西京 下立売 箱場印

初版 2023/07/09 22:13

西京・下立売(しもだちうり)箱場印です。漢字で「下」一文字に丸枠の、やや大きめの箱場印です。

下立売通は京都の東西の通りの一つで、古くからこの名前で存在していますが、箱場そのものの所在場所は文献をあたってみてもよくわかりません。このあたりは大阪と違っているところで、逆にいうと大阪の場合は橋の名前がついている箱場が多く、範囲として限定されやすいという特徴があるとも言えましょう。差出人の住所から箱場所在地の範囲を狭めていくためには多数のマテリアルが必要で、私一人の力では到底及ばない世界だと思っています。

さて、箱場印とは話がずれるのですが、この脇なし二つ折り葉書(仮名「ル」)の裏面(内側)をご紹介します。

右側の規則書をよく見ると、カナ活字が大小混じっていることがわかるかと思います。文中に登場する「はかき」をとってみても、次のように異なる3種類の活字の組み合わせが使われています。

このような、活字の大小の混ざり具合や、「はかき」の活字の組み合わせは、脇なし二つ折り葉書の印面の仮名と密接に関連していて、初期のもの=仮名のはじめの方の葉書では小文字が多く、後期のもの=仮名の終わりの方では大文字に統一されていて、この例(「ル」)のような途中の仮名では大文字小文字が入り乱れて複雑な様相になっています。逆に言えば、規則書の活字の状態を分析するだけで、その葉書の仮名がどのあたりになるかがある程度わかるという、面白い状況になっています。

箱場印を集めるために二つ折り葉書を収集しているのですが、郵趣とは実に奥深いものだと改めて感心しています。

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unechan

子供の頃から細々と続けてきた切手収集。長年のブランクを経て10年ほど前から再開し、日本切手クラシカル、ドイツインフラなどを収集。併せて手彫証券印紙の収集を始め、現在はこちらがコレクションのメインになっています。郵趣に加えて音楽(ジャズ)、釣り、鉱石収集、昆虫採集(蛾類)など趣味多数にて家族には迷惑をかけております…

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