、Cafritzは脱退しており、Spencer, Hagerty, Bertのトリオになって、最後のスタジオ・アルバム”Historia de la Musica Rock”を1990年に出して、バンドは解散しています。 それで、本作品ですが、これは、1989年8月5日に行ったCBGBでのライブ音源で、この時のメンバーは、Jon Spencer (G, Vo), Neil Hagerty (G, Vo), Kurt Wolf (G), Bob Bert (Drs)です。A1以外は全曲、Spencerが曲を書いており、A1はThe Twighlitersの曲のカバーです。それから、BurtのDrsセットのスネアはメタパーで、シンバル類は殆ど使っていません。また、編成を見て分かる通り、トリプル・ギターで、ベースレスです(Copass Grinderzみたいですね)。今回は各曲の紹介はしませんが、とにかく、ぶっ壊れていて、カッコ良いロックを聴きたければ、是非とも自分の手に取って、聴いてみて下さい‼️音質は決して良くはありませんが、かなり熱量の高い音楽なので、ご注意を❗️またこの手のロックは一時期、Junk (Rock)とも呼ばれてみたいですが、どうも日本だけみたいです。語感はピッタリなんですけどね。 A1 “Nothing Can Bring Me Down” (1:39) A2 “Adolescent Wet Dream” (1:23) A3 ”Sweet Little Hi-Fi” (2:36) A4 “Understand Me” (2:25) A5 “Pig Sweat” (1:58) A6 “1 Hour Later” (2:37) A7 “Dead Meat” (2:05) A8 “SM57” (2:39) A9 ”DWDA “(0:31) A10 “Wretch” (1:53) A11 “Kicked Out” (1:17) B1 “Evil Eye” (3:21) B2 “New Breed” (1:49) B3 “Undertaker” (2:22) B4 “Dick Johnson” (2:09) B5 “Hang On” (6:46) B6 “Kill Yourself” (3:06) B7 “Alright” (2:31) A5 “Pig Sweat” [live in London] https://youtu.be/0CBUmkopM8c?si=jOQ45O_ce2g_AIbn [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mqxWTfMQe8MMqU75DY76ce0tVzAkSzXwQ&si=Ihkcbz-ghgLrFMIW #PussyGalore #LiveInTheRed #InTheRedRecordings #LiveAlbum #CBGB #Yu-GungMan #JonSpencer #NeilHagerty #KurtWolf #BobBert #RollingStones #EinstürzendeNeubauten #MetalPercussions #GarageRock #Lo-Fi
Gaage / Punk In The Red Recordings 不明Dr K2
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Dauerfisch “Entspannung Is Beautiful E.P.”
当時、何も知らずに買ったような覚えのあるDauerfischの10㌅EP“Entspannung Is Beautiful E.P.”を、今回はご紹介します。聴くのももう約20年振りなので、よく覚えていませんでした。メンバーは、Achim Treu (アヒム・トゥロイ)とAndre Abshagen (アンドレ・アブスハーゲン)のデュオで、B1以外は全て、この2人で作詞・作曲を行っています。B1の作詞はSimone Spörl (ジモーネ・スペル)が行っており、裏ジャケには「ジモーネ」とカタカナで表記されています。Dauerfisch (独逸語で「持続する魚」の意?)は、1985年に最初のカセット作品”Spielt Für Dich!”を出しており、その辺りから活動をしているようですが、1999年に出した作品が、どうも出ていないようなので、解散したのかな?と思います。ただ、その間は、割とコンスタントに作品(とは言ってもカセットが多いですが)を出しています。本作品のリリースは、あのBungalow(と言えば、Stero Total❗️)が行っており、まあそれで何となく音楽も予想が付きますね。あと、メンバーのAchim TreuはDer Planに在籍していたこともあるようです。とあるレコード屋の広告には、「ピコピコ脱力ハッピーサウンド!カラフルなサンプリングをコラージュ感覚に散りばめたラウンジ・ブレイク・ビーツ~パンキッシュ・エレクトロ・ビーツまで」と書かれていました。まあ、強ち間違いではないでしょう! と言う訳で、各曲を紹介していきましょう。 A1 “Wholelotta Weasel”は、何だか訳分からず、アングリ口を開けてしまう程、馬鹿ハッピーなブレイク・ビーツな曲で、サンプリング音が上手く嵌め込まれています。 A2 “Ride My Bike (Campagnolo Mix)”は、打ち込みの演奏自体をサンプリングして曲と土台とし、そこにベビーなベースを差し込んで、キッチュな女性Voを塗した曲です。歌詞も能天気! B1 “Etchi Na Fruutsu Sarada”は、結構シャレ乙なフレンチ・ロックっぽい曲に、エロいSimoneの日本語のウィスパーVoが乗ると言うヘンテコなラブソングです(これなんかはStereo Totalっぽい!)。 B2 “Entspannung Is Beautiful”では、独逸語のナレーショで始まり、何だか良く分からないリズムが出てきて、コラージュのように曲が切り貼りされています。B3 “S'il Vous Please (Melitta Mix)”は、シャンソンっぽいラウンジ・ミュージックですが、何処かのネジが外れています。 リリース年月日が1998年なので、やはりその時代の享楽的な雰囲気とピコる心とシャレ乙さが混じった音楽になっていますね。ただ、今現在で、余り積極的に聴くことも無くなっているようにも思え、時代の徒花だなあと思ってしまいます。基本的に、クラブ・ミュージックなので、特に1990年代のそこら辺が好きなリスナーさんは聴いてみて下さい❗️ A1 “Wholelotta Weasel” A2 “Ride My Bike (Campagnolo Mix)” B1 “Etchi Na Fruutsu Sarada” B2 “Entspannung Is Beautiful” B3 “S'il Vous Please (Melitta Mix)” [full EP:注意!A面とB面が逆に収録されている] https://youtu.be/ZIzvdW5QHMk?si=lkAnJsn1hYcqJYAX #Dauerfisch #EntspannungIsBeautifulE.P. #Bungalow #GermanDuo #BreakBeats #Electro #LoungeMusic #1990年代 #AchimTreu #AndreAbshagen #SimoneSpörl
