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QUEEN / HOT SPACE
1982年リリースの10作目
邦題:ホット・スペース
前々作「ザ・ゲーム」から"Another One Bites the Dust"のヒットをうけて、より大胆にブラコンを取り入れた作品。そのサウンドも、前作の「フラッシュ・ゴードン」からのシンセ導入(実際にはそれ以前にちょっと使ってますが)で大きく変わってきました。この変化は賛否を生み、当然"否"が上回ったのでした。
ではその内容へ
一曲目から驚かされるのには慣れているとはいえ、やっぱりこのシンセブリブリの"Staying Power"は衝撃です。すでにオープニングでちょっと引き気味のところに追い打ちをかけてくる、シンセベースが印象的な"Dancer"はブライアンの作品。続くジョン作の"Back Chat"も強烈です。再びシンセベースで導入してくる"Body Language"は安定のフレディワールドで、これが意外に違和感がなく不思議な気分。"Action This Day"はロジャーの作品。超絶ダッサダササウンドにノックアウトされてB面へ。
B面にきて初めてロックバンドらしいギターサウンドが登場。"Put Out the Fire"は唐突に銃の取り扱いについての歌詞が展開します。その答えは次の"Life Is Real (Song For Lennon)"。80年に射殺されたジョン・レノンに向けたフレディの作品です。続く"Calling All Girls"はロジャーの作品でこれまたダッサいです。ブライアンの"Las Palabras De Amor (The Words of Love) "は90年代のクイーンサウンドを予感させる作品。"Cool Cat"はジョンとフレディの共作です。これもう完全にソウルナンバーで、フレディのファルセットがメチャクチャ綺麗です。ただソウルすぎて、ブライアンのカッティングがちょっとついてきてない感ありです。ラストはデビッド・ボウイとの" Under Pressure"。クール・キャットの出来がいいので、ここに入れると蛇足感が半端ないですね。B面1曲目のほうが良かった気がします。
全体にまとまりが悪く中途半端なところに加えて、曲調のかたよりがアルバムにかえってぼやけた印象を与えています。しかしそのアプローチ自体は悪くないと思いますし、後のポップさにつながっていると思うので決して駄作ではありません。
SIDE A
ステイング・パワー - Staying Power (Mercury) 4:10
ダンサー - Dancer (May) 3:46
バック・チャット - Back Chat (Deacon) 4:31
ボディ・ランゲージ - Body Language (Mercury) 4:29
アクション・ディス・デイ - Action This Day (Taylor) 3:32
SIDE B
プット・アウト・ザ・ファイア - Put Out the Fire (May) 3:18
ライフ・イズ・リアル(レノンに捧ぐ) - Life Is Real (Song For Lennon) (Mercury) 3:28
コーリング・オール・ガールズ - Calling All Girls (Taylor) 3:50
ラス・パラブラス・デ・アモール (愛の言葉) - Las Palabras De Amor (The Words of Love) (May) 4:26
クール・キャット - Cool Cat (Deacon & Mercury) 3:26
アンダー・プレッシャー - Under Pressure [with David Bowie] (Queen & Bowie) 4:02
"Cool Cat"
https://www.youtube.com/watch?v=HBfuBRYpwsc