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株式会社ベストフィールド 江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX1
平成28年(2016年)に株式会社ベストフィールドより発売された『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX1』です。 『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』は、昭和45年(1970年)4月~9月と12月に東京12チャンネル(現:テレビ東京)で全26話が放映されたテレビドラマです。日本探偵小説界の巨人、江戸川乱歩の諸作品を原作としており、「蜘蛛男」や「魔術師」「黒蜥蜴」といった有名作品はもとより、ジュヴナイルの怪人二十面相モノや明智が登場しない作品まで、幅広くチョイスされ、それを当時の映画・テレビ業界の職人スタッフたちが大胆、自由に脚色しているのが特徴。妖しい乱歩ワールドと当時のアングラ、サイケなムードが融合した世界観は、数ある乱歩の映像化作品の中でもひと際異彩を放っております。 主役の明智小五郎には俳優座出身で、当時は舞台を中心に活躍していた滝俊介(溝口舜亮)。この『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』というドラマは、参加しているスタッフの顔ぶれからのちの『仮面ライダー』、特に“旧1号編”の作風に大きな影響を与えている、ともいわれておりますが、なるほど、確かに本作の明智小五郎のビジュアルは初期の本郷猛を彷彿させるものがあり、その指摘も頷けるというものです。 かつては東京ローカル局扱いされていた東京12チャンネルでの放映ということもあり、知名度の点では後発の天地茂が明智小五郎を演じた『江戸川乱歩の美女シリーズ』に劣る『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎』。しかし、平成14年(2002年)にCSで再放送されるやそのカルトな魅力が再評価され、平成28年には全話収録したDVD-BOXが発売されました。 『江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎 DVD-BOX1』には第1話から第13話までを収録。第1話「殺しの招待状 蜘蛛男より」の伊丹十三、第2話「首泥棒 魔術師より」の日下武史、第10話「屋根裏の散歩者」のフランキー堺など大物俳優が犯罪者役を演じているのが本作の特徴の一つですが、そんな大物たちに交じって、翌年の『帰ってきたウルトラマン』に主演することになる団次郎が黄金仮面役で複数回登場しているのが興味深いところです。 #滝俊介 #江戸川乱歩 #明智小五郎 #東京12チャンネル #東映 #ベストフィールド
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株式会社ベストフィールド 蒼いけものたち DVD
令和7年(2025年)に株式会社ベストフィールドより発売された『蒼いけものたち』のDVDです。 『蒼いけものたち』は、昭和40年代に日本テレビ系列で放映されていたサスペンスドラマ枠「火曜日の女シリーズ」の一本として、昭和45年(1970年)8月~9月に全6回で放映された、横溝正史の「犬神家の一族」を原作とするドラマです。 昭和40年代前半、横溝正史という探偵小説作家は、松本清張に代表される社会派推理小説の隆盛により半ば忘れられた存在となっていましたが、昭和43年(1968年)に「週刊少年マガジン」で連載された影丸譲也作画の「八つ墓村」がきっかけとなり、再びスポットライトが当たるようになりました。それが横溝正史作品の角川文庫への収録、延いてはあの'70年代中盤の爆発的な“横溝正史ブーム”に繋がってゆくのですが、本作は昭和44年(1969年)にNET系のホラードラマ枠「怪奇ロマン劇場」でドラマ化された「八つ墓村」と共に、のちのブームへと繋がる下地を作った作品といえるかと思います。脚本は、子供番組から大島渚映画作品まで幅広く活躍した稀代の名脚本家・佐々木守。彼はこの後、同シリーズで昭和46年(1971年)に「悪魔の手毬唄」を原作とする『おんな友だち』、昭和47年(1972年)に「三つ首塔」を原作とする『いとこ同志』と、計3本の横溝原作ドラマの脚本を手掛けるのですが、そんな佐々木守の横溝三部作の特徴は、名探偵役を廃した社会派サスペンスへの改変。