Breakbeats / Electro / Lounge Music Bungalow 不明Dr K2
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Wild Man Fisher & Smegma “Sing Popular Songs”
おっと、これはとんでもないブツですね。Smegmaについては今までも紹介してきていますので、補足する程度にしますが、Wild Man Fisherこと本名Lawrence Wayne Fischerについて少し詳しく紹介したいと思います。Fisher(Fischerとの表記もある)は、1944年11月生まれのアカペラをやる米国のストリート・パフォーマーで、ホームレスでしたが、西ハリウッドやサンセット・ストリップでよくやっていたそうです。後に「アウトサイダー・アートのゴッドファーザー」とも呼ばれるようにもなりました。彼は、10代の頃に統合失調症と双極性障害と診断されており、家族にも暴力を振るったりした為、精神病院にかかったり、入院したりしていました。退院後、R&BシンガーのSolomon Burkeが、彼にWild Manとニックネームを付けて、ツアーに連れて行ったりしています。それで、1967年から、Fisher は服薬を続けながら、ハリウッドでストリート・パフォーマーをして、小銭を稼いでいました。それを、偶々Frank Zappaが見つけ出し、1968年に、Zappaのプロデュースで、2枚組アルバム”An Evening with Wild Man Fisher”をレーベルBizarre Recordsからリリースしています。しかしながら、彼は、Zappaの娘Moonを突然ガラス瓶で殴ったことから、Zappaとは絶縁しています。その後、1974年に、Fisherは、Smegmaのゲスト・ヴォーカリストとして、本作品でもあるアルバム”Sing Popular Songs”に招かれて、参加しています。1975年には、Fisherの新曲を収録したシングル”Go To Rhino Records"をリリースしています。この2年後、Fisherは初ソロアルバム”Wildmania”をリリースし、1980年代になると、Barnes & Barnesコメディアンのコンビと一緒に2枚のアルバム”Pronounced Normal” (1981)と”Nothing Scary” (1984)をリリースしています。また、1986年には、Barnes & Barnesが書いた曲”It’s A Hard Business”を歌手/女優のRosemary Clooneyとデュエットしています。しかしながら、Fisherはその時点でもまだホームレスだったり、モーテル暮らしだったりしています。1998年には、Captain BeefheartのバンドのドラマーRobert Williamsと共に、アルバム”Date with the Devils Daughter”を作製、また、1999年には、Rhino Recordsから、100曲入りで20頁のブックレット付き2枚組CD “The Fischer King”を出しており、後者は数週間でソールドアウトしています。2000年代初頭になると、Fisherは、自身のドキュメンタリー”Derailroaded: Inside the Mind of Wild Man Fischer”の撮影を開始し、2005年3月にSouth by Southwestで初上映しています。DevoのMark Mothersbaughは、「Fischerこそが純粋なロックンロール・アイコンだ!」と表明しています。また、2004年には、Dennis EichhornのアメコミThe Legend of Wild Man Fischerの題材にもなっています。2003年に、Fisherは6ヶ月間に及ぶ強迫神経症で、誰か親しい人に殺されるとの妄想に取り憑かれ、一度はストリートに戻ってきたものの、結局、Van Nuys開放型精神病棟を受診し、最後は、2011年6月16日に、Fisherは、66歳と言う若さで、心不全の為、Ronald Reagan UCLA Medical Centerにて亡くなっています。 ちょっと前置きが長くなってしまいましたが、Wild Man Fisherの生涯は上述の通りです。それで本作品”Sing Popular Songs”ですが、脱力系のSmegmaの演奏をバックに、嗄れたダミ声で歌いまくるFisherが、もうグダグダで最高です。参加メンバーは、Fisher以外に、The Ace Of Space, Amazon Bambi, Bev, Cheez-It-Ritz, Chucko Fats, Danton Dodge, Dennis Duck, Dr. Id, Dr. Odd, Electric Bill, Jason, Ju Suk Reet Meate, Dana, Reed Burns, The Reverend Toadeaterと言うLAFMS周辺総動員と言う感じで、豪華です。大部分の録音は1974年-1975年にSmegmaの本拠地Pasadenaで行われていますが、B3 “Breakfast With Bananas”はTemple CityのPumkin Worksでライブ録音で、B4 “Auto Suk #2”はSan Diegoで1973年にリリースされた”Smegma Xmas Video”からの抜粋で、B6 “Fill The Boot”とB7 “The Party's Over”はCoronadoのJerry Lewis Fight M.S. Local Telethon 74でのライブ録音です。収録曲はA面5曲/B面7曲ですが、A面などは、A2のメドレーを除くと、1分未満の曲が殆どで、ここら辺にもSmegmaらしさを感じますね。確かに、B面に収録されている曲は、聴いたことのある曲もありますが、多分、米国のローカルな歌なんか なんだろうなと想像しますし、またB4 “Auto Suk #2”なんかはムーディーに歌っている曲もあります。しかしながら、お互いが共にグダグダなので、とても「親しみ易い」歌に聴こえませんね。しかし、まあ、FisherとSmegmaとは相性バッチシなので、ほぼほぼ予想通りだとは思いますが、この味わいは他では出せないだろうなあと感心してしまいます。