本町橋西詰 箱場印
初版 2022/12/31 10:21
「本」の一字に外丸枠の黒印の箱場印が押された脇なし二つ折り一銭葉書を2枚持っています。
この箱場印は、本町橋西詰箱場のものと考えていますが、実は印影が「摂河泉の郵便印」に記載されているのものと異なっています。
「摂河泉の郵便印」に記載されているものは「本」の字体がくっきりはっきりしていて、ここで紹介する2例のように全体に太かったり、三画目(左下へのはらい)と五画目(短い横棒)とがつながっているような感じではなく、明らかに別のものと考えています。複数のタイプがあるのか、あるいは段々と磨耗してきて変わり印のようになっているのでしょうか?「摂河泉の郵便印」に記載されている例を入手して詳しく調べてみたく思っていますが、まだ出会えていません。
本町橋西詰は郵便創設当初に開所された7つの箱場のうちの一つで、本町橋の西詰、すなわち大阪市街側に設置されていました。
1枚目の葉書には差し出し人の立派な私印(店印)が押されていて、住所が「松屋町本町北ノ辻東入」、すなわち、松屋町筋と本町通の交差点の北側の辻(交差点)を東に入ったところ、というようにかなり具体的に書かれています。これを当時の地図に重ねてみると、確かに本町橋西詰箱場は至近距離にあることがわかります。(逆に、このことから、「本」=本町橋西詰箱場ということが推定できます)
この差出人のお店は絵の具屋さんだったみたいですね。文面が解読できていないのですが、商売関係の手紙だったとすると、宛先の東京本町三丁目の伊勢屋さんも絵の具関係のお商売をなさっていたのかも知れません。