堂島 箱場印

初版 2022/12/30 16:40

堂島の箱場印は「堂」の一文字の朱印です。大阪の箱場印では珍しく、外枠がないのが特徴です。

堂島は大阪の北部で、中心市街からは土佐堀川を渡って中之島を越え、さらに渡辺橋を渡って堂島川を越えたところにある地区で、古くから米取引の場である米市場として栄えたところです。明治になってからは梅田ステーション(今の大阪駅)と市内を結ぶルートとなり、現在も高層ビルが立ち並ぶ大阪の代表的なオフィス街として栄えています。

【国際日本文化センター 所蔵地図データベース 明治新選大阪市中明細全圖 : 附郡村名所里程細見記 1881(明治14年)より】

堂島箱場印の使用例としてご紹介した書状は、手彫切手/和紙2銭黄色が一枚貼られた書状で、「大坂 堂嶌米市場 山豊」という立派な店印が押されています。先に説明したとおり、堂島は日本を代表する米市場で、その賑わいぶりは「摂津名所図絵」でも絵図4頁にわたって紹介されているほどです。この封筒の中身も、米の取引に関するビジネスドキュメントだったのでしょうか。

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unechan

子供の頃から細々と続けてきた切手収集。長年のブランクを経て10年ほど前から再開し、日本切手クラシカル、ドイツインフラなどを収集。併せて手彫証券印紙の収集を始め、現在はこちらがコレクションのメインになっています。郵趣に加えて音楽(ジャズ)、釣り、鉱石収集、昆虫採集(蛾類)など趣味多数にて家族には迷惑をかけております…

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