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Kosmonautentraum “Ungehörtes Unerhörtes”
またまた、Kosmonautentraumの作品をご紹介しますが、今回は、独の再発専門レーベルVinyl On DemandからリリースされたKosmonautentraum(或いは中心人物Ziggy XY[本名 Michael Jarick]関係)のセルフ・コンピレーション・アルバム”Ungehörtes Unerhörtes (ウンゲルヘルテス・ウナーヘルテス;「前代未聞」の意)”を紹介します。よって、この作品は、極初期から解散期までの曲を収録していますので、統一感は余り無いかも知れませんが、それでも未発表音源のZiggy & Enoなんかも聴くことが出来ますので、かなり貴重なアルバムだと思います。それでは、先ず、各曲の出典を記しておきます。A1, B6, B7は、1980年に自費出版された150部限定のファースト・シングル“Immer Laut Hören Nachbarn Stören“で、メンバーはZiggy XY (Vo, Synth), E.K.T. ことEckart Kurtz (G, Electronics, Synth), ClaudiことClaudius Hempelmann (Drs)から、A2は、1981年にZickZackからリリースされたセカンド・シングル“Rache!”で、メンバーはZiggy XY (Vo, Kbd), E.K.T. (Drs, G, B), Karl May (G), SüsskindことErhard Schüttpelz(Kbd)から、A3, A5, B1, B2, B4, B5は、1981年にZiggy & Enoとして制作された未発表音源で作曲にはJörg Laubischも参加している音源から、A4とA6は、1982年にZickZackよりリリースされたファーストLP”Juri Gagarin”で、メンバーは、Ziggy XY (Vo, Synth, Melodica), Kai MayことKarl May(G, Harp, E-Piano, Sounds, Perc), Süsskind (B, Synth, B-Effects, Klavier, Trumpet, Melodica, Xylophone, Perc), E.K.T. (Drs, Synth, Mellotron, G, Vo-Effects)から、A7は、1983年にバンド・プロジェクトStatschki Prospekt(シュタツキ・プロスペクト; メンバーはMichael Jarick, Christian Hartje, Hanno Hofmann)として参加したコンピレーション・カセット作品”Intrendent Fansette”から、A8は、1982年のZickZackからリリースされたサード・シングル ”Liebesmühn”で、メンバーはZiggy XY, E.K.T., Karl May, Süsskindから、B3は、1987年に自費出版された50部限定カセット品”Für Freunde”で、メンバーはZiggy XY, Jörg Einicke, Jörn Bender, Lenard Schmidthalsからとなっております。そう考えると、Kosmonautentraumは、Ziggy XYことMichael Jarickのバンドだったんだなぁと言うこと分かります。それでは、各曲について紹介していきたいと思います。 ★A1 “Kosmonautentraum Nr. 3 Der Deutsche” (2:32)は、スモッグのようなホワイトノイズと極めて不鮮明な演奏をバックに、適当なリズムマシン操作とZiggyのアジテーションVoの掛け合いから成る曲で、最初は、こんな事もやっていたんだと感涙。 ★A2 “Kosmonautentraum Nr. 6 Nur Zum Spass - Nur Zum Spiel” (1:13)は、ミニマルなリズムマシンとシーケンスをバックにZiggyのVoが乗る曲で、宅録風の仕上がりです。 ★A3 “Süsser Mond” (2:04)は、落ち着いたBとGの調べをバックにヴォコーダーVoが切々と歌う曲で、何故かほっこりしてしまいます。打楽器は不使用。 ★A4 “Juri Gagarin” (2:27)は、リリカルなピアノと強力なリズム隊に、ZiggyのパンキッシュなVoが乗る曲で、ノリも良く、初期の名曲ですね! ★A5 “Wir Tanzen Tango” (2:35)は、タンゴのリズムとおもちゃの鉄琴とアコーディオンやピアニカをバックに、Ziggyが切々と歌い上げる曲で、如何にも初期NDWを思わせるアレンジです。 ★A6 “Tanz Den Kosmonaut” (3:38)は、強靭なズンドコ・ビートを叩き出すリズム隊とシンセをバックに、Ziggyが投げやり気味に歌う曲で、SE的シンセやGが良いアクセントになっています。これも初期の名曲! ★A7 “Waffenbrüder Für Den Frieden” (6:49)は、何ともカタカタしたドラムマシンにゴリゴリのBとノイジーなG、それにエフェクトを掛けたVoが乗る曲ですが、ドラムマシンはどんどん重くなり、Gは益々ノイジーに、Voは更に混沌となっていきます。ルーズでスラッジーの極みです。 ★A8 “Goldene Nacht” (2:36)は、スカスカなズンドコDrsに、口琴とVoの掛け合いから成る曲で、叫びまくっています。 ★B1 “Bärte Entstellen Wärter” (1:35)は、ドカドカしたDrsとスカスカなオルガンとGに、気の抜けたVoが乗る曲で、脱力感が半端ないです。 ★B2 “Geduld” (3:06)は、銅鑼の一発から、単調なリズムマシンにB-Synthとシンセが乗り、そこにやたらハッキリしたVoが乗る曲で、後半ではアコーディオンも入ってきて、Harmonia等の往年のクラウトロック風にも聴こえます。 ★B3 “Lösch Das Feuer” (5:25)は、断続的な重い打撃音とリズムを刻む木琴に合わせて、ピアノや女性コーラスの断片とZiggyの正気の無いVoが乗る曲で、割とダークな感じです。 ★B4 “Hyperthrommatatronic” (3:22)は、タムを多用したDrsと鉄琴の金属質な調べと唸り声のような低音をバックに、Ziggyが「ハレルヤ!」と歌い上げる曲で、正に初期NDW的なアレンジです。 ★B5 “Husarengebrechen” (4:25)は、欧州の田舎を想起させるようなリコーダーの調べをバックに、Ziggyがシアトリカルに語るように歌う曲で、時々、打楽器やBやGのインプロみたいな音も混在してきます。終わり方も秀逸! ★B6 “Kosmonautentraum Nr. 1” (4:07)は、聴こえ辛い不明瞭なDrsとB?の演奏に、TVのホワイトノイズやシンセによる電子ノイズが暴れ回る曲ですが、段々とバンド演奏(ブギ風?)の方は聴こえてきます。 ★B7 “Kosmonautentraum Nr. 2 Alltag” (1:56)は、単なるシンセによる音遊びのような曲で、バックにはリズムマシンの音も微かに聴こえます。 こうやって聴いてみると、Kosmonautentraumと言うバンド(と言うかZiggy XYことMichael Jarick)の変遷が良く分かります。極初期のオモチャ箱をひっくり返したような電子音とバンド演奏の混合物から、次第にビートの効いたバンド・サウンドになり、その途中でオフビートやスカスカなリズムの実験的な曲調を作りつつ、最後にはダークなコンクレート風音楽まで辿り着いたように思います。それに、Ziggy & Enoも、実際にBrian Enoとコラボしているようには思えず、如何にもBrian Enoとコラボしている風に録音されているとしか思えません(ただし、これは未確認です)。そう言うギミックな所も含めて、如何にもNDWのど真ん中を歩いてきたZiggy XYの歴史に触れることが出来たのは面白かったです。本作品は、NDWファン全員に大推薦です! https://youtu.be/ynxQ14MCW0o?si=NUUOjSzlCQZXi4HY #Kosmonautentraum #UngehörtesUnerhörtes #VinylOnDemand #2005年 #SelfCompilationAlbum #1980年-1987年 #ReissuedTracks #BandProject #StatschkiProspekt #PreviouslyUnreleasedTracks #Ziggy&Eno #ZiggyXY #MichaelJarick #E.K.T. #Claudi #ClaudiusHempelmann #EckartKurtz #KaiMay #Süsskind #ErhardSchüttpelz #JörgLaubisch #ChristianHartje #HannoHoffmann #JörnBender #JörgEinicke #LenardSchmidthals
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Vinyl on Demand $71.50Dr K2
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Asmus Tietchens “Eisgang”
独逸は、色んなタイプの電子音楽の「天才」をその時代その時代で生み出してきましたが、Asmus Tietchensはその1人でありながら、息の長い活動を続けており、更に、時代や時期に応じて、クラウトロック〜現代音楽〜インダストリアル〜エレクトロ・ポップ・ミュージック〜実験音楽等と関係しつつ、活動してきており、故に、非常に多作かつ多才な作曲家/音楽家と言えるでしょう。個人的には、初期のエレクトロ・ポップのようなインスト曲/作品が好みなのですが、この時期のTietchensの作品は聴いていなかったので、購入した次第です。彼のバイオグラフィーについては以前にも書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。 それと、このアルバムをリリースした蘭のレーベルKorm Plasticsについて少々付加しておきます。Korm Plasticsは、1984 年に 、Kapotte MuziekのFrans de Waard によって設立された実験音楽のレーベルで、1992 年にレーベルは Staalplaat の一部として運営を開始されますが、この運営方向性は 2003 年に終わります。その後、Korm Plastics は 2015 年まで音楽作品をリリースしていましたが、2019 年以降は音楽に関する書籍の出版に積極的に取り組んでいるようです。音楽作品に関しては、初期にはカセットでしたが、やがてレコードや CDRやCDと言う媒体も扱うようになります。この歴史の長さから分かるように、割と欧州のノイズ・シーン、特に音響系ノイズ・シーンの発展に大きく寄与してきた重要レーベルでもあります。そして、そんな中に、Ambient seriesと言うのがあって、Asmus Tietchentsの本作品もそのシリーズの一つとしてリリースされています。と言う訳で、Korm PlasticsのAmbient series (このシリーズは500枚限定となっています)のAsmus Tietchensの本作品”Eisgang (流氷)”の各曲を紹介していきましょう。 ★A “Rasch Und Mäßig Bewegt” (19:43)は、一定しない音程ですが規則的な電子パルス音がアクセントになって、そのバックに微細粒子状のドローン電子音と細かく駆動する電子音(恐らくシーケンサー?)が絶妙のバランスでミックスされている曲で、曲名の「素早く適度に動く」と言う意味通りに、流氷の動きを表している匂いがぷんぷんします。 ★B “Nahezu Unbewegt” (17:35)は、ゆったりとしたマンモスのような動きを見せる/思わせる電子音の緩やかな波のような繰り返しから成る曲で、曲名の「殆どの動かない」を体現しているように感じます。ミニマルな構成なんですけれど、何か味のあると言うか、微妙な音色の変化のある所が、Tietchensらしい職人技です。 両面が対になっているのも、コンセプトとして面白いですし、また、パッと聴くと単調にも感じるのかもしれませんが、細かく聴き込んでいくと、Asmus Tierchensだなぁって思う冷ややかと言うかインダストリアルな香り(多分、1985年頃〜1990年代にはノイズ・シーンにも関わっており、また今回のリリースもノイズ・レーベルと言う意味で)を嗅ぎ分けることが出来るので、恐らく、そう言う音色とか細部に拘っているのだなぁと感心させられます。確かに、長尺の曲2曲だけで、しかも、各面の曲が対になっており、かつそれぞれが「流氷」の性質の動と静の側面を捉えているところも面白いと思います。如何にも独逸人らしいアブストラクトな「環境」音楽だと思います。もし、興味のある方は、是非、本作品にトライしてみて下さい! 絶品ですよー。 A “Rasch Und Mäßig Bewegt” (19:43) https://youtu.be/Z-zSlja4GsE?si=FGoRLl1q1vgoRPCo B “Nahezu Unbewegt” (17:35) https://youtu.be/BujID4c1-U4?si=4RDcNoDRkEMWU_b2 #AsmusTietchens #Eisgang #KormPlastics #DutchIndependentLabel #LimitedEditions #500部 #AmbientSeries #SoloAlbum #GermanElectronics #Composer&Player #Electro #Ambient #Minimal #Krautrock #ModernClassic
Electro / Ambient / Minimal Korm Plastics 7800円Dr K2
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Din A Testbild “Programm 4”
取り敢えず、私が購入したDin A Testbildの”Programm”シリーズの最後になる”Programm 4”を、今回はご紹介します。この作品は、2017年になって初めてリリースされていますが、実は、録音は1983年で、ベルリンの壁の近くて作製されていた作品の蔵出しになります。そのせいか、どうもMark Eins1人で録音されているみたいですが、女性Voは誰だろう?内容的には、A面4曲/B面1曲となっています。それでは、各曲について、ご紹介していきましょう。 ★A1 “West/Berlin Tegel Airport” (4:16)は、強力なドラムマシンとシーケンスによるビートに、女性Voやテープ音が挿入される曲で、単純故に強靭な出来栄えです。最後にシーケンスが弄られています。 ★A2 “Cold War” (4:30)は、ランダムで混乱させられるなシーケンスとやや混み合ったドラムマシンから成る曲で、機関銃の音やSE的シンセ、語り調の女性Voなんかも挿入されます。 ★A3 “Frontstadt” (5:40)は、ドラムマシンと手弾き?のカッコ良いベースラインに、テープ音やディレイの掛かった女性Voが絡んできて、更にシーケンスやシンセのリフも挿入される曲で、中々のカオスです。 ★A4 “West/Berlin Underground” (2:56)は、ドラムマシンとシーケンスで始まり、手弾きのシンセのメロディと女性Voから成る曲で、軽めの仕上げています。 ★B1 “Ost/Berlin” (18:01)では、クリック音からストリングス・シンセへと始まり、烏の鳴き声か加わるも変調して、代わりにマーチングソングが挿入され、ここら辺からドラムマシンと痙攣Gノイズも加わります。更に男女のテープ音/Voも加わり、更なるカオスへ。やがて重厚なシンセの壁へと移行し、またもや烏の鳴き声へと回帰し、最後はディレイで終わります。 A面はこの頃のDin A Testbildらしい実験宅録ポップなのですが、B面は、かなり突っ込んだ実験的手法を駆使しての長尺の一大絵巻物のようになっており、聴き応えも充分です。それにしても、A面の女性Voは誰なんでしよう?知っている方がいらしたら、教えて下さい。ここまで聴いてきて、こりゃぁ”Programm 5”も”Programm 6”も聴かなきゃと思いましたね。あと、Einsは今まで一貫して、ドラムマシンはRoland TD-606を使ってますね。これは当時は私の憧れのドラムマシンでした! B1 “Ost/Berlin” (18:01) https://youtu.be/vhB6jiJUlRk?si=Vv1NR1D-8Ch39W3r [BandcampのURLも貼っておきます] https://dinatestbild.bandcamp.com/album/programm-4 #DinATestbild #Programm4 #Mannequin #2017年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Electro #Synthesizers #DrumMschine #MarkEins #FemaleVocal #1983年作
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Mannequin $29.98Dr K2
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Bono / Burattini “Suono In Un Tempo Trasfigurato“
これだから、通販まとめ買いは、謎物件が含まれますね。全然、購入した覚えがありません!どうも、Bono / Burattiniが、コンビ名らしいです。それでちょっと調べてみました。コンピと書きましたのは、Ofeliadorme の創設者にして、Donnacirco collective のメンバーでもあるFrancesca Bono (Vo, Synth, Knd: 因みに女性です)と伊アヴァン・ロック・グループMassimo VolumeのメンバーのVittoria Burattini (Drs, Perc)の伊人グループのことです。真新しいデュオらしく、2023年のDiscongs上、まだ、唯一作みたいです。それで、先ず、Ofeliadormeと言うバンドは、2008年に伊Bologna(ボローニャ)で、ランボーの詩にインスパイアされて、Francesca Bono (Vo, G, Synth), Michele Postpischl (Drs), Tato Izzia (Synth-B, Synth, Electronics)によって結成されたオルタナ・バンドのことで、2009年にはシングルを出して、2011年にはデビューアルバム”All Harm Ends Here”を出しています。2016年までは何らかのリリースをしていますが、それ以降には途絶えているので、恐らく解散したのではないかと思われます。一方、Massimo Volumeは、1990年代に活発に活動していたBolognaのバンドで、伊で初めてスポークン・ワードを使ったインディー・ロックを演奏しており、1970年代後半〜1980年代前半の音楽、特に、Joy Divisionや伊のパンクバンドCCCP - Fedeli Alla Lineaに影響を受けたそうです。歌詞についても、伊の詩人Emidio Clementiに多大な影響を受けていたそうで、1992年にカセット作品を出してから、2011年に、Bachi Da Pietraとのスプリット・アルバムを出すまで活動していたらしいです。その後、セルフ・コンピ・アルバム” Lungo I Bordi / Da Qui”が出ていますが、新録アルバムは出ていないので、恐らく解散したのでしよう。以上が2人のバックボーンですが、今回、ご紹介するBono / Burattiniを組んだ経過については不明です。ただ、Bono / Burattiniは、前衛映像作家Maya Derenによる3本の作品①”At Land”, ②“Ritual in Transfigured Time”, ③“Choreography for Cameraの習作”にインスパイアされて、本作品の核心部分を作り上げたと言うことです(私はこれらの映像作品は観ていないので内容は不明)。と言う経緯で2人は音楽作品を作り上げたのだと思いますが、その実際の手順としては、これらの作品の参考地点を汲み取ることで、Burattiniが、独自のDrsのパタンを作り出しますが、それは、Bonoの風変わりなメロディやコズミックなサウンドスケープまたは鼻歌やコーラスワーク等のVoスタイルに、Burattiniが合わせる形で曲を作っているとのことです。その際には、有機的な楽器(Drs)と人工的な楽器(シンセやシーケンサー)をミックスして使い、彼等は、知らない世界のグルーヴや奇妙なノリ或いはSF的なエレクトロニクスを生み出し、その為か、Can, Gruppo Di Improvvisazione Nuova Consonanza, Suzanne Ciani辺りに近い音楽を作り出しています。 以上がBono / Burattiniのバックボーンとこのプロジェクトでの音楽コンセプトなのですが、2023年に出た本作品はそれらの結果と考えられます。では、本作品についてですが、両面とも5曲ずつ収録されていますので、各曲についてご紹介していきたいと思います。 ★A1 “Trick Or Chess” (5:19)では、先ず微音のビーコンから始まり、やがてスローなDrsがビートを、そしてシンセのリフが入って、そこに捩れたGソロらしき音が凄いエコーと共に挿入されてきます。ドラマチック! ★A2 “Le Ossa” (2:08)は、逆回転のイントロからポストパンクのようなDrsとBのリフ、そして鼻歌のようなBonoのVoとコーラスから成る曲で、雰囲気が良い。 ★A3 “Sogno Nel Vigneto” (3:18)は、シーケンスと四つ打ちっぽいDrsから成る曲で、中々イカした演奏を聴かせてくれます。Drs自体は禁欲的で、寧ろシーケンスが割とパタンを変えます。 ★A4 “Dinner Illusion” (3:18)も、シーケンスとDrsから成り、Bonoの透明感のある鼻歌(?)が伸び伸びと聴かれる曲で、独特の落ち着きを提示しています。 ★A5 “Stella” (3:41)は、籠った音色のDrsに、シンセとピアノが絡んでくる曲で、ピアノはリリカルなメロを弾いており、落ち着いてはいるものの、何か危機感を煽る雰囲気を感じます。 ★B1 “The Ballroom” (3:33)は、シーケンスで始まり、自在なDrsとBonoの多層化していく呟き等が被っていく曲で、2人のコンビネーションはバッチリです。 ★B2 “La Trama Del Desiderio” (4:33)も、単純なシーケンスからDrsと言うより「太鼓」が合わせる曲ですが、後半はシンセのパルス音とDrsで盛り上げます。 ★B3 “Dancing Demons” (3:28)は、怪しいフレーズのシンセがゆったりと鳴らされ、やがてシンセのメロディやコーラスも挿入されるスロー・バラードな曲です。 ★B4 “Your House Is A Ghost” (4:39)も、高らかなシンセ音で始まり、突然、エコーの掛かったハイハットと低音シンセが絡み、やがて四つ打ちっぽいDrsと大胆なシンセ音へと変わる劇的な曲です。 ★B5 “Waves” (2:41)は、ホワホワしたシンセとタムを多用したDrsの合奏曲で、小振りながら、最後に相応しい良曲となっています。 この2人と言う制限された編成の中で、如何に彼等が無駄を省いて、剥き身の音を出しているかが、良く分かる作品だと思います。確かにシーケンサーも使っていますが、所謂、シンセウェーブとかとは異なるミニマルではない自由な演奏で、恐らく曲もその形態の為に作られたものと思います。個人的には、シンセウェーブとは真逆のプログレ(特にKrautrock)とかSkeleton Crewのような音楽だと感じました。それと、Bonoは鼻歌やコーラスは演るものの全曲ほぼインスト曲と言うのも珍しいですね。その意味では、非常に稀有な存在だと思いますので、単なるポップとかシンセウェーブとかと思っていると、とんでもないしっぺ返しを喰らいますよ❗️ [live track: A1 “Trick Or Chess”] https://youtu.be/hmHj0Z4OkOQ?si=ug5MxB3VAWwD2ks1 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k2WDWLNlvZhtD9Q0xgqhLmi5HFJXIVIes&si=dXA_rWFUZeBbvAIF [BandcampのURLも貼っておきます] https://mapledeathrecords.bandcamp.com/album/suono-in-un-tempo-trasfigurato #Bono/Burattini #SuonoInUnTempoTrasfigurato #MapleDeathRecords #FirstAlbum #LimitedEditions #500部 #ItalianUnderground #FrancescaBono #VittoriaBurattini #NewDuo #ExperimentalRock #Krautrock #Ofeliadorme #IndieRockBand #DonnacircoCollective #MassimoVolume #AlternativeRockBand #Avant-FilmMaker #MayaDeren #AtLand #RitualInTransfiguredTime #ChoreographyForCamera習作 #FromVisialToMusic
Experimental Rock / Krautrock Maple Death Records 2420円Dr K2
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W.A.T. “World According To (Eindhoven 1983-1985)”
W.A.T.と聞いて、パッと音楽が思い出すことが出来る方は少ないと思います。今回は、蘭のポスト・パンク・バンドW.A.T. (World According To)のセルフ・コンピ・アルバム”World According To (Eindhoven 1983-1985)”を紹介します。正直、私もこのバンドのことは全然知りませんでしたので、ちょっと調べてみました。W.A.T.とは、A.M.A.H. Keultjes van MeursことAd Van Meurs (G, Vo)とF.J.G.M. van den NieuwenhofことFrank van den Nieuwenhof (B), Ankie Keultjes (Kbd, Vo)によるバンドで、1982年に蘭Eindhovenで結成されています。当時はドラムレスであったので、BOSS Dr-55リズムマシンを使っていたらしいですが、アルバムの録音では生Drsを使っているようです。またシンセはアナログのPro Oneシンセを使っており、それにアルペジオの打ち込みをしていたとのことです。翌年1983年には、6曲入りデビュー・ミニアルバム”Defreeze”を蘭のレーベルPlurex Recordsからリリースし、RotterdamのDe Dielen で行われたフェスPandora's Music Boxに出演、また仏ReimsでのフェスMusiques de Traversesにも出演しています。そして、ラジオ局VPROのニューウェーブ等を掛ける番組Spleenにも出演したりしています。その後、1985年にはセカンド・アルバム”We” (音はテクノではないです)を蘭のテクノ・レーベルPrimeからリリースし、同年には蘭のレーベルから、6曲入りサード・ミニアルバム”Thin Blue Notes”もリリースしています。その後1988年に、バンドは解散し、Ad Van MeursはThe Watchmanとして活動していくことになります。 以上がW.A.T.の略歴なのですが、この位しか分かりませんでした(すまん!)。それで、本作品は、彼等が出した3枚のアルバムから曲をセレクトして、纏めたセルフ・コンピ・アルバムと言うことになります。内容的には、A2, A4, B2, B3はファースト・アルバム”Defreeze”から、A1, A3, A6, B1, B4, B5はセカンド・アルバム”We”から、A5, B6はサード・アルバム”Thin Blue Notes”からセレクトされており、両面共6曲ずつ収録されており、ベルギーのレーベルStroomからのリリースとなっています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Love Suspect” (3:34)は、ややファンクっぽいリズム隊に、伸び伸び弾かれるGと良く通る女性Voから成るポストパンクな曲で、新鮮です。 ★A2 “Get Famous” (4:46)では、シーケンスと語るような女性Voで始まるニューウェーブっぽい曲で、その後にタイトなリズム隊と単音弾きのGで疾走しています。 ★A3 “Wax” (3:39)は、大胆なDrsと這い回るBにアルペジオGから成るポストパンクな曲で、時に入るシンセがニューウェーブっぽいかな? ★A4 “Defreeze” (4:07)は、機関車のようなリズム隊とシーケンスするシンセに、浮遊感漂う女性Voが心地良い曲で、ニューウェーブだなぁと。ミニマルなBと間奏のシンセが絶品! ★A5 “Thin Blue Notes” (4:37)は、いきなりのアコギとGで始まり、ちょいとマカロニ・ウエスタン調のアンサンブルで、洗練されていてシャレ乙。間奏のGもグー! ★A6 “The Captain” (4:24)は、やや落ち着いた曲で、シンセのメロは良いし、Bのリフはちょいファンク調。カッコ良い! ★B1 “THX” (3:42)は、蠢くようなBラインとDrsを中心に男性Voが女性コーラスと共に歌うポストパンクな曲で、間奏のGもそれっぽい。 ★B2 “Art Lovers” (4:58)は、タイトなDrsとGの刻みと躍動的なBから成る曲で、ここではメインは女性Voで、時にラップ調にもなり、スライドGも挿入され、良い塩梅です。 ★B3 “Ivanhoo” (4:27)は、やや焦燥感を感じさせる曲で、女性Voです。GとBの噛合せが絶妙で、中半〜後半のシーケンスの挿入も良い味付けです。 ★B4 “Hossa” (4:25)では、Gのアルペジオの中、コンガ等を使ったファンク調のリズム隊が始まり、重ねられたGが伸び伸びと弾いているインスト曲です。 ★B5 “Sangatte” (4:59)は、ミニマルなGのリフに囁く女性Voが中心となった落ち着いた曲です。メロも良く、中半からの盛り上がりもグー! ★B6 “Conspiracy In The Dark” (4:32)は、めっちゃカッコ良いノリの良い曲で、歪んだGが新鮮です。Voは女性で、バックの演奏には疾走感があります。 総じて、「軽いニューウェーブ」と言うよりも、ソフィストケートされたポストパンクな曲が多い印象ですが、歌詞が全部英詩で、そこがちょっと残念な所ですね。しかしながら、曲作りやアレンジは卓越しており、かなり聴き易く、また演奏の細部にも凝っている所をビンビン感じます。BOSS Dr-55と記載がありましたが、どうも生Drs(誰が叩いているかは不明)を使って録音されているようで、少なくとも、このようなチープなリズムボックスは使われていません。なので、蘭のバンドですが、これが英国のバンドだったら、もっと評価されていたのではないでしょうか?ポストパンク・ファンの方には是非とも聴いて欲しい一枚です❗️ B6 “Conspiracy In The Dark” https://youtu.be/XoIh6v_qRrw?si=gdJI6q2BPtBccU4g [Bandcampでfull album聴くことができます] https://stroomtv.bandcamp.com/album/world-according-to #W.A.T. #WorldAccordingTo #Eindhoven1983-1985 #Stroom #SelfCompilation #PostPunk #NewWave #Holland #DutchUnderground #Defreeze #We #ThinBlueNotes #RhythmBox #Drums #AMAHKeultjesVanMeurs #AdVanMeur #FJGMVanDenNieuwenhof #FrankVanDenNieuwenhof #AnkieKeultjes
Post Punk / New Wave Stroom 3872円Dr K2
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ADN’ Ckrystall “De Unicornis Veritate”
