HIGH TIME

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MC5のスタジオ録音としては、2枚目のアルバム。
MC5と言うとラップ?と思う人もいるかも知れないが、MCはMotor Cityの略であり、デトロイト市の異名である。デトロイトはフォードやゼネラルモーターズ、クライスラーなど多くの自動車メーカーの創業の地であり、かつては隆盛を誇ったが今は見る影もない。
そんなデトロイトがまだ世界一のMCだったころに、この地を地盤に活躍したロックバンドがMC5だ。
MC5と云うとライブバンドとして有名で、実際にリリースしているレコード(海賊盤も含めると)のほとんどがライブ盤なのだが、二枚だけスタジオ制作盤を出している。
ファーストアルバムがライブ盤と言うことからもライブパフォーマンスの凄さは明白だが、意外にスタジオ盤は評価が低い。ガレージパンクやハードロックの先駆けともいわれるだけあって、どうしてもライブの評価が高くなりがちなのは否めないが・・・
そういった点を考慮しても低評価は納得出来ないほど、クオリティが高い二枚のスタジオ盤である。まぁ、ライブ盤との(良い意味で)落差の大きさは、ファンならずとも戸惑うこともあるのかも。
一枚目の Back in The USA も名盤だが、まったく傾向の異なる High Time はトータルアルバムとして渾身の名盤だ。
いきなりから疾走感あふれる Sister Anne からはじまるが、各曲は緩急自在飽きさせないうちに、最後のジャム感溢れる、あるいはジャズの影響を彷彿とさせる Skunk (Sonicly Speaking) のドラム・ソロに突入。実はこの曲、「長尺の」と書こうとしたが、良く調べたら5分30秒ほどで、さほど長くはない。むしろ最初の Sister Anne の方が長い。不思議だ。
ジャケットの目覚まし時計も印象的だが、このアルバム、中を流れる時間の歪み具合も半端ないようだ。

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