そんな2者の相乗効果を堪能してみては如何ですか❓緩くなりますよー❗️ A1 “Stigmatize Your Mind” A2 “Midnight Train/Rock-n-Roll Star/Say It” A3 “Jimmy Durante” A4 “Dandylion Flower” A5 “Please Like Us” B1 “Potato War” B2 “Stino” B3 “Breakfast With Bananas” B4 “Auto Suk #2” B5 “When The Saints Go Marching In” B6 “Fill The Boot” B7 “The Party's Over” https://youtu.be/53ZJOqScdcA?si=igGMX09a-7GTpbpP #WildManFischer #Smegma #SingPopularSongs #BirdmanRecords #StreetPerformer #Avant-Garde #アカペラ #SlowLifeAvant-Garde #Schizophrenia #LAFMS #RhinoRecords #FrankZappa #LawrenceWayneFischer
Vocalization / Experimental / Avant-Garde Birdman Records 不明Dr K2
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Laub “Phoneheadslastig (Remix)”
これまた「謎物件」です。多分、西新宿のネ○ズで買ったんだと思うのですが、内容は殆ど覚えていません。なので、調べてみました。Laubと言うのは、独Berlin在住のAntye Greie-FuchsとJürgen "Jotka" Kühnの男女デュオで、10作程、作品をリリースして、1999年を最後に作品を出していないですので、恐らく解散かと思います。その後を追ってみると、Greie-Fuchsは、東独生まれのヴォーカリストで、曲を書き、プロデュースし、パフォーマーで、詩人でもあり、書家でもある多彩な女性で、現在はフィンランドのHailuotoに住んでいるらしいです。一方、Jotkaはその後もコンスタントにCDなどを出していますが、それも2001年が最後になっています。それ位しか分かりませんでした(すまん!)。 A面“Phoneheadslastig (Remix)”は45回転で、Laubの曲をPhoneheads (Philip MaiburgとMichael Schaafのデュオ)によるリミックスで、B面は33 1/3回転で2曲入りで、B1 “Folgenschwere”はLaub作で彼等自身がCalyx Berlinでリミックスしています。B2 “Laubfrosch (Remix)”はPaul’s Pop StoreでのConsoleことMartin Gretschmannによるリミックスとなっています。A1 “Phoneheadslastig (Remix)”は、ブレイク・コア風のリズムに、風のようなGreie-Fuchsのウィスパー・ヴォイスを上手くサンプリングしており、動と静が上手くハマっています。B1 “Folgenschwere”は怪しい雰囲気の重目のエレクトロ・ポップとも言える曲で、四つ打ちでないリズムに、重目のベースラインと茫漠としたメロディが組み合わさって、それ程、クラブ・ミュージックしていないので、個人的には好きな感じの曲です。B2 “Laubfrosch (Remix)”は意外にも、かなり陽キャでポップで、可愛らしい音楽に仕上がっています。この作品はリミックス盤ですが、想像していたよりも、ポップな出来で、ちょっとビックリしました。特にB面の2曲は良いですね。まあ、フォーマットはクラブ仕様にはなっていますが、ブレイク・コアとかを通過した後に来たBerlinのクラブ・ミュージックのように思います。その根底には、Ata Takなんかの諧謔的ポップ・ミュージックがあるように感じました。実際、PhoneheadsはAta Tak所属のデュオのようです。1990年代末のBerlinの様子を垣間見たようですね。ここら辺に興味のある方は聴いてみては如何でしょうか❓ A “Phoneheadslastig (Remix)” https://youtu.be/6HZDXG1zbXk B1 “Folgenschwere” https://youtu.be/ZN_Mk7kf0O8 B2 “Laubfrosch (Remix)” https://youtu.be/7f0xdL0seRg #Laub #Phoneheadslastig(Remix) #Kitty-Yo #German #Remix #ElectroPop #BreakCore #Phoneheads #Console #AntyeGreie-Fuchs #Jürgen"Jotka"Kühn #BerlinClubMusic #Folgenschwere #Laubfrosch(Remix)
Electronic Pop / Remix Kitty-Yo 不明Dr K2
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Diamanda Galás “Malediction And Prayer”
久々に出ました。最凶の歌姫Diamanda Galásの13枚目のアルバム“Malediction And Prayer”を紹介します。Galásについては既にバイオグラフィーは書いてありますので、ここでは割愛させて頂きます。それで、本作品ですが、何と❗️Galásのピアノの弾き語りなんです。しかも、彼女が1996年11月〜1997年6月まで行っていた国際ツアーのライブ録音からチョイスされていると言う、ちょっと珍しい作品なんです。なので、彼女の「生」の音楽を充分に堪能できます。渋い歌声から高周波の高音の叫び声やスポークンワード或いは呟き声/囁き声までを織り交ぜた、彼女のヴォーカリゼーションは凄いの一言です。元々は英国のMuteが権利を持っていたのですが、限定と言うことで、敢えてLP2枚組として、Asphodelからリリースされています。それで、話しを元に戻すと、彼女の歌だけではなく、ピアノ演奏の腕前も達者で、所々にブルースの臭いと言うかホンキートンクっぽいフレージングや彼女が影響を受けたであろう米国カントリー調の味付けも感じますが、彼女の生い立ちがギリシャ系米国人であることからも、ある種無国籍風にも聴こえます。強いて言うならば、シャンソンが近いかも知れません。しかしながら、削ぎ落としたライブ音源故に、声が生々しくて、こちらがピリピリしますね。それで今回、初めて気が付いたのですが、D1は”Keigome Keigome”なんですね。曲は全く違いますが、日本の「カゴメ・カゴメ」のことでしようか? そんなことを思いながら、このヘビーなピアノの弾き語り「呪いと祈り」を久しぶりに聴きました。