ADN’ Ckrystallって聞いて、知ってるって方は相当のシンセマニアですね。私は全然知らずに、まあ中古だから買っちゃおうか位の気持ちで購入しました。この作品は1982-1983年に録音され、1983年には出来上がってはいたのですが、今までリリースはされていなかった「幻のセカンド・アルバム」と言うお蔵入り物件です。それで、スペインのWah Wah Recordsが発掘して、2021年にリリースしたと言う訳です。それで、ADN’ Ckrystallと言うのは、仏のシンセ奏者/宅録者であるErick Moncollinのソロユニット名で、その意味は、ADNと言うのは仏語でDNAのことで、Ckrystallと言うのは、先ず、Ckが本名のeriCkから、Yは彼自身のレーベル或いは曲名Ysil-puckiesから、LLは”aLL… Viola !”のLLから取って、”Jazz’ Mad (彼の中では1980-1983年らしい)”を思いついた「森」を繋げて作った造語です。先ず、Erick Moncollinのバイオグラフィーを調べてみました。Moncollinは、南仏Tarbes近郊の街で生まれ、子供の時に独に4年、パリに3年、そうして仏Tourouseに居を構えています。幼少期には、King Crimsonや”The BeatlesのWhite Album”, T-Rex等を聴いており、その内、Hawkwind, Captain Beefheart等を聴いて育ち、大学時代には、Gong, Utopia, John Cale, Magma, The Stooges, Amon Duul 2, Guru Guru, Tangerine Dream等の電子音楽系クラウトロックにのめり込んでいます。時に仏のCatharsisがお気に入りだったとか。それで、Oberheim 2-4 & 8, SEM Voices, EMS Synthi 100, VCS 3, RMI Kbd Computer 1のシンセに触れたくて仕方がなかったそうです。しかし、シンセ・ショップで、Korg MS-20 flat prototypeを試してみて、凄い音が出ることに気付き、気に入ったそうで、その時に、Yamaha CSQ80のテストをしていたVangelisと、またはMini-Moogを弾いていたTim Blakeともジャムっていたそうです。その2週間後、最初のリズムマシン, ピアノ-ストリングスKbd, エフェクター2台, モノ・シンセを購入し、1977-1979年はToulouseのアートスクールでシンセを使い倒して、色んな実験をしています。1980-1983年が”Jazz’Mad”の年になりますが、その時期に、Moncollinは洞窟や重機置き場、農場のような場所で、ライブ活動を始めています。その時に、地元でシンセの達人Benoit Hutinと出会い、そのライブ音源を聴いたHutinがADN’Ckrystallのアルバムを出すように言われ、初めてスタジオでの録音を経験しています。その時には、Moncollinは、Crumar, ブラス・エフェクターとヴォリューム・ペダルを繋いだMultiman 52, 2台のKawai Synthi 100-F, Roland CR-65, Korg PS-3200, Roland Jupiter-4, Boss Flanger, MXR phaser、それにTEAC 8トラック・レコーダーを使っていましたが、その後のライブの前に、Roland SH-05とSCI Pro-Oneも購入しています。そうして、最初はシンセ奏者のいるバンドを参考にしていましたが、どうも彼等はシンセ以外の楽器も演奏しており、シンセの可能性を拡大しようとはしていないようでした。1977年にパンクが勃興してきた時に、Gary Numan/Tubeway ArmyやSimple Mindsが出てきましたが、仏ではそれ程シンセポップ指向のバンドは多くはなかったとのこと。しかし、1980-1990年には、ゴス/ガレージ/バットケイヴ/ニューウェーブ/エレクトロ/ニューロマ/パンク/実験音楽/ファンク/ポップ・バンドがゴロゴロ出てきましたが、玉石混交でした。一方、ADN’Ckrystallのライブは、そのアナログ機材のセッティングは大変でしたが、Moncollinはそんな機材を無理矢理パッチングしたりして乗り切っていました。この時期(Jazz’Mad)のライブで覚えているのは2回だけで、1回目は、1982年12月のクラブL’Enferで、Moncollinは中心に位置し、その周りに観客が配置されていました。観客は踊っており、1980年代ニューウェーブの反応だなと思っていたそうで、ライティングもあってサイケなニューウェーブ・パーティーとなっていました。もう一つは、ピレニア山脈のクラブ活動Le Puouletでのライブで、Moncollinが歌っている時、酔っ払った警官が、彼のシンセを弾きたがって、演奏の邪魔をしてきたので、クラブのオーナーがこの警官を叩き出し、店を閉めて、もう一度、最初からリプレイしたことらしいです。Moncollinは、特にシンセが上手く弾けた訳ではありませんが、とにかく、彼はシンセの音が好きであったとのこと。ある友人は、「Jazz’Madはまるでロード・オブ・ザ・リングのサントラのようだ」と言っていたそうですが、Moncollin自身はクラウトロックからの影響が大きいと思っていたそうです。彼は、1982年作のアルバム”Jazz’Mad”時代から、割とコンスタントにアルバムをリリースしており、本作品が22枚程のアルバムとなります。この後に、1枚10㌅Mini-LP”Frankraut”を2023年に出しています。ちょっと、データと言うよりも、彼の回想録みたいな感じなんですが、彼が、ADN’ Ckrystallとして、買い集めたシンセを使い倒して、エレクトロな音楽をずっとやり続けてきたのは分かってもらえたでしようか? と言う訳で、本作品”De Unicornis Veritate”を紹介したいと思います。この作品は、ファースト・アルバム”Jazz’Mad”をリリースした後に、セカンド・アルバムとして、直ぐに出す予定だったのですが、何故かお蔵入りになってしまった作品なので、1983年と言う時代背景で聴いてみたいと思います。なお、作曲・演奏・打ち込み・録音等はMoncollin1人やっています。では、内容と各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “De Unicornis Verythème”は、細やかなシンセの手弾きによる、ちょっと悲しげな旋律から成る小曲です。 ★A2 “In Mutabilitate”も、割とアップテンポなリズムマシンも使ったシンセの手弾きで、音色も余り変わらないですが、一発録りっぽいのか? ★A3 “De Codex Unicornis”も、懐かしいヴィンテージモノのアナログ・シンセによる曲で、リズムマシンも使ってます。ここでは、シンセらしいSE的音作りも披露しています。多分、シーケンサーも使っていないのでは? ★A4 “Unicornis Garden”もチャカポコしたリズムマシンに、ポリシンセのコード進行と、モノシンセによるメロディが組み合わさった曲ですね。如何にも1980年代初頭のシンセの音色です。 ★A5 “Dragonus, Dragonis”も手弾きシンセとリズムマシンによるややアップテンポの曲ですが、リズムマシンの音色が、どうもエレクトーンに付属しているようで、懐かしいです。 ★B1 “De Spirito Signo”は、大体同じようなリズムパターンで、手弾きによるアナログ・シンセのインスト曲なのですが、そのテクニックは凄いです。リズムマシンに、ポリシンセによるコード進行がメロディ代わりになっていますね。 ★B2 “De Unicornis Creature”は、ベース・シンセとコードを弾くポリシンセに、柔らかいモノシンセのメロディが乗ると言う曲ですね。 ★B3 “La Corne Spiralée”は、リズムマシン無しで、ポリシンセのコード進行にモノシンセによるメロディと言う簡素な弾き語り(勿論Voはないですが)から成る曲ですね。後半にもリズムも出てきます。 これは、正直、余りにもテクノロジーを使わな過ぎて、全部、手弾きでほぼ一発録りのようで、聴いていて、折角のシンセなんだから、もっと音色だけでも替えたりした方が良いのでは?と思いました。そうですね、私がまだ多重録音していなかった高校生時代に、一発録りで曲を録音していた時のことを思い出しました。せっかく、色々集めたシンセを沢山持っているのに、そこら辺は惜しいです❗️多重録音すれば、更に表現が広がったと思いますよ。また、全曲、インストなのも、ちょっと残念です。そう言う意味では、最近の作品も聴いてみたいですね! [live at Kernknach on Oct. 27, 2012] https://youtu.be/Mznj142vaaY?si=RSWkpunweeO7Pye5 [本作品はYouTubeにもBandcampにも無かったので、同時期のアルバム”Jazz’ Mad”を貼っておきます] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lWul6UC9qOn0dEDUFlBB_GNddVqBszYF0&si=PNf4QkRxfv6q3_J_ #ADN’Ckrystall #DeUnicornisVeritate #WahWahRecords #French #Synthesist #SynthMania #幻のSocondAlbum #1983年recording #2021年release #PreviouslyUnreleased #SynthWave #一発録り #インスト曲 #Synthesizers #ErickMoncollin
Minimal Wave / Experimental Wah Wah Records 3000円Dr K2
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Mystery Plane “Still Life”
Mystery Planeって知ってる人いますか?まあ、多分、知らないと思いますし、私も全然知りませんでした。ただ、ちょっと調べものをしていて、つい視聴して気に入ったので、購入した訳です。それで、ちょっと調べてみました。Mystery Planeは、1970年代に活動していたニュー・ウェーブ・バンド3D5が解散して、1980年に結成されています。その時の3D5のメンバーは、1978年の時点では、Mark Harvey, Gerald O'ConnellとPorl Thompsonだったとのこと。そうして、3D5はRAK Recordsから1枚シングルを出して、その1〜2年後に、Thompsonは脱退して、The Cureに加入しています。残った2人は、先ず、リズムマシンとしてBOSS DR-55を買いましたが、音は最悪だったと。また、その時にシンセも購入したそうです。それで、キーボードが弾けて、歌も上手かったCatherine O'Connellをバンドに誘います。因みに、Geraldは、Ash Ra TempelのManuel Gottschingの大ファンだったそうで、それで、彼等は、オープン・リールを使って録音をしていたそうです。そうしていると、マネージャーが1981年夏に、The MarqueeとかRock Gardenでのライブの予定を入れてきます。その時には、オープン・リールにリズム・セクションを録音しておいて、4番目のメンバーのようにステージで使っていました。一方、Geraldは、教員として働き始めましたが、その生徒の当時17歳のGary Ramonに、音楽の才能を見出して、Ramonをバンドに誘います。そうして、1982年に、漸くMystery Planeの曲が何とか出来るようになったのですが、Geraldは、よりサイケな方向にバンドの指向を変えようとしていました。最終的には、Mark Harveyは、GeraldとNigel Lackeyとを仲介させて、Lackeyにも数曲演奏させて、Mystery Planeは、1983年にカセット作品”The Dead Presley Tapes”をリリースしています。その後、どうも1988年迄は、カセット作品をポツリと出していますが、それらに記載されているクレジットはあやふやで、信憑性も怪しいのですが、一応、書いておくと、メンバーは、Missile (B, Vo, G), Curse (Drs, Kbd), Mark Harvey (G, Vo), Zero (Vo, G)で、Gary Ramonが曲をコンパイルしたとなっています。