石川町球状花崗岩
径5cm以上の楕円体状の球顆の内核に、黒雲母が集合しその周囲に石英・カリ長石が放射状に配列し外殻を形成するという成因的に国内でも希な花崗岩です。
<"石川の鉱物と岩石"から抜粋>
【中心部】直径1〜2mmの黒雲母が集まる。
【石英長石】約1〜2mmの粒が集まる。中心部より放射状にひびがはいり、このひびにそって細粒の黒雲母が並ぶ。鉱物全体が同じ円状に配列する。
【最外部との境界】黒雲母の小さい粒が集まって並ぶ。
【最外部】長石類によって包まれる。
指定地域:字中ノ内141番地の内10アール
字桑久保37・39・40番地
この球状花崗岩は中心部に黒雲母(黒い部分)が集まり、そのまわりを石英や長石(白い部分)が包んでいます。ちょうど饅頭のような構造です。
球状花崗岩は地層やマグマの割れ目に入り込んだマグマが、冷えて固まってできたものです。なぜ、このように丸くなったのかについては諸説あり、現在も議論されています。
<現地説明板より抜粋>
《コラム》
現地の露頭は風化が激しく、将来的には"マサ土"になることでしょう。追い討ちを掛けるように草木が茂り破壊が加速しています。実は、地元の方にお話を伺ったのですが、フェンスと反対側法面で災害復旧工事をした際、掘削した崖から球顆の密集帯が続いていることが確認されています。資料館館長によれば、ガラスをはめ込み観察できる案もあったようですが実現しなかったそうです。コンクリートの中には新鮮な状態で隠れているようです。
#石川町球状花崗岩