西京(京都)の箱場印について(イントロ)
初版 2023/07/04 20:53
改訂 2023/07/04 20:53
最終更新から随分時間が経ってしまいましたが、これから西京(京都)の箱場印をご紹介したく思います。
西京の箱場印は、昭和43年に発行された「西京」(消印とエンタイア 京都大会記念誌)p.39-43に纏められているのが最も詳細な情報であると思われます。この資料によると、西京の箱場印は(昭和43年時点で)39箇所/52タイプが判明しているとのことですが、中には郵便制度が開始されてごく初期、竜文切手の時代にしか使われていなかったものなどもあり、普通に入手可能なものはある程度限定されています。私のコレクションはわずか11箇所なので、これから険しい収集道が待っている次第です。
様々な文字数や形状のヴァリエーションのある大阪の箱場印と違って、西京の箱場印は(初期の手書きのものを除けば)漢字一文字に丸枠で統一されています。印肉は黒と朱で、ごく一部に緑が使われているとのことです(私は未見)。
黒印と朱印の例をご紹介いたします。詳しくはこれから個別にご紹介いたしますが、漢字1文字から京都のどこか推理して見るのも一興かと思いますので、ぜひチャレンジしてみてください。
西京の箱場印の最大の特徴として、箱場印で葉書や切手の印面を割印している例が存在します。これは大阪の箱場印では決して見られないもので、そもそも箱場印は郵便制度で認められた正式な消印ではないので、箱場印を使って葉書や切手の印面を抹消することは本来は規則違反であるはずなのですが、なぜ西京でこのようなことが行われていたのでしょうか。箱場印の謎の一つです。
それではこれからぼちぼちと西京の箱場印を個別にご紹介していきます。ゆっくりとしたペースでのLabログ公開となりますが、どうぞ気長にお楽しみいただければと思います。