現在の目からすると金田一耕助が出てこない「犬神家の一族」や「悪魔の手毬唄」というのはかなり奇異な印象を受けますが、ブーム以前のこの頃は必ずしも金田一の存在は必要ではなく、これはこれでこの時代ならではの横溝ワールドとして楽しむのが正解なんだと思います。(とはいえ、そこはミステリーにも造詣が深い佐々木守、かなり自由にアレンジしているようで原作の基本線はしっかりと遵守しているので、意外と違和感無く観られるのは流石です) 原作の野々宮珠世に相当するヒロイン・水川美矢子には当時、映画『若大将シリーズ』の“節ちゃん”役で人気を博していた酒井和歌子。そして、美矢子と共に事件に関わる弁護士・館野卓也(原作の古舘弁護士に相当。加えて金田一耕助の役どころも)には当時、テレビドラマ『サインはV』の鬼コーチ役で人気を博していた中山仁。この二人を中心に物語は進行しますが、個人的にこのドラマの一番の見どころだと思うのが、沢村貞子・千石規子・市川寿美礼が演じる松竹梅ならぬ雪月花三姉妹。「犬神家の一族」といえば三姉妹とそれぞれの息子たちが遺産を巡り、いがみ合うのがお約束ですが、本作では息子たちのほうは“いい人キャラ”で、いがみ合いの部分は三姉妹に集約した感があります。長女・雪子役の沢村貞子は“昭和の大女優”らしい流石の存在感を発揮していますが、強い印象を残すのが次女・竹子役の千石規子と三女・花子役の市川寿美礼。これがもうまさに“怪演”で、これを観るだけでも本作を観る価値あり、だと思います。 あと、「犬神家の一族」といえばもう一つ忘れてはならないのが仮面の男・佐清。本作では清文という役名に変わっていますが、この清文はカンボジア内戦を取材中に顔を負傷した元報道カメラマンという設定で、眉毛のある肌色のマスクを着用。のちの「犬神家の一族」映像化作品で多く見られる、お馴染みのすっぽり被るタイプとは印象が異なりますが、実は原作には忠実なマスク造形となっているのも特筆されます。 #酒井和歌子 #佐々木守 #横溝正史 #日本テレビ #火曜日の女シリーズ #東宝 #ベストフィールド
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双葉社 アクション・コミックス 悪霊島(下)
1981年10月25日 初版発行 発行所 株式会社 双葉社 昭和56年(1981年)に双葉社より刊行された「アクション・コミックス 悪霊島(下)」です。作画/前田俊夫、構成/橋本一郎による、横溝正史原作の「悪霊島」のコミカライズを収めたコミックスです。 作画担当の前田俊夫氏は成人向け漫画のジャンルで知られた漫画家で、それゆえに巴御寮人を中心とした淫靡な描写が多々ある「悪霊島」のコミカライズにはある意味適した起用だったともいえますが、個人的には金田一耕助の“岡山もの”での良き相棒であり、「悪霊島」では物語に深く関わっていた磯川警部の描かれ方がキャラクターデザインも含め、イマイチだったのが残念です。 #悪霊島 #前田俊夫 #橋本一郎 #横溝正史 #双葉社 #週刊平凡 #金田一耕助 #漫画 #劇画
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双葉社 アクション・コミックス 悪霊島(上)
1981年10月11日 初版発行 発行所 株式会社 双葉社 昭和56年(1981年)に双葉社より刊行された「アクション・コミックス 悪霊島(上)」です。作画/前田俊夫、構成/橋本一郎による、横溝正史原作の「悪霊島」のコミカライズを収めたコミックスです。 原作の「悪霊島」は昭和53年(1978年)から昭和55年(1980年)にかけて雑誌「野性時代」に連載された長編作品ですが、コミカライズ版はその小説の連載と同時進行の形で雑誌「週刊平凡」(平凡出版、現:マガジンハウス)に連載されました。なので「鵺の鳴く夜は恐ろしい...」のキャッチコピーで有名な角川映画版よりもいち早く「悪霊島」をビジュアル化したコンテンツ、ということになりますが、何せ横溝正史最晩年の超大作、あの登場人物がやたら多く、複雑怪奇なストーリーを漫画で表現するのにネームでの説明に頼っている部分が多く、非常にごちゃごちゃとしていて読み難いことこの上なしです(笑) #悪霊島 #前田俊夫 #橋本一郎 #横溝正史 #双葉社 #週刊平凡 #金田一耕助 #漫画 #劇画
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実業之日本社 週刊漫画サンデー別冊 横溝正史傑作劇画特集 蔵の中
