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XTC “Drums And Wires””
そう言えば、XTCの初期のアルバムは集めてたなと思って発掘しました。4枚目のスタジオ・アルバム”Drums And Wires”を今回はご紹介します。ある意味、ごく初期のテクノポップをやっていたXTCから、英国的ポップ・ミュージックの道に進路転換した作品でもありますね。と言うのも、Barry Andrews (Kbd)が脱退して、Kbdも弾けるギタリストDave Gregoryが加入したからです。つまり、Kbd奏者を代わりに入れてテクノポップを進化させるのではなく、ギタリスト兼Kbd奏者を加入させることで、よりテクノポップの文脈から逸脱しようとしたからです。そう言う背景で制作された、最初のアルバムが、この”Drums And Wires”です(アルバム・タイトルも洒落が効いてますね(要するにバンドってことかな?)。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Making Plans For Nigel” (4:13)は、シングルカットもされた名曲で、細部にまでエフェクトや音色に注意が払われており、正にポップスの極み! ★A2 “Helicopter” (3:54)も、少し奇妙な転調や譜割りもしますが、軽快なビートに乗せたPartridgeのセンスが光ります。 ★A3 “Life Begins At The Hop” (3:45)は、次のアルバム”Black Sea”に繋がることを予見させるようなメロディラインがワクワクさせてくれる曲です。コーラスも完璧! ★A4 “When You're Near Me I Have Difficulty” (3:20)は、何処かセカンド”Go2”からの作風を引っ張っていますが、それ程、専属Kbdが居ないことを意識させないです。 ★A5 “Ten Feet Tall” (3:12)は、この頃の彼等にしては珍しく、アコギを使ったソフトなポップネス全開な曲で、間奏のGやサビのコーラスも絶妙!染みるなぁ。 ★A6 “Roads Girdle The Globe” (5:11)は、結構大胆な音作りで、Drsの録り方にも一工夫施されています。ちょっとだけ使われているシンセとかがボディブローのように効果的に効いてきます。 ★B1 “Real By Reel” (3:46)でも、効果的なシンセと強力なDrsが活きているポップ・ソングです。やはり”Black Sea”への布石のような曲調。 ★B2 “Millions” (5:37)では、ややファットなBに、2本のGが上手く絡み合っている曲で、ちょっと実験的なスパイスも感じられる。最後の絡みは意外だった! ★B3 “That Is The Way” (2:56)は、ちょっと変わった構成から成る曲で、ハワイアンのようなスライドGや、はたまた間奏のトランペットが活かしています。 ★B4 “Outside World” (2:40)は、アップテンポで、元気一杯な曲で、少しだけだが、パンクっぽいけれど、ポップネスは保持しています。 ★B5 “Scissor Man” (3:59)も、ひと癖のある曲調ですが、上手くポップソングに昇華していますし、それが故に、唯一無比です。サビのDrsは彼等しか思いつかないなと思う。また、ダブ的なミックスも光る❗️ ★B6 “Complicated Game” (4:53)は、出だしからしてやや実験的だが、いざ本番の演奏が始まると、Partridge節のVo(段々とエコーが深くなっていく)が炸裂します。 個人的には、PartridgeのVoよりもMouldingのVoの方が好きなので、自ずと後者の曲の方に魅了される訳ですが、それでも、XTCのキモは、2人の作曲能力とかアレンジ能力とかが見事な化学反応を起こすことで、独自のポップネスを手に入れていることだと思います。過渡期的作品ですが、だからこそ、皆さんにも一度は聴いて頂きたいアルバムです‼️あと、”XTC節”みたいな曲調がビシビシ感じられて、その点も良いですねー! “Sleepyheads” (Outtake) https://youtu.be/HrQ7G5hPf-M?si=lLjHcA2Ea-TSIBjQ [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kNh7p2arge_vvDWZ0BWeG7Bn2A32t4zKQ&si=o4qXUTv1ecD_KoOH #XTC #DrumsAndWires #VirginRecords #4ThAlbum #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #TerryChambers #DaveGregory #GuitarAndKeyboards #脱TechnoPop
Pop, New Wave Virgin Records 不明Dr K2
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Lizzy Mercier Descloux “Press Color”
Lizzy Mercier Descloux (リジー・メルシェー・デクルー)を覚えている方はいらっしゃるでしようか?元々、Rosa Yemenと言うバンドで1枚シングルを出して、その後、ソロ活動で、NYCのNo Wave Movementに巻き込まれて、一部のリスナーには話題になった仏人女性アーティストです。今回は、No Waveとも関係の深いレーベルZE Recordsから出たファースト・アルバム”Press Color”をご紹介します。先ずは彼女のバイオグラフィーを書いておきます。Mercier Desclouxは仏Lyonに住んでいましたが、10代の時に、恋人のMichel Estebanと共に、パンクムーブメントの活動拠点になる店Harry Coverや雑誌Rock Newsの立ち上げの手伝いをしています。そうして、彼女は、1975年にNYCを訪れた時に、Patti SmithとRichard Hellと親交を深めることになります。このことは彼女の最初の著書Desiderataに記載されています。そうして、彼女とEstebanは1977年にNYCに移住し、後にZE Recordsを立ち上げるMichael Zilkhaとも会っています。それて、Mercier Desclouxは、ギタリストのD.J. Barnes (Didier Esteban)とパフォーマンス・デュオRosa Yemenをやり始め、1978年に、ZE Recordsから、セルフタイトルのミニLPを出しています。その翌年1979年に彼女は、ソロとしてデビューアルバム”Press Color”をZE Recordsよりリリースしています。この作品では、彼女自身もギターを自己流で弾き、No Waveシーンの中で、ミニマリストとして彼女自身を表現しています。この作品では、ファンク・リズムの中で、違うハーモニーと合わせて、単一のラインを演奏することに集中していましたが、レコードの売り上げは芳しくなく、米国や欧州のツアーをしています。その時に、Island RecordsのChris Blackwellが、バハマのNassauでのセッションを提案し、Compass Point All StarsのエンジニアSteven Stanleyとkeyboard奏者Wally Badarouと一緒に曲を書いて、セルフ・プロデュースをしたセカンド・アルバム”Mambo Nassau”をリリースします。このアルバムは、アート・ロックやファンク、ソウルと同様にアフリカの音楽にも影響された内容でしたが、米国ではそれ程売れませんでしたが、彼女は仏のCBS Recordsとコンタクトを取ることをは成功します。そうして、彼女は仏に戻ると、2枚のシングルを出し、アフリカにも旅行して、Sowetoの音楽に基づいたアルバム”Mais où Sont Passées les Gazelles?" を1984年にリリース、仏ではヒットします。その後も、プロデューサーにAdam Kidronを迎えて、アルバム”Zulu Rock”をリリースします。同様にKidronのプロデュースで、1986年にもアルバム”One for the Soul “をリリース、このアルバムは、ジャズ・トランペット奏者Chet Bakerと共にブラジルで録音されています。その後も、元MarsのMark Cunninghamと一緒に、1988年に、ロンドンで録音されたアルバム”Suspense”をリリースしています。この時期には、彼女は、女優、映像作家、詩作にも取り組んでいます。1990年代中盤になると、彼女はコスタリカに移住し、自身の絵画や出版予定の無い小説を書いたりしています。しかしながら、2003年に、彼女は卵巣癌と結腸癌と診断され、それが元で翌年他界してしまいます。それで、ZE RecordsのレーベルメイトであったCristinaは、2004年のアルバム”Sleep It Off to Mercier Descloux”を再びリリースし、Mercier Desclouxに歌を捧げています。また、Estebanも、レーベルLight in the Atticを設立し、幾つかの録音物の再発をしています。 ザッと、Lizzy Mercier Desclouxのバイオグラフィーはこのようになりますが、今回は、彼女のファーストアルバム”Press Color”を紹介します。録音には、Lizzy Mercier Descloux (Vo, G, B, Perc)の他に、D.J. Banes (G, B, Perc, Back-Vo), Erik Elliasson (G, B, Kbd), Jimmy Young (Drs, Perc)が参加しています。なお、Banes, Elliasson, Mercier Desclouxの3人で、プロデュースしています。両面とも4曲が収録されています。では、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Jim On The Move” (2:29)は、タイトルを何度もリズミックに歌っている内に終わってしまうファンクな曲で、リズム隊は基本ファンキーですが、Gはややフリーキーですね。 ★A2 “Aya Mood 3.5” (2:50)も、ファンク調なのですが、2本のGが程良く絡み合うインスト曲です。GにThe Contortionsっぼさをちょっとだけ感じるのは、私だけ? ★A3 “Torso Corso” (1:48)は、無調オルガンも加わったミニマルな小曲で、上下するベースラインとG、それにMercier DesclouxのVoが良いアクセントです!