アカデミー1/24ヒュンダイ・ポニー

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アカデミー1/24ヒュンダイ・ポニーです。
1968年からイギリスフォードのコルチナをライセンス生産していたヒュンダイは1970年代に入って韓国の国情にあった小型車の開発を始めようとしますがフォードとの間で折り合いが付かず、独自開発することとなりました。
現代財閥の信用を後ろ盾に莫大な資本を投下した結果、デザインはイタリアのジウジアーロ、エンジン、シャーシ周りは三菱から導入します。
エンジンは三菱のギャラン、ランサー等に搭載された「サターンエンジン」、シャシー、足回りは初代ランサーを解体、模倣設計したものです。
更に三菱と技術導入契約を結んで工作機械も製造、それまで30%台だった韓国自動車産業の国産化率を90%まで引き上げました。
「結局、中味は三菱車のコピーじゃないの」という声も聞こえてきそうですが、同時代のライバル社は大宇がオペルやホールデン、起亜はマツダ・ファミリアをライセンス生産していたことを思えば「韓国初の独自開発国産乗用車」であるポニーは大ヒットとなり、ヒュンダイは一躍トップメーカーにのし上がりました。
韓国の自動車産業は外国メーカーのコピーばかり作っていたように思ってしまうかもしれませんが実は日本も同じだったのです。
昭和20年代の終わりから30年代、ニッサンはオースチン、いすゞはルーツ社のヒルマン、日野はルノーをノックダウンから始めてライセンス生産し、最終的にはすべての部品を日本国内で生産できるようになりました。
これによって乗用車作りのノウハウを学び、セドリックやブルーバード、ベレル、ベレット、コンテッサなどの名車を生み出し、自動車生産に不可欠な部品産業を育てることにもなりました。
閑話休題
キットは最近の韓国製キットの例に漏れず「バチピタ」でノーストレスで作れます。
修正が必要な箇所がなく、説明書どおりに作れば誰が作ってもこの程度の物は作れます。
難点は塗装指示がないことです。
箱絵はもちろん、資料写真を探したり、同じ年代の日本車を参考にしたり、最終的には想像力勝負となります。
同じ韓国のKAモデルズ製の2点式シートベルトを追加しています。
このキット、ホイールはキャップに隠されたナット部分も再現されていますしスタンダード仕様のミラーや黒色塗装のバンパーもパーツが入っています。
タクシーメーターや屋根に付ける行灯もパーツが入っていますのでタクシーエーションエーション展開も視野に入っているようです。
ポニーのタクシーと言えば映画「タクシー運転手 約束は海を越えて」でソン・ガンホ演じるソウルのタクシー運転手を助けるユ・ヘジン演じる光州のタクシー運転手が乗っていたのがポニーのタクシーでした。
タクシー仕様も作りたいですね。
また韓国のDEF MODELからはポニーを1980年代の韓国のパトカーに改造するコンバージョンキットが発売されています(すでに確保済みです。)
パトカー仕様も作らなければなりません。
70年代の日本車の香りがプンプンしてくるポニー、よくぞ製品化してくれた!と思います。

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