【手彫証券印紙】第5次発行1銭黒:再構築シートまとめ (1) 【プレート再構築シート・連結版 Plate II】
初版 2023/06/18 09:28
改訂 2023/06/19 14:41
第五次発行1銭黒印紙を集中的に蒐集、分析する中で、これまで、ゼロから出発して約2年半かかって完成したプレートリコンストラクションの状況をご報告して参りました。
この作業を通じて第I版、第II版合わせて全100ポジションの印紙を同定することが可能となったため、今年に入ってから、手持ちの単片やマルチプルのポジション同定を進めるとともに、マテリアルの追加に勤しんでおりますところ、複数の再構築シートを作り上げることができましたので、このLabノートで随時ご紹介いたします。
[2023/6/18:呼称を「連結版」に改めました]
このLabジャーナルでは、プレートリコンストラクション作業で作り上げてきた再構築シートの連結版、Plate IIをご紹介します。
プレート再構築シート・連結版 Plate II
およそ3年前から進めてきたプレート再構築シートが形になったのは昨年のことですが、それ以降、シートの構造を改善している中、ようやくPlate IIについて全てのパーツが連結して組み合わさった状態のものが完成しました。
マルチプルがどのように連結しているのか、横方向のマルチプルを灰色、縦方向のマルチプルを黄土色で示し、連結しているありさまを図説したものが下図です。パズルのようで分かり辛いかも知れませんが、Pos.1から始めて、線をなぞっていくと、全てのポジションに辿り着くので、全てのポジションが連結していることがわかります。
これでPlate IIは完成ですが、欲を言えば、Pos. 22/32の縦ペア、Pos. 3/13の縦ペアとPos. 39/49の縦ペアを追加して、縦方向の5枚ストリップ連結版を10組揃えて、それらが横ペア/ストリップで連結している形に発展させて行ければいいな、と考えています。これができると、横方向ストリップのPos.1-2-3、Pos. 26-27-28-29もしくはPos. 46-47-48-49を外しても全体の連結は保たれたままなので、貴重なマテリアルである横方向ストリップを別のシート再構築の材料に活用できるのです。
さらに欲を言えば、全てのポジションが横方向に連結するように横ペア/ストリップを追加して、全体が網目状に連結した「完全連結版」を構築するのが理想的ではあるのですが、これは現実的には不可能に近いかと思っています。
- [2023/6/18] Plate I 連結版の記載を修正しました。縦ペア/マルチプルが見つかり、あとは横方向を繋げるピース2つで完成です。
なお、Plate Iについてもその後の改善で、中で連結している 1) Pos.1//41 から4//44、2) Pos.5//45から6//46、2) Pos.7//17 から 10//50の3つのブロックが一意的に組み合わさった形まで到達しています。ブロック1)とブロック2)は耳紙の付いている方向から、それぞれシート左右端で位置が確定し、ブロック3)はその間にしか入り得ないことから、パズルとしては完成形です。各パーツが一意的に組み合った最初のものに比べて、全体構造がスッキリかつきっちりとしてきていますが、3つの大ブロックを連結するためのパーツが不足しています。
具体的には、第4列目と第5列目、第6列目と第7列目を繋ぐ横ペア(もしくはそれ以上の横ストリップ)2つが必要です。手彫証券印紙に限らず、日本の印紙/切手は横方向のマルチプルの存在割合がごく低いため、巡り会うまでには少し時間がかかるかも知れません。ここに記したPlate Iにまつわる説明が不要になって、晴れてPlate I 連結版をご紹介できる日はいつになるのでしょうか...