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The Clash “London Calling”
また来ました、The Clashの名盤ダブルLP ”London Calling”です❗️しかし、私はこのアルバムを買った時には結構聴いていたように思いますが、その後、殆ど聴いていませんでしたねぇ(しかも、次のアルバム”Sandinista!”からは買っても聴いてもいません)。世間的には、色々言われていたアルバムですし、私もここまではThe Clsshのアルバムはリアルタイムで買ってました。The Clashのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらを参考にしてください。何故、問題作かと言うと、典型的なパンク・サウンドからレゲエやジャスなどの音楽的要素も持ち込まれており、それを「日和った」と言うファンと「音楽性に幅が出た」と言うファンに二分してしまったからです。確かに純粋で典型的なパンク・ロックではないと思いますし、パンク・ロックのジレンマ的なこと(最初はパンクであり、それは起爆剤としては有効だが、パンクとしては長続きはしない)はあるので、この方向性は当然と言えば当然だとも思うんですよね。それが、分かった上で、もう一度、聴き直してみようと思いました。 A1にタイトル曲”London Calling”を持ってくる辺りに彼らの決意とか覚悟みたいなものを感じますね。カバー曲”Brand New Cadillac”もロカビリー調でカッコいいです。ただ、私は昔からジャスっぽいものは余り好きでは無いので、A3 ”Jimmy Jazz”ほちょっとツラいです。B1 ”Spanish Bomb”はコーラス・ワークは冴えていますし、ノリも良いです。A-5やB-2にはゴージャスなブラスが入っており、ここら辺にプロデューサーのGuy Stevensの力量を感じます。でも、やっぱりMick Jonesのヴォーカルは苦手です。でも、このアルバムでは寧ろシットリしてていい感じではありますが。B5 ”The Guns of Brixton”ほ元々彼らの嗜好でもあったレゲエ調(あくまで「調」であり、パクリではない)になっており、その気だるさと歌詞の辛辣さがグッときますね。2枚目に移って、C1 ”Wrong’Em Boyo”もカバー曲で、オルガンとブラスが入っており、ご機嫌な曲ですが、ちょっと引っかかるかな? C2やB4はThe Clash節と言う感じで安心しますね。C4 ”The Card Cheat”はピアノをフィーチャーした曲ですが、内容はギャンブルのことかな? D4 ”Revolution Rock”もオルガンやブラスを入れたレゲエ調の曲でバッチリ締めていますと、思ったら、クレジットは無いですが、D5として”Train In Vain”と言う曲が収録されてます。なおVoはMickですが、何となくこの曲には甘いMickの声が合うようです。と、まあ、聴き直してみて、パンクがどうのこうのと言うよりも、1970年代終わりにしっくりくる「ロック」アルバムなんだなあと感心しました。それまでのパンクのシンボル的な面からはみ出して、思いっ切り「ロック」を演ってみた、正に名作だと思います。勿論、その前の2枚のアルバムも良かったのは間違いないのですが。このアルバムは米国でも知名度が高まり、散々パンクをこけ降ろしてきた音楽雑誌にも高評価されています。それから、今まで書いていなかったんですが、The Clashは、左翼運動とも連携しており、特に当時の極右National Frontからは目の敵にされていました。また、Rock Against RacismやAnti-Nazi-Leagueと言った運動にも積極的に参加しています。また、彼等の歌詞には、「社会腐敗、失業問題、人種差別、警察の横暴、政治的・社会的抑圧」を盛り込み、当時の英国首相サッチャー氏の新自由主義に対して強烈な批判を加えていました。そう言う背景も知っていた方が歌詞を読む時に参考になりますよ。と言う訳で、また、機会があったら、このアルバムやこれの1年後にリリースされた3枚組も聴いてみようかな?と思いました。皆さんも是非、聴いてみて下さい! ◼️LP1 A1 “London Calling” (3:19) A2 “Brand New Cadillac” (2:58) A3 “Jimmy Jazz” (3:00) A4 “Hateful” (2:47) A5 “Rudie Can't Fail” (3:26) B1 “Spanish Bombs” (3:18) B2 “The Right Profile” (4:00) B3 “Lost In The Supermarket” (3:47) B4 “Clampdown” (3:50) B5 “The Guns Of Brixton” (3:07) ◼️LP2 C1 “Wrong 'Em Boyo” (3:10) C2 “Death Or Glory” (3:55) C3 “Koka Kola” (2:05) C4 “The Card Cheat” (3:05) D1 “Lover's Rock” (4:01) D2 “Four Horsemen” (3:00) D3 “I'm Not Down” (3:00) D4 “Revolution Rock” (5:50) D5 “Train In Vain (3:07) https://youtu.be/x1yWR7iZ1wk?si=QEeAIzFEJJLvS_6_ #TheClash #LondonCalling #Epic(CBS) #ThirdAlbum #2枚組 #Punk #Rock #LeftWing #RockAgainstRacism #Anti-Nazi-League #JoeStrummer #MickJones #PaulSimonon #TopperHeadon #Guests #TheIrishHorns #MickyGallagher #Produce #GuyStevens
Punk Epic (CBS) 不明Dr K2
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The Clash “Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”
