Philip V of Spain　（フェリペ5世）

チリ　1968年

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フェリペ5世（Felipe V, 1683年12月19日 - 1746年7月9日）は、スペイン・ブルボン朝初代の国王であり、フランス王ルイ14世の孫です。彼はスペイン継承戦争の結果、スペイン王位に就き、スペインの歴史において重要な役割を果たしました。フェリペ5世の治世は、スペインにおける近代的な中央集権国家の形成に大きな影響を与えました。

フェリペ5世は、フランスのヴェルサイユ宮殿で、フランス王ルイ14世の孫として生まれました。彼の父はブルゴーニュ公ルイであり、フランス王家の血を引いていました。フェリペは若い頃からフランス宮廷で教育を受け、ブルボン家の一員として育てられました。

1700年、スペイン・ハプスブルク家のカルロス2世が子供を残さずに亡くなった後、彼の遺言によりフェリペがスペイン王位を継承することになりました。この決定は、ヨーロッパ全体に大きな波紋を呼び、特にハプスブルク家と他のヨーロッパ諸国が反発し、スペイン継承戦争（1701年 - 1714年）が勃発しました。

スペイン継承戦争は、フェリペ5世の即位を巡る国際的な紛争で、ヨーロッパ全土を巻き込む大規模な戦争となりました。この戦争では、フランスとスペインが一方の陣営に立ち、イギリス、オーストリア、オランダなどが反対側に立ちました。戦争は数多くの戦闘と外交交渉を経て、1713年のユトレヒト条約と1714年のラシュタット条約により終結しました。

これらの条約により、フェリペ5世はスペイン王としての地位を維持しましたが、フランス王位との統合は禁じられました。また、スペインはヨーロッパにおける領土の一部を失いましたが、イタリアやネーデルラントの領土を放棄することで、スペイン本土の支配を確保しました。

フェリペ5世の治世は、スペインの近代化と中央集権化を進める時期となりました。彼は、フランスの影響を受けた行政改革を導入し、スペインの官僚制度を強化しました。また、軍事改革や税制改革も実施し、国家の統治機構を強化しました。

彼の治世中には、スペインの文化と芸術もフランスの影響を強く受け、特に建築や音楽の分野での発展が見られました。彼はまた、マドリードに新しい王宮（現在のマドリード王宮）を建設し、スペイン王室の象徴的な拠点としました。

しかし、フェリペ5世は精神的な健康問題にも悩まされました。特に晩年にはうつ病に苦しみ、一時的に王位を退位して息子のルイス1世に譲りましたが、ルイス1世の早逝により再び王位に復帰しました。

フェリペ5世は1746年に死去し、息子のフェルナンド6世が王位を継承しました。