多分、Zeroと言うのが、Gerald O'Connellじゃないかなぁとは思いますが、確認できませんでした。ただ、Geraldは、Lives Of Angels と言うバンドを作って、よりシンセ・ウェーブな音楽作品”Elevator To Eden"を1983年にColor Tapesから出したりもしています。後、Mystery Planeは、他のシンセ・ウェーブとは異なり、クラウトロックからの影響が強く、特に、Neu!, Amon Düül II、それにUltravoxの”Vienna”の辺りからの影響が強かったそうです。一応、まとめると、今回の参加メンバーは、Gerald O'Connell, Mark Harvey, Catherine O'Connell, Gary Ramon, Nigel Lackeyと言うことになると思います。そうして、オリジナルは1981年に作られたデモテープを、Color Tapesが後に100部限定でリリースしたものなのですが、今回は、ちゃんとリマスターしてLP/CD化して出したものになります。それでは、各曲について紹介していきます。 A1 “Telephone”は、Neu!っぽいハンマービートの疾走感に、ギターとシンセが上手く乗っており、クラウトロックからの影響がよく分かるインスト曲です。 A2 “This Is Your Life”も、マシンリズムながらも、ややミニマルな構造で、男性Voと女性コーラスが掛け合うポップな曲です。 A3 “Something To Prove”は、割とシンセ・ウェーブな曲ですが、懐かしのメロディ・ラインが素晴らしいです。ここら辺はニューウェーブっぽいかな? A4 “Tightrope”は、DR-55のリズムとシンセのリフに乗って、如何にも英国的なVoのメロディが絶妙な曲ですが、シンセとギターの不協和音が効果的! A5 “Someone Else”では、マシンリズムとシンセとギターが組んず外れず絡み合い、Voもありますが、ブレイクがカッコ良いです! A6 “Poor John”でも、1980年代のニューウェーブ調の曲をシンセ・ウェーブで演っているような曲ですね。サビでのシンセにテクノ・ポップ味を感じます。 B1 “Crying Again”も、ニューウェーブっぽい曲ですが、使っているシンセやリズムマシンからして、やはりちょっと違うな!と思います。Voとコーラスは絶妙! B2 “Death Sentence”は、ギターとマシンリズムがカッコ良い曲ですが、安っぽいシンセの音色には捻りは無く、Voは歌いまくってます。 B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)”は、チープでファニーなリズムマシンと、ギターによるエセ中近東風(にもなっていない?)曲となっています。 B4 “Still Life”では、珍しく女性コーラスとマシンリズムで始まるニュー・ウェーブチックな曲で、アップテンポでカッコ良いです。 B5 “Silence After Midnight”ではまた、DR-55のリズムに合わせて、1980年代っぽい歌が郷愁を誘います。 総じて、この作品は、単にシンセ・ウェーブと言うよりも、宅録ニュー・ウェーブな印象が強いですね。こう言うバンドって中々無かったた思うので、是非ともニュー・ウェーブ・ファンの方は聴いてみて下さい‼️やっぱり、欧州のシンセ・ウェーブとは違いますね。また、B面はそれ程ではないですが、A面とかはクラウトロックっぽい部分もあり、そこら辺のファンにも需要があるかも❗️ [アルバムとしてまとまった動画はYouTubeには無かったので、全曲を1曲ずつ貼っておきます] A1 “Telephone” https://youtu.be/DWJbUM0terg?si=g5pZaTjieuYZ_RRt A2 “This Is Your Life” https://youtu.be/7d7skW1ZDJQ?si=FNuRXMivY2l9pJlc A3 “Something To Prove” https://youtu.be/xyA5zalxTtk?si=cYAAELzMkteOFbka A4 “Tightrope” https://youtu.be/08eVBOqe4i8?si=hQZFR5lWRMK2tiiI A5 “Someone Else” https://youtu.be/iuiHU_5Po6E?si=lz6zjNNN1uGLC29e A6 “Poor John” https://youtu.be/E9186fDN03A?si=GWju7FbNtRE2VHTU B1 “Crying Again” https://youtu.be/B2ZnLC0GSK4?si=o2ytR0DZEEk3DsAa B2 “Death Sentence” https://youtu.be/eGai6IypUdA?si=julwU3Ty4NkWwYPrThank B3 “(Do The) Shah Of Iran (Twist)” https://youtu.be/cp6w5OmYCpw?si=nDO_S6IXtWZklLZa B4 “Still Life” https://youtu.be/PxbPbLLoKB0?si=aSuNK00uLjpGn2K9 B5 “Silence After Midnight https://youtu.be/1kcjCvp1wm4?si=KteBnExnpWSLbd87 #MysteryPlane #StillLife #AColorTapesProduct #1981年 #DemoTape #LimitedEditions #500部 #NewWave #SynthWave #Krautrock #Neu! #AmonDüülII #Ultravox #Synthesizers #Guitar #RhythmMachine #DR-55 #CatherineO'Connell #GaryRamon #MarkHarvey #GeraldO'Connell #NigelLackey
Synth Wave / New Wave A Color Tapes Product $25.99Dr K2
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Das Synthetische Mischgewebe “Inventaire & Contradictions - Retrospective 1982-1988“
君は、Das Synthetische Mischgewebe (「ダス・ジンテティッシェ・ミッシュゲヴーベ」と発音? 以下DSMと表記)を知っていますか? 1980年代初頭に、独Berlinで、Guido Hübnerを中心に結成された電子実験音楽/インダストリアル/アヴァン・ギャルド・グループです。当時は、他に、Isabelle CheminやYrefことRainer Freyなどが1〜2人程協力していたようです。 それで、活動初期はカセット作品を出していましたが、彼等のファースト・アルバムLP”The Harvest Of Magnetism”は、何と(!)スペインのDiscos Esplendor Geometricoからリリースされています。その後も、DSMの作品は、SFCR (仏), Pinch-A-Loaf Productions (米), Povertech (米)などの海外のレーベルからもレコードやCDとしてリリースされており、更にDSMは、MSBR (日), Frans de Waard (蘭), Ios Smolders (蘭), Artificial Memory Trace (捷), TBC (独), The Oval Language (波)などの様々なアーティスト/グループとコラボ作品も制作しています。先述のように、DSMはBerlinで活動を開始しましたが、この後、1987年にはスペインBalcelonaへ、そして1991年には仏Bordeauxへ移り、最終的には、仏Lower NormandyのCaenに活動の拠点を構えることになります。その際、1987年に、Cheminは、仏Nice近郊のSophia Antipoliに移り、社会的嫌悪に対して仮想空間がどれだけ耐えられるのかの環境開発に携わるコンサルティング・アーティストとして、DSMに参加しています。DSM、即ちHübnerは、国からグラント(資金)を貰いながら、科学的/医学的なプロジェクトとしても働いており、多くの欧州の大学と、音響環境に関するコラボをやってきています。既に、数多くのパフォーマンスやインスタレーションもやり続けており、活動を始めてから、40数年が経っていますが、今だに現役で活動しています。 DSMのバイオグラフィーはザッと上記のようになり、既に大ベテランですが、今回、紹介する作品は、DSMの極初期のカセット作品から抜粋されたトラックを集めたセルフ・コンピ・アルバムとなっています。貴重な曲も収録されていますので、機会があれば、是非体験してみて下さい❗️この時期のDSMのメンバーは、Guido Hübner (Electronics), Isabelle Chemin (アコースティック音収集), Yerf (弦楽器)となっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 A1 “Überlebensformen IV”(1987年, 未発表)では、フェイド・インする電子音に、強烈な弦楽器による打撃音や様々なテープ音/ジャンク音が混在してきて、独特の感触のサウンドスケープを描いています。また曲全体のミックスも緻密かつ秀逸で、長尺にも関わらず飽きないです。 A2 “Harvest Of Magnetism III” (1988年, 未発表)は、不気味で宗教的な雰囲気の強い曲で、低音(ベース?)の不安定な反復リズムと舎利のような音が印象的で、後半の電磁波音とのミックスが強烈! B1 “Works Pt. 2” (1982年, 独Das Cassettencombinatの同名カセットより抜粋)は、モコモコした不明瞭なリズムに、微かに乗ってくるジャンク音や環境音が絶妙で、タントラ様の感触が感じられます。 B2 “Loop Of Existence” (1985年, 独Alien Artists Berlinのコンピ”Illuminated No. 2”に収録曲)も、地響きのようなスローな反復リズムに、呻き声の如きテープ音がじわじわと被ってくる曲で、その恐ろしいまでの緊迫感が凄いです。 B3 “Ode An Conrad Elektronik” (1984年, 未発表)は、ラジオ波の迷宮のような曲で、ガソゴソと這いずり廻るノイズが脳波を錯乱させ、最後に素晴らしい歪みまくった演奏(?)へと跳躍します。 B4 “Bacchus Pt. 2” (1987年, 日ZSF Produktの同名カセットより抜粋)は、微かに聴こえるリズムとシンセによる電子音が織りなす舞踏曲で、やがて不明瞭に反復する雑音へと姿を変え、スピードを増したカオスへと変貌していきます。 総じて、DSMの初期の魅力が詰まった作品かと思います。その魅力とは、インダストリアルと音響系ノイズの狭間にある未分化なモノで、この1980年代と言う特異な時期にしか産み出されなかったのでは? そう言う意味では、DSMは早過ぎた「音響派ノイズ」なのでしよう。必聴です❗️ A2 “Harvest Of Magnetism III” https://youtu.be/YNHjIJ5BLG8?si=RKz-R8hDYLV9PA0f B1 “Works Pt. 2” https://youtu.be/I9_AqoKhQZo?si=GSgyX239zhsi9ljC B2 “Loop Of Existence” https://youtu.be/LFUS0_oBcUI?si=Cmz5Z_iBAae830Y3 #DasSynthetischeMischgewebe #Inventaire&Contradictions #Retrospective1982-1988 #VinylOnDemand #SelfCompilationAlbum #LimitedEditions #500部 #Experimental #Electro-Acoustic #Industrial #Performance #Installation #German/France #GuidoHübne #IsabelleChemin #Yref/RainerFrey