私は意外とこう言うのも聴くんですよ。と言う訳で、今回はThe Clashの登場です❗️しかも、ファンの間では余り人気の無いセカンド・アルバム”Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”です。私より詳しい方はいらっしゃるとは思いますが、バイオグラフィーを少し。The Clashは1976年に英国Londonで結成されました。その時のメンバーは、1974年に結成されていたパブロックバンドThe 101ersのVo/GであったJoe Strummer (本名John Graham Mellor)、1975年をリハに費やしていたプロト・パンク・バンドLondon SSのいたギタリストMick Jones、そのLondon SSのオーディションにVoとしてやってきたPaul SimononとドラマーのTerry Chimesで始まりました。元々はMickがSex Pistolsのライブを観て、London SSのマネージャーだった Bernard Rhodesに話しをつけて、Paulに連絡を取り、ギターよりも簡単なベースをやるようにとアドアイスし、後にPublic Image Limitedの初代ギタリストになるKeith Levene (G)を誘い、ニューバンドを作ろうとします。Terryもオーディションにはきましたが、直ぐに辞めました。またバンドはリードシンガーを探していて、丁度、マネージャーのBernard(後の「バーニー」のこと)の目に止まったのが、Joeで、MickもPaulも同意でした。それで、101ersの演奏後、3人はJoeを呼び出し、「俺達のバンドに入らないか?48時間やるから、考えてみてくれ」と提案したところ、最初の24時間で、「OK」の返事がきました。こうして、The Clashが誕生しました。それで、1976年7月4日にSheffieldのBlack SwanでSex Pistolsと共に初のギグを演ります。それで翌年1月にCBSレコードと契約しますが、その時にはKeithはクビになっており、また、Terryも脱退していたので、契約してから、正式なメンバーとしてTopper Headonがドラマーとして加入することになります。当時、Sniffin’ Glueと言うパンク・ファンジンを発行していたMark Perryは「The ClashがCBSと契約を結んだ時にパンクは死んだ」との記事を書いてますが、その後、The Clashの1977年のシングル”White Riot”を聴いて「あれは間違いだった」と書いています。そしてThe Clashとしてのファースト・アルバム”The Clash (白い暴動)”をリリース。この辺りはまたの機会にします。 それで、彼らのセカンド・アルバムである”Give ‘Em Enough Rope (動乱 獣を野に放て)”をまず紹介するかなんですが、それには少し理由があります。それは、私が最初に買ったThe Clashのアルバムだったと言うことです。当然、田舎の高校生だったので、このアルバムを結構ヘビロテしてました(と言うか、お金が無いので、一度買ったレコードは好きになるまで聴いていたものです)なので、このサウンドがThe Clashの音楽なんだと刷り込まれてしまったのです。何故か、本アルバムはアーティスト自身にもファンにも余り良い評価を与えられてません。多分、それは米国への進出を念頭に作られたことと、その為、Blue Oyster CultのプロデューサーであるSandy PearlmanをCBS側が密かに用意していたからでしよう。実際、ギターの音はハードロック調ではありますし、メタリックでもあります。ただ私は元々米国のKissが好きだったので、それ程違和感は感じませんでした。と言うか、A-1 “Safe European Home”, A-2 “English Civil War”, A-3 “Tommy Gun”と続く激アツのパンク・チューンはかっこいいと思うんですけれどねぇ。それと、私はThe Clashのヴォーカルに関してはJoeのは好きなんですが、Mickの声質はクリーン過ぎて余り好きではないのですよ。まあ、そこら辺は好みの問題かとも思いますが。ファーストとサードに挟まれた鬼っ子的アルバムですが、私は好きなので、もし、興味があったら聴いてみてちょ。 A1 “Safe European Home” (3:48) A2 “English Civil War” (2:34) A3 “Tommy Gun” (3:14) A4 “Julie's In The Drug Squad” (3:02): Allen Lanier (Piano) A5 “Last Gang In Town” (5:10) B1 “Guns On The Roof” (3:14) B2 “Drug-Stabbing Time” (3:42): Stan Bronstein (Sax) B3 “Stay Free” (3:38) B4 “Cheapskate” (3:23) B5 “All The Young Punks (New Boots And Contracts)” (4:54) https://youtu.be/bLicOxz6xlk?si=7YDZ0xEiOXW-3nxH [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kFfgbbjsC3dPyEQM8Ol0Tcgu7S1YJWZu4&si=Iulx6jB7JfUvOUc3 #TheClash #Give’EmEnoughRope #CBS #国内盤 #SecondAlbum #Punk #HardRockElements #JoeStrummer #MickJohns #PaulSimonon #TopperHeadon #Produce ##SandyPearlman #Guests #AllenLanier #StanBronstein
Punk CBS 2500円Dr K2
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P-MODEL “Perspective”
そろそろ、ネタ切れかな?今回もP-MODELの4枚目のアルバム”Perspective”です。これはホント、問題作ですね。前作で「脱テクノ宣言」して、レコード会社も変わってリリースされたのですが、ほぼほぼ単調でミニマルなコード進行で進み、オルガンは殆ど使われておらず、シンセもピコ音もなく、ずっと同じフレーズを弾き続けています。しかも歌詞は更に抽象的で難解になっています。実は私はこの作品のカセット”Perspective II”も持っていたのですが、 Voのミックス違いの曲”のこりギリギリ”が入っていたり、”Mercator”や”Blümcale”と言うボーナストラックが入ってました(今はカセット作品はどっかにやってしまいましたが)。メンバーは平沢進 (Vo, G)、田中靖美(Kbd), 菊池達也 (B), 田井中貞利 (Dr)ですが、このアルバムの画期的なところは、ドラムの録音を階段の踊り場でやったそうなので、ドラムの残響音が凄いです。これはドラムと歌詞の為に使ったと言っても言い過ぎではないでしょう。ここまでの変遷の内、これは「内側に開き切った」アルパムと平沢進氏は述懐しています。そして平沢進氏の盟友田中靖美氏は「アイデアが枯渇した」と言う理由でリリース後、脱退します。そんなことは別として、テクノポップからの流れで、この作品を聴くのではなく、単体で聴いて欲しいですね、因みに、私の好きは曲は”Heaven”, “Solid Air”, “のこりギリギリ”辺りですかね、皆さんはどうですか?それから、この頃のライブでは「ヘヴナイザー」と言う自作楽器(サンプラーみたいなもの)を使用しています。 https://youtu.be/aFwmh3PvZN8 #P-MODEL #Perspective #JapanRecords #Drum #Minimal #ExperimentalPop #HirasawaSusumu #TanakaYasumi #TainakaSadatoshi #KikuchiTatsuya #Lyrics
Techno pop, New Wave Japan Records 2500円Dr K2
