【手彫証券印紙】JAPEX2023(2023/11/3-11/5)にて第五次発行1銭黒色の作品が展示されます!!

初版 2023/11/01 17:36

改訂 2023/11/01 18:14

2023年11月3日から5日にかけて東京で開催されるJAPEX2023(第58回全国切手展)に、手彫証券印紙の第五次発行1銭黒色の専門収集を3フレームの競争作品として出品していたところ、無事に展示されることとなりました!

9月に出展申し込みを行い、10月頭に作品を提出したのですが、先日、JAPEX2023のWebページ・競争出品リストにてクラス11(その他)・作品番号1011(フレーム番号291-293)として無事に展示されることが決まりました。事前の審査の点数如何では展示されないこともあるようで、少なくとも門前払いではない=入選ということがわかってホッとしています。

出品リストには名だたるフィラテリストのみなさんのお名前がずらり。審査員の方々も世界レベルのフィラテリストが勢揃いです。

手彫証券印紙というニッチなジャンルで、もっともありふれた「駄物」である第五次発行1銭黒色の、しかも3フレーム=48リーフにも及ぶオタッキーな作品がどのように評価されるのか、競争展初出品のunechanには全く予想もつかない次第であります。

最終審査結果は二日目に発表とのことですが、結果は二の次として、せっかくの機会なので、初日から上京して三日間の会期中参加し、色々な方々と交流して学んでこようと思っております。

どのような感じの作品なのか、雰囲気をご紹介するために、代表的なリーフのスキャン画像を何枚かご紹介いたします。

今回の作品は、muuseoのミュージアム、Labノートでもご紹介しているアイテムを中心に、要所要所にて解説を施した構成としており、馴染みの薄い手彫証券印紙の面白さを来場者の皆さんに少しでもお伝えできればと考えています(もちろん審査員へのアピールも兼ねております...)。

まずは作品の構成などを記した「タイトルページ」です。競争展出品作品の場合、タイトルページが重要なポイントとなるようで、タイトルページの説明にそった作品の展開がなされているか、どれだけ文献を参照しているかなどが審査されるとのことです。学会発表の要旨(アブストラクト)と同じイメージですね。

続く2枚目のリーフで、1銭黒色印紙の第一次発行から第五次発行の変遷を説明しています。1銭黒色というもっともありふれた印紙なので、エラー印紙や複合目打、未使用、ユニークな消印などを散りばめてスパイスを効かせています。果たしてどのように評価されるのでしょうか...

印紙の紹介に引き続いて製造面のリーフを何枚か続けています。このリーフは第四次発行と第五次発行の違いの一つであるガッター幅を比較したものです。当初は縦ペアを並べていたのですが、作品提出間際に幸いにして田型(2x2の4枚ブロック)が揃ったので見栄えがグッと良くなりました。第四次発行と第五次発行が一緒に貼られているこの証書は大事にしているアイテムの一つです。

製造面での重要なポイントである、目打のヴァラエティを単片で揃えたリーフです。ここにポーラス紙の目打10x13が加わったら完璧なのですが、力不足を痛感しています...

代表的な目打について単片と証書貼りのリーフを何枚か展示したのちに、用紙と刷色のヴァラエティを展開しています。その中でも、ポーラス紙については単片/ペアを使って組み立てた再構成シートを展示しました。朱色消しに拘ったあたりが伝わってくれるでしょうか...

用紙と刷色のヴァラエティをいろいろ展開しているのですが、このリーフでは、ポーラス紙の刷色違いで、4枚貼りの証書を2通並べてみました。一見すると同じような証書が2通なのですが、明治17年7月1日の印紙税改正の前と後の使用例で、同じ4銭でも、証書の金高が異なるという例を兼ねています。切手でいうと、同じ切手でも、異なる郵便料金時代での使用例を並べたもの、という感じでしょうか。

製造面の三要素である目打、用紙、刷色(インク)の次に、手彫ならではの定常変種(エラー、版欠陥)を展開しています。こちらはPlate I, Pos. 42の右下雲型飾り小ループ落ちで、エラー印紙を含む多数貼りを展示しています。

こちらはPlate II, Pos.24で、このLabジャーナルでもご紹介した、版欠陥ありとなしを並べたものです。縦4枚ストリップを2枚並べて、このポジションの上下(Pos.14とPos.34)にある版欠陥をも示しています。

定常変種をPlate I, Plate IIで紹介したあとは、多数貼り証書をいくつか並べていますが、アピール度を高めるために定常変種入りの派手目なものを選んでいます。こちらはPlate II, Pos.8の左"銭"タスキ落ち入りのド派手な証書。お気に入りのアイテムの登場です。

以上、代表的なリーフを何枚かご紹介いたしました。全リーフはJAPEX2023が終わってからmuuseoで公開いたします。

もちろんJAPEX2023の会場にお越しいただければ全リーフを生で(?)ご覧いただけます。来場を予定されておられる方は、ぜひお気軽に「muuseoで見ました!」とお声がけくださいませ!

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unechan

子供の頃から細々と続けてきた切手収集。長年のブランクを経て10年ほど前から再開し、日本切手クラシカル、ドイツインフラなどを収集。併せて手彫証券印紙の収集を始め、現在はこちらがコレクションのメインになっています。郵趣に加えて音楽(ジャズ)、釣り、鉱石収集、昆虫採集(蛾類)など趣味多数にて家族には迷惑をかけております…

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