アンチモニーのミニカー

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カドーレプリカ(可堂玩具)プリンス スカイライン 60 No.1、日本製です。このモデルの材料は「アンチモニー」。これは鉛をベースに、アンチモン、錫を混ぜた合金のことで、現在主流のダイキャストがアルミニウム・亜鉛・マグネシウム・銅などの合金なのに比べ、重たい金属がベースとなっているため、大きさの割にとても重量感があります。

商品名の「レプリカ」とは、カドーのミニカーのレプリカという意味ではないそうです。ミニカーの歴史を学ぶ必要が出てくるのですが、国産ミニカーの創成期に、アサヒ玩具の『モデルペット』に続き、大盛屋酒井通玩具から『ミクロペット』が登場します。モデルペットはダイキャスト、ミクロペットはアンチモニーを用いていたんですね。
そのミクロペットが1965年に生産終了をしたのちに、その金型を用いて作られたのがカドーのミニカーで、ミクロペットのレプリカということなんです。なんか紛らわしい。

スケールは統一ということではなく、1/43~1/45くらいだったようで、このプリンススカイラインは1/45なのかな。
いかにも昔のミニカーという感じのデフォルメと、アンチモニーという今では珍しい素材を使った造形と塗装は、現在のあまりにも細かい再現がされているミニカーに慣れ親しんでいる目で見ると、一見ちゃちなものにも見えます。でもよくよく眺めていると、昔から日本のミニカーの製作技術ってすごかったんだなって感じられる味のある魅力的なミニカーなんですよ。

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