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P-MODEL “Potpourri”
まだ続きますよぉ〜。P-MODELの「脱テクノ宣言」で生まれたサードアルバム”Potpourri”の登場です。もうジャケを見ただけで、それまでのポップさは無くなり、モノクロームで雑多な印象を与えます。それで、平沢進氏が加熱するテクノ・ポップ・ブームに危機感を覚えた為、バンド内で軋轢が生じ、ベースの秋山勝彦氏はバンドを脱退してしまいます。シンセのピコピコした音はなく、ガリの出てるオルガン(YAMAHAのYC-10だと思う)が中心になり、ギターもノイジーになってます。何曲は以前の曲調も聴かれますが、アルバム全体としては何か分からない「悪意の様な」ものを感じる。また初っ端のA-1”ジャングル・ベッド I”かインストだったり、その後の平沢進氏の感覚を歌ったA-6 ”Different=/Another”やA-7”Anothersmell”で見せる街角のフィールド録音とその加工及びヨーデルの組み合わせ。B-6 “Potpourri”の終わり方で見せる曲自体にLFOをかけるやり方とか、色んな仕掛けを試しています。ドラムもカウベルを使ったりしてるし。録音は3人で行われたので、平沢氏と田中氏がベースを弾いています。アルバム・リリース後、サポートだった菊池達也氏が正式なベースとして加入している。このアルバムは実に多面的な出来で、私はこれが1980年代前半の彼等のアルバムとしては一番好きでなんですよ。歌詞も、後の「平沢節」とも言える難解で抽象的なものになりかけている過渡期的な味わいがあるからなんです。私の聞いた噂では、平沢進氏のシンセ学校の生徒の2人組Shampooの歌詞に影響を受けたとか。謎?この頃は市川市に住んでいたので、時々、ライブを観に行ってましたね。そんな実験的ながらもポップの皮を被ったP-MODELはどうでしょう?因みにジャケ写の人々のコラージュの中に平沢進氏が写り込んいますよね?因みに私の好きな曲は”ジャングルベッド I”, “青十字”, “Marvel” “ポプリ”辺りですね。皆さんはどうですか? https://youtu.be/gbiPAjGNkeE #P-MODEL #Potpourri #WarnerBrothersRecords #脱テクノ #HirasawaSusumu #TanakaYasumi #TainkaSadatoshi #ExperimentalPop
Techno pop, New Wave Warner Brothers Records 2500円Dr K2
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P-MODEL “Landsale”
さて、またしてもP-MODELのセカンド・アルバム”Landsale”の登場です。タイトルは小学生のランドセルと売国奴のダブルミーニングです。ジャケ写が何となくHuman Leagueのファーストアルバムを思い起こさせます。また、ファーストアルバムの”子供達どうも”との続編っぽく見えますね。このアルバムには受験生であった秋山勝彦氏の作曲の曲も含まれてます。まだこの頃までは歌詞は「否定的な愛」とか「何となく批判性」があり、その意味ではファーストアルバムの延長としても位置付けも可能だと思います。ただし、批判性は社会に対してからより個人的なことに対するものになっています。ここら辺から、モロ「テクノポップ」からの逸脱を匂わせるかの様に、A-1”オハヨウ”でのストリングスとピアノの使用やB-6”地球儀”でのアコースティックな感触が収められていることも特筆すべきだと思います。聴いていて、思ったんですが、このアルバムはオルガンやギター不協和音とかシンセの効果音的使い方が目立ちますね。そこが良いところなんですが。ファーストとサードに埋れ気味ですが、結構面白いですよ。さあ、今こそP-MODELを聴こう❗️ https://youtu.be/qMm9p7Y98_4 #P-MODEL #Landsale #WarnerBrothersRecords #TechnoPop #不協和音 #HirasawaSusumu #AkiyamaKatsuhiko #TanakaYasumi #TainakaSadatoshi
Techno pop Warner Brothers Records 不明Dr K2
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P-MODEL “In A Model Room”
P-MODELはショッキング・ピンク、いやテクノ・パンクであった。そのP-MODELのファースト・アルバムを何故か速攻で購入。お陰でピンク盤をゲットできました。この時点では、私は田舎の高校生だったので、彼らの前身がプログレ・バンドMandrakeだったことなぞ知りませんでした。ただただパンクの疾走感とシンセのピコ音が痺れたのでした。それこそ当時はヘビロテして聴いてました。メンバーは平沢進 (Vo, G, Synth), 田中靖美 (Organ, Synth, Back-Vo), 秋山勝彦 (B, Synth, Back-Vo), 田井中 貞利 (Dr)で、皆さん、それぞれ、シンセ教室の講師、塾の数学の講師、受験生、建築関係の測量士と言う顔を持っていました。1979年1月1日にMandrakeを解散、即P-Model結成。工業製品の型番の様なバンド名と「俺たちは歴史に名を残すんじゃない、消費されてくバンドだ」との表明で、プログレから振り戻しにより、独自のテクノ・パンクを演奏し始めたのです。何でもGeorge Orwellの小説「1984」を下敷きにして作られたアルバムと言われています。確かに近未来で抑圧される者のあがきや批判の様な歌詞の内容になっています。兎に角、単純で直接的な批判の歌詞でしたが、その破壊力は凄いですね。また、演奏も比較的単純なコード進行なのですが、シンセやオルガンがそれを補っているので、ミニマルとして聴くことも可です。それに、こんなオルガン(多分YAMAHAのYC-10)の弾き方やシンセのピコ音を使い方は、如何にもテクノ・ポップ的ですね。それで、この頃はシンセが黒く仰々しいとの理由で、カラフルな色に塗られていましたし、メンバーもカラフルな衣装を着ていました。また、この頃はテクノ御三家(P-MODEL、ヒカシュー、Plastics)と一つとしてテクノ・ポップの一翼を担っていました。なので、個人的にはできる限りこれらのバンドのアルバムは買ってました(恥)。それと、このアルバムはP-MODELと佐久間正英(四人囃子、Plastics)の共同プロデュースなんです。この頃のお気に入りは”ヘルス・エンジェル”、”子供達どうも”、”サンシャイン・シティ”が好きでしたが、”ソフイストケーティド”や”偉大なる頭脳”や”アート・ブラインド”の妙チクリンな曲(前者はミニマル、後者は変拍子、更にシンセによる実験ポップ)にも興味を持っていました。また、この頃、XTCやVan Halen(!)の前座もやっています。そんなヤンチャなP-MODELはどうでしょう?(因みに、私は”アート・ブラインド”の様な曲を、放送部の友人に頼んでカセットデッキ2台こっそり使ってピンポン録音しました。それをラジオのオーディション番組に送ったら、めでたく入賞しましたw でも受験だったので収録した内容は聞けませんでしたwww) https://youtu.be/iJ88MRzC4mQ #P-MODEL #InAModelRoom #WarnerBrothers #TechnoPop #FirstAlbum #PinkColor
