『ポケット一杯の幸福』DVD

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1961年アメリカ作品。
フランク・キャプラ監督。

リンゴ売りの婆さんアニーが娘に吐いた嘘を突き通すため、ギャングのボスを始め多彩なキャラクターが織りなすすったもんだの大騒動。
古き良きアメリカを体現したような、ヒューマンコメディの傑作です。

DVDでは本編137分の内、日曜洋画劇場版の吹き替え約93分を収録。
さすがは70年代の日曜洋画劇場だけあってキャストは名人揃い。
結構いいシーンが欠落しているので、できれば全編この吹き替えで聴きたかった!

大塚周夫さんはというと、なんとピーター・フォークをあてていますが、彼はこの作品でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。
どうしてもコロンボ=小池朝雄さんのイメージが強いですが、この作品ではギャングの子分という役柄で大真面目にコメディをやっているので、大塚周夫さんは適役だったと思います。

ギャングのボス二枚目デイブが「ちくしょう、喉が枯れてきたぜ」と言って酒を口に含んだ後、手下に向かって大声を出すシーンがあるのですが、デイブ役の柳澤真一さんがわざとらしくない程度に擦れた声で演じており、感心してしまいました。
声が原語と切り替わるので、柳澤さんとグレン・フォードの芝居がぴったり一致しているのがよくわかります。

本物の吹替え版としてお勧めできる作品です。

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    woodstein

    2019/02/19

     確かにピーター・フォークは名演でしたが、大塚氏の吹替もそれに応える素晴らしいものでした。あと、コロンボに関する言及がありましたが、「コロンボ=小池朝雄」であっても、「ピーター・フォーク=小池朝雄」ではない、というqqtwsさんの説には同意です。

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      qqtys

      2019/02/19

      今回久しぶりに見返したのですが、まるで日本語版舞台を役者が演じているのをそのまま録音したような熱気を感じました。
      向こうの映画も変わってしまい、こういう立体感のある吹き替え版はもう作れないんじゃないかと思います。

      ピーター・フォークは映画だと穂積さんが多いんでしょうか。『カリフォルニア・ドールズ』では穂積さんで、バート・ヤングを大塚さんがあてていました。

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  • Animals 16

    Jason1208

    2019/02/19

    普通の人の嘘に大勢が付き合うというストーリーに、《アメリカ皇帝ノートン1世》の話をふと思い出しました。^^;

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      qqtys

      2019/02/19

      ノートン1世の逸話は初めて知ったとき「いくらなんでも嘘でしょう!?」って感じでしたが、あれがアメリカという国の凄さだったんでしょうね…。

      ジョシュア・ノートンの存在を考えると、『ポケット一杯の幸福』の話も、アメリカという国では決してありえないことではないという説得力があります。

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    オマハルゲ

    2019/02/22

    ピーター・フォークというとどうしても穂積さんのイメージですね。アンツィオ大作戦、グレート・レースなどの印象が強いです。
    ちょい役の時は流石にそうもいかなくて、「おかしなおかしなおかしな世界」ではたてかべさんだったり、「シシリー要塞異常なし」では佐藤正治さん(だったと思います)がアテてました。

    そう言えば大塚さん、スティーブ・マックイーンの吹き替えもされた事がありますね。

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      qqtys

      2019/02/22

      やはり穂積さんが映画作品では一番担当作品が多そうですね。

      大塚マックイーン、未見ですがウィキペディアによると共演していたブロンソンが青野武さんだったとか…。
      どちらかというと青野さんの方がマックイーン向きな気がします。

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      オマハルゲ

      2019/02/22

      そうです、「戦雲」という映画で、80年代に深夜の映画劇場で偶然見て驚きました。かなり古い吹き替えのようです。
      青野さんのマックイーンは「雨の中の兵隊」がありますね。
      ホント、大塚さんと青野さんが逆じゃないかとツッコミを入れながら映画を見てましたw

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