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国産 東西紫水晶
Xにて公開したまとめ写真。 綺麗なものを並べると、やはりなお綺麗ですね。
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滋賀県高島市マキノ町下開田 山崎山 ジャカレー紫煙水晶
往年のコレクター様よりお譲りいただいた中の一つ。紫水晶は他の方にみんな渡したとのことで、普通の水晶、煙水晶のみいただくことになったのですが、こちらの水晶は中に光を当てると紫水晶だったことが判明。産地はかの有名な山崎山。運が良いことに、良品を手に入れられました。 白被りのジャカレー水晶で、見た目は単なる煙水晶。それでも9cmと立派なサイズ。ガサついた周りとは違い、中身はクリアな紫煙水晶。下から光を当てると、ぼんやりと紫色が見られます。 山崎山のクリアな紫水晶は、数年に一度見かけるという僅かな頻度ながらも出回っているのですが、このタイプは初でした。
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長野県南佐久郡川上村梓山 甲武信鉱山 角閃石入り緑水晶クラスター
前掲、逆さ松茸水晶の松茸でないバージョン。ファントム部分がより分かりやすい水晶になります。 内包は針状の角閃石と球状の緑泥石。緑はへスティング閃石の内包とも呼ばれていますが、これを見る限り緑泥石でしょうか?また、やや赤紫色の内包も見られます。酸化していない角閃石と思われます。 横9cmと大きい水晶ですが、現地では20cmを超える同タイプの水晶があるそうです。これはそこから剥離したものでしょう。コレクター放出品。
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滋賀県大津市田上山 不動寺 鉄電気石入り水晶
こちらが田上山の方の不動寺産水晶。こちらも鉄電気石が内包されていますが、白被りやガサつきの部分から、やや田上山の煙水晶感が出ています。 最大でも1.7cmと小粒ながら、いずれもやや両錐気味(再結晶?)かつ照りツヤが美しいです。 内包された鉄電気石が太く見えますが、小粒な水晶のサイズゆえ。特段太いというものではありませんが、竹森の苦土電気石に比べればやや太いです。
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奈良県吉野郡天川村北角観音平 大塔宮鉱山 薄紫松茸水晶・ダンベル水晶
大塔宮鉱山の紫水晶は以前こちらに掲載しました。また、松茸紫水晶も同様、母岩付きの物を掲載しています。敢えて今回同じようなものを出したのは、「ダンベル水晶」の紹介のため。 ここに載せた水晶は全て同じ場所で採られたもので、ごく普通(とはいえ逆さ松茸)の紫水晶と、やや薄紫の松茸水晶、そして松茸が両錐になり、ダンベルの形となった薄紫水晶、いずれも同時に採られたものとのこと。 クリアな松茸水晶は、一部の方が「大峯ダイヤ」と呼ぶほどクリアで、ハーキマーダイヤモンドに見えるほど。紫水晶は蝕像が見られるも、頭部分の松茸の先細り笠はそのハーキマーのようにクリアです。 ダンベルは海外を含めてもあまり見かけない気がします。粘土ガマから採られたものは両錐になることがあり、逆さ松茸になることもよくあります。しかし両方が通常の松茸になるものは珍しく、国産水晶ではここのものしか知りません。 母岩から剥離して再結晶したダンベルであれば見つかっていますし、天川村の煌き水晶で言えば、方解石の干渉による両錐の松茸水晶があります。こちらは単独で成長したもののため、やや紫色になっている点、ハイクリアな点を含め、かなりのレアアイテムでしょう。
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山口県美祢市於福町北分 大和鉱山 緑ファントム日本式双晶
3.2cmと大きな日本式双晶。大和鉱山の日本式双晶は、2023年あたりからミネラルショーにて大量放出され、話題になっていました。 こちらはそのずっと前、コレクターの採取品。割れていなければ両翼4cmの大きい日本式双晶でした。 普通の日本式双晶と異なり、大きい方の錐面にまで結晶があるため、刺さっているかの様な形状。この錐面というのは、日本式双晶の根元部分が成長し、両錐になっている部分。突き出た錐面を見ると日本式双晶には見えません。 山上鉱山の水晶の様な緑色のファントムも見られます。緑泥石由来でしょうか?