Techno pop Warner Brothers Records 2500円Dr K2
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Kraftwerk “The Man Machine (人間解体)”
またまた出ました!Kraftwerkの登場です。彼らの中でも国内盤が出て、丁度、テクノポップの興隆ともマッチしてた邦題「人間解体」こと”The Man Machine”です。彼らの単独アルバムとしては7枚目のアルバムになります。バイオグラフィーは以前に書いておりますので、そちらを参考にしてください。この時のメンバーはFlorian Schneider (Vo, Electronics), Ralf Hütter (Vo, Electronics). Karl Bartos (Electronic Perc), Wolfgang Flür (Electronic Perc)と言う最強の布陣です。また録音は彼らのスタジオKlangkling Studioで行われています。この作品には彼らの代表曲”The Model”や”The Robots”も含まれており、特に、前者はヒカシューやBig Black, Snakefingerらによってもカバーされていますので、そちらで知った方もいるかと思います。彼らはアルバムの制作に何年もかけることは、よく知られていますが、多分、一つの主題となるメロディを練りに練って作っていき、アレンジも凝りに凝っていきながらも更に単純化しているからでは想像します(この時間の掛け方に嫌気がさしたKarl Bartosは後に脱退します)。それで本作ですが、全6曲、珠玉のシンセによるポップミュージックが収められています。平沢某が言うには「プログレとしては最低、テクノとしては最高」と言ってますが、その通りだと思います。Kraftwerkの音楽って一見誰でもできそうな位、単純なメロディなのですが、それを一曲にするまでには、相当時間を使って、音色などの設定なとも含めたアレンジを試行錯誤しているのでは?と想像します。それにしても本作のコンセプトは凄いですね。ジャケ写も「ロシア・アヴァンギャルドで決まってます!この作品毎に明確なコンセプトを切り替えて、練り込んだ曲を作るスタイルは、唯一無比ですね。そんな彼らの音楽を、今一度聴きなおしてはどうですか?因みに、首謀者の1人であるFlorian Schneiderは2020年4月21(日)に癌で亡くなっています。 A1 “The Robots” (6:12) A2 “Spacelab” (5:52) A3 “Metropolis” (6:01) B1 “The Model” (3:36) B2 “Neon Lights” (8:52) B3 “The Man·Machine” (5:31) https://youtu.be/wl-eVipq5cE?si=Xq8aBWrhhy--fa6p [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLRp2a3r7tvpd3NpB_CwUbOoLxRgY4CwHh&si=Ge-2RwqtvZ4GgoC3 #Kraftwerk #TheManMachine #Capitol #EMI #日本盤 #Techno #Progressive #Synthesizers #ElectronicPercussions #Vocoder #FlorianSchneider #RalfHütter #KarlBartos #WolfgangFlür
Techno pop Capitol Records / EMI 2500円Dr K2
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V. A. “Clear Cut”
パンクの熱狂が過ぎ去った跡から、蘇ってきたのが、オルタネイティヴであり、ネオ・アコと呼ばれた音楽であったのですよ。当時、日本ではパンクとネオ・アコと実験的ロックがぐちゃぐちゃになって出てきてます。そんな音楽好きに与えられた餌は、このラフ・トレのコンピ”Clear Cut”です。参加パンドを見てみると、その勢いが分かります。Josef K, The Fall, Orange Juice, The Gist, Girls At Our Best, Red Crayola, The Raincoats, Delta 5, This Heat, Essential Logic, Scritti Politti, Robert Wyattが収録されてます。そんな中でもはちゃめちゃなのがThe Fallです。またYoung Marble Giants解散後にモックスハム兄弟が作ったThe Gist、ヴァイオリンの音色が何とも言えない位良いThe Raincoats、この中で最も異色なのがコールド・ウェイヴの旗手This Heat、”Music Is A Better Noise”と言う曲でサックスが炸裂するEssential Logic(因みにWhitehouseのWilliam Benettはごく初期のメンバーだったらしい)、独特のコード進行が癖になるScritti Poritti、そして美しい歌声を披露するRobert Wyatt(元Soft Machine)で締めると言う素晴らしいアルバムなのです。私が好きなのは、上記の曲なんですが、それ以外のバンドも心地よいです。まあこんな時代もあったと認識してもらえれば良いのではないでしょうか? A1 Josef K “Kind Of Funny” (3:41) A2 The Fall “City Hobgoblins” (2:20) A3 Orange Juice “Simply Thrilled Honey” (2:42) A4 The Gist “This Is Love” (3:10) A5 Girls At Our Best “Politics” (3:23) A6 The Red Crayola “Born In Flames” (3:32) A7 The Raincoats “In Love” (3:11) B1 Delta 5 “You” (3:50) B2 This Heat “Health And Efficiency” (4:03) B3 Essential Logic “Music Is A Better Noise” (3:57) B4 Scritti Politti “Skank Bologna” (4:55) B5 Robert Wyatt “At Last I Am Free” (4:16) A5 Girls At Our Best “Politics” (3:23) https://youtu.be/gVIWLtuNfYI?si=7SXpiR1ztHKeEEN7 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLjyIbOF_6udzTzJ4YxKFwgwGxtM5HDOTk&si=3oe1z28eYKBmpDGS #VariousArtists #ClearCut #Compilation #RoughTrade #JosefK #TheFall #OrangeJuice #TheGist #GirlsAtOurBest #RedCrayola #TheRaincoats #Delts5, #ThisHeat #EssentialLogic #ScrittiPoritti #RobertWyatt