彼女のこう言う面もちゃんと体験しておかないとね❗️ LP1 A1 “Iron Lady” (4:43) A2 “The Thrill Is Gone” (5:36) A3 “My World Is Empty Without You” (4:26) B1 “Abel Et Caïn” (5:32) B2 “Death Letter” (4:40) B3 “Supplica A Mia Madre” (4:13) LP2 C1 “Insane Asylum” (7:11) C2 “Si La Muerte” (5:21) C3 “25 Minutes To Go” (4:35) D1 “Keigome Keigome” (4:32) D2 “I'm Gonna Live The Life” (4:25) D3 “Gloomy Sunday” (3:52) https://youtu.be/Ss71WiyM0YM?si=KnTqF0_UQ1XVEFa #DiamandaGalás #MaledictionAndPrayer #Asphodel #MuteRecords #13ThAlbum #2LPs #Piano #Vocal #LiveRecording #弾き語り
Piano & Songs Asphodel (Mute Records) 不明Dr K2
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SuKoRa “OEO”
1990年代中盤であろうか、CDが音楽媒体として世界的に普及していた時代に、所謂「無音系」と呼ばれる流れが生まれてきました。まあ、全くの無音では無いのですが、本当に微音のノイズ(グリッチ音や可聴範囲外の音など)が微かに聞こえると言うCD作品がバンバン出てきました。特に、Bernhard Günterが立ち上げた独逸のレーベルTrente Oiseauxが一時期、世界を席巻しています。何故かと言うと、そのの理由として、CDは完全デジタルな媒体なので、完璧な無音を作ることが理論上可能である点がその背景にあると言うこと、それともう一つは当時のノイズ・シーンにおいては、所謂「ジャパノイズ」と呼ばれる大音量のノイズ・ミュージックが台頭していたことに対する反発もあったかと思います。そんな状況の中で、日本にも「無音系」或いは「微音系」と呼ばれるアーティストがいました。それが、キタジマ・タカヨシ氏のソロユニットSuKoRaなんです。当時、ライブなんかにもよく誘っていたりしていましたので、彼のライブも何回も観ていますが、観客の見守る静寂の中、コンタクトマイクとセロハンで「カサッ」とか「チリッ」と言う極小のノイズを時に発すると言うストイックなスタイルに魅せられていましたね。彼は、カセット作品も自主リリースをしていましたが、そんな彼のファースト・アルバム”OEO”が、米国レーベルIgnivomousから出たとの噂を聞いて、早速、購入しました。しかも、LP(ヴァイナル)と言うフォーマットです❗️これにはちょっと驚きました。簡素なDIY的装丁で、謎めいた曲が4曲収められていますが、曲の切れ目は不明瞭です。この場合、確かに微音ではありますが、レコード針とレコード盤の間に生じるヒス音がどうしてもバックに入り込んでしまいます。そうすると、この作品はレコード針と盤との摩擦音を聴いているのか?それとも録音された人為的微音を聴くべきなのか?がよく分からなくなってきます。キタジマ君に、その感想を伝えたら、「いや〜なんか煮詰まっちゃって!」と恥ずかしそうに答えてくれました。個人的には、その言葉の意味が当時はよく分からなかったのですが、今回、聴き直してみて、何となくその意味が分かったように思えます。その後、私が東京を去ったので、疎遠になってしまいましたが、2011年まではリリースが続いていたみたいです。彼の「微音系ノイズ」は、それが完全な無音環境では無い(デジタルな空間ではない)と言う意味で、当時の他国の「無音系」ノイズとは一線を画すようにも思えます。もし、もう一度会うことができたならば、その真意を聞いてみたいですね。因みに国内では、同年に佐々木敦氏のレーベルMemeからもCD作品”Tower”をリリースしています(私は未聴)ので、そこら辺との相違についても聴いてみたいです。なので、もし、SuKoRaの作品を聴くことがあれば、そんな聴取環境のことも頭の片隅に置いて聴いてみて下さい❗️ A面 “YOY”~”OOE” https://youtu.be/Uj59qgiYFlc #SuKoRa #OEO #Ignivomous #TakayoshiKitajima #FirstAlbum #Experimental #無音系ノイズ #微音系ノイズ #Noise #SoloUnit #ConceptualMusic #SoundArt
Experimental Ignivomous 不明Dr K2
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P•A•L “M@trix”
1990年後半-2000年頃に、一世を風靡した(或いは今でも?)テクノイズ。久々に聴いてみた。聴いたのは、Christian PallentinのソロユニットP•A•L。Discogsでは2018年にこのユニットは終了(或いは他界?)とのこと。そのジャンル名から、TechnoとNoiseを融合させた音楽なのだが、Gabbaとかとどう違うのかは、私には良くわかりません。ノイズ側からすると、その起源はスペインの伝説的ノイズユニットEsplendor Geometricoにその起源を言及することが可能です。そのE.G.自体もリズムマシンと最小限の電子音やVoiceで、今でも活躍していますが、彼等がテクノの文脈で語られることは稀です。一方で、近年のテクノ・シーンではテクノイズへのアプローチをするアーティストも多いようです。まあ、T.G.やSPK、Cabsなどのインダストリアル・バンドも元々、リズミックなノイズ・ミュージックもやっていた訳なので、先述のE.G.ほ勿論のこと、ノイズ側にはそのようなアプローチは既に内包されてきているのだなとも考えられます。そんなことを考えながら、聴いていました。それとも、一つ、欧州2大テクノイズ・レーベルAnt-Zen(このレーベルの傘下にHymen Recordsがある)とHandsの復興とその後の沈静化は、テクノイズの乱痴気騒ぎの鎮静化に繋がっているようです。Hymen Recordsでは、”Technoid Noise for Collapsing People”とのコンセプトで、それはインダストリアル・ミュージックよりIDM (Intelligent dance music)寄りの音楽形態のことを指すようです。なので、単にダンス・ミュージックの範疇を越えて、聴取だけで成り立つ音楽と言うみたいです。 以上がテクノイズの定義とその変遷などですが、P•A•Lの本作品について紹介していきます。