終わり方がカッコ良い。 ★A4 “Wawa” (2:18)も、The Contortionsを彷彿とさせるファンク調で、バネのあるインスト曲です。ノリはよく、踊れるNo Wave!とも言えましょう。 ★B1 “Fire” (5:11)は、James Brownの曲のカバーで、Gには結構エフェクターが掛けてありますが、割とちゃんとファンクしていますし、ちょっと覚めたMercier DesclouxのVoもやんちゃな感じで良い。Saxも入っていますが、誰が吹いているの? ★B2 “Mission Impossible”もTV番組「スパイ大作戦」カバーで、ピアノとオルガンを使ったラウンジ調〜ラテン調に編曲してあります。面白い!踊れる5拍子のインスト曲! ★B3 “No Golden Throat” (2:38)は、ジャマイカンで、ゆったりした曲ですが、レゲエまでは行っていません。活き活きしたMercier DesclouxのVoが良い!そのバックで仄かに雑踏の音が流れています。 ★B4 “Tumour” (2:57)は、ウィスパーなMercier DesclouxのVoと指を鳴らしてのリズムで始まる、やや怪しい感じのジャジーな曲で、Bはフェイク・ジャズみたいですが、Gは割とフリーキーです。 全体的に、曲が短めで、収録曲もそんなに多くないので、何度も聴きたくなるアルバムです。それに、ZE色みたいなちょっとアヴァンな味付けが適度で、それがまた「食欲」を刺激します❗️カバー曲の選曲も良いです。なので、見つけたら、即ゲットですよ❗️ [full album] https://youtu.be/qIYsjvDspLk?si=fvWtZrTZz8jTm54X [オマケ: B1 “Fire” on Frech TV show] https://youtu.be/QEDDK0XLGfw?si=K__GeKsxXgVew6zG #LizzyMercierDescloux #PressColor #ZERecords #FreeFunk #FakeJazz #NoWave #CoverTune #FirstAlbum #FrenchMusician #D.J.Banes #ErikElliasson #JimmyYoung #RosaYemen
Free Funk / No Wave ZE Records 不明Dr K2
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Lene Lovich “Stateless”
皆さんは覚えていらっしゃいますか? Lene Lovich (リーナ・ラヴィチのことを❗️私、この方のことを、当時、東欧から亡命してきたと思っていたんですよ。それで、ちょっと調べてみました。Lena Lovich、本名Lili-Marlene Premilovichは、米国ミシガン州Detroitの出身で、英国人の母親とセルビア系米国人の父親との間に生まれましたが、13歳の時に、英国東ヨークシャー州Hullに移住しています。その時に、Les Chappell (G/Songwriter)と出会い、長い間、彼女の公私に渡る協力者/パートナーとなります。1968年に、彼女は、アートスクールに通う為、Londonに移ります。その時に髪の毛をドレッド(?)にして、以降、彼女のトレードマークになります。そこから、彼女は、アートスクールに通いながら、地下鉄で大道芸をしたり、キャバレーで東欧系ダンサーをしたり、また、スペインに行ってSalvador Daliに会っていたりもしています。この頃、彼女はフォーク・ロックを演奏しており、Royal Albert HallでQuintessenceと呼ばれるショーで合唱団に参加したり、Arthur Brownのショーで兵士を演奏したり、Radio One Roadshowでゴーゴー・ダンサーとして働いたりしています。また西インドのソウルバンドでイタリアにツアーしたり、Bob Flag's Balloon & Banana BandやガールズバンドThe SensationsでSax を吹いたり、ホラー映画での叫び声や仏のディスコ・スターCerroneに仏語の歌詞を書いたり、その他にも色々な劇団とも仕事をしています。1975年には、彼女はThe Diversionsに参加して、3枚のシングルと1枚のアルバムもPolydor Recordsから出しています。翌年1976年に、彼女はLene Lovichの名前で、3曲入りシングルを英国で出していますが、これはクリスマス向けの音楽でした。1977年には、彼女は、エンジニアAlain Wisniakの意見に沿って、仏人打楽器奏者/ディスコ・パフォーマーCerroneが書いた曲”Supernature”に歌詞を付けています。そして、1978年には、ラジオDJ/ 作家Charlie Gillettが、Lovichが録音した"I Think We're Alone Now"のカバー曲に注目して、Stiff RecordsのボスDave Robinsonに進言、すぐさま、シングルを出すことになり、LovichとChappellは曲を書いて、録音します。このシングルが彼女の出世作”Lucky Number”だった訳で、英国シングルチャートでトップ3になります。そうして、Robinsonの誘いを受けて、1978年のBe Stiff Route 78 Tourに参加しています。そして、直ぐに、彼女なりのパンクとかニューウェーブとかの解釈が詰め込まれた、本作品でもあるファースト・アルバム”Stateless”を作り上げます。その後数年で、彼女は、2枚のアルバム”Flex”と”No-Nan’s-Land”及びEP “New Toy”を制作しており、後者は、ツアー・メンバーでもあったThomas Dolbyによる曲です。また彼女は、The Residentsの”Picnic Boy”にVoで参加していたりもします。Lovichは、ChappellとChris Judge Smithと共に曲を書き、1982年10-11月に、LondonのLyric Hammersmithで、”Mata Hari”と言うミュージカルを行いますが、この頃に、Stiff Recordsとは離れ、米国のEpicと契約しています。その時に、Lovichは、映画”Cha Cha”でサントラを一緒に作ったNina Hagenと一緒にシングル"Don't Kill the Animals”をリリースしています。そうして、家族が出来たことで、暫く休業していましたが、1989年に、アルバム”March”をPathfinder Recordsよりリリース。このアルバムでは、Chappellと共に、エレクトロ・デュオTanz Waffenも参加して制作されており、1991年には、彼女は、オペラ”The Fall of the House of Usher”にも曲提供をしていますが、ここで、一旦、Lovichの音楽活動は、理由は不明ですが、停止しています。次にLovichが姿を現すのは2005年で、Hawkwindのアルバム”Take Me To Your Leader”と彼女の新作アルバム”Shadows And Dust”となりますが、今回は、ここまでとします。なお、彼女は今も現役で活動しているようです。 それで、ファースト・アルバム”Stateless”について紹介します。ここでは、Lene Lovich (Vo, Sax, Tuned-Perc)の他に、Les Chappell (G, EMS Synth, Synth, Perc, Vo), Ron Francois (B, Perc, Vo), Bobbi Irwin (Trap Drs, Perc, Vo), Nick Plytas (Organ, Piano), Jeff Smith (Synth, Solina), Roger Bechirian (Remix [A1-B3, B6])が参加して、A面5曲/B面6曲が収録されており、シングルカットされた”Lucky Number”や”Say When”もあります。それでは、各曲を紹介していきます。 ★A1 “Home”は、シンセやオルガンが使われたニューウェーブな曲で、正直カッコ良いです。直線的なベースラインが特にカッコ良いし、LovichのVoもキュート! ★A2 “Sleeping Beauty”は、アコギも使われた「青春」な曲です。独特のしゃくり上げるLovichの唱法がよく活かされています。 ★A3 “Lucky Number”は、ご存知のキャッチーでニューウェーブな曲ですね。やっぱりLovich独特のVoがキュート! ★A4 “Too Tender (To Touch)”は、リリカルなピアノに、切ないVoと言う悲しげなしっとりした良曲です。 ★A5 “Say When”も、LovichのVoが存分に活かされた、アップテンポな曲で、マカロニ・ウエスタン調にアレンジされています。 ★B1 “Writing On The Wall”は、一転、ジャジーな曲調で、Saxが悲しげです。語りも入っていますが、サビでは元気が出てきますね。 ★B2 “Telepathy”も、ニューウェーブっぽい曲ですが、LovichのVoも元気一杯ですね。 ★B3 “Momentary Breakdown”も、オルガンとシンセが程良いスパイスになった曲で、Lovichの個性と相性バッチリですね。 ★B4 “I Think We're Alone Now”では、イントロのGにやられますが、オルガン等のバックの演奏とLovichのVoが上手く絡んでます。ちょい「青春」っぽい。 ★B5 “One In A 1,000,000”でも、ウエスタン調のアレンジがカッコ良い曲で、こう言うアップテンポの曲にLovichのVoは映えますね。 ★B6 “Tonight”も、イントロのシンセとその後に切々と歌うLovichとが良くマッチしている、ちょい悲しげな曲です。 全体としては、Lovichの独特の唱法が良く映えるような曲作りやアレンジが為されており、彼女なりの「ニューウェーブ」を堪能出来ますね。また、ピアノやオルガンを中心としたアレンジも、1979年の当時を想起させます。いやー、今回聴き直してみて、LovichとChappellの曲の良さに改めて気が付きました❗️そんなお茶目なLovichのファースト・アルバムを一度は堪能してみて下さい‼️ A1 “Home” A2 “Sleeping Beauty” A3 “Lucky Number” A4 “Too Tender (To Touch)” A5 “Say When” B1 “Writing On The Wall” B2 “Telepathy” B3 “Momentary Breakdown” B4 “I Think We're Alone Now” B5 “One In A 1,000,000” B6 “Tonight” A5 “Say When” https://youtu.be/RqOg8fMMf8Q?si=65ubG9k-tUi18V-j [full album (曲順が違います)] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nhybTHzNx17YAzAEmkQUnms-4czGsZCJc&si=xNVGBlI-u2-_D6tC #LeneLovich #Stateless #Stiff-Epic #StiffRecords #UK #FirstAlbum #Sax #FemaleVocal #NewWave #Left-Field #LesChappell #RonFrancois #BobbiIrwin #NickPlytas #JeffSmith #RogerBechirian #LuckyNumber