Neo-Acoustic & Experimental Japan Records (Rough Trade) 2500円Dr K2
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Depeche Mode “The Singles 81→85”
これは、タイトル通り、初期Depeche Modeの1981年から1985年の間にリリースされたシングルのA 面の曲をコンパイルしたベスト盤のような作品です。各曲に発売日とチャートで最高何位まで行ったか、何と言うアルバムからシングルカットされたかとかもデータとして書いてあります。バイオグラフィーは前回のを参照してください。A面は1981年〜1983年リリースで、軽目のエレ・ポップ(テクノ・ポップ)が、収められており、如何に彼等がアイドル的にも捉えられていたかも分かると思います(ニュー・ロマとの関係か?)。Roland TR-606を使い、3人ともシンセ&ヴォーカル1人と言う特異な編成でデビューし、電子音を使ってポップ・ミュージックの世界でサーヴァイヴしてきたかが分かります。一方、B面は1983年〜1985年リリースの曲なんですが、ちょっと大人びたメローなエレ・ポップが主体で、彼等の変遷を知る上で重要なポイントでもあります。また、ドラムマシンもより生ドラムに近いものが使われています。このアルバムの後、より大人びたアルバム”Black Celebration”がリリースされます(別項目に記載予定)。そんな彼等の変遷を纏めるにはもってこいのアルバムです。しかし、銀色のギラギラしたポスター(?)やジャケ写を見ても、彼等はアイドル的に見られていたんだなと思います。まるで、甘ーい砂糖菓子のように。しかし、MuteのDaniel Millerの先見の明は流石ですね。初期Depeche Modeを知るには良いアルバムでしょう。どうですか?皆さん! A1 “Dreaming Of Me” A2 “New Life” A3 “Just Can't Get Enough” A4 “See You” A5 “Leave In Silence” A6 “Get The Balance Right” A7 “Everything Counts” B1 “Love In Itself” B2 “People Are People” B3 “Master And Servant” B4 “Blasphemous Rumours” B5 “Shake The Disease” B6 “It's Called A Heart” A3 “Just Can't Get Enough” https://youtu.be/ffM9m3XaL-4?si=kcjpSljaTvbhPsHm [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLjuSvcWFYc6ojC4eLPRC3D4ZqIjD1OeTB&si=dq8UeP_8GNrGv-MP #DepecheMode #TheSingles81→85 #MuteRecords #SynthPop #ElectroPop #SingleCut #SelfCompilationAlbum #Synthesizers #Vocal #RolandTR-606 #AlanWilder #AndrewFletcher #DavidGahan #MartinGore #VinceClarke
Techno Pop / Electro Pop Mute Records 不明Dr K2
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Tubeway Army “Replicas”
英国の「地下鉄軍隊」ことTubeway Armyの日本盤としてはファーストに当たるアルバム(本作品の前に英国でリリースされたデビューアルバムがあるので、彼等にとってはセカンドに当たる)です。Tubeway Armyについては、その首謀者Gary Numanのところで,大体のバイオグラフィーは書きましたので、ちょっとだけ付け加えます。結成は1977年で、それまでLasersと名乗っていたバンドが改名して出来ました。Garyは従兄弟のドラマーと一緒にバンドを結成。ただ、パブ等でのライブではしばしばパンクスが暴れるので、ライブな控えていたみたいです。この時のメンバーはGary Numan (Vo, Kbd. G), Paul Gardier (B), Jess Lidyard (Dr)のトリオですが、実質、Garyのソロ・バンドと言う感じですね(確かにこの後はGary Numanのソロ名義になりますが、他の2人はバックバンドになっています)。この頃のGaryの作風はベースとシンセとヴォーカルがほぼユニゾンで進行する曲調で、Garyのヴォーカルもステンレス製の声質と言うか割と無機質な感じのヴォーカルスタイルで、非常に特徴的です。またB面の最後の2曲は,その時代のニューウェーブ(?)には珍しくインスト曲になっています。シンセはポッピングするよりもストリングスっぽい使い方が多く,またギターには過剰なフランジャーがかかっているようです。高校生の頃、初めてこのアルバムを聴いたのですが、その頃は、ノリの良いA-1 “Me! I disconnect From You”とかB-1”You Are In My Vision”が好きでした。しかしながら、今聴くとダウンテンポなA-5 “Down In The Park”(この曲はのちにMarylin MasonやFoo Fightersがカバーしている)やインストのB-4”When The Machines Rock”やB-5 “I Nearly Married A Human”が良いですね。また、嬉し恥ずかし、歌詞が、もろSF的と言うかJ. G. BallardやPhilip K. Dickっぽいと言うか、まあ、分かるでしょ? そんな感じで初々しいですね。しかしながら、本アルバムからのシングルカット"Are 'Friends' Electric?"がUKチャートインして,大ヒット作になっていました。とは言え、アルバムとしてはトータルな感じで纏めてされていますし、ポップネスもありますので、よい作品だとは思います。テクノ・ポップと言うよりは,エレ・ポップと言った方がしっくりきますね。そんなエレ・ポップなアルバムを、今一度聴き直してみてください。 A1 “Me! I Disconnect From You” (3:22) A2 “Are 'Friends' Electric?” (5:24) A3 “The Machman” (3:07) A4 “Praying To The Aliens” (3:59) A5 “Down In The Park” (4:26) B1 “You Are In My Vision” (3:14) B2 “Replicas” (5:00) B3 “It Must Have Been Years” (4:01) B4 “When The Machines Rock” (3:14) B5 “I Nearly Married A Human” (6:31) A5 “Down In The Park” (4:26) https://youtu.be/9GQS-iFCzus?si=2pgumYmUbLb2ETIn [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLdB2qly-JTgBEnQ6m-9EX-UvhpzmN_1r2&si=7gq5bo1N7GhmXGhx #TubewayArmy #Replicas #Begger’sBanquet #GaryNuman #SynthPop #TechnoPop #Electro #Synthesizers #PaulGardiner #Bass #JessLidyard #Drums