Electro-Acoustic / Experimental / Industrial Vinyl on Demand 不明Dr K2
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V. A. “Prophecy+Progress: UK Electronics 1978-1990”
これは完全に謎物件でした。買ってから聴いたのかどうかも良く覚えていませんでしたが、発掘しました。副題にもあるように、1978年〜1990年の期間の英国を代表する(広い意味での)電子音楽作品を集めたコンピ・アルバムです。多分、Clock DVAやAttrition, Colin Potter, Konstruktivists等のその手の筋では有名どころが入っていたので購入したと思うのですが、やはり個人的目玉はVice Versaじゃないかな? レーベルのPeripheral Minimalについては、私はよく知らなかったのですが、2013年に英国BristolでJason B.Bernardによって運営されている電子音楽(インダストリアル〜シンセ・ポップやポスト・パンクまで)を扱うレーベルです。今回のキュレーションもBernardがやっているようです。と言う訳で、各参加者/グループと曲を紹介していきます。 ★A1 Clock DVA “Lomticks Of Time”(1978年)は、Vinyl On Demand (以下VODと表記)から出た"Horology 1: 1978-1980”ボックスセットの中のLP”Lomticks Of Time”から取られています。この時のメンバーは、Adi NewtonとStephen James Turnerです。余りはっきりしたリズムは無く、シンセの通奏低音に、ディレイの掛かったギター(?)の爪弾く音や男性のナレーションが組み合わさった、かなり実験的な曲です。 ★A2 Vice Versa “Idol”(1970年)もVODから出たLP “Vice Versa”から取られており、メンバーはMark WhiteとStephen Singletonのデュオで、1977年結成のSheffieldのバンドです。結成時には、他にIan GarthとDavid Sydenhamもいましたが、前者2人はABCに加入し、商業的成功も得ています。曲は、The Futureや初期のHuman Leagueを想起するエレ・ポップです。ホワイト・ノイズによるスネアがカッコ良い。 ★A3 Colin Potter “Number Five”(1979年)は、1970年代後半から活動している実験音楽家/サウンドエンジニアで、ICRレーベルと共に活動し、Nurse With WoundやCurrent 93等とのコラボでも有名です。意外にも、リズミックなシーケンスとメロディアスなシンセからなるエレ・ポップな曲で、Muteから出してそうな音楽です。 ★A4 Konstruktivists “Vision Speed”(1981年)はは録音時、T.G./CoilのPeter “Sleezy” Christophersonのハーモナイザーを使用。これは、1982年からGlenn Michael Wallis始めたインダストリアル・ユニットで、相方にMark Crumbyもおり、Whitehouseの初期メンバーでもあったとのこと。一転、機械の中にいるかのようなシンセによるインダストリアルな曲で、後半はリズムマシンDR-55も使っています。 ★A5 Naked Lunch “Rabies”(1981年)は、1979年に、Gary NumanやKraftwerkの影響下で、Paul N. Davies (G, Korg Synth), Mick Clarke (Moog Synth), Tony Mayo (Vo), Clifford Chapman (Roland Synth), Mark Irving (Drs)によって結成されており、Stevoがプロモートしていました。これまた、初期Human Leagueっぽいシーケンサーを上手く使ったエレ・ポップですね。 ★A6 Five Times Of Dust “Automation”(1981年)はCardiffとBristolで録音されています。メンバーは、Mark Phillips (Organ, Synth, Speak & Spell, Compute-a-tune, Drs Machine, Bells, Metals, G, Bassline, Clock, Toy Piano)とRobert Lawrence (Bassline, G, Fx, Metals, PC, Drs Machine, Toy Piano, Melodica, Synth, Vo, Xylophone)のデュオです。捻くれまくった実験的エレ・ポップ曲で、似ているものはありません。 ★B1 Schleimer K “Women”(1981年)のメンバーは、Billy Duncan (Sax), Dominique Brethes (Kbd, Drs Machine), Michael Wolfen (Vo), Mark Benjamin (B, G)の4人組です。太いシーケンスと初期Kraftwerkっぽいリズムにシンプルなメロディが重なる曲です。SaxやG/Bは使われていないインスト曲です。 ★B2 V-Sor, X “Conversation With”(1982年)はCheshireのAlsager大学で録音されており、その時のメンバーは、Alastair Boyle (Drs), Jacqueline Hemmings (Kbd), Alex Newton (Trumpet, Vo), Morgan Bryan (Vo, G)で、1979年末〜1989年まで活動していました。ミニマルなシーケンスとドラムマシンにキャンディーのようなシンセのメロディと男性Voから成るキャッチーなエレ・ポップです。 ★B3 Attrition “Beast Of Burden”(1984年)は、元々はThird Mind Recordsから出た”The Attrition Of Reason"から抜粋されています。この時のメンバーはMartin Bowes (Vo, Electronics)とAshley Niblock (Vo)とで、Gordon Maxwell (Sax)が客演しています。なお、Attritionは1980年にBowesとJulia NiblockによってCoventryで結成され、現在は、Bowes, Ashley Niblock, Alan Rider, Julia Niblock Wallerがメンバーです。これは!メチャクチャカッコ良いシーケンスに度肝を抜かれるAttrition節のエレ・ポップで、男女混成Voの切羽詰まった感じもグーです。 ★B4 Peter Hope & David Harrow “Too Hot”(1986年)は、Hackneyからシングル"Sufferhead EP”が出た後に録音されています。メンバーは、Hope (Vo)とHarrow (Synth, Kbd)のデュオです。この曲はLinnドラムマシンを使っているのか?そんな強烈にファンキーなリズムと絡むVoもマッチョです。 ★B5 John Costello “Total Shutdown”(1986年)は、自主制作カセット"Cantos"から取られています。彼は1980年代中期にカセット2本を出した後、15年後の1996年に、Martin Bowesとのコラボ・ユニットENGRAM名義で”What Am I?”をリリースしており、その後は作品を出しています。割とダークな雰囲気の曲で、エレ・ポップ界のBauhausみたいです、Voはサンプリングなのかな? ★B6 T.A.G.C. “Further And Evident Meanings” (1986年)はSweatboxからリリースされたEP"ShT"から取られており、その時のメンバーは、Clock DVAのAdi Newton, Robert Baker, Darrell D. D'Silva, Mark Holmes, Barry R.D.L. Harden, David A. Heppenstallです。このグループの正体は、1978年にAdi NewtonとSteven James Turnerによって結成されたThe Anti Group Communications (T.A.G.C.) に始まっており、多次元的な表現方法の開発と発信を目指しており、しばしば音/映像/ビデオ/パフォーマンスを含んだ劇場的演出を試みています。強烈にファンキーで複雑なマシンリズムと途中でのクールオフが面白い実験色濃い曲で、テープ音がコラージュされています。 ★B7 John Avery “12AM And Looking Down”(1990年のライブトラック)は、元々は1992年にForced Entertainment Theaterの"12am: Awake and Looking Down"の7分ヴァージョンでした。Averyは元々、劇場のパフォーマー/作曲家/サウンド・デザイナーであり、1980年代〜1990年代にSheffieldのバンドHulaのメンバーであり、劇団Forced Entertainmentとのコラボを熱心にやってきました。マリンバのようなリズミックなシーケンスが絡み合うミニマルな曲で、音自体シンプルながらも、アレンジは秀逸です。 とまあ、グループ/アーティストそれぞれな訳ですが、英国縛りと言うのが面白く、また全然知らないアーティストなんかも参加していて、凄く楽しめました。皆さんも、電子音楽に興味が有れば、是非とも聴いてみて下さい!! A2 Vice Versa “Idol (demo version)” https://youtu.be/GpxBsjwbsnQ [BandcampのURLを貼っておきます] https://peripheralminimal.bandcamp.com/album/prophecy-progress-uk-electronics-1978-1990 #VariousArtist #Prophecy+Progress #UKElectronics1978-1990 #PeripheralMinimal #Compilation #ClockDVA #ViceVersa #ColinPotter #Konstruktivists #NakedLunch #FiveTimesOfDust #SchleimerK #V-Sor,X #Attrition #PeterHope+DavidHarrow #JohnCostello #T.A.G.C. #JohnAver
