【1989/02/13】奥の細道シリーズ第9集郵便切手

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奥の細道第9集として、平成元年2月13日(月)に60円郵便切手(2種連刷)が発行されます。
「石山の石より白し秋の風」
今の小松市那谷町にある自生山那谷寺の庭には石英粗面岩質の凝灰石からなる灰白色の岩山がある。『おくの細道』には「奇石さまざまに、古松植ならべて、萱ぶきの小堂、岩の上に造りかけて、殊勝の土地也」と書いてこの句を掲げてある。石山といえば近江の石山寺の石山がすぐ頭に浮ぶのが、当時の常識ではあろうが、ここは眼前の灰白色mの石山より秋風のほうがもっと白いと取るんぼがよいのではなかろうか。
「月清し遊行のもてる砂の上」
芭蕉は陰暦8月14日の夕暮敦賀に着き、夕食後月が格別美しいので、土地の気比大明神に参詣した。『おくの細道』には「社頭神さびて、松の木の間に月のもり入たる、おまへの白砂、霜を敷るがごとし」とある。昔、気比大明神の門外にあった沼を、遊行二世の他阿上人が大願発起し、みずから「草を刈、土石を荷ひ泥渟渟うぃかはか」した事蹟を記念して、代々の遊行上人も儀式として「遊行の砂持」をし、今も神前には白砂を盛り上げてある。
画「那谷寺」は、日本画家今野忠一氏が句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。同氏は日本美術院(院展)評議員です。
画「月光」は、日本画家後藤純男氏が句から受けた印象を独自のイメージで描いたものです。同氏は日本美術院(院展)の評議員です。
書は、書家青山杉雨氏と村上三島氏の筆によるものです。両氏は、芸術院会員であるとともに日展常任理事です。

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