Electronic music Beggar’s Banquet 2000円位?Dr K2
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The Stranglers “X CERTS”
もう何にも言いません、The Stranglersの初のライブアルバムです。どうも”X Certs”と言うタイトルの意味は「成人向け」らしいので、彼等らしいなあと思います。まだ田舎の高校生だった私は、以前に紹介したアルバム”Black And White”でヤラれていたので、このライブ・アルバムは凄く有り難かったし、これも擦り切れる程、聴いてましたね。曲もそれまでの3枚のアルバムから選出されていたので、馴染み易かったですね。それから国内盤だけだったのかもしれませんが、アルバム未収録曲の7㌅シングルが付いていたのも嬉しかったですね。JJ Burnelのゴリゴリのベースは相変わらずで、Hugh Cornwellの字余りな歌詞とちょっとハスキーながら知性と野生を感じさせるヴォーカルも最高です。それを支えるJet Blackのドラムと曲により適切なオルガンとシンセやワウを掛けたエレピを軽々と弾きこなすDave Greenfield。全て最高です。私にとってのStranglersはここまでですね。確かに”The Raven”も好きですし、最近のアルバム”Suite XVI”も好きなんですが、ここまででバンドとして一旦完成した感じがします。今、気付いたんですが、Daveがメインヴォーカルを取る”Dead Ringer”と”Do You Wanna?”の2曲も入っているんですね。あとオマケに付いてた7㌅シングルの2曲”Mean To Me”と”Choosey Susie”もカッコよかったです。ここら辺のレコードはヘビロテしてました。あと国内盤とオリジナル盤ではジャケが違うみたいですね。そんな青臭い青春の一枚です。機会があつたら、聴いてみて下さい。 ◼️LP A1 “(Get A) Grip (On Yourself)” (3:38) A2 “Dagenham Dave” (3:13) A3 “Burning Up Time” (2:35) A4 “Dead Ringer” (2:45) A5 “Hanging Around” (4:12) A6 “I Feel Like A Wog” (3:29) B1 “Straighten Out” (2:52) B2 “Curfew” (3:47) B3 “Do You Wanna? - Death And Night And Blood (Yukio)” (5:33) B4 “5 Minutes” (4:09) B5 “Go Buddy Go” (5:37) ◼️Bonus 7" Single C “Choosey Susie” (3:12) D “Mean To Me” (1:56) B1 “Straighten Out” (2:52) https://youtu.be/uI7EgJFjYdY?si=4QwZ-zRpVtZ6fjL2 [full album + other songs] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ntppctccD0FqM9yjNlgtjlh6w7mJXu6sc&si=3MiYgeoTzr-C3EXG #TheStranglers #XCerts #LiveAlbum #UnitedArtistsRecords #Punk #NewWave #BonusSingle #MeanToMe #ChooseySusie #HughCornwell #JeanJacquesBurnel #DaveGreenfield #JetBlack
Punk / New Wave UNITED ARTISTS Records 2000円位?Dr K2
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The Stranglers “Black And White”
私に、パンクと言うか、何か新しいロックを強烈に教えてくれたレコードが、このThe Stranglersの”Black And White”です。高校生の頃は毎日毎日、歌詞カードみたり、ライナー読んだり、擦り切れるように聴いてました。もう大学生位からレコードでは聴いてなかったんですが、久々にレコードで聴いてみて、ブチ上がりました❗️これがロックだと❗️未だにライブをやっているのが、何故か嬉しい。まあ、KbdのDave Greenfieldはコロナで逝去してしまったし、DrのJet Blackも名誉メンバーで、もうライブには出てこないし、Vo/GのHugh Cornwellも脱退してしまっているし、ホントのオリジナル・メンバーはB/VoのJJ Burnelのみですが,やっぱりこの頃のThe Stranglersが一番なんですよ。この4人でなきゃ出来なかったアルバムだと思います。嗚呼、もう堪んないっす!そして、あんまり指摘されないことなんですが、プロデューサーのMartin RushentとエンジニアのAlan Winstanleyの音作りが完璧な仕事だったんです。JJのゴリゴリしたBは初め聴いてみて、おったまげましたね。また控えめながら、時にリズムギターに時にメロディを弾くHughのG、シンセを大胆に導入した、特徴の強いDaveのKbdプレイ、そして変拍子も叩くタイトなJetのDr、どれをとってもバランスが良いと言うか堪んないです。また”Hey (Rise of the Robots)”でのゲストLaura LogicのSaxも決まってます。もう手放しの作品なので、私情だらけになってしまいますね。もう辞めておきます。でもこのアルバムに会えたことが,その後のロック・リスナーとしての人生を変えられてしまいました。完成度の高いアルバムなので、未聴の方は正座して聴いて下さい。 ◼️White Side A1 “Tank” (2:55) A2 “Nice 'N' Sleazy” (3:12) A3 “Outside Tokyo” (2:10) A4 “Sweden (All Quiet On The Eastern Front)” (2:49) A5 “Hey! (Rise Of The Robots)” (2:14) A6 “Toiler On The Sea” (5:31) ◼️Black Side B1 “Curfew” (3:14) B2 “Threatened” (3:32) B3a “Do You Wanna?” B3b “Death And Night And Blood (Yukio)” (5:19) B5 “In The Shadows” (3:35) B6 “Enough Time” (4:16) https://youtu.be/dXDUDuJL-wI?si=AePZojo5OLcaYw7z [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLQpq-PWV_2qROKT5wpSW7ne559qRGJw-K&si=fJI95rO9TS7RRfxU #TheStranglers #BlackAndWhite #UnitedArtists #ThirdAlbum #Punk #NewWave #Keyboards #HughCornwell #JeanJaques-Burnel #DaveGreenfield #JetBlack #GuestSax #LoraLogic
