19世紀末頃のフランス製の望遠鏡

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19世紀末〜20世紀はじめ、100年以上前に作られたフランス製の望遠鏡。

顕微鏡のアンティークはけっこう市場に出るが、天体望遠鏡は非常に珍しい。ebayでたまにでるのを見てもリプロダクトかジャンクの実用不可のもの。

本体に書かれたE.Vionというメーカー名を調べると海外の掲示板がヒット。1900年頃製造されたリアルアンティークで、少なくとも10万以上の価値があることがわかった。

接眼レンズをひねると、レンズカバーがスライドされるようになっている(写真3、4)ギミックも良い。

ヤフオクで「知識はないけど蔵から出て来た」との説明だけあり、絶対に落札する!といさんだが3万円台で落とせた。

精密機器なのでやはりオーバーホールに出したくて調べると、香川県にある天体望遠鏡の設計制作やメンテナンスを行うヨシカワ光器研究所が信頼できそうで相談したら引き受けてくれた。

通常の接眼レンズのほか、太陽観察レンズらしきものがついていたので、それの使いかたや、構造について教えてほしいとも頼んだ。

すると、なんと返却の際、それらだけでなく、どんなメンテナンスをしたのかの詳細レポートが送られてきた!

複数枚の写真がはられ、手書きでかかれた8枚以上の素晴らしいもので、これだけで1万円払ってもいいくらい(写真6~8)。

そしてオーバーホールをして思うに、この望遠鏡は大量生産されたものではなく、当時の職人が時間をかけて作ったもので工芸的価値がある貴重なもの(写真7)と感じるそう。

同じ職人として、100年以上前の職人の仕事ぶりに時代をこえて共感するものがあったのかもしれない。

それも合わせて、ヨシカワ光器研究所の職人さんの仕事ぶりにも非常に感銘を受けた。さらに会計の詳細も明確で、26000は安い。

なお、望遠鏡の倍率は20~30くらいかと思う。経年で自然に変色した真鍮の雰囲気もよく、これで月を見るのは何とも贅沢なのだ。

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