今回、改めてP•A•Lについて調べてましたが、どの国のアーティストだとかについての情報は、検索にしてもヒットしませんでした(知ってる方は教えてください)。ある雑誌のインタビューでは、彼は、最初はハードロックが好きで、それらを聴いていましたが、その途中でTangerine DreamやKlaus Schluze と言ったBerlin Schoolと言われる電子音楽(勿論Kraftwerkも)に興味を持ち始めます。1980年代にはフリージャズも好きだったらしいですが、その後に、初期インダストリアルi・ミュージックの中でもT.G.やCabs, SPKに影響を受けたとのことです。そんな中で、彼は、1993年に自分の機材をレベルアップし、自分の曲を録音して、カセット作品”Concrete Rags”を自主制作でリリース。その後の1994年に、当時、独逸の新興レーベルであったAnt-Zenより、カセット作品”Plugged / Live”をリリースしています。1995年に、Ant-ZenよりCD作品”Signum”をリリース。その際、自分の苗字(C. Pallentin)から最初の3文字を取ってP•A•L名義にしています。その後、彼は2011年まで、P•A•Lとして活動しています。A1-3までは彼自身のミックスによる曲で、A4-5, B1-3は、Gabba系〜テクノイズ系の他のアーティスト(Beefcake, Kybernaut, Imminent Starvation, Synapscape, Ultra Instinct)によるリミックスを収録しています。まあ、一言で言ってしまえば、ドラムマシンやサンブラーを多用したリズミックでテクノイドな音楽ってことなんでしょうが、四つ打ちだけではない色んなリズムのヴァリエーションを楽しむことが出来ます。機械のようなマシンビートがカッコいいですね。なので、リズムの無いノイズとかインダストリアルは苦手だと言う方やもう少し刺激のあるテクノがないかなと言う方にもお勧めします。 “Megadrive” https://youtu.be/_-rS9dHnXr0 “Metrium (Remix by mminent Starvation)” https://youtu.be/7RICBbzjWM8 #P•A•L #M@trix #HymenRecords #Technoise #Remix #Industrial #RhythmicNoise #IntelligentDanceMusic #Ant-Zen #ChristianPallentin
Technoise Hymen Records 不明。Dr K2
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Einleitungszeit “L'Accouchement Des Machines Humaines"
出ました!チェコが世界に誇るパワー・エレクトロニクスの第一人者Einleitungszeit(「アインライトゥンクスツァイト」と発音?)の第7作目の作品です。このグループについては殆ど情報が無く、メンバーは 始めは、Richard Norg, Robert Hnát, Martin Jarolím, Patrik Palkovičとありましたが、やがて前2者(Richard とRobert) だけになったみたいです。活動も1994年頃から2008年までみたいです。不確実なデータしかなくてすいません。 それで内容ですが、Broken Flag直系のパワーエレクトロニクスと言うかインダストリアルな音で、片面1曲ずつ長尺の曲が収められています。不明瞭な茫漠とした煙のような電子音楽とメタパーによる重いリズムから成る曲で、所々に邪教の声明のようなヴォイスが聴かれますが、メインではないです。寧ろ、電子音とメタパー中心ですね。長い曲だからどうかなぁ?って思っていたのですが、意外にすんなり聴くことができて、良質なパワ・エレ系インダストリアルと思います(やっぱり、ヴォーカルが前面に出ていないとパワ・エレとは言い難いかな?)。兎に角、メタパーの使い方が秀逸で、そこら辺のアレンジに才能を感じますし、曲の構成力も素晴らしいです。解散(?或いは活動休止)してしまったのは惜しいグループですね。アルバムも10作程出ているので、良かったら、聴いてみて下さい。オールド・スクールのインダストリアルを体験してみて下さい。 “Entrecuisse utilise” https://youtu.be/N9h9GWq7IUA #Einleitungszeit #L'AccouchementDesMachinesHumaines #FreakAnimalRecords #EntrecuisseUtilisé #LeCorpsDisparait! #Industrial #PowerElectronics #MetalPercussions #RichardNorg #RobertHnát
Industrial / Power Electronics Freak Animal Records 不明。Dr K2
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The Pop Group “We Are All Prostitute”
取り敢えず、これで、このバンドには一息付けるかな?The Pop Groupのセルフ・コンピ”We Are All Prostitute”です。タイトル曲はシングルで先に聴いており、兎に角、Dennis Bovellの音の録り方が凄くて、また、The Pop Groupの方も、凄まじいテンションで演奏していたので、もうタイトルだけ(「我々皆んな売春婦/夫」のタイトルもストレートであった)で買ってしまいましたw セカンド・アルバムや先述のシングル曲とかからの引用も殆どそうなんですが、B面にライブ・ヴァージョンや続きの曲もあり、それだけでもレアかな?とその時は納得してたように思います。この時のメンツは、Bruce Smith (Dr), Dan Catsis (B), Gareth Sager (G,Sax), Mark Stewart (Vo), John Waddington (G)と言う布陣でしたので、最高/最強だったと思います。シングル曲には即興音楽家Tristan Honsinger (Cello)がゲスト参加しています。またAmnesty Reportの朗読テープも使われてます。まあこのアルバム買うんなら、寧ろセカンドアルバムと先述のシングルを買った方がいいかも知れませんね。と言う訳で、漸く、The Pop Groupの解散前の状況とその後のメンバーの立ち位置みたいなものを俯瞰出来たと思います(あっ、ファーストアルバムが残っているかな⁉︎)。興味のある方は是非、このアルバムのタイトル曲だけでも聴いてみて下さい。因みに、本アルバムには特大B/Wのポスターが付いています。 