昭和52年11月10日発行 実業之日本社 昭和52年(1977年)に実業之日本社より刊行された「週刊漫画サンデー別冊 横溝正史傑作劇画特集 蔵の中」です。かつて同社から刊行されていた大人向け漫画雑誌「週刊漫画サンデー」に掲載された、玄太郎による横溝正史のコミカライズ4作品の中から、「蔵の中(昭和51年11月9日号~11月30日号)」「カルメンの死(昭和51年6月22日号~7月13日号)」「蜘蛛と百合(昭和51年5月4日号~5月25日号)」の3作品を収めた別冊号です。戦前横溝を代表する妖美な名作に、横溝ワールドもう一人の名探偵“由利先生”モノと、当時の横溝ブームが“金田一耕助”を中心とするものだったことを考えるとかなり“攻めた”ラインナップですね。個人的には、原作のテイストと独特の成人漫画的表現が上手く噛み合っている「蜘蛛と百合」が良かったと思います。 横溝ブーム期の珍本ですが、4作品のうち「鬼火」だけ収録されなかったのが残念。 #蔵の中 #玄太郎 #横溝正史 #実業之日本社 #週刊漫画サンデー #由利麟太郎 #漫画 #劇画
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角川書店 角川文庫 夜光虫 第2期
昭和五十年八月三十日 初版発行 昭和五十六年八月三十日 十八版発行 発行所 株式会社角川書店 画像は昭和56年(1981年)に角川書店より刊行された「角川文庫 夜光虫 第2期」です。時計塔のある洋館、そして、こちらをじっと見つめている男と、人の顔のような奇怪な腫瘍。主人公の鱗次郎と、彼の右肩にある人面瘡を描いたものですね。モノトーン主体の1期とはガラリとイメージが変わり、赤系の背景がパッと目に飛び込んでくる表紙画になりましたが、その赤さは人面瘡の「黝(くす)んだ赭(あか)さ」に合わせたものであり、この不穏さを帯びた独特な色合いが2期表紙画のキモといえそうです。 #横溝正史 #杉本一文 #角川書店 #角川文庫 #ミステリー #小説 #装画
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宝島社 別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.4
一九九八年一月一日発行 発行所 株式会社宝島社 平成10年(1998年)に宝島社より刊行された「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.4」です。 「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES」4号目の特集は「マット界激動地図'98 仕掛け人たちの冬越し」。 アントニオ猪木&小川直也・天龍源一郎・大仁田厚など、当時のプロレス界のキーパーソンたちに'97年の総括と'98年への展望などを訊いたインタビュー記事を掲載。'97年の格闘技界の大イベント、高田ーヒクソン戦の結果を受けての猪木のコメントが“猪木節”全開で面白かったです。 個人的には'97年度のプロレス名勝負を振り返った「97年度名勝負Best20」の中で、元週刊ファイトの名物編集長だった井上義啓氏が、1月に大阪府立体育会館で行われた小橋健太対三沢光晴の三冠戦を激賞している記事が興味深かったですね。'97年の年間最高試合賞(ベストバウト)に輝いたのは10月の武道館での三沢ー小橋戦でしたが、両試合を生で観戦している私的には1月の大阪の試合のほうが良かったと思っていたので、この記事はまさに「我が意を得たり」というところでした。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.3
一九九七年十一月二日発行 発行所 株式会社宝島社 平成9年(1997年)に宝島社より刊行された「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.3」です。 「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES」3号目の特集は「トップへの螺旋階段」。 田村潔司・ハヤブサ・小島聡など、当時期待されていた次世代エース候補たちへのインタビュー記事を掲載。正直、この辺りの面々には当時から思い入れはほとんど無いのですが、インディーのFMW出身ながらも新日や全日のリングでも活躍したハヤブサが試合中の不慮の事故で頚椎損傷の重傷を負い、その後、復帰を目指すも平成28年(2016年)に47歳の若さで逝ってしまったのは本当に残念でした。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.2