Left-Field / New Wave Stiff-Epic (Stiff Records) 不明Dr K2
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Lizard “s/t”
私が、まだ田舎の高校生だった頃、東京ロッカーズとかのオムニバスを聴いており、そこに収められているバンドに大層憧れていた訳ですが、国内盤がリリースされたのを知って、早速購入したのが、Lizardのファースト・アルバムです。その頃は良く聴いていました。今回、棚を漁っていたら、見つけましたので、40数年振りに聴いてみましたので、ご紹介します。その前に、先ず、Lizardのバイオグラフィーを書いておきます。1970年頃、灰野敬二の即興演奏のライブにて、初ステージを踏んだMomoyoとKatsuを中心に、幻想鬼、通底器、エレクトリック・モスという名前で活動し、1972年に前身バンドである紅蜥蜴が結成されます。そして、2枚のシングル”Sexus”と”The Destroyer & Another Noise”をリリースした後(因みに、1980年には、唯一のアルバム”けしの華”が出ています)、バンド名が、現在のLizardに改名されて、本格的に活動を開始します。その頃、丁度、日本でのパンク的な活動を始めた5つのバンド(S-Ken, Friction, Lizard, Mirrors, Mr. Kite)が東京ロッカーズを名乗って、六本木S-Kenスタジオを中心に活動を広め、Lizardもそのムーブメントを牽引していきます。ただ、Lizardの音楽性は、もろパンクと言うよりも、キーボードやシンセを積極的に入れたニュー・ウェーブ寄りのサウンドでした。また、当時から、Momoyoのカリスマ性等から人気があり、Lizard Armyと呼ばれる親衛隊もいたそうです。そうして、1978年からS-Kenスタジオで、東京ロッカーズのシリーズ・ギグが行われ、1979年には、オムニバス・アルバム”東京Rockers”に、Lizardも2曲参加しています。その時のメンバーは、Momoyo (Vo, 本名:管原庸介), Waka (B, 本名:若林一彦), Katsu (G, 本名:塚本勝己), Koh (Synth, 本名:中島幸一郎), Belle (Drs, 本名:吉本孝)でした。同年11月に、King Recordsより、本作品であるセルフ・タイトルのファースト・アルバムを、英国The StranglersのJean Jacques Burnelのプロデュースでリリースしています。録音は、英国LondonのEden Studioで行われおり、その際には、Jean Jacques Burnel & Rowena Doe (Back-Vo)もゲスト参加しています。同時に、シングル”T.V. Magic”もリリースされています。この英国録音の為か、JJのプロデュースと為か、当時は大きな反響がありましたが、この渡英の為の資金繰りで、後にバンド・メンバー脱退が引き起こされたと言う噂もあります。1980年には、Momoyo自身のプロデュースで、セカンド・アルバム”Babylon Rockers”とシングル”浅草六区”がリリースされており、インディー・レーベルJunk Connectionより、Momoyo & Lizard名義で、水俣病をテーマにしたシングル”Sa Ka Na”をリリースしていますが、メンバーの交通事故や相次ぐ脱退、フロントマンのMomoyoの麻薬取締法違反容疑での逮捕(この時、裁判資金のカンパに対するお礼の意味で、シングル”Save Momoyo”がライブで無料配布されています)などが重なり、以降は断続的活動になっていきます。そんな中で、1981年には、サード・アルバム”Gymnopedia”をTrio Recordsからリリースしています。その後は、Momoyoは、元P-Modelの秋山勝彦と一緒に活動したり、ソロ・シングルをTelegraph Recordsよりリリースしたりしていますが、1986年に、Telegraph RecordsからLizard名義でミニアルバム”変易の書”をリリース、更に翌年にもアルバム”岩石庭園”をリリースして、活動を休止しています。そうして、2009年に、オリジナル・メンバーのMomoyo, Waka, Kohに加えて、Kieth (Drs, 元ARB)を加えて復活し、1973年〜2008年の全曲を網羅した10枚組CD+未公開ライブ映像DVDのボックス・セット”Book of Changes - Complete Works of Lizard”をリリースし、同年には、22年振りのスタジオ・アルバム”Lizard IV”をリリースしています。そして、2010年には、新宿Loftでワンマン・ライブを行い、その時には、30年振りにJJ Burnelと共演しています。現在はどうなっているのかは定かではありませんが、ただ、ベースのWakaは、国会前での反原発運動やロックバンドLoud Machineにも参加していました。個人的には、SNSで繋がっていましたが、つい最近(2023年)、アパートで孤独死していたのが見つかったと聞いています。 Lizardのバイオグラフィーは大体、こんな感じです。それでは、彼等のファースト・アルバムでもある本作品”Lizard”の内容を紹介したいと思います。メンバーは、先述のように5人組と言う最強の布陣で、JJ Burnelプロデュースによる英国録音(多分、日本のロックバンドでも海外録音としては早い方ではないかな?)と言う話題性もあって、当時のリスナーは大きな期待を持って聴いていたと思います(私もそうでした)。A面5曲/B面6曲が収録されており、地引雄一氏の写真を使ったジャケ写のイメージが、そのサウンドにもマッチしています。今回は、私自身の思い入れが強過ぎるので、各曲の解説はしませんが、本作品でのサウンドは、Wakaによる太く存在感のあるベースとKohのソフイストケートなシンセに、Momoyoの押し潰したような独特のヴォーカルが加わって、当時としては、例外的にタイトでカッコ良い仕上がりになっていたと思います。歌詞は全て日本語なんですが、何となく、当時、関心がありそうな/話題を呼びそうな/反発的な単語(例えば、「プラスティック」/「コンピューター」/「TV」/「マーケッティング」/「コンビナート」などのアンチ・ヒューマン或いは人工物や物質主義など)を選んで使ったり、時には自己陶酔的な詩的表現と混在したりして、今聴くと、何かあざといと言うか気恥ずかしいと言うかそんな感じもしますし、また、Momoyoの声質/唱法が独特なので、好き嫌いは分かれるのではないかと思います。ただ、アルバム全体のサウンドは、単にパンクとかニューウェーブとかの枠では収まらない絶妙なコンビネーションによって支えられており、今聴いても完成は素晴らしいです❗️それが、JJ Burnelのプロデュースによるかどうかは分かりませんが。その後も何度か再発されており、その時代時代での評価なんかも気になるところではあります。皆さんはどうですか? A1 “New Kids In The City” A2 “Plastic Dreams (プラスティックの夢)” A3 “Radio Controlled Life” A4 “Guyana (ガイアナ)” A5 “Asia (記憶/エイジャ)” B1 “T.V.Magic” B2 “Market(Ing) Research (マーケット・リサーチ)” B3 “Don't Touch The Switchboard (そのスウィッチに触れないで)” B4 “Modern Beat” B5 “Love Song” B6 “Kingdom (王国)” [full album] https://youtu.be/uWOKqNKL6IE?si=rKV67XdqCuS73qYZ #Lizard #KingRecords #Windmill #Change2000 #FirstAlbum #TokyoRockers #JapaneseUnderground #NewWave #PunkRock #UKRecording #Synthesizers #YosukeSugawara #JeanJacquesBurnel #Producer #Momoyo #Waka #Katsu #Koh #Belle
Punk Rock / New Wave King Records (Wildmill / Change 2000) 2500円Dr K2
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Telex “Looking For Saint Tropez (テクノ革命)”