A1 “We Are All Prostitutes” (3:13) A2 “Blind Faith” (4:04) A3 “Justice” (3:09) A4 “Amnesty Report” (3:14) A5 “Feed The Hungry” (4:16) B1 “Where There's A Will” (5:18) B2 “Forces Of Oppression” (2:17) B3 “Spanish Inquisition” (3:21) B4 “No Spectators” (4:19) B5 “(Amnesty Report II)” (2:42) A1 “We Are All Prostitutes” (3:13) https://youtu.be/QDv2rz5jPLs?si=NbZmNM3cEfilXn5I B5 “(Amnesty Report II)” (2:42) https://youtu.be/eM6x-i6stf8?si=vSSsbSbHZ6UMiXSY #ThePopGroup #WeAreAllProstitute #RadarRecords #Avant-Funk #DennisBovell #Dub #Funk #FreeJazz #SelfCompilation #BruceSmith #DanCatsis #GarethSager #MarkStewart #JohnWaddington
Avant- Rock / Dub / Funk Radar Records 不明Dr K2
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Thirdorgan “Jinzojingen (人造人間)”
これはある意味、レアですよ。1990年代に活動していた、大阪のジャパノイズ・ユニットThirdorganのアルバムです。Thirdorganは、大阪在住の清水アキヒロさんが、1990年代初頭からやっているソロ・ノイズ・プロジェクトであり、今でも活動しているようです。当初は多量のエフェクターを使ったテーブル・トップ・スタイルで、所謂「ジャパノイズ」の典型的スタイルでもって大音量のハーシュ・ノイズを奏でていましたが、割と早い時期にラップトップ・スタイルに移行しています。詳しいバイオグラフィーが無いので、これ以上は書けませんが、今も録音物はリリースされているので、そちらの方で確認してください。 それで本作品ですが、全編、砂嵐のような轟々たる大音量の電子ノイズの一斉放射からなります。しかしながら、これが単調にならならず、色んな音像を見せながら、生き物のようにのたうち回る様は快感的でもあります。”Do you Love Hakaider?”や”Do You Believe In Loch Ness Monster?”或いは”Do You Know Glynis Barber?”と言う曲名やジャケがしますように、TVの特撮モノの影響を受けているようです。ここら辺は「時代」ですね。久しぶりに聴いたのですが、良くも悪くも、ジャパノイズを象徴する音だなぁと感服しました。多分今は、ラップトップなので、また違った音(=ノイズ)をやっているのでしよう。なので、1990年代のジャパノイズを知りたければ、このアルバムを聴くことをお勧めします。絶品です!因みにレーベルのHarbinger Soundは親日家のSteve Underwoodが運営しており、来日もしています。 Youtubeになかったので、別の曲で。 https://youtu.be/d4dQw3T03OA #Thirdorgan #Jinzouningen #人造人間 #Hakaider #Harbinger #HarshNoise #Japanoise #AkihiroShimizu #TableTop
Noise Harbinger Sound 不明Dr K2
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Netzach “Altitude Of Thurs”
これも、何で購入したか?謎の一枚。Netzachは、ベルリンの在住Eike Böllingのソロ・ノイズ・プロジェクトらしいのですが、詳細は全く分かりません。1993年位から音源をリリースしていますが、6作位出したところで、1998年にはオフィシャルなリリースは無くなり、活動も停止しているようです。Stabat MorsやMaria Zerfallとの共作もあるようですが、調べても全くわかりませんでした(すまん!)。まあ、リリース元が、独逸のノイズ・シーンを盛り上げた、あのMembrum Debile Propagandaなので、購入したのかも?レーベル買いってヤツですね。 それで、本作品ですが、A面は独逸のPower and Steel(独逸パワ・エレの牙城Loki Foundationのサブレーベル)から1993年にリリースされたEx.Orderとのスプリット作品”Collapse”からの収録で、B面はその時のセッションからなんですが、未発表のものを3曲収録しています。内容はレコードには危険な、歪んだループ音が延々と続くと言うストイックな内容で、針飛びしているのか?と思う程の徹底振りです。いっその事、NONみたいにlocked grooveにしても同じではないか?と思うってしまう程です。しかしながら、音は分厚いです。多分、既成のハードロックなんかの一部をループにしているのだと思うのですが、これが延々と続くと、元の音はどうでも良くなってしまいますね。そんな謎だらけのNetzachも耳の片隅に置いてみてください。 A1 “Altitude Of Thurs I” A2 “Altitude Of Thurs II” A3 “Altitude Of Thurs III” B1 “Altitude Of Thurs IV” B2 “Altitude Of Thurs V” B3 “Altitude Of Thurs VI” [Ex.Orderとのスプリット”Collapse”より。A1-A5はEx. Orderで、B1-B3 (25:48から)はNetzachです] https://youtu.be/_3gYj4H3zIg?si=GZo6btc3dxBT67GH #Netzach #AltitudeOfThurs #MantumDebilePropagada #Collapse #Loop #Noise #Experimental #EikeBölling
Noise / Experimental Membrum Debile Propaganda 不明Dr K2
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The New Blockaders with Vortex Campaign “The New Vortex Blockaders Campaign”