一九九七年八月十六日発行 発行所 株式会社宝島社 平成9年(1997年)に宝島社より刊行された「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.2」です。 新路線になって2号目となる「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES」の特集は「死闘本場所!プロレス×格闘技」。 この号が刊行された平成9年は、バルセロナ五輪柔道銀メダリストの小川直也が新日本プロレスに参戦したり、総合格闘技イベント「PRIDE.1」で高田延彦とヒクソン・グレイシーが戦うなど、まさに「死闘本場所!プロレス×格闘技」だった年でしたね。ですが個人的には、“王道プロレス”をより深化、純化させた凄まじい“四天王プロレス”を展開していた全日本プロレスに夢中でした(大阪まで観に行った1月の小橋健太対三沢光晴の三冠戦は本当に凄かった!)。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.1
一九九七年六月十六日発行 発行所 株式会社宝島社 平成9年(1997年)に宝島社より刊行された「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES Vol.1」です。 従来の「別冊宝島」プロレスシリーズの幕をいったん降ろし、新たに準隔月刊のプロレス・ムックとして新装開店した「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES」。 個人的には、バラエティ豊かな論客陣が様々な角度からプロレスについて語った記事が非常に読み応えがあった以前の「別冊宝島」プロレスシリーズが好きだったので、プロレス・ジャーナリズムに身を置くライター陣ばかりになり、他でも読めるような記事ばかりになってしまった新路線の「別冊宝島特別編集 プロレス読本 FILES」には落胆させられました。しかし、それでも各団体のトップにインタビューした記事の特集で、ジャイアント馬場とアントニオ猪木の名前が並んでいるのを見ると何だかうれしくなってしまいますね。この頃はまだ馬場さんも猪木さんも元気だったなぁ... #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島302 プロレス世紀末読本 決定版!因縁の系譜
一九九七年三月十四日発行 発行所―株式会社宝島社 平成9年(1997年)に宝島社より刊行された「別冊宝島302 プロレス世紀末読本 決定版!因縁の系譜」です。 プロレスラーたちがリング上で見せる遺恨のドラマ。憎悪や嫉妬といった人間関係の縺れや、金銭問題が生み出すリアルな確執。プロレス界に脈々と流れる、そんな虚実綯い交ぜの“因縁の系譜”を取り上げた本です。 プロレスの、こうした“因縁”は時に興行を盛り上げるスパイスの役割を果たしますが、それは一歩間違えると団体の衰退や崩壊にも繋がる諸刃の剣。猪木ー新間時代の新日はそうした話題作りが実に上手くて、中でも長州が藤波に嚙みついた下剋上のドラマは当時の新日の最高傑作。いろんな意味でプロレスの流れを大きく変えるきっかけとなったアングルでしたが、その裏で猪木ー新間コンビに対して蠢いていたレスラーたちのネガティブな感情が、まもなく猪木ー新間体制を崩してしまったのはまさに好例といえます。ただ、そうしたリング外のネガティブな出来事すら「俺の首をかっ切ってみろ!」の一言で、リング内で見事に昇華させてしまったアントニオ猪木のプロレスセンスは流石としかいいようがありません。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島274 プロレス謎読本 リングのタブーを解き明かせ!
一九九六年九月三日発行 発行所―株式会社宝島社 平成9年(1997年)に宝島社より刊行された「別冊宝島302 プロレス世紀末読本 決定版!因縁の系譜」です。 かつてプロレスはプロ野球・大相撲と並ぶ“大衆娯楽”の一角にいながらも、その独特な“虚実皮膜”の世界観ゆえに徐々に見る者を選ぶようになり、私がプロレスを見始めた1970年代後半は既に特殊なジャンルと化していました。この本は、そんな“世間”とは大きな隔たりがある他に比類なきジャンル、プロレスの“謎”について各ライターが綴った本です...なんて書くとちょっと面白そうな本ですが、「リングのタブーを解き明かせ!」という割には肩透かしの記事ばかりで正直、あんまり面白くないです。以前の「別冊宝島」のプロレス本なら、岡村正史氏あたりの“シュート”で、それでいて知的興奮に溢れる“活字プロレス”な記事が掲載されたと思うのですが... とはいえ、この本が刊行された平成8年は新日本プロレスによる週刊プロレス取材拒否事件があり、純然たるプロレス・ジャーナリズムではない「別冊宝島」といえど、思い切ったことが書けなかったのかも知れませんね。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島185 プロレス必殺技読本 そのとき、リングに伝説が生まれた!