やっとこさ、発掘しました!ベルギーのテクノ・ポップの元祖Telexのファースト・アルバム”Looking For Saint Tropez (邦題「テクノ革命」)”です。Telexのバイオグラフィーについては、前回、書きましたので、ここでは省略させて頂きます。一応、メンバーは、Marc Moulin (ラジオDJ兼ジャズ・ミュージシャン), Dan Lacksman (プログラマー兼サウンド・エンジニア), Michel Moers (Vo)から成る鉄壁のトリオです。彼等は、パンクと電子実験音楽を融合させたディスコティックなダンス・ミュージックを提示した訳ですが、最初に、彼等は、匿名バンドとして活動を開始しており、その時に、1960年代に活躍していた仏ロックバンドLes Chats Sauvagesの"Twist à St. Tropez (ツイスト・ア・サントロペ)”のシンセによるカバーやロックの名曲"Rock Around the Clock"の超スローなカバー及び自作曲の”Moskow Diskow”の3枚のシングルが、欧州だけならず、米国でもヒットしたことで、Telexとしても有名になったキッカケでした。そして、その延長で、本作品でもあるファースト・アルバム”Looking For Saint Tropez”が、1979年にリリースされます。勿論、上記の3曲及びベルギーの有名な歌手Plastic Bertrandのパンクソング"Ça Plane Pour Moi (邦題「恋のパトカー」)の全く感情の構っていないカバー曲も含まれています。ヴォーカルや手拍子など以外は全てシンセやドラムマシンなどのエレクトロニクスを使っています。しかも、ドラムマシンのリズムは基本的に四つ打ちのディスコのリズムで、そして、それに乗るシーケンサーも極めて正確(当たり前ですが)で、その「ジャスト」の音楽が、Telexの魅力の一つだと思います。シンセのリフなんかは手弾きなのかな?それともそれも、MIDIとかで自動演奏なのかな? しかも、キャッチーかつポップに仕上げています。また、ヴォーカルのMoersは、ヴォコーダーを多用しているのも特徴的で、ここら辺はKraftwerkの影響もあるのかな?とも思います。もうA1 “Moscow Discow”からしてダンサブルでカッコ良いです! A3 “Café De La Jungle”が意外な小曲で、感情たっぷりのピアノを聴くことが出来ます。A4 “Ça Plane Pour Moi (恋のパトカー)”とかB2 “Rock Around The Clock”やB4 “Twist Á Saint Tropez”のカバー曲も原型が分からない位、見事なテクノポップなアレンジになっており、この時期、既存のロック・チューンを打ち込みでアレンジするのが流行ったのかな? ある意味、Silicone Teensや初期Human Leagueなんかとの共通性を感じますね。また、仏のバンドLes Chats Sauvagesやベルギーの歌手Plastic Bertrandの曲を選んだのも、欧州的ですね。それらのカバー曲のアレンジだけではなく、自作曲もクオリティは高いです。VoのMoersも、生声で歌っている曲もあり、そこら辺は曲によるみたいです。そんな珠玉のテクノポップ・チューン満載の、このファースト・アルバムはTelexの魅力に溢れていますので、初心者の方は是非聴いてみて下さい❗️見事にディスコ・チューンにアレンジされていますから。 A4 "Ça Plane Pour Moi” https://youtu.be/7w5ct2thMEg [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mOT6DWXHkqtnLeFLQeR17yNai4t2YhoiI #Telex #LookingForSaintTropez #テクノ革命 #KingRecords #Vogue #RKM #日本盤 #Belgium #ElectroPop #SynthPop #TechnoPop #DiscoMusic #Synthesizers #MarcMoulin #DanLacksman #MichelMoers #MoskowDiskow #ÇaPlanePourMoi #RockAroundTheClock #TwistASaintTropez
Synth Pop King Records (Vogue / RKM) 不明Dr K2
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The B-52’s “s/t”
The B-52’sが初めて、紹介された時に、なんちゅう名前、つけとんのや?と非難されかけましたが、これは第二次世界大戦の時の爆撃機のことでは無く、ヘアースタイル(ウィッグ)の型番だそうです。そんな彼等は、当時のニューウェーブ・ブームの中で結構、日本でも人気でしたね。そんな彼等のファーストアルバムを紹介します。その前に、彼等のバイオグラフィーを少しだけ。The B-52’sは、米国ジョージア州Athensで、1976年に結成されたバンドで、オリジナル・ラインナップは、Fred Schneider (Vo, Perc), Kate Pierson (Vo, Kbd, Synth-Bass), Cindy Wilson (Vo, Perc), Ricky Wilson (G), Keith Strickland (Drs, G, Kbd)の5人組で、ベースレスのバンドでした。元々は、この5人でジャムセッションをしていたのが始まりで、1977年に、友人のヴァレンタイン・パーティーで演奏したのが、最初です。また、バンド名は、PiersonとCindy Wilsonの髪型から取られていますが、これはStricklandが夢の中で啓示を受けたらしいです。それで、彼等は、ダンスミュージックとサーフミュージックとを合わせたようなサウンドとthrift-store chicと言うレトロな衣装で、直ぐにニューウェーブの波に乗り出します。因みに、Ricky Wilsonのギターは変則チューニングがしてあったこのこと。彼等のファースト・シングル”Rock Lobster/52 Girls”は1978年にDB Recordsからリリースされますが、これが大ヒットし、それでCBGBやMax’s Kansas Cityとかにも出演するようになります(ただし、このシングルヴァージョンはアルバムとは違っています)。このシングルは再録され、英国や独逸でも配給されます。それで、彼等はIsland Recordsと契約し、1979年にバハマNassauのCompass Point Studiosで、創設者のChris Blackwellのプロデュースの下でファースト・アルバムの録音を開始しますが、Blackwellは、殆どオーバーダブせずに、なるべくライブに近い形で録音をします。そうして、1979年7月に、彼等のファーストアルバム”The B-52’s”がリリースされます。これには、Petula Clarkのヒット曲”Downtown”も含まれています。このアルバムは大ヒットし、シングルカットされた”Rock Lobster”は米国でもビルボード・ホット100にもチャートインして、1980年には、本アルバムもプラチナディスクにもなります。それで、1980年4月にThe B-52’sは、再びCompass Point Studiosで次のアルバムの録音に掛かりますが、Rhett Daviesが一部プロデュースに関わった関係で、より洗練されたサウンドになりました。そうして、同年8月に、セカンドアルバム”Wild Planet”がリリースされますが、批評家やファンにも好評で、ビルボード200の内、18位までつけます。また、テレビやHeatwaveフェス(カナダで行われたニューウェーブのウッドストック)にも出演しています。1981年に、彼等はTalking HeadsのDavid Byrneとコラボしますが、どうもベクトルが違い、アルバムではなく、1982年にEP “Mesopotamia”としてリリースされます。その後、1982年12月に、Piersonの意見で、ドラムマシーンを導入し、Stricklandはドラムを叩かず、ベースやオルガンなどを演奏、またシンセを大々的に導入してのサードアルバム”Whammy!”を作製します。1985年1月に、バンドはブラジルのRock In Rioに参加、同年7月に次のアルバムを録音していましたが、Ricky Wilson (G)が、AIDS関連で、同年10月12日に32歳と言う若さで他界してしまいます。バンドは、1986年に、アルバム”Bouncing Off The Satellites”をリリースしますが、Rickyの死もあって、ツアーは控えています。1987年に、メンバーはバラバラになりますが、1988年に、Stricklandが戻ってきて、再びThe B-52’sは再始動します。その後も、活動を続けて、未だ現役です。 それで、彼等のファーストアルバムである本作品についてですが、これはもう完全にニューウェーブと言うかダンスミュージックですね。特に、シングルカットされたA1 "Planet Claire", A4 "Rock Lobster", A3"Dance This Mess Around"は独特のノリで、ポップかつダンサブルな音楽だと思います。B面はやや抑え気味ですが、それでも、女性Voの絶叫なんかも聞こえてきて、中々侮れません。そして、B面最後には、英語シンガーで女優のPetula Clarkのヒット曲"Downtown"も収められており、彼等のルーツを垣間見ることができます。彼等と一緒に米国ツアーをしたPlasticsは、「ずっとダンスバンドでやっていくThe B-52’sのエンターテイナーとしての凄さを感じた。自分達には真似できない。」とコメントしています。そんなダンサブルな音楽をやり続けているThe B-52’sのファーストを聴いて、踊り狂いましょう❗️ クレジット曲順 A1 “Planet Claire” (4:35) A2 “52 Girls” (3:35) A3 “Dance This Mess Around”’(4:35) A4 “Rock Lobster” (6:50) B1 “Lava” (4:55) B2 “There's A Moon In The Sky (Called The Moon)” (4:55) B3 “Hero Worship” (4:10) B4 “6060-842” (2:50) B5 “Downtown” (2:55) https://youtu.be/PtH-tWjB_aQ?si=olkMU8lPRLbzC5Yp #TheB-52’s #FirstAlbum #IslandRecords #NewWave #DanceMusic #USA #Bassless #RockLobster #PlanetClare #DanceThatMessAround #Downtown #FredSchneider #KatePierson #CindyWilson #RickyWilson #KeithStrickland
NEW WAVE Island Records 不明Dr K2
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Sham 69 “That’s Life”
