西京 不明門 箱場印
初版 2023/12/12 22:06
改訂 2023/12/12 22:06
西京の不明門(あけず、あけずのもん)の箱場印です。明治7年6月2日に西京から大阪に向けて仕立てられた脇なし二つ折り葉書1銭に押されたものです。
箱場印の拡大図です。小ぶりの「不」一文字の丸枠印です。この独特の字体と小ぶりの印影が気に入ってます。
不明門という地名は「不明門通」として残っており、読み方としては「門」を無視して「あけずどおり」と呼ぶそうです。京都でもトップクラスの難読地名ですね。
さて、不明門箱場の所在位置を差出人さんの住所から推定してみましょう。見事な店印のおかげで、差出人さんは京都富小路松原下ルに金物店を構えておられた立川和助さんであることがわかりました。
この「富小路松原下ル」とは、南北を走る富小路通と、東西を走る松原通の交差地点から「下ル」、すなわち京都の北にある御所から南下して離れたところという意味です。
不明門箱場は、南北を走る不明門通と、東西を走る主要な通りとの交差地点に設けられていたと仮定すると、差出人の立川さん邸からだと、次の地図のとおり、不明門通と松原通、もしくは不明門通と五條通の交差点が候補として考えられます。松原通と五條通を比べると(今でも)五條通のほうがメジャーな大通りですので、不明門箱場は不明門通と五條通の交差点に設けられていたと推測できるかと思います。
正直言って、この推論はかなり乱暴でして、たった一例の差出人の住所からの推測なので、差出人住所が明確ないろいろな例を集めて、同じように地図上に差出人住所をプロットして、推測を繰り返すということが必要です。次に不明門箱場印に出会えるのはいつでしょうか...