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山口県岩国市美和町根岸 煙水晶
小さいペグマのクラスターなのですが、まとまりがあり良い形状をしている水晶になります。 山口県の広い範囲に見られる花崗岩の地質。無名産地もちらほらあり、こちらもその一つ。曹長石の凸凹感、二本の煙水晶、その形、小さいですがとても良い雰囲気。 煙水晶はライトカラー、側面にやや石英が被っています。錐面は急激に冷やされたのか、ひび割れの様な紋様が見られます。
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鹿児島県いちき串木野市下名 中馬砕石 紫水晶
前掲の方解石付きの方は、どちらかといえば紫「石英」な水晶でしたが、こちらは完全なる紫水晶。 見た目は串木野鉱山のものにそっくりですが、母岩部分に僅かに方解石の脈が付いている点で区別できます。チャート部分については同じですね。 明るめのラベンダーカラー、紫陽花色が鮮やかで、やや串木野鉱山より明るいでしょうか。 この地域の紫水晶が散見されますが、僅かに異なる点はあると言え、全て同じ脈なのでしょう。
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山口県山口市秋穂二島 柘榴石付き煙水晶(並行連晶)
秋穂二島のペグマタイト鉱物はよくネット上で販売されており、私も煙水晶に関してはとある方からの購入品でほぼ占められています。 久々に、同じ方から鉱物を購入できまして、それがこちらの柘榴石付き煙水晶。20年以上採取されてきた出品者様も、これまであまり柘榴石が付いたものは見られなかったそう。過去に加工材としていただいたカリ長石に付いていたことはありましたが、それでもかなり貴重。 煙水晶は複数生えた並行連晶、雲母の蝕像痕なのか、穴のような部分が見られます。柘榴石は恐らく鉄礬柘榴石。このクラスターには3つ確認でき、その一つは6枚目のように煙水晶にめり込んでいます。
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福井県三方郡美浜町丹生 白木峠 ドフィーネ式煙水晶
凛とした、6.9cmの煙水晶。細さや長さも素晴らしいのですが、その透明度は黒平の煙水晶を彷彿とさせます。 僅かにファントム、色の濃さがありつつも透明という、「黒水晶」と呼ぶに相応しい標本です。また、レコードキーパーに見えませんが成長丘も見られます。水滴の様なレコードキーパーは珍しいのでは。 さらに、左ドフィーネ式双晶にもなっています。 現状、付近は完全に採取禁止で、採取を禁じる看板が立っているそうです。
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鳥取県東伯郡三朝町福本美坂谷 左ドフィーネ式煙双晶
ドフィーネ式水晶の説明はこちら。 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/350?theme_id=47689 鳥取県の三朝町はペグマタイト鉱物が多く見られることで有名で、人の頭ほどの煙水晶も見つかっています。特徴としては、黒い、照りツヤに富む、ドフィーネ式双晶が見られるというところ。 こちらは長さ5cmのタビー煙水晶。左向きのドフィーネ式双晶になります。透明度はそれなりですが、色の濃さは申し分なし。反射する錐面には僅かにレコードキーパーが確認できます。 コレクター様の放出品の一つ。
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石川県小松市金平町麻畠町 金平鉱山 焼山坑 紫水晶
紫色の緑鉛鉱で知られる金平鉱山の焼山坑。一括りに尾小屋鉱山とする書籍もありますが、ここでは別に表記します。 こちらの標本には緑鉛鉱は見られませんが、やや白濁したカテドラル紫水晶に、細かい水晶が付いた標本になります。 錐面が目立たないためか、頭が割れている残念なクラスターに見えてしまいますが、実際その多くは頭が残っています。尾小屋で見られるタイプのカテドラルですね。 その昔、尾小屋鉱山や金平鉱山のズリ部分には、汚い紫水晶なら普通に落ちていたと伺いました。このレベルでも昔は落ちていたのかも?無論現在は採取不可。
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栃木県宇都宮市篠井町 富井鉱山 松茸紫水晶
2023年の飯田橋ミネラルマーケットにて入手した、可愛らしい蕾の形をした松茸紫水晶。 富井鉱山の紫水晶は単結晶、変わりものがいくつかあったものの、これぞ、というクラスターは持っていなかったり。ようやく手に入れたこちらは、前掲の松茸のクラスターバージョンという感じです。 https://muuseo.com/Matsu_Crystal/items/323?theme_id=23673 全体ではなく一部のみ紫になり、その部分のみ突出して結晶になっている不思議な標本です。
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大阪府池田市畑 秦野鉱山 球状緑泥石入り緑水晶
鉛鉱山として古くに開発され、第二次世界大戦中にも僅かに稼働していたという秦野(やすの)鉱山。市街からそれほど離れていないこともあり、鉱物愛好家たちが多く採取に出かけているそうです。 スカルン鉱床、鉛鉱山ということで、閃亜鉛鉱、方鉛鉱といった金属鉱物や、柘榴石、灰重石などの採取記録があります。水晶も記録がありましたが、手に入れることが中々できず… 6年経過し、ようやくヤフオクにて入手できました。石英脈そのままという風貌で、錐面が見られる水晶はありません。柱面のみ。それでも1.5cmの柱面なので、産状次第では大きい単結晶も見られそうです。 ほぼ石英ですが、それでも一部、はっきり透明な部分があり、緑泥石による緑の発色、また一部球状の内包となって確認できます。
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長野県南佐久郡川上村穴沢 御所平鉱山 松茸・逆さ松茸日本式双晶
穴沢(御所平、赤面山)は明治時代の古い文献で偏平鉄電気石、松茸水晶が採れるとされ、幻の存在とされていました。平成7年になり、その場所が再び明らかになりました。険しい場所なようで、かつ電気石は極めて稀産とのこと。 小さい松茸水晶なら僅かに産出され、ヤフオクで流れているのを年に一度程度見かけます。 そんな産地の松茸水晶。大きいものはクリアな松茸になるようですが、こちらの標本はやや表面の酸化鉄でくすんでいます。白雲母に紛れ、複数大小のの松茸、逆さ松茸水晶が見られます。 特筆すべきは赤い矢印の先。日本式双晶が見られます。この日本式双晶、左翼は通常の松茸水晶、右翼は逆さ松茸水晶という、左右で形状が異なる、世にも珍しい日本式双晶をしています。 両方が松茸、あるいはリバースセプターな日本式双晶なら、海外、特にマダガスカルの紫水晶の双晶で見かけることがあります。国産水晶という括りでは、まず見かけることはないでしょう。 貴重すぎる標本と思いますが、懇意にしている往年のコレクター様の放出品として、超安価にて入手しました。
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