このアルバムは高校生の時に買ったアルバムで、パンクに興味がかなりあった頃ですね。そうです、Sham 69のセカンド・アルバム”That’s Life”です。諸パンクですね。最初にバイオグラフィーを簡単に書いておきます。Sham 69は、1975年にSurreyのHershamで、Jimmy and the Ferretsとして結成されました。「Sham 69」と言うバンド名は、建物の壁に描いたサッカーチームの落書きから取っています。Walton and Hersham ‘69と描かれていた文字が一部消えかかって、Sham 69と見えたので、それをJimmy Purseyがバンド名にしたとのことです。それで、Sham 69ほ1976年11月号のNMEにリハのことが掲載されていました。ヴォーカルのJimmy Purseyだけが今後オリジナルメンバーとなります。最初、ギターはJohnny Goodfornothing (本名John Goode)とNeil Harrisでしたが、彼等はDave Parsonsと交代します。ドラムのBilly Bostik (本名Andy Nightingale)もMark Cainと交代しましたが、ベースのAlbie Slider (本名Albie Maskell)は残って、1977年に彼等のファースト・シングル”I Don’t Wanna”をインディーレーベルStep Forward RecordsよりJohn Caleのプロデュースでリリース。その後、ベースのSliderがDave Tregunnaと交代。この時のラインナップが1979年まで続きます。1978年1月、シングル”Borstal Breakout”で英Polydor Recordsよりメジャー・デビューします。Sham 69は他のパンクバンドと異なり、アートスクール出ではなく、サッカーのクラブとの関係が大きかったこともあって、労働者階級のリスナーから支持を受けています。それで、Sham 69のスタイルは、サッカーの応援歌のような一体型のシンガロングスタイルを取り、後のOi!パンクの元になったとも言われています。ただ、ライブではパンクスとスキンズが喧嘩ばかりして、ライブ活動に支障をきたすようになります。逸話として、1978年のLeding Festivalて、”If The Kids Are United”を歌って、観客の喧嘩を止めようとしましたが、全く収まらない状況に絶望し、Purseyはステージ上で泣いたというものがあります(本人は否定)。また英国の極右団体National Frontが暴れて、ステージをめちゃくちゃにしたこともあったみたいです。ただ、レコードは商業的にも成功しており、1978年にファースト・アルバム(スタジオトラックとライブトラックから成る)”Tell Us The Truth”をリリース、同年には、本作品でもあるセカンド・アルバム(スタジオアルバム)”That’s Life”をリリースします。この頃になると、バンドの人気はTop of the Popsに出演したり、映画”D.O.A.”への出演で盛り上がります。しかしながら、1980年にバンドは、4枚目のアルバム”The Game”をリリースして、解散してしまいます。Purseyは、Sex PistolsのSteve JonesとPaul CookとSham Pistolsをやりますが、短命に終わり、ソロで活動していきます。しかしながら商業的成功には恵まれません。その後、1988年にPurseyとParsonsによってSham 69は再結成されます。あとは色々あって、Sham 69を名乗るバンドが2つ存在するようになり、現在に至っています。 それで、本作品の内容なんですが、とにかく、声を挙げて歌い易いパンク・ソングが目白押しで、更に、曲間には何気ない労働者の日常会話を挿入しているところもポイント高いです。まあ、当時は私も田舎の高校生だったこともあって、その熱量と取っ付き易さに一時期ヘビロテしてましたね。今回、40数年振りに聴いたんですが、ブルース臭い曲や日常会話のバックで流れるレゲエ調の曲などもあって、メリハリのついたアルバムになっています。まあ日常会話と言うのは、訳を見ると、ある英国の庶民的な青年が会社に遅刻して、それでクビになり、パブち行って、友人とダベったり、女の子にちょっかい出したりと言うようなものなのですが、当時はそうなんだぁと感心してました。あとPurseyの濁声なヴォーカルは矢張り唯一無比ですね。そんなアルバムですが、当時の熱気をも感じることが出来るので、興味のある方は聴いてみて下さい。 A1 “Leave Me Alone” A2 “Who Gives A Damn” A3 “Everybody's Right, Everybody's Wrong” A4 “That's Life” A5 “Win Or Lose” B1 “Hurry Up Harry” B2 “Evil Way” B3 “Reggae Pick Up Part I” B4 “Sunday Morning Nightmare” B5 “Reggae Pick Up Part II” B6 “Angels With Dirty Faces” B7 “Is This Me Or Is This You ?” https://youtu.be/Aa_TSPfLHuo?si=UeEAc593oyamW29E #Sham69 #That’sLife #PolydorRecords #Punk #SecondAlbum #StudioAlbum #Oi!Punk #Football #SingalongStyle #JimmyPursey #Dave Parsons #BillyBostik #MarkCain #AlbieSlider #DaveTregunna
Punk Polydor Records 不明Dr K2
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The Pop “Go!”
米国のパワー・ポップ・バンドThe Pop (英国のThe Pop Groupじゃないよ!)を知っていますか? このバンドは米国L.A.から出てきたパワー・ポップ・バンドで、1977年〜1981年に活動し、2枚のアルバムを残しています。それで、ちょっと調べて見ました。元々は、1970年代中期に、Roger Prescott (G, Vo), David Swanson (B, Vo)と丁度The Modern Loversを辞めたばかりのDavid Robinson (Drs)のトリオで始まりました。彼等は1960年代の英国のThe YardbirdsやThe Kinks, The Whoと言ったバンドに影響を受けていましたが、Robinsonが買ってきたThe Big Starのレコードは彼等に大きな影響を与えたそうです。当時はパーティー・バンド的に活動していましたが、同時に、The Big Starの“September Gurls”のカバーを入れたデモテープをWarner Broth. Recordsへも送ったりしていたようです。1977年来、彼等は試行錯誤して、結局、ポップ・パンクのような形態に落ち着きます。その一方で、彼等はDavid Bowieの”Low”やBrian Enoの”Another Green World”も良く聴いていたみたいで、本作品でもあるセカンド・アルバム”Go!”でのギター・サウンドに影響したとのこと。その中に数曲のバックにシンセを加えたのもその影響だとされています。それで彼等はもう1人メンバーが必要だと考え、後にThe Patti Smith Bandに加入するIvan Kral、Rick BytnerやSteven T.をギタリストとしてリクルートしますが、上手く行かず、そのままデモテープを作ったり、ライブをやったりしています。それで、David Robinsonがボストンに戻り、The Modern Loversに加入します。残ったPrescottとSwansonは色々と手を尽くして、新ドラマーとしてJoel Martinezと共にバンドを継続します。それで、一連のGriffith Parkでのフリーコンサートを通じて、やっとThe Popにも脚光を浴びる時が来ました。その時知り合ったThe MotelsのDean Chamberlainの計らいで、古くて安いスタジオを使い、録音を始めます。その一方で、The PopはThe WhiskyやThe Starwoodでレギュラー・バンドになります。それで、彼等は2枚のシングル(1976年, 1977年)とファースト・アルバム”The Pop”(1977年)をリリースしています。この時に、新メンバーとして、Tim Henderson (B)が加入し、Swansonはリズム・ギターにシフトします。そして、Martinezが一時期、消息不明であったことで、ドラマーとしてTim McGovernも加入していますが、彼はギターも弾けましたので、Martinez復帰後はギターにシフトしています。この時は全くのDIYで作製されており、KROQのようなこの地域のラジオ局でよくかかっていました。バンドは1979年に、5人組のラインナップで、大手Arista Recordsと契約しました。しかし、Martínez (Drs)は自殺(?)してしまい、代わりに、最初はRobert Willamsが、その後David Hoskotがドラマーとして加入しています。同年、McGovern (Drs)はバンドを脱退し、4人組に落ち着きます。その時、作製されたのが、本作品である”Go!”です。一方、ソングライターのPrescottとSwansonは、Moby GrapeやThe Byrdsと言った、彼等のルーツであるカントリー・ミュージックに関心が移り、Rhino RecordsからEP “Hearts and Knives”をリリースしていますが、この路線はこの1枚だけです。そうして、1981年7月4日に彼等は、The Popとしての活動を停止し、これをもって、解散となります。 そして、本作品の内容ですが、まあ、パワーポップなのはそうなんですが、何処かアメリカ臭いと言うか、やや野暮ったいところがありますね。ヴォーカルやビートなんかもももう少しはっちゃけた方が良いです。それでも、彼等のエンジンは全開と言うのも分かります。どちらかと言うと、弾けるビート系のパワーポップではなく、メロディ重視のポップ・サウンドって感じでしようか? 買った当初は、アルバム・タイトルからはビート感の強い跳ねるような音楽を予想していたんですが、その意味ではちょっと不意打ちを喰らいましたね(後、タイトル”Go!”からは何となく、XTCのセカンド・アルバム”Go 2”みたいな音を想像してましたね)。もう少しギターが前面に出ても良かったかも。でもまあ、米国らしいポップ・ミュージック(ポップ・ロック)なので、そこら辺に興味のある方はチェックしてちょ! B5 “Legal Tender Love” https://youtu.be/mRXKRSG1al4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLgF3q0_aeW2duAMwGB5J-SVHeLvZoaROf #ThePop #Go! #AristaRecords #PowerPop #PopRock #American #NewWave #RogerPrescott #DavidSwanson #TimHenderson #TimMcGovern
