McLAREN HONDA MP4/5

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1989年のF1チャンピオンマシン。強すぎたホンダへの当てつけともいわれたレギュレーション変更を経て迎えた
89年、それでも強かったマクラーレン・ホンダでした。
ホンダは当時の供給チームだったウィリアムズ、ロータスとの議論を通じ89年のエンジンをV10とすることを決定、
傑作MP4/4の発展型シャシーとの組み合わせでタイトルを勝ち取ります。もはや伝説と化した89年のセナ・プロ対決ですが、
対立の象徴となった「鈴鹿のシケイン」の主役もこのマシンでした。

後年から見るとこのマシンに積まれたエンジンがV10だったという事実は大変興味深く見えます。
このRA109が改良を受け続けながら「無限ホンダ」時代まで使用されたことからも分かる通り、結果的には
この時代の正解はV10。その「正解」だったV10でしかも2連覇という最高の結果を残したにもかかわらず、
そののちにホンダは91年からV12を投入したわけです。

開発中のエンジンを見て「やっぱりV12はいいな」といったという本田宗一郎氏。理屈を超えた「伝統のV12」への
情熱を燃やしたメーカーはフェラーリだけではなかったということでしょうか。

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