これまた、強力な物件をご紹介します。はっきり言ってコレクターズアイテムです。それは、TNBことThe New BlockadersとVortex Campaignのコラボ作てす。ここら辺のアーティストは情報が少なく、本当のことや逸話は分からないです。それで、この2者のコラボ作品のオリジナルが1984年のカセット作品としてリリースされていたのですが、1998年にアン・オフィシャルのLP(つまりブートレッグ)が世に出回ったことを受けて、TNB側がそれらを回収し、割れたレコードを接着剤で貼り付けた一点モノのハンドメイド包装にしたのが、この作品になります。Vortex Campaignについても謎だらけで、ベルギーのJan VerstraeteとPaul Verstraeteのデュオとしか分かっていません。もう少し調べれば,もう少しはわかるかも知れませんが、今はこの位しか分からないです。それで内容ですが、コラボ曲”Kamtar & Rio”と”Mandrakemanfits”から成るコラボサイドとそれぞれのソロ曲から成る片面で構成されています。後者はVortex Campaignの”Godhead”とTNBの”TNB”のそれぞれ1局づつから成ります。コラボ曲は、金属質なTNBの音源と思われる音素材をガサガサで不明瞭なテープ・ループにして、絶妙に擦れていく強迫的テイクを聴収することができます。また、もう片面では、Vortex Campaignは、やはり執拗でモコモコした不明瞭なテープループが重積していく作品(これ、恐らく、通常のカセットテープかオープンリールテープを改造して中にループを仕込んだのを再生しているんじゃないかなあ?)を、TNB側は如何にも正統なメタル・ジャンクの演奏から成る珠玉のテイクを提供しています。元の作品がc-60だったので、LPにしては収録時間がちょっと長く感じますね。でも、これらの音塊より学ぶべきことは大いにあると思いますので、激レアですが、是非ゲットして聴いて下さい❗️ A1 The New Blockaders & Vortex Campaign “Kamtar & Rio” (15:32) A2 The New Blockaders &Vortex Campaign “Mandrakemanfits” (15:48) B1 Vortex Campaign “Godhead” (14:34) B2 The New Blockaders “TNB” (13:23) https://youtu.be/lWPYALbpr5M?si=msYRw5xPBbMyr_Pu #TheNewBlockaders #VortexCampaign #ByWayOf #LimitedEditions #300部 #TNB #Collaboration #Split #MetalJunks #TapeManipulation #Anti #HandMadeJacket #SpecialLimitedEditions #100部
Noise / Experimental / Metal Junks ByWayOf 不明Dr K2
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Andrew Chalk/Ralf Wehowsky/Eric Lanzillotta “Yang-Tul”
これはUSミニツアーで西海岸に行った時(1999年?)に見つけたブツですが、その頃って、今以上に音響系ノイズが流行っていて、轟音系はやや過小評価されていたように思います。まあこの3者だったら、大体の音は想像出来るのですが、やはり聴いてみないとと思い購入しました。Andrew Chalkは1980年代中盤にはFerial Confineとしても活動をしていたことは以前書きましたが、彼は、その後、1986年頃から純粋に音響系ドローンにシフトしていきます。一方、Ralf Wehowskyは以前に紹介した密室実験系バンドP16.D4のリーダー兼創設者で、グループ解散後、1992年以降はRLW名義でソロ活動をしている頭脳派コラージュ/音響系ノイズ・アーティストです。Eric元々はこのレコードをリリースしているアメリカのレーベルAnomalous Recordsの運営者でもありますが,1980年代には,時々ソロでもライブ活動をしていたようです.それで、この3者によるコラボ作品が,この”Yang-Tylerですが、A面は、音素材をRalfが行い、Andrewがそれを加工・変調して,淡い音色の透き通ったようなドローン・ノイズに仕上げています。一方、B面はAndrewとEricとが音素材を送り、Ralfが仕上げていますが、単にドローンではなく、微弱音の採取や打撃音なども後半から絡んできて、アブストラクトな音響ノイズに熟成させています。個人的にはB面の,少しだけRLW或いはP16.D4を思い出させる音の配置が好みですが,まあ人それぞれでも良いかと。実は私もRalfともコラボ・スプリット7㌅を出していますが、それよりも、ここでのトラックは深化しています。時にはこんな「上品な蒸留酒」とような音楽もいいのでは?ないでしょうか。 ★A Andrew Chalk & Ralf Wehowsky “Wycha” (20:49); Composed By Andrew Chalk, Ralf Wehowsky (Sound Material) ★B Ralf Wehowsky, Eric Lanzillotta & Andrew Chalk “Chalawy” (17:32); Composed By Ralf Wehowsky, Andrew Chalk & Eric Lanzillotta (Sound Material) https://youtu.be/LglzINDRzIk?si=R-VMdTjeuC3xjEFa #AndrewChalk #RalfWehowsky #EricLanzillotta #Yang-Tul #AnomalousRecords #Collaboration #Electro-Acoustic #Drone #Noise
Experimental / Electro-acoustic / Noise Anomalous Records 1900円位?Dr K2
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Throbbing Gristle “Dimensia In Excelsis (Live In L.A. 22.5.1981)”