Power Pop / New Wave Arista Records 不明Dr K2
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Tin Huey “Contents Dislodged During Shipment (不思議な落とし物)”
Devoが出てきた時に、米国のゴムの街アクロンが注目を浴びたのですが、その中でも途轍もなく変なバンドが、このTin Hueyです。彼等は1972年に結成、1982年に解散しています。それで、先ず、Tin Hueyのバイオグラフィーを書いておきます。元々はMark Price (Wesley the Stashと名乗っていました)がギターを、Michael Aylwardがベースを、Stuart Austin (Napoleon Lemensと名乗っていました)がドラムを担当していたRagsと言うバンドから派生したと言われています。その後、Harvey Goldがオルガンで参加しで、Tin Hueyにバンド名を変えますが、Priceが脱退してしまいます。残ったメンバーは一時期、アコースティックな音楽もやっていましたが、やがて、Arthur Batanoff (G)とWayne Swickley (B)が加わります。しかしなから、BatanoffとSwickleyは脱退してしまい、その後、Priceがベースで再加入します。それに伴って、Aylwardはギターにシフトし、Goldはギターとキーボードを担当することになりすぎ。そして、Lochi Macintoshがサックスで加わりますが、その後、Ralph Carneyが彼に代わってサックスを担当することになります。そして、15-60-75 (The Numbers Band)でベースを担当したChris Butlerが最終的にギターで加入し、Tin Hueyとしてファーストアルバムの時のラインナップになります。彼等は、Captain Beefheart, Frank Zappa, The Stooges或いはthe Soft Machineに影響を受けて、アクロン/クリーヴランドで、Devo, Pere Ubu, Electric Eelsらと共に活動しはじめます。そして、1977年に最初のシングル”Pappet Wipes”をClone Recordsより、更に翌年セカンドシングル”Breakfast with Tin Huey”を同レーベルからリリースします。丁度、その頃、Devoなどが注目を浴びたこともあってか、アクロン/クリーヴランドのグループに注目があつまり、その関係か、彼等はWarner Broth. Recordsと契約し、1979年に、本作品でもあるファースト・アルバム”Contents Dislodged During Shipment”をリリースします。しかしながら商業的成功は得られませんでした。再度、この時のメンバーをまとめますと、Chris Butler (G, Perc, Birdcalls, Vo), Harvey Gold (Piano, Synth, G, Vo), Michael Aylward (G, Slide-G, Vo), Mark Price (B, Vo), Stuart Austin (Drs, Perc, Synare Vo), Ralph Carney (B, Tenor-, Alto-, Soprano-Sax, Clarinet, Organ, Perc, Piano, Harmonica, Vo, Large Nose, Duck Calls)の6人組です。その後、彼等は個々人でそれぞれ活動していましたが、1980年代初頭には、バンドは、Ralph E. ことRalph Legniniと一緒に演奏しています。そんなこともあって、次のアルバムを出すまで20年もかかっています。そんなセカンド・アルバム”Disnformation”は、1999年に ButlerのレーベルFuture Fossil Recordsから出ています。さらに最近では、1970年代中盤のスタジオ録音やライブ録音を集めたサードアルバム”Before Obscurity: The Bushflow Tapes”が2009年にSmog Veil Recordsから出ています。その後も活動しているようですが、Priceは大腸癌で他界しています。 ザッとこんな感じのバンドなのですが、本作品の内容について紹介していきます。先ず、最初に感じるのは、メンバー皆んな、演奏が上手いと言うことです。と言うのも、曲は皆んな2〜3分の曲なのですが、結構、どの曲も展開が早かったり、変拍子らしき変な譜割りがされているのを難なくこなしているのは凄いです。私的には、B面の方が好みなのですが、それは上記の特徴がより明確になっているからです。とは言え、時にジャジーに、時にフリーキーに、時にブルージーに、また時にハードロック調になったりするのも興味深いです。多分、サックスやクラリネット担当のRalph Carneyによるアレンジが大きいのかも知れません。確かにそう言う意味では、Frank ZappaやCaptain Beefhesrtの影響はあったのだろうと思います。なので、単に米国の地方のニューウェーブ・バンドとして片付けるのも惜しいですね。因みに、A1の”I Am A Believer”はMonkeysのカバーですが、割と「普通」に演奏しています。そんなTin Hueyですが、もし、アクロン・サウンドに興味があれば、聴いてみて欲しいですね。 https://youtu.be/o3RMOp8Y2E0 #TinHuey #ContentsDislodgedDuringShipment #WarnerBrothRecords #AlternativeRock #NewWave #AkronSound #Cleveland #FirstAlbum #ChrisButler #HarveyGold #MichaelAylward #MarkPrice #StuartAustin #RalphCarney
Alternative Rock Warner Broth. Records 1800円Dr K2
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The Pop Group “Y (最後の警告)”
アンファン・テリブルだった英国のポストパンクバンドThe Pop Groupのファースト・アルバム”Y (最後の警告)”です。まだ紹介していなかったので、これは是非ともと思い立ち、今回、紹介します。この時のメンバーはMark Stewart (Vo), Simon Underwood (B), John Waddington (G), Gareth Sager (G, Kbd), Bruce Smith (Drs)の5人組です。バイオグラフィーは以前にも書きましたので、今回は省略させて頂きます。The Pop Groupは元々、英国ブリストルでのThe Stranglersの前座をやった時に、Hugh Cornwellに見出されたローカル・バンドでした。Hughは彼らの為にデモテープの作製などでヘルプしていますが、高校を卒業したらと言う条件で待っていたところ、突然、Rader Recordsと契約したと言う経歴があります。また、その時のマネージャーになったDisc O'Dellも彼らを推していたとのこと(その後、Y Recordsのオーナーとなります)。それで作製されたThe Pop Groupのファーストがこれになります。正直に言って、私はこのアルバムを聴いた時は、余りピーンと来ませんでした。理解不能と言って良いかとも思います。唯一気に入ったのはA5 “We Are Time”だけでした。それでも理解しようと何度も聴いていたと思います。しかしながら、彼等のセカンドアルバム”How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder ?”とシングル”We Are All Prostitutes”はホントに理屈無しにぶっ飛びましたね。やっぱり、これは理屈で理解する音楽ではないんだと再認識しましたね。ファンク、フリージャズ、ダブ、ロック、アヴァンギャルド、アジテーション、民族音楽、、、などがごちゃごちゃに混ざった音楽なのですが、こんな分析はそもそも不要な音楽だったと後になって気づきましたね。要するに、聴き手は自らの精神をオープンにして、ありのままを体感するべき音楽だったのです。それはこのアルバムから学んだことです。そんな重要な音楽を詰め込んだアルバムですが、もう一度聴き直してみてはどうでしょうか! 新たな発見があるかも。初心者の方も聴いてみて、己の体感度を試してみて下さい。因みに2021年に、この作品を更にダブ・ミックスしたアルバム”Y In Dub”がMuteから出ています(私は未聴)。 A1 “Thief Of Fire” (4:33) A2 “Snowgirl” (3:21) A3 “Blood Money” (2:54) A4 “Savage Sea” (2:58) A5 “We Are Time” (6:27) B1 “Words Disobey Me” (3:23) B2 “Don't Call Me Pain” (5:35) B3 “The Boys From Brazil” (4:13) B4 “Don't Sell Your Dreams” (6:35) https://youtu.be/viqOIqGLLgI?si=o2w2dgmYgfXfbgdr #ThePopGroup #Y #RaderRecords #Funk #FreeJazz #Dub #Punk #Agitation #Avant-Garde #BruceSmith #GarethSager #JohnWaddington #MarkStewart #SimonUnderwood #Mixing #DennisBovell
Avant Rock Rader Records 不明Dr K2