Punk/New Wave UNITED ARTISTS Records 2500円位?Dr K2
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Mike Oldfield “Tubular Bells”
もうベタなんですが、暫く聴いていなかったので、取り上げます。Mike Oldfieldの”Tubular Bells”です。あの映画「エクソシスト」にも使われた、彼のファーストアルバムです。先ずは簡単にバイオグラフィーを(と言いながらいつも長くなるんですが、、、)。1967年に姉のSally OldfieldとフォークデュオThe Sallyangieを結成し、アルバム1枚出して解散してます。Londonでのセッション活動で、Kevin Ayersらと知り合い、Kevinの結成したバンド”The Whole Worldでベースを担当。1970年、1971年にアルバムを2枚出して、バンドは解散しています。その後、音楽理論をDavid Bedfordに習い,1973年5月に、Sir Richard Charles Nicholas Bransonが立ち上げたVirgin Recorddの第一弾として、本作品”Tubular Bells”をリリースしました。映画「エクソシスト」にも本作品の一部が使われたこともあって、英国で大人気となります。1974年に”Hergest Ridge”、1975年に ”Ommadawn”を出しますが、成功による重圧から一時療養生活をしてます。1978年に”Incantations (呪文)”でカムバックしてツアーとかも精力的にこなしていきます。1980年代になると、時代の変化(主にレーベルの変化)に合わせて,ポップ寄りの作品を発表するようになってきます。例えば、Maggie ReillyがVoの”Moonlight Shadow” (“Crisis”に収録)などです。1990年代から現時点までは、”Tubular Bells”の続編を2枚のアルバムとして制作しており、未だ現役で活動しています。ザックリ言うとこのような経歴です。 それで、本作品ですが、Mikeのソロデビュー作でもあり、同時に大ヒットアルバムでもあります。2400回もダビングを重ねたスタジオ盤であり、当時としては他に類を見ない作品です。ドラムやコーラスは他のミュージシャンにも頼んでいますが、弦楽器や鍵盤楽器は基本的にはMike一人で演奏しています。一人でやっていることもあって、非常にリリカルで内省的な内容で、一つの物語りのようにも聴くことも可能ですね。片面に1曲ずつと長尺の曲ですが、割と素直に聴けてしまえる多面性もあります。なので、聴く度に,新たな発見のあるアルバムですね。これでドラムがもう少し入っていなら?とも思いますが、やはりドラムレス(勿論ドラムが入っているパートもある)だからこそ聴けるのもまた事実ですので、これはこれで良かったのかなとも思います。いずれにしろ、スタジオでの多重録音なので、宅録派の私にはシックリきますね。貴方もこんな音楽、如何でしょう? ★A “Tubular Bells (Side One)” (25:00) Mike Oldfield (Grand Piano, Glockenspiel, Organ, B, G, Taped Motor Drive Amplifier, Organ Chord, Perc, A-G, Flageolet, Honky Tonk Piano, Tubular bells), Lindsay Cooper (B), Mundy Ellis (Chorus), Sally Oldfield (Chorus), Nasal Choir (Nasal Chorus), Jon Field (Flute), Viv Stanshall (MC) ★B “Tubular Bells (Side Two)” (23:50) Mike Oldfield (G, Organ, B, A-G, Piano, Timpani, G-Sounding-Like-Bagpipes, Piltdown Man, Spanish-G, Chorus, Bootleg Chorus Conductor), Tom Newman (A-G), Manor Choir (Bootleg Chorus), Mundy Ellis (Chorus), Sally Oldfield (Chorus), Steve Broughton (Drs) https://youtu.be/bv_4sZCLlr0?si=gDIUHeOPbjaYNOQw #MikeOldfield #TubularBells #VirginRecords #Multi-instrumentalist #Overdub #SoundTrack #Film’Exocist’ #LindsayCooper #MundyEllis #SallyOldfield #NasalChoir #JonField #VivStanshall #TomNewman #ManorChoir #SteveBroughton
Progressive Rock Virgin Records 2500円位?Dr K2
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Gunjogacrayon “s/t”
