- 8823hayabusa Museum
- 35F 横山光輝の作品世界
- 【史記】横山光輝
【史記】横山光輝
【史記】
史記・・・世界最古の記録書である。 横山光輝の作風がいかんなく発揮されており、横山漫画では【伊賀の影丸】と並ぶベスト5に入る程好きです♪
書いたのは司馬遷(しばせん)という人物で、身分が低い役人の子で、子供の頃から聡明で学問に秀でて優秀な師の下で修学し、二十歳の時に父親の司馬談が「お前が学んだのは文字での知識。各地を旅して生きた勉学をせよ」と2年に渡り中国大陸を旅して見聞を深めた。
やがて帰国し役人になったが35歳になっていても出世しなかった。 そして父親の遺言で「【孝】、我が国の偉大な先人の功績や記録は断片的にしか残されていない。 それをまとめよ。 それを後世の人々が知り、活かさねばならない。やりとげよ」と言われて書き始めた。
その頃の漢(今の中国)は始皇帝の頃より領土が拡がり、北方から度々領土を侵す『匈奴(きょうど。 今のモンゴル)』に頭を抱えていて、武将Aが5000人で匈奴80000人とよく戦ったが破れ投降した。 時の武帝は怒り、司馬遷に意見を訊いた答えが気に入らず、司馬遷に死刑の判決が出た。
死刑を免れる方法は2つ。 1つは大金を納める。 2つ目は腐刑←去勢して宦官になる・・・すなわち男性のオチンチンを竿も袋も切り取る刑。 司馬遷は牢番や周囲から笑われながらも父の遺言(それも考)を成し遂げるために腐刑を選んだ。 後に武帝もいささか感情的になりやり過ぎたかな?という事で、司馬遷を要職に就けた。 門外不出の記録書などを保管する蔵の官で、自由に出入りできた。
その記録書などを参考に、司馬遷が居る時代(前漢)から周・殷・夏~紀元前1500年前位までの偉人や名君の記録や足跡、功績などを130巻にまとめた長編記録にした。 当事は紙がなく(紙は後漢時代に発明)、文字は板状の木や竹を紐で結んだ物(木簡・竹簡)での130巻である!
司馬遷は娘に「これは皇帝には不都合なものも含まれており、消される可能性がある。 本編は隠し、副本をお前が持っておけ」と言い、後世に発表された。 全く壮大で遠大な書物であり、司馬遷と司馬談(父)には頭が下がる想い・・・と軽々しくも語れない功績である。
例えば『刎頚の友(ふんけいのとも)』 親友相手の為ならば、首を刎ねられても文句は言わない。その位の関係という意味。
『臥薪嘗胆(がしんしょうたん)』・・・A国王は幽閉された部屋で数年過ごしたが、天井からクマの肝臓を吊るして毎日舐めた。 苦い物を舐めてB国への恨みを忘れない為である。
B国王は寝床に薪を敷き、その上で寝た。 その痛みでA国への恨みを忘れなかった。 何の為にそれをしているのか? 常に目標を忘れない! 今の英語でいう”モチベーション”、動機付けである。
『貴価、居くべし』・・・やがて価値が出てとてつもない利益を生み出すであろうものをも逃さず、手許に置いておけ、という意味。
他にもこの【史記】からは多くの事を学ばされる。
#漫画
#横山光輝
#中国史
#史記
#司馬遷
fanta
2022/04/18 - 編集済み司馬遷の史記・・・
とは聞くものの、すさまじい人生と共に著わされた書物なんですねぇ😲😧
夏、殷、周、秦とまさに歴史書。
後の歴史で引用されるエピソードや熟語など、興味わきます(横山先生の作品であったんだ~という今ごろの認識w)
そうそう竹簡…古代中国らしさを感じますワ。
にしても『孫子の兵法』といい、古代中国の歴史は何というか…人間の欲や業が出尽くしてるところが恐ろしく、魅かれます😆
1人がいいね!と言っています。
8823hayabusa
2022/04/19司馬fanta様
巌窟王ではないけれど、人間の持つ執念が成す事は言葉にならない位のエネルギーを生み出しますね。
仰る通り、漢民族…人間の本能を追求させたら他の民族の追随を許さぬものがありますね。
そして人間の本質という物をよく知る生き物と言えましょう(指導者レベルは)。
ゴルゴ13も中国人について「世界一、気の長い民族とはよく言ったものだ」と言っています。
2人がいいね!と言っています。
fanta
2022/04/19 - 編集済み美味しいもの食べること、
長生きすること(若返り?笑)
ぼ、、房・・・👀w
始皇帝の墓の様子を記したのも、この『史記』でしたか~。とっても興味あります😊
一方で“蛇足”なんてエピソードも残す、ほっこり感も好きなんですよね♪中国歴史の。
ポジティブ、幸せ…残念ながらそういう感情からはエネルギーって生まれず。。むしろコンプレックス、恨み、恐れからくるエネルギーのほうが強い気がしちゃいます。
1人がいいね!と言っています。
8823hayabusa
2022/04/19始皇帝陵墓を暴いて財宝を持ち出したのは項羽で、鯨付(だったかな?)に命じて掘出させました。 阿房宮を燃やしたのも項羽で、項羽と劉邦の流れも史記に記されていますね。
そうですね、マイナスの、負の感情からの方からがエネルギーを生み出しますね。
明日また『悔しさから生まれたモノ』を展示します。
1人がいいね!と言っています。