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Duffo “s/t”
Duffoと聞いて、何人の方が反応するでしょうか? New Wave勃興期に遅れてきた豪州のグラム・ロック・ミュージシャンで、本名Geoff "Jeff" Stephen Duffなんですが、私は、ジャケが気になっていて、そんなに高くなかったので中古レコード店で購入、久しぶりに聴いてます。そんな訳で、David Bowieになれなかった彼、Duffoのファースト・アルバムです。1980年代は英国で活動していましたが、どうにも英国では評価されなかったようで、豪州に戻ってきてからは高評価されていたようです。彼のバイオグラフィーを紹介しておきます。彼は1971年にメルボルンで音楽活動を始めており、それがフュージョン・バンドKushのVoとしてです。このバンドは豪州では超人気バンドでしたが、Jeffは、1978年に英国ロンドンに渡り、ユニセックスで、風変わりな格好をして、その時からDuffoと名乗って活動を始めます。また、彼は、ステージ上では、レオタードを身につけ、キラキラの派手なメイクをして、まるでオペラ歌手のように振る舞っていたそうです。彼はKbdも出来たので、Sev Lewkowiczのアレンジャーとしても活躍しています。それで、1979-1982年の間、Duffo名義で4枚のアルバムをリリースしています。音楽史家のIan McFarlaneは、「彼の風刺の効いたニューウェーブな曲”Give Me Back Me Brain”はLou Reedの”Walk on the Wild Side”に匹敵するソウルフルな名曲だ!」とも言っており、彼のルーツにグラム・ロックがあることを指示しています。また、Andy Woholeも彼のことを「Sinatra, Preslepy, Jagger, Popeye…そして今はDuffoだ!」とよくこの言葉を引用していたらしいです。豪州に戻ってからも、Jeffは、David BowieとFrank Sinatraの音楽を融合したような音楽でら2005年にはオペラ・ハウスでのライブをソールドアウトする程の人気を得ます。更には、David Bowieに敬意を表して、”Ziggy”と言うショーを2010年と2012年にオペラ・ハウスで行っていますし、また、Bowieに捧げる本”This Will Explain Everything”を2016年に出版しています。また、彼は”Ground Control to Frank Sinatra”と言うステージ・ショーをプロデュースし、2枚のアルバムも出しています。とまあ、こんな感じでらDavid BowieとFrank Sinatraに魅せられたJeffでしたが、彼は豪州に戻ってきてから、豪州のスーパースターになった訳ですが、豪州では自分のバンド名を含めて、Duffoと名乗ったり、本名名義で活動したりしています。 そんな経歴の持ち主ですが、本作品は、英国でDuffoと言う個人名義でリリースしたファースト・アルバムです。バックは、Peter dobson (Drs), Michael Howlett (B), Nicholas Colq (Piano), David Herzog (G)が固めています。内容はシンセを使った曲はニューウェーブ的ですが、曲調は全体的に、グラム期のDavid Bowieを想起させるようなロックで、寧ろ、彼が英国進出した時には、ちょっと古いかな?と思わせます。確かにパブロックやグラム・ロックの流れにあり、ニューウェーブとは一線を画しているなあと思います。また曲名も凄くて、「キ○ガイの塔」、「ダフォ(俺は天才)」.「ダフォのオディッセイ」とか「俺に脳みそ返してくれよ」とまあこんな感じです。こんな歌詞をグラム調の曲に合わせて テノールの良い声で歌うDuffoはきっと魅力的だった思いますよ。英国では色物扱いだったかもしれませんが、豪州ではスーパースターなDuffo、聴いてみますか? “Give Me Back Me Brain” https://youtu.be/wVR0oZUECbk [Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k56QfYsY9OS1LCZpPdLIl9Ztw7FzMHLeA #Duffo #Beggar’sBanquet #GeoffJeffStephenDuff #GramRock #NewWave #Australia #UK #DavidBowie #FrankSinatra #Ziggy #GiveMeBackMeBrain
New Wave / Gram Rock Beggars Banquet 不明Dr K2
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Essential Logic “Beat Rhythm News - Waddle Ya Play ?”
初め、X-Ray SpexでSaxを吹いてたLora Logicが、脱退後の1978年に結成したバンドが、このEssential Logicです(あと、The Strangersの3rdアルバムの”Hey ! (Rise of the Robots)”などでSax吹いてますね)。今ひとつ、このEssential Logicは話題にはならなかったですね。残念です。と言う訳で、彼等のバイオグラフィーを少々(と言っても長くなるんですよね)。アートスクールを出た時、Lora Logic (Vo, Sax), Phil Legg (G, Vo), William Bennett (G: その後ノイズバンドWhitehouseを結成), Mark Turner (B), Rich TeaことRichard Thompson (Drs), Dave Wight (Sax)でEssential Logicを結成し、自分達のレーベルCutから最初の7㌅シングルをリリースし、その後、1979年に”Essential Logic” EPをVirgin Recordsからリリースし、そのあと彼女らは、Rough Tradeと契約し、デビューアルバムである本作品” Beat Rhythm News - Waddle Ya Play ?”をリリースしました。その後に、Mark Turnerが脱退し、代わりにJon Oliver (B)が加入しています。一方、Lora Logicは1978-1981年の間、Red Crayolaのメンバーともなっており、Kollaa Kestää, The Stranglers, The Raincoats, Swell Mapsの録音でもゲスト参加しています。肝心のEssential Logicの方は1981年(あるいは1980年?)に解散してしまいます。それで、1982年にはLoraのソロアルバム”Pedigree Charm”をRough Tradeからリリースしますが、その後すぐに、録音やライブに音を上げてしまい、新興宗教Hare Krishnaにハマりますが、1995年にX-Ray Spexが再結成されるまで、このバンドではライブや録音は続けていたようです。その後、2001年に彼女はEssential Logicは復活させており、その時にはBlondieのGary Valentine (G)とBad Mannersの元メンバーが加わります。1988年に4曲入りEPをVitaminicからリリースしています。2003年にアンソロジーアルバム”Fanfare in the Garden”がKill Rock Stars Recordsからリリースされ、更に2022年にはセカンド・スタジオ・アルバム”Land of Kali”をリリースして、現在に至ります。 ザッとこんな感じで来ていますが、本作品ほ内容についてご紹介します。先ず、曲作りも良いのですが、Lora Logicの歌が凄いです。Kate BushとLene Lovichと戸川純を混ぜたような、不意に入るファルセットをちょくちょく使うヴォーカル・スタイルで、思わず聴き惚れてしまいます。また、彼女が作曲・作詞も全て手がけており、中々メロディアスかつファンキー(ファンクではないですが)が多く、弾けるようなダンス・ミュージックの要素も含まれています。また、バンドにはテナーサックスのDave Wightもおり、また、Loraもソプラノサックスを吹くので、その絡みも効果的です。全然、堅苦しくないオープンな音楽ですので、入手は困難かもしれませんが、機会があれば、是非ともフィジカルで聴いてみて下さい。損はしないと思いますよ❗️ このアルバムは個人的には、2022年のベスト10に入りますね。 A1 “Quality Crayon Wax OK” (3:11) A2 “The Order Form” (5:44) A3 “Shabby Abbott” (3:45) A4 “World Friction” (7:07) B1 “Wake Up” (3:01) B2 “Albert” (4:55) B3 “Alkaline Loaf In The Area” (4:29) B4 “Collecting Dust” (5:00) B5 “Popcorn Boy (Waddle Ya Do?)” (3:03) https://youtu.be/ltA7n9fdxLk?si=1jQjW4ttstrBHMxg #EssentialLogic #BeatRhythmNews-WaddleYaPlay? #RoughTrade #PostPunk #LoraLogic #Sax #FunkySound #PhilLegg #WilliamBennett #MarkTurner #RichardThompson #DaveWight
Post Punk Rough Trade 5174円Dr K2
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James White and the Blacks “Off White”