漸く辿り着きました。インダストリアルの始祖TGことThrobbing Gristle(「脈打つ男根」の意)の登場です。しかもあのパワ・エレの総本山Tesco Organisationからです。でもこれはTG側からはアン・オフィシャル扱い、つまりブート扱いです。TGのバイオグラフィーは長いですし、私が語るのも憚られますが、少しだけ紹介しておきます。1975年に、パフォーマンス集団COUM Transmissionを母体に、Genesis P-Orridge (Vo, B, violin, G), Cosey Fanni Tutti (G, Cornet, Vo, Tapes) Peter “Sleezy” Christopherson (Tapes, Sampler, Cornet, Electronics) 及びChris Carter (Synth, Tapes, Electronics, Programming) の4人で、Kingston upon Hullで結成されました。もう少し正確に言うと、1976年10月に「売春展」と名付けられたCOUMの展覧会(公費を使って、Coseyの使用済みタンポンを陳列した問題展)をやった時が、正確なデビューと成ります。そして1978年にファーストシングル "United/Zyklon B Zombie"とファーストアルバム“The Second Annual Report”を1977年に自身のレーベルIndustrial Recordsよりリリースしました(その前に”The Best of …vol.1”と”The Best of …vol.2”と言うカセット作品を出しています)。その歌詞や内容は、神秘主義、極端な政治的思考、セクシャリティ、社会の暗部や地下組織/文化及び言語の象徴的操作などで埋め尽くされていました。あと、音楽的にも、ドラムレスで、しかもテープ操作だけ担当するメンバーがいるなどかなり変わっており、また”24 Hours”と言う26本組みカセットからなる途方もない限定50部・アタッシュケース入りの作品も1982年に出しています(この後に ”TG24”なる24枚組みCDを2002年にMuteの傘下のGray Areaから出しています)。1981年に一度、解散しますが、2004年に復活しましたが、Sleezyが2010年11月24日に亡くなったことで、その年をもってTGを終了し、また、復活に際して、肉体改造を行っていたGenesisも2020年3月14日に亡くなってしまいました。これで半分のメンバーがいなくなり、TGは永遠に封印されてしまいました。今回はバイオグラフィーはここまでにしておきます。 本作品は、TGが初めてアメリカで行ったライブ音源からなります。そのライブは、L.A.のVeterans Auditriumで、1981年5月22日で行なわれました。マスタリングの所為か音は生々しくて、怪しげな雰囲気がプンプンしますね。個人的にはTGはライブ音源の方が良いと思っているので、このリリースはナイスですね。正しく「TG、アメリカを占拠する」です。流石、Tesco Org.ですね、このアメリカ初ライブに目をつけたのは。正しくカオスを体現しています。インダストリアルからパワ・エレが分派してきた訳ですから、パワ・エレの始祖はインダストリアルになりますし、そのまた始祖はTGになると言うことでしょう。そんな生々しくもカオスなライブ音源を聴くことをお勧めします。 A1 “Dimensia” (4:51) A2 “Scorched Earth” (6:39) A3 “Tangible” (1:04) A4 “Carnality” (5:43) A5 “Marriage Carriage” (6:06) B1 “Still Walking” (5:51) B2 “Slam” (8:54) B3 “Principia Disciplinia” (6:19) B4 “Forbidden” (3:23) [Side A] https://youtu.be/iw4tgz_lM-k?si=nEKWH2opB2KzpDJK [Side B] https://youtu.be/xIQaB9Aawig?si=R6P37QOPqrk36HQE #ThrobbingGristle #DemensiaInExcelsis #LiveAlbum #LosAngelis #米国初ライブ #Industrial #TescoOrganisation #GenesisP-orridge #CoseyFanniTutti #ChrisCarter #PeterSleezyChrstopherson
Industrial Tesco Organisation 不明Dr K2
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S-Core “Missing Volume”
これまた謎なレコードです。S-Core名義で活躍していた田中豊氏のソロ・ノイズ・ユニットのアルバムで、米国Zabriskie Pointからのヴァイナル・リリースです。このS-Coreですが、1980年代半ばよりメールアート/ミュージックのシーンで主に活動していたのですが、自身(Satoshi IwaseとKouki Takahashiも共同創設者)のレーベルAfflict Recordsから多数のカセット作品をリリースすると同時に、国内外問わず郵便利用のコラボ作品もリリースしていました。その中にはStefano Biasin (イタリア), Telepherique (独逸) Trigger B (独逸), Merzbow (日本), Al Margolis/If, Bwana (米国), Rafael Flores (スペイン)などとのコラボがあります。ただ、情報が限られており、その全貌やコンセプトなどは不明のままです。音楽活動は1982年にSchematic Diagramのメンバーとなったことから始まっている様です。その後、1985年からS-Coreを名乗り、2007年に独逸Telepheriqueのとコラボ作品の集大成をリリースしてからは活動を停止したみたいで、その後の活動の噂を聞かれません。なので、彼がどう言う経緯で活動を始めたのか?どう言うコンセプトで活動したいたのか?は全く分かりません。それで、私が当時取引のあった米国レーベルZabriskie Pointと交換で入手したのが、本作品になります。それまでのS-Coreの音楽をオムニバムなどで聴いた感じは「中庸」な音楽と言う印象だったのですが、ヴァイナルでは分厚い音で、ちょっとビックリしました。その音楽は、恐らく捻ったテープ操作やシンセによる電子音を組み合わせたもので、本作では低中音にフォーカスした音作りをしています。多分,テープ・ループも使っているでしょう。それにしても謎だらけなので、この説明が適しているかどうかもよく分からないです。そんな80年代の日本の謎、S-Coreを体験してみて下さい。 [“Gulp”] https://youtu.be/Q-KqCVsk-z0 [“Reverse”] https://youtu.be/0S-rlJyHlTQ #S-Core #MissingVolume #ZabriskiePoint #Dark #ExperimentalNoise #謎 #AfflictRecords
Experimental Noise Zabriskie Point 2500円相当Dr K2