イネス石 (inesite) 河津鉱山 #0055

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イネス石は浅熱水鉱脈鉱床中に石英や菱マンガン鉱などと産し、繊維状結晶が集合して脈をなしています。新鮮なときは桃色ですが、大気に長くさらされると表面が褐色ないし黒褐色に変化します。イネス石の名前は「肉色の繊維」という意味のギリシャ語に由来します。(背景はソフトウエア処理しています。)

河津鉱山(蓮台寺鉱山)は浅熱水金銀鉱床の鉱山で、金、銀、銅、亜鉛、鉛、マンガン、テルル等、多様な鉱物を産出しました。河津鉱山の歴史は古く、1596年(慶長元年)には開発されていたと言われます。1915年(大正4年)に現在のJX金属の源流企業の一つである久原鉱業が買収し稼業しましたが、1959年(昭和34年)に閉山しました。マンガンに富んだ鉱床からは、ばら輝石、菱マンガン鉱、イネス石、軟マンガン鉱等を産出、特にイネス石はこれに伴う輝銀鉱のため、鉱石としても用いられていたとのことです。

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