Jame WhiteことJames Chance、ちょっとややこしいんですけど、まあ彼の独特のセンスと言うことで勘弁してやって下さい(今だとレイシズムに抵触しそうなバンド名ですが)。元々はJames Chance and the Contortionsとして活動しているのですが、時にJames White and the Blacksとしても活動をしています。その名義としては、本作品がファースト・アルバムになります。この時のメンバーは、James White (Sax, Vo, Organ), Don Christensen (Drs), Pat Place (Slide G), Jady Harris (G), George Scott (B)で、the Contortionsとそうそう大きくは変わらないですが、まあ彼のシャレでしようね。そして、ゲストとして、Adele Bertei (Piano), Kristian Hoffman (Piano), Paul Colin (Tenor Sax), Bob Quine (G), Ray Mantilla (Congas), Lydia Lunch (G), Vivianne Dick (Vln)が参加しています。また、A2 “Stained Sheets”ではStella Ricoの喘ぎ声が、A4 “(Tropical) Heat Wave”ではGinger LeeとTad AmongのVoになっています。まあ 基本的にはContortionsとは余り差異がありませんが、Blacksの時の方が、ディスコティックな感じは強いですね。それとB面4曲ともインストなんですよ。ん〜やっぱりBlacksの方が聴きやすいと言うか踊りやすいと言うか、ちょっと皮を被ってますね(ソフィスティケートされてますね)。JamesのSaxもそんなに居合い切りみたいなソリッドさは無いですが、中々良い塩梅でSax を吹いています。”Contort Yourself”が収められてますが、この曲を比べてみるとよく分かります。出来れば、このアルバムとContortionsの”Buy”を聴き比べてみたいです❗️皆さんもソフイストケートされた、このアルバムなら、素直に聴けると思いますので、是非とも聴いて下さい❗️ https://youtu.be/Yz_24fSsy9o #JamesWhiteAndTheBlacks #OffWhite #ZERecords #Funk #Disco #NoWave #JamesWhite #JamesChance #GeorgeScott #JodyHarris #PatPlace #DonChristensen
Avant-Funk / Disco Music ZE Records 不明。Dr K2
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Magazine “Secondhand Daylight”
続きまして、Magazineのセカンド・アルバム ”Secondhand Daylight”です。この時はメンバーは、Howard Devoto (Vo), Barry Adamson (B), John McGeoch (G, Sax,Kbd), Dave Formula (Kbd), John Doyle (Drs, Perc)で、ドラマーが代わっています。彼等のバイオグラフィーは前回書きましたので、そちらを参考にして下さい。 それで内容ですが、全体にやや落ち着いた印象で、目立つのはベースの音色ですね。Barry Adamsonの演奏能力が高いのもそうなんですが、結構、ベースラインが曲を率いていく曲が多いです。あと、Howard Devotoのヴォーカルについては、少し粘着質なところが弱まっていますし、曲もより複雑になっています。それに伴って、キーボード(生ピアノやシンセなど)が幅を聴かせるアレンジになっています。なので、John McGeochにとってはやや不完全燃焼であったかもしれないですね。ここら辺のアレンジやプロデュース力(プロデュースはColin Thurstonですが、私はこの人のことは良く知りません)が影響しているのしようか? この時代のバンドとしては、似たものがなく、独自の路線であったようですが、今、聴き返しても、そう断言できますね。ただ、彼等の音楽は後進に大きな影響を与えており、ニューウェーブからネオサイケデリア(これがどうも良く分かりませんが)への橋渡しをしたバンドとして、Radioheadなどは、Magazineの名前を挙げています。また、John McGeochのギターは、U2のThe Edge、The SmithsのJohnny Marr, RadioheadのJonathan GreenwoodやThe Red Hot Chili PeppersのJohn Frusciantなどのギタリストには大いには影響を与えたと言われています。またBarry Adamson (B)はこのバンドの後、Nick Cave and the Bad Seedsに参加することになります。 今ひとつ、盛り上がらなかったセカンド・アルバムですが、彼等の進化を探る上で大切なアルバムと言えるでしよう。なので、皆さんもこの機会に聴いてみては如何でしよーうか❗️ A1 “Feed The Enemy” (5:40); Supermags (Back-Vo) A2 “Rhythm Of Cruelty” (3:05) A3 “Cut-Out Shapes” (4:42) A4 “Talk To The Body” (3:33) A5 “I Wanted Your Heart” (5:08) B1 “The Thin Air” (4:12); McGeoch (Kbd) B2 “Back To Nature” (6:46) B3 “Believe That I Understand” (4:02) B4 “Permafrost” (5:34) A4 “Talk To The Body” (3:33) https://youtu.be/Ta50AmxdYBA?si=WOnUoarVMRIL7wCZ [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLOJWuc3CN302PFvZZ6IgUbWiz7OCTPPUq&si=y0zMJQAMsSBGXB-4 #Magazine #SecondhandDaylight #VirginRecords #SecondAlbum #NewWave #HowardDevoto #JohnMcGeoch #DaveFormula #BarryAdamson #JohnDoyle #Guest #Supermags
New Wave Virgin Records 不明。Dr K2
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The Only Ones “Special View”
このアルバムのA1”Another Girl, Another Planet”の印象が強過ぎて、中々、アルバム単位で聴けてなかったThe Only Onesのセルフ・コンピ・アルバム”Special View”がやっと登場です。彼等のバイオグラフィーは前回とかを参考にして下さい。この時のメンバーはPeter Perrett (Vo, G), John Perry (G), Alan Mair (B), Mike Kellie (Drs)で、ゲストに、Koulla Kakolli (Back-Vo), Adam Maitland (Kbd, Sax), Rabbit (Kbd), Mickey Gallargher (Kbd), Gordon Edwards (Kbd), Raphael Ravenncroft (Sax)と一見豪華に見えますが、実はこのコンピ・アルバム、複数の人がプロデュースをやっております。それでも、The Only Onesの演奏がしっかりしたいる為か、それ程違和感はありません。前回も書いたのですが、パンク勃興期に出てきたバンドなので、パンクバンドあるいはニューウェーブ・バンドと思われていますが、そのムーブメントの前から活動しており、Perrettのダルだけど艶っぽい独特の声質のVoはグラム・ロック或いはサイケを彷彿させますね。またバックの演奏も初期パンクバンドの粗暴さが無い点が違いますね。選曲の都合か、割とシンプルな曲を集めているように思います。A1 “Another Girl, Another Planet”ほ名曲中の名曲なのは分かりますが、B1 “Out There In The Night”の女性コーラスを交えたポップな曲はそれに匹敵する佳作。また、カウベルが特徴的なA4 “The Beast”のVoの浮遊感とその後のホーンも入れた盛り上がりとかA5 “City of Fun”のドライブ感も捨てがたい佳曲です。A6 “The Whole of the Law”やB2 “Someone Who Caresなどのスローバラード調の曲もVoと共に中々良いです。B3 “You’ve Got To Payのハツラツさにはちょっとビックリしましたが、、、。 と言うように彼等の珠玉の名曲が収められた、この作品はお得ですので、ちょっとThe Only Onesを聴いてみたい方にはうってつけですよー❗️ A1 “Another Girl, Another Planet” (3:02) A2 “Lovers Of Today” (3:12) A3 “Peter And The Pets” (3:06) A4 “The Beast” (5:49) A5 “City Of Fun” (3:31) A6 “The Whole Of The Law” (2:37) B1 “Out There In The Night” (3:02) B2 “Someone Who Cares” (3:10) B3 “You've Got To Pay” (2:48) B4 “Flaming Torch” (2:20) B5 “Curtains For You” (4:19) B6 “From Here To Eternity” (3:07) A1 “Another Girl, Another Planet” (3:02) https://youtu.be/anqGQZBGX0s?si=p3FSxWwWsdi76f37 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL0Uua5Tf3k7VwY8B54JpL4jDLmkOEqjhj&si=TklHM7vlj61UfQIm #TheOnlyOnes #SpecialView #Epic(CBS) #NewWave #GramRock #SelfCompilationAlbum #PeterPerrett #JohnPerry #AlanMair #MikeKellie #AnotherGirlAnotherPlanet #Guests #KoullaKakolli #AdamMaitland #Rabbit #MickeyGallargher #GordonEdwards #RaphaelRavenncroft
New Wave / Gram Rock Epic (CBS) 不明。Dr K2