第5集 博多人形(1)(伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 博多人形は、素焼きに彩色した土人形で。最初から装飾人形として発達してきたものである。その起源は、慶長6年(1601)黒田長政が築城とき、瓦職人の正木宗七が。素焼人形を作ったのが始まりである。現在は、福岡県の福岡市を中心に、付近の4市5郡の13町で生産しており、産業として成り立っている土人形の産地としては、唯一といってもよい、優雅で写実的な人形が多く、海外にも広く知られている日本の代表的な人形である。昔はヘラで丹念に削り、一つずつ作っていたが、現在はほとんど型で作っている。

 製品としては、美人もの、歌舞伎もの、能もの、童もの、道釈もの(道教、仏教の人形像)風俗もの等があり、写実的な容姿、顔の表情た姿態、精緻で量感にあふれた着物ろその色彩が特色である。

 伝統的な博多人形は、福岡市近郊の油山産の粘土を水簸(水に溶かして不純物を取りのぞく工程)したものを使う。白土粘土で作った人形の原型から、顔や手足などを分けた石膏型を作り、手押しまたは流し込みの方法で各部分の素地を作る。これらをトベ(うすく溶いた泥土)で接合して、焼成後、艶びき(胡粉と膠の水溶液を塗り重ねて肌地を作る)をし、岩絵具または泥絵具で毛描き(穂先を割った面相筆で毛髪を描く)、着物部分の塗り込みおよび模様描きをする。加筆する場合は、箔張り、盛り上げ、本金みがきによる。伝統的工芸士は現在37名いる。

※1985年当初の説明です。

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