Industrial / Electronic / Cold Wave Peripheral Minimal 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pharmakustik “Schubkraft”
ついつい、買ってしまうんです。今回は、Conrad Schnitzler先生とPharmakustikとのコラボ作品3部作の最終作品”Schubkraft”です(2016年作第1部”Kontraktion”、2018作第2部”Extruder”があります)。Schnitzler先生については、これまでも色々書いてきましたので、ここでは、Phamakustikのバイオグラフィーを補足しておきます。PhamakustikことSiegmar Fricke氏は、1981年辺りから活動を始めた独逸の実験音楽家で、元々は、短波ラジオとアコースティックな音を用いた作品を作製しており、丁度、ミュージック・コンクレートとポスト・インダストリアルの間に位置して、世界的なカセット・カルチャー・シーンで活躍しています。それで、Siegmar氏は自身のレーベルBestattungsinstitutを運営し、1985年〜1993年の時期に、実験音楽から、EBM、エレクトロ、テクノ、アンビエントまでを取り扱っており、その後、ネット・レーベルに移行しています。2009年より、彼のソロユニットとしてPhamakustikを名乗り始め、また2013年からは、ポップな音楽をやる為に、Dieter Mausonとのコラボ・ユニットDelta-Sleep-Inducing Peptideを立ち上げています。それで、Pharmakustikでは、一種の音響学的研究や音に関するリサーチ或いはアコースティックな音の断片の再統合などを行い、極めて電子的て抽象的なレイヤーを作り出していたとのことです。 そんな2人がコラボして作り上げた内の第3作目が、本アルバム”Schubkraft (「推進力」の意)”になります。クレジットによると、このシリーズは、1986年11月〜1987年7月にBerlinのSchnitzler先生のスタジオで行われた未発表音源を順次発表しているようです。2人が用いた楽器は、EMS Synthi A, Korg MS-20, Dynachord Echocord, Automatic Rhythm-Player, Digital Delay, Ibanez MultiEffector, Radio, Yamaha CS-5となっており、アルバムは、両面1曲ずつの長尺の曲から成ります。両面とも、もう涙がちょちょ切れる位、素晴らしい曲です!A面は、スペーシーなシンセと、Esplendor Geometricoのように駆動するリズムマシンの絡みから成り、まるで「電子界を走る銀河鉄道999」のようです。結構、リズム音が強調されたミックスになっています。最後で、リズム・パートが無くなってからは、お互いの電子音が自由に絡まり合って、程良い緊張感を出していまし、ディレイが効いていて、宇宙へ飛んで行きそうです。一方、B面は、リズムマシンは使っているものの、ロング・ディレイを掛けたシンセ音が瞑想音楽のように響き渡り、一瞬、1980年代のM.B.サウンドがフラッシュバックします (Fricke氏は復活後のM.B.ともコラボしていますね)。時間軸が曲がってしまった世界で音楽を聴いているようです。B面の最後には、何故か、ラジオの音声と不気味な電子音との狂宴に移行し、不穏な空気感で終わります。両者とも、電子音や実験音楽をベースに活動している/していたので、本作品のような素晴らしいコラボ作品が出来たのだと思います。ミックスはFricke氏によって、2019年に行われていますので、その為、Fricke色がやや強く出ているのかもしれませんね。これを聴いたら、第1部と第2部も欲しくなりました。全ての電子音楽ファンに必聴です‼️ [trailerのみ] https://youtu.be/9VZn8_z4lYc #ConradSchnitzler #Pharmakustik #SigmarFricke #Schubkraft #Rotorelief #CollaborationAlbum #第3弾 #ElectronicMusic #Experimental #1986年-1987年録音 #2016-2017年再構築 #LimitedEdition #500部
Electronic music Rotorelief 2100円Dr K2
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Eric Lunde “Witness To Disaster”
皆さんはEric Lundeと言うノイズ・アーティストを知っていますか?米国のアーティストで、1983年にBoy Dirt Carと言うバンドをDarren Brownと一緒に始めており、レコードやカセット作品を出していました。しかし、1989年にEricはBoy Dirt Carを脱退し、彼自身の音楽を出したかったみたいで、E. LundeやEric Lunde或いはTrait名義で活動したいます。彼はまた自分の詩集を、LLNDとプリントされた木箱に入れた装丁で出したりもしています。彼曰く、1990-2004年はアートも文筆も何も作る気にならなかったが、ただはチェックされていたことは少しだけはやったけどと言うことみたいです。それで、コンタクトも取れずに、PCとかも壊してしまったらしいです。また「今、私が到達点に近づいてと思って見ているものは、まだ指し示さないと分からない何かで、勿論、それは最近の慌しい活動とも関係しているのだが。死亡、それが貴方達のモチヴェーションなんだろ?」とも。「勿論、1986-1989年に私は数々のカセット作品を作ってきたが、Cathartic Processを通してリイシューしていくつもりではいるが。構えて待っててくれ」とも語っています。中々、難解な方のようですね。そしてこの作品をリリースしたのがオランダのV2_Archiefです。このレーベルはオランダの実験音楽、電子音楽やノイズミュージックなどをリリースしたり、ディストロしたりしている重要レーベルです。その中心人物がFrans de Waardであり、彼の秘書Jacque Van Busselであります。 まあ後のStaalplaat一派ですね。 それでEric Lundeのこの作品なんですが、恐らくライブ録音だと思うのですが、A面とB面に長尺の曲がPart 1, Part 2と言う風に記載されているのみです。ジャケには長々と解説が書いてありますが、訳する程の元気がありませんので、ご容赦ください下さい。カセットテープの録音された音や電子楽器(サンプラーやシンセ)などの音素材を上手くミックスして、極上のノイズミュージックに仕上げております。唐突なノイズの挿入やテープ音の反復などは非常にテクニカルで、また、リズムマシンすらも使用していますが、これはあくまでも音楽の中の1要素として使われています。所謂、ハーシュノイズとかではないですし、またテクノイズでもないですが、一種のアブストラクト・ノイズですね。でもここら辺のノイズってあんまり人気ないんだよねぇ。とは言ってもこれも高水準な作品なので、もっと聴かれるべきだと思うんです。どうですか?こんな抽象的実験ノイズは?因みに、リミックスはオランダの鬼才THU20のPeter Duimelinksがやっています! A “Witness To Disaster 1” B “Witness To Disaster 2” https://youtu.be/QnbFq7Otnd0?si=y1T5DHRBa7iMsCMD #EricLunde #WitnessToDisaster #V2_Arvhief #LimitedEditions #500部 #BoyDirtCar #Abstract #Noise #Experimental #Live #American #Poetry #LLND #CatharticProcess
Noise Experimental V2_Archif 不明Dr K2
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P1/E “Second Offender”
皆さん、独逸のP1/Eをご存知だろうか? 知らない人の方が多いような気もしますが、ここで敢えて取り上げてみたいと思います。結成とかははっきりとした情報がないので、大体で、話を進めると、どうもかっちりとしたバンドではなく、流動的なプロジェクトみたいな存在のようです。先ず、分かる範囲でのメンバーは、Alexander Hacke (Dr, Synth), Eric Franke (?), Michael Hirsch (Synth), Michael Schäumer (B, Synth), Thomas Voburka (Vo), Ute Droste (Vo)で、曲を主に書いてあるのがMichael HirschとMichael Schäumerなので、彼等が中心であったみたいです。それで、彼等は1980年にExile Systemsより、”49 Second Romance” / “Dependence”と言う7㌅シングルを出しただけで、その後は梨の礫でした。その為か、当時からカルト・バンドとしてみられてました。2005年に本作品がリリースされた後、2020年にデジタル・ファイルで3作ほどリリースがあります。それで、本作品ですが、A面は先述のシングルを含めて、1980年作”Up and Above”とそのダブ・ミックスや1981年作People’s Recordsより出した名曲”49 Second Romance”のディスコ・ミックスなどのスタジオ録音からなります。一方、B面は1981年8月17日にSO36でのライブ録音になって、4曲が収められていますが、これにはZiggy XYがヴォーカルで参加しています。彼等の名曲”49 Second Romance”は色んなヴァージョンで聴くことができます。彼等の音楽はミニマルで、リズミックで、踊れるモノなので、後のテクノやレイブ・カルチャーに大きな影響を与えました。A面の曲もいいのですが、B面のライブトラックが凄まじいです。1曲目はドラム入りで観客を煽ります。その後はリズムマシンやシーケンサーを使って、KosmonauntentraumのZiggy XYのヴォーカルが響き渡ると言うかなり無茶苦茶な曲になっていますが、曲間の観客が何か分からんけど拍手しとこかな?と言う態度が丸わかりで面白いですね。これぞ、正にPunk Electronicsですね。また、最後の曲が終わった後にゴトゴトいうのはやはり観客が暴れたからですかね?皆さんも聴きたくなったでしょう。みつけたら、即ゲットですよ! A1 “49 Second Romance (Original 7" Mix)” A2 “Dependence” A3 “Up And Above” A4 “Up And Above Dub” A5 “49 Second Romance (Disco Mix)” A6 “Nice” B1 “Mauern Sind Ein Super Spaß” B2 “Gib Mir Den Tod” B3 “Weil Ich Dich So Lieb Hab” B4 “49 Sekunden Romanze” A1 “49 Second Romance (Original 7" Mix)” https://youtu.be/5MFyCS-L6WA?si=drh7WUrM0O9XDHgv A2 “Dependence” https://youtu.be/w6KNWPOfoe0?si=4fKRi7voxa6J3eTD A3 “Up And Above” + A4 “Up And Above Dub” https://youtu.be/6QHejfcLK-Q?si=ekLIMmu79BpQiGnG A5 “49 Second Romance (Disco Mix)” https://youtu.be/N7nZ19qiP_4?si=ec-CenKBsGSwwGJX A6 “Nice” https://youtu.be/bnLI8RkJ04I?si=VbQBJ5qJfM9QivmU [P1/E with Ziggy XY; live] https://youtu.be/yZV52ZafpkU?si=kng5MsMOrCa96tMZ #P1/E #SecondOffender #VinylOnDemand #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SelfCompilation #LimitedEditions #500部 #49SecondRomance #MichaelHirsch #MichaelSchäumer #AlexanderHacke #EricFranke #ThomasVoburka #UteDroste #MinimalWave #DanceMusic
