近鉄モ215
■モデルについて
大軌デボ1の最晩年の姿のモデルです。ロコモデル初期の製品だと思います。鉄道模型でも床裏面にメーカーの刻印、シール、プレートをつけていますが、ロコモデルでも初期製品には真鍮製メーカーズプレートが貼り付けてあり、このモデルにも貼り付けられています。図面や型紙が収録された「ロコモデル伝説」にも収録されている形式ですが、板目を表現した側板、ダブルルーフ、5枚窓の卵形フロントなど実に精巧にできています。マルーン色になった車輌は実在しなかったと思っていましたが、マルーンに塗り替えて田原本線を走るカラー写真を見つけて驚きました。
■実車について
近鉄の前身となる大阪電軌鉄道が大正3年に奈良線に投入した、近鉄電車史の1ページを飾る高速電車デボ1です。登場時はポール集電でしたが昭和5年にパンタグラフに換装されました。昭和25年に改番されモ200になり橿原線で活躍、ビスタカーも登場していた昭和30年代半ばまで急行運用もされていました。最晩年は現田原本線や生駒線で余生を送りました。現在、五位堂研修車庫に212が原形復元保存されています。