君は「群青色のクレヨン」即ちGunjogacrayonを覚えているか❗️日本のポストパンクはパンクと一緒に始まった訳ですが、最初から、No waveとしてバンド形態を取っていたのは、グンジョーガクレヨンでしたね。メンバーは園田游 (Vo, Reed), 組原正 (G), 大森フミオ (electronics), 前田隆 (B)及び宮原篤志 (Dr)の5人組で、現在は大森さんが抜けて、園田さんが準メンバーのような感じで活動しています。彼等のデビューミニアルバムが本作品になります。因みにドラムの宮原さんは、東京ロッカーズのMr. Kiteのメンバーでした(正直、これは驚きましたね)。この時代は流血や汚物などのパフォーマンスが盛んでしたが、Voの園田さんが、多人数の吐いたゲロを飲むと言うパフォーマンスをしたとかの記事を、とあるロック雑誌に書いたら,ものの見事に掲載中止になったとか。グンジョガクレヨンはこれまでに3枚のアルバムを出していますが、本作はそれ以外の12㌅EP(ミニアルバム)で、最初の録音物です。なお、ダブ・ミックスに坂本龍一さんが参加しており、そのことも、本作品が注目された要因ではないでしょうか。なお最新作が2016年に出ているのですが、これには夭逝した.esのサックス奏者橋本孝之くんも参加しています。 それで本作品ですが、ダルなリズムセクションと「パンク界のデレク・ベイリー」の異名をとる組原さんのフリーキーなギターが時にはヘビーなリフを、時には痙攣するようなノイズギターでかき鳴らされ、その隙間に大森さんのエレクトロニクスや園田さんのヴォイスやサックスが徘徊する、至極の5曲が収められています。因みに、昨今のグンジョーガクレヨンでは更に自由な組原さんのギター、最早打楽器と化した前田さんのベース、より自由に叩きまくる宮本さんのドラムと言うトリオになつていますが、本作品では、やや聴き易い印象もあります。しかしながら、初期のこの編成での曲群も緊張感に満ち溢れています。今からでも遅くないので、未聴の方はこの異形のロックを聴いてみて! A1 “T March” (6:12) A2 “Break” (4:00) A3 “Waltz” (7:46) B1 “35” (8:11) B2 “Ban” (7:10) https://youtu.be/UUDLS4Y1YcA?si=0SctVM5slQ0T2qLY #Gunjogacrayon #グンジョガクレヨン #PassRecords #Improvisation #Rock #FirstAlbum #DereBaileyOfPunk #園田游 #組原正 #大森フミオ #前田隆 #宮原篤志
Avant-garde Rock PASS Records 2000円Dr K2
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Tom Robinson Band “Power In The Darkness”
もう皆んな、忘れちゃったかな?一世を風靡したTRBことTom Robinson Bandのファーストアルバムの登場です。パンク勃興の時期に出てきたことと初期からLGBTQの権利を守るアティテュードを示していたことから、パンクの仲間と思われていますが、寧ろ正当なブリティッシュ・ロックのバンドであり、パンクとは言えないですね。バイオグラフィーを少し。元々は13歳で自分がゲイであることに気づいたTom Robinsonが自殺未遂や専門の学校に移らされたりしたのですが(当時、英国ではゲイは罪であり、投獄されていた)、1973年にアコースティック・トリオCafé Societyをで活動を開始していますが、ファーストアルバム600枚を売って、直ぐに脱退し、自身のバンドTom Robinson Bandを作ります。時代的にSex Pistolsに影響を受けた彼はすぐに,ゲイ・シーンと繋がり、ゲイやレズビアンの権利を得るための音楽をやるバンドとして、先ず旧知のDanny Kustow (G)を誘い、Brian "Dolphin" Taylorを連れてきます。それでオーディションでベーシストとしてMark Amblerを採用しますが,実はMarkは鍵盤楽器が出来ることを知り,MarkをKbd担当にして、Tom自身はBとVoになります。そうして1978年にTRBは結成されます。ライブハウスで、パンクバンドと一緒に出演していきますが、その噂を聞き付けたEMIと契約します。その後もゲイやレズビアンについてのリーフレットやチラシを配布しています。また、The ClashやX-Ray Spexと共にRock Against Racismにも出演しています。彼等のファーストシングル"2-4-6-8 Motorway"が1977年後半にリリースされ、UKチャートで5位まで上がります。その後、1977年11月のライブトラックからの4曲入りEP”Rising Free”をリリースしますが、このEPには彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が収録されています。それで1978年にファーストアルバムである本作品がリリースされます。このアルバムはUKチャートの4位まで上がり、ベストUKバンドとも言われました。その直後、KbdのiMarkが脱退したので、ヘルプでNick Plytasが加入、セカンドアルバムの作製にかかりますが、この頃にパーマネントのKbd担当に Ian Parkerが加入。しかし、DolphinがプロデューサーをTodd Rundgrenに代えるべきだと進言しましたが、実際にはDolphinは気に入らず、ゴタゴタが起きます。結果、ドラマーはCharlie Morganになります。それでツアーに出たのですが、今度はギターのDannyが1979年に脱退し、バンドは消滅してしまいます。ザックリとこんな数奇な運命のバンドでした。 それで、彼等のファーストアルバムの本作品”Power In The Darkness”ですが、兎に角、演奏がタイトで、カッコいいいです。それとTomの作曲能力やメンバーのアレンジ力も凄いです。当時出てきたパンクバンドとは一線を画すテクニックを全員が持ったロックバンドですね。彼等のプロテストソング”(Sing If You’re) Glad To Be Gay”が入っていないのが、ちょっと残念ですが、どんなパンクバンドにも負けない演奏テクとソングライティング、辛辣な歌詞を持ったバンドであり、聴いていて飽きませんね。シングルカットされた”2-4-6-8 Motorway”もキャッチーです。昨今のLGBTQの権利を声高々に歌い上げたTRBの辛辣なロック・アルバムを聴いてみてください。 A1 “2-4-6-8 Motorway” (3:18) A2 “Up Against The Wall” (3:34) A3 “Grey Cortina” (2:10) A4 “Too Good To Be True” (3:34) A5 “Ain't Gonna Take It” (2:53) A6 “Long Hot Summer” (4:44) B1 “The Winter Of '79” (4:30) B2 “Man You Never Saw” (2:39) B3 “Better Decide Which Side You're On” (2:50) B4 “You Gotta Survive” (3:14) B5 “Power In The Darkness” (4:56) A6 “Long Hot Summer” (4:44) https://youtu.be/mJcRTNDcKG4?si=2aQ6EtLZElbRTsUo [full album(曲順は違います)] https://youtube.com/playlist?list=PLLU1elroj_KEQh2DRKgKx1OP7remOwRzA&si=CQwM8zEEZv1Ik_mq #TomRobinsonBand #PowerInTheDarkness #EMI #国内盤 #FirstAlbum #LGBTQ #ProtestSong #2-4-6-8Motorway #TomRobinson #DannyKustow #Brian’Dolphin’Taylor #MarkAmbler
Punk/New Wave EMI 2000円位?Dr K2