一九九三年十月八日発行 一九九四年十一月三十日第三刷 発行所―株式会社宝島社 平成5年(1993年)に宝島社より刊行された「別冊宝島185 プロレス必殺技読本 そのとき、リングに伝説が生まれた!」です。 プロレスの試合が展開されるうえで重要な要素の一つである“必殺技”。スープレックス、サブミッション、打撃技...、プロレスラーにはそれぞれ得意技というものがあり、中でもそれが最高のタイミングで繰り出され、試合を決したものが“必殺技”となる訳ですが、そんな“必殺技”について、気鋭の論客たちが思い思いに語った本です。 ちなみに私が好きなプロレスの“必殺技”は、かつて「プロレスの芸術品」と呼ばれ、昭和のプロレスにおいては最高ランクの必殺技として不動の地位を築いていたジャーマン・スープレックス・ホールド(和名:原爆固め)です。そして、好きな使い手は“若大将”時代のジャンボ鶴田。ジャーマン・スープレックス・ホールドは、この技の創始者であるカール・ゴッチのスタイルに影響を受けた新日本プロレスのリングで見ることが多かったのですが、日本人レスラー屈指の高身長から繰り出される非常に落差のある“投げ”、新日系の使い手にはあまり感じられない重量感に溢れている、破壊力抜群の鶴田のジャーマンが私は大好きでした。その後、名実共に全日本プロレスのエースとなった鶴田は不世出の名レスラー、“鉄人”ルー・テーズから「へそで投げる」式のバックドロップを正式に伝授され、こちらのほうを決め技とするようになったことでジャーマンのほうは封印された格好になりましたが、ブルーザー・ブロディやスタン・ハンセン、天龍源一郎らに対し、ジャーマンを決めるシーンも見たかったと今でも思っています。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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宝島社 別冊宝島179 プロレス名勝負読本 あの日、リングに奇跡が起きた!
一九九三年六月二十二日発行 一九九五年六月一日第十二刷 発行所―株式会社宝島社 平成5年(1993年)に宝島社より刊行された「別冊宝島179 プロレス名勝負読本 あの日、リングに奇跡が起きた!」です。 力道山時代からこの本が刊行された当時まで、日本マット界で繰り広げられた数々の名勝負(中には迷勝負も...)を、プロレスに通じている気鋭の論客たちが思い思いに語った本です。こういった“プロレス名勝負もの”は他でもありがちな企画ですが、「別冊宝島」の論客陣の語り口は時に“シュート”であり、'80年代から'90年代にかけて新日や全日で活躍したスティーブ・ウィリアムスを“大根役者”と評した井上章一氏の記事や、新日正規軍対維新軍団の5対5勝ち抜き戦におけるレスラーの“序列・格”を論考した岡村正史氏の記事はこの本ならではのもの。「週刊ファイト」や「週刊プロレス」とはまた一味違った“活字プロレス”には興奮させられました。 #プロレス #プロレス本 #宝島社 #別冊宝島
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JICC出版局 別冊宝島120 プロレスに捧げるバラード 神に選ばれし無頼漢たちの物語!
1990年10月27日発行 1992年4月8日 第8刷 発行所 JICC(ジック)出版局 平成2年(1990年)にJICC出版局(現:宝島社)より刊行された「別冊宝島120 プロレスに捧げるバラード 神に選ばれし無頼漢たちの物語!」です。 「別冊宝島99 超プロレス主義! 格闘王たちのバトルロイヤル」から約1年後に刊行された「別冊宝島」のプロレス本第2弾。この号が刊行された平成2年は、新日と全日の歴史的な交流戦や、当時のプロレス界の中心的人物だった天龍源一郎の全日離脱→SWS移籍、デスマッチ路線を突き進む大仁田厚のFMWの人気に火が付くなど、久々にプロレスが“熱かった”という印象があります。そんなマット界の風潮を反映してか、この号でも天龍、大仁田を始め、上田馬之助やザ・グレート・ムタ(武藤敬司)、キラー・カーンといったプロレスラーらしいプロレスラーたちを取り上げた記事が多いのですが、そんな中で個人的に興味深かったのが“八百長”という、プロレスの極めてデリケートな部分に切り込んだPART4の記事群。「知的プロレス論のすすめ」の著者である岡村正史氏を中心に繰り広げられる八百長問題の論考は、従来のプロレス・ジャーナリズムでは考えられなかったものであり、非常に読み応えがありました。 #プロレス #プロレス本 #JICC出版局 #別冊宝島
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