Neue Deutche Welle (German New Wave) Vinyl on Demand 不明Dr K2
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The New Blockaders “Symphonie In X Major”
またまた、出ましたよー、皆んな,大好き❗️The New Blockaders (TNB)です。今回は彼等の作品の中から”Symphonie in X Major”を紹介します。バイオグラフィーは以前のを参照して下さい。それでこの作品なのですが、今回ほ参加メンバーは首謀者Richard RupenusとレーベルHypnagogiaの創設者でもあるPaul Coatesの二人で、最後のミックスはPaulがやっています。今回も、金属音のガチャガチャ、キィーキィー、ドッシャンガラガラと言う強靭なメタル・ジャンクの演奏が片面1曲ずつ(OutsideとInside)収録されています。元の音源自体は1989年に録音されたものらしいです。それらを元にして1991年にPaulがミックス・ダウンをやっており、左右にパンが振られたり、逆回転が挿入されたりして、中々楽しめる作品になっています。でも、何故、このような金属音は人々を魅了するのでしょう?いつも不思議に思うんですよね。なので、そのことは何れに考察したいですね。この作品には裏があって 、これとは別に“Symphonie in O Minor”と言うカセット作品が同時に出ています。その内容は「無音のダビング」からなるテープのヒスノイズだけです。これで,Maximum(ノイズ)とMinimum(無音)が揃っている訳ですが、それらを合わせて聴くのが彼等の意図したところなんでしようか?今度、Richardに訊ねてみます。しかしながら、本作品は単独でも成り立っていますし、これだけでも充分に楽しめますので、是非皆さんも聴いてみてください。因みにTNBの作品は殆どが限定ものなので、見つけたら!即ゲットですよ❗️ A “Outside” (19:40) B “Inside” (19:59) “Symphonie in X Major” https://youtu.be/2_JZEz6y7jM?si=_b8l2CchpGN_yPFe “Symphonie in O Minor” https://youtu.be/hsL4hl26_hU?si=5BBDPCv0bxVsFLXv #TheNewBlockaders #SymphonieInXMajor #Hypnagogia #LimitedEditions #500部 #Noise #Experimental #MetalJunks #RichardRupenus #PaulCoates #SymphonieInOMinor
Noise, Experimental Hypnagogia 不明Dr K2
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MLD “1983-1986”
先にご紹介したBGMの白石隆之さんが、BGMの解体後、Shinohara Junさんと結成したのが、このMLD (Minimum Lethal Doseの略で、薬理学での「最少致死量」の意)です。タイトル通り、1983年から1986年の間に録音された音源からのセルフ・コンピとなります。2曲だけTakaki Suyamaがドラムで参加してます。このユニットの情報は殆ど無いのですが、当時の私の記憶からだと、電子化したSwansのようなリズムに重きを置いたバンドであると言うレビューがあったと思います。また、彼等はTristan Disco名義でも活動していたと記憶していますが、どう違うのかは忘れてしまいました。本作品には、彼等のファーストシングル”Perpetual Motion”も含まれています。白石さんは今や、日本を代表する電子音楽/ハウスのパイオニアでもあり、彼の頭の中で鳴っている音を具現化してきたのだと推測します。本作品は全体的に、無機質な重いリズムによって支配されており、リズムマシンとシンセから成る電子音楽で、巨大な鉛玉の刻む圧を感じるドゥーム・エレクトロニカとも言うべき音楽です。本作も淡々と曲が進むミニマルなアルバムですが、BGMでも見せた、独特の禁欲的でミニマルな「音構造」或いは「ノリ」を提示しており、白石さんの一貫したコンセプトをビンビン感じます。また、非リズムな音(変調ヴォイスや電子音、テープ音)も非常に効果的で、センスの良さを感じますね。このような貴重な作品が時代に埋もれず、21世紀になって発掘された意義は大きいと思います(有難う、Camisole Recさん!)。また、Kurikor Kouchianのマスタリングが上手いのか?音の分離が良く、充分な低音を聴くことができます。個人的には、当時、最も聴きたかったバンドの一つなので、このセルフ・コンピは本当に嬉しかったです。もし、興味を持たれた方がいましたら、是非とも聴いてみて下さい! (特に当時リリースされたシングル曲”Perpetual Motion”は凄いです!) 因みに本作品は500枚限定です。基本メンバーは、Jun SonoharaとTakayuki Shiraishiで、ゲストとしてTakaki Suyama (Drs [A1, B1])が参加しています。 A1 “Perpetual Motion” (3:44) A2 “Camouflage” (1:47) A3 “Dance With Shadows” (2:34) A4 “Invisible Beats” (2:40) A5 “The Hole” (2:32) B1 “Dynamo” (4:13) B2 “Night March” (2:29) B3 “Micro Vibration” (1:37) B4 “Storm Pt.1” (3:02) B5 “Burning” (2:12) B6 “Vortex” (1:46) B1 “Dynamo” (4:13) https://youtu.be/VhNX6Va77Lc?si=uDrmOfuGImaLvvAw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mcJAYRf6IVCtBArycy89QK4YmjF7FodUQ&si=gIPkBF214noEP3oS [BandcampのURLも貼っておきます] https://camisolerecords.bandcamp.com/album/1983-1986 #MLD #1983-1986 #CamisoleRecords #LimitedEditions #500部 #Self-CompilationAlbum #DoomElectronica #AlternativeRock #Single #1983年 #PerpetualMotion #Dynamo #JunSonohara #TakayukiShiraishi #GuestDrums #TakakiSuyama
Alternative Rock Camisole Records 3300円Dr K2
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Vivenza “Veriti Plastici”
前回に引き続き,フランスの至宝Vivenzaのサードアルバムのリイシューです。バイオグラフィーは前回のを参考にしてください。今回のサードアルバム” Veriti Plastici”も1983年の作品なので、基本路線に変わりはありません。ショートループを軸に、様々な音(恐らくフィールド・レコーディングされたもの)を変調したノイズが実にクールに配置されており、その音が想起させる金属音的な印象と、それと同時にその即物性が最高にイカしています。確かに「インダストリアル」と言えば、そのループの同期性や金属質な音色はそうなんでしょうが、私か強く感じることはJean Tinguelyの作品と共通する音の質感と構築です(ただし、彼自身はLuigi Russoroからの影響と言っていますが)。その後、Ladd-Frithから出たライブ音源では、多数のループを無秩序に重ねたものですが、それはライブと言うことなんでしよう。しかし、私が思うに、彼のやっていることは、ミュージック・コンクレートだと思います。その為に、敢えて認識し易い「ループ音」を使っていますが、実はループ音の前後に配置された具体音が彼の本質のように思います。そのことは、本作品を聴いてみて、強く感じました。なので、反復に隠された「音の切り貼り」こそが、Vivenzaの真の魅力なんでしょうね。ジャケからはインダストリアルと言う言葉がしっかりきますが、それに惑わされないで、彼の音楽を聴いてみましょう。 A “Veriti Plastici: Partie 1” (18:54) B “Veriti Plastici: Partie 2” (17:53) [Original cassette full album] https://youtu.be/EJAywQh_Q3E?si=5q6uz4dNYk4LKRa B “Veriti Plastici: Partie 2” https://youtu.be/lZLOZroXjDA?si=anIxb6wrXIZ2ogpj #Vivenza #VeritiPlastici #Rotorelif #ElectroInstitut #ThirdCassetteAlbum #Reissue #LimitedEditions #333部 #JeanTingely #MusiqueConcrete #Loop #FactorySounds #Industrial #Noise #Jean-MarcVivenza #SoloNoiseUnit #FrenchUnderground
Industrial / Noise Rotorelif (Electro Institut) 不明Dr K2