大都会
日本テレビ系列のドラマは小説版が続々と発売されていました。これ以前にすでに太陽にほえろ!がラインナップされており、その流れで大都会もPARTIIから日本テレビで発売されました。第一作の闘いの日々は倉本聰コレクションシリーズで台本がそのまま書籍化されています。
この小説シリーズはドラマのカラースチールを表紙と裏表紙に使用し、中表紙裏表もカラー。モノクロスチールも巻頭4ページほど掲載されました。テレビジョンドラマの大都会特集か刊行されるまで、サントラ以外では唯一の公式グッズでした。
P.11 闘いの日々※第1話・追撃
第一作へのオマージュからか小説版のサブタイトルは前作、闘いの日々。
連続性的暴行殺人犯を追う深町軍団。
医師・宗方の手当て命を取り留めた被害者。変質者の仕業とみた黒岩は彼女に協力を依頼。宗方は犯人は普通と男だ、と話す。
P.35 幻の総鑑賞※第2話
挙動不審の男が留置場に入れられた。男は針金を飲み込み宗方の病院に運ばれた。男は5年前の強盗殺人事件の春木と判明。が、スキを見て逃走してしまった。
P.63 警官嫌い※第4話
黒岩は暴行犯をトイレに連れて行ったスキに何者かに襲われた。うすれる意識の中で襲った男の顔を思い出そうとしていた。そして思いあたったその男・竹本はすでに刑務所で死亡しているはずだった…。
P.91 白昼の狂騒※第3話
1977年度文化庁芸術祭テレビ部門参加作品。
大内が記者に情報を漏らしたことから殺人の容疑者が逃亡。やがてその男は捕まるが、田舎者の男がウエイトレスを人質に喫茶店に立て篭もる事件が発生。大内は自ら人質を志願する。
※クライマックスの胸が熱くなるシーン。
黒岩「トク、チャンスがあったら撃て。肩を狙ってな。坊主に万一のことがあったら構わん、手塚(犯人)をブチ殺せ。」
トク「はい。」
丸さん「黒さん、それは過剰防衛ですよ。この際、課長と深町次長の意見も聞いてですね…。」
トク「丸さん!課長と次長が何を言おうと関係ないっすよ!このままだと野郎、何するかわかりませんよ!問題は坊さんの命です!」
丸さん「しかしこの場でもしものことがあったら…。」
トク「そんなのやってみなきゃわかんないじゃないっすか!」
丸さん「しかしこの際だな…。」
トク「この際何すか⁉︎」
黒岩「冷静になれ!…丸さん、このままだと坊主が危ない!この現場の責任者は自分です。自分が全責任を取ります!いいな、みんな!」
冒頭、新聞記者に捜査情報をリークし、犯人を逃すことになった大内刑事・通称:坊さんを叱責する黒岩は坊さんの人格否定をしてしまったことで、篭城犯に坊さんが人質を買って出ることになり責任を感じる黒岩の焦り。そのやり取り。
黒岩「坊主、何だこれは!(新聞紙を体に叩きつける)何だその態度は!(殴る)どうしてブン屋にネタをばらしたんだよ。テメエ、それでもデカかよ。」
坊さん「分かってます…今度の件は申し訳ないと思ってます。」
黒岩「申し訳ない⁈とぼけんな。トクやヒラの身になってみろ!苦労してやっと山崎を。」
坊さん「ですから…本当に申し訳ないと…勘弁して下さい。今後十分気をつけます。(頭を下げる)」
黒岩「随分、簡単に頭下げんだな。だいたいテメエにはな、ホシに体ごとぶつかっていく度胸もなけりゃ根性もないんだ!小細工ばっかりしやがって!」
坊さん「黒さん、いや、そりゃあ言い過ぎですよ!たしかにタイムズの記者に口を滑らしたことは軽率ではありましたが…」
黒岩「軽率だと思うんだったら辞表書け!どうしたんだぃ、そんな覚悟もねぇのか。辞表書いてみろ!(体を押す)」
P.120 刑事のいのち※第10話
吉岡課長は知り合いの息子が覚醒剤中毒で困っていると相談を受けた。吉岡は上条にだけ打ち明け、情報屋を使って極秘のうちに密売組織の捜査にのりだす。
P.149 対決※第11話
護送中の殺人犯・青山が逃走。彼は小室組組長を狙っているらしい。が、新任課長の武井は黒星になるとオロオロ。徳吉は思わず舌打ちを。
P.174 人質射殺7・PM※第12話
5年の刑を終えた大塚が出所したその日に現金輸送車を襲った。人質をとった一味に徳吉は変装して接近するが、逆に犯人たちの捕らわれの身に。
P.200 俺の拳銃※第13話
マンションで発見された女の死体を黒岩と平原は自殺と断定。が、女の父は承知せず、幻の犯人に報復しようと平原の拳銃を奪取した!
P.227 切れたザイル※第14話
男ばかりの4人のパーティーが谷川岳で遭難。1人が死亡する事件があった。世間が忘れかけた頃、生き残り3人のうち2人が殺された。黒岩は残る1人を保護する。
※サルの弁慶へのセリフ。「俺たちにとって黒さんの言うことが課長が言うことより絶対なんだから!」これが深町軍団ではなく、黒岩軍団になった瞬間ですね!