The Gay Divorcee
冒頭の「Don't Let It Bother You」でのアステアの“指ダンス”がけっこう好き。
また、同じ曲で船上の舞台で踊らされるシーンで、タップではあるが状況的にタップシューズではないということに忠実に(?)バタバタとした革靴の音にしてあるのが面白い。
RKO期のアステアの作品に対してはストーリーの薄さがよく指摘されるが、このての「勘違いもの」は会話の内容などを入り組ませて練っているのでニヤニヤできる楽しさがあると思う。
アステアとジンジャーがお互いの勘違いを解き“軟禁”からの脱出を画策するシーン、
" I don't care what you did as a boy."(意訳;「あなたにも男の子だった頃があるの?」)
のセリフまわしがとても自然で大好き。ああいう演出はどうやってつけるのだろう?
「A Needle in a Haystack」が「No Strings」に、「Night and Day」が「Cheek to Cheek」に、翌年の『トップ・ハット』で洗練・昇華される。