2012年日本GP 鈴鹿サーキット

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2012年日本グランプリは、F1世界選手権第15戦として10月7日に鈴鹿サーキットで行われた。

鈴鹿サーキット開場50周年を迎えてのF1グランプリレースで、鈴鹿での開催は24回目。
シンガポールGP終了時点で、ドライバーズチャンピオン争いはスクーデリア・フェラーリのフェルナンド・アロンソが194ポイントでトップ。29ポイント差で追いかけるセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)が2年ぶりの鈴鹿制覇を目指す。
シンガポールGP後には来期のドライバー変更に関する発表が続いた。9月28日にマクラーレンのルイス・ハミルトンがメルセデスへの移籍を発表すると、マクラーレンは後任としてザウバーからセルジオ・ペレスを獲得した。ハミルトンの移籍でシートを失ったミハエル・シューマッハの去就が注目されたが、日本GPのフリー走行前日の10月4日、シューマッハ自身が2012年末をもってF1ドライバーを引退することを発表した。

予選
トップ10グリッドを決める予選Q3では、フリー走行3回目の結果と同じく、レッドブル勢のベッテルとマーク・ウェバーが1・2番手のタイムを記録した。
ベッテルは日本GPが鈴鹿で再開された2009年以来4年連続のポールポジションを獲得。レッドブルのフロントロー独占は2011年の最終戦ブラジルGP以来となった。
2戦連続ポールポジションを獲得していたハミルトンはセッティング変更が裏目に出て9位に終わった。
3位のジェンソン・バトン(マクラーレン)と10位のニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)はともにギアボックス交換のペナルティを受け、バトンは8番グリッド、ヒュルケンベルグは15番グリッドに降格した。バトンの降格により、4位の小林可夢偉(ザウバー)が日本GPにおいて日本人選手最高となる3番グリッドからスタートすることになった。
鈴鹿サーキットの西コースが再舗装された結果、デグナーカーブでコースアウトするマシンが見られなくなった反面、スプーンカーブで挙動を乱すケースが目立った。フリー走行ではシューマッハやポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)がマシンを壊し、予選Q3ではキミ・ライコネン(ロータス)がスピンした。ライコネンのスピンでは黄旗が提示され、ラストアタック中のアロンソやハミルトンが影響を受けた。小林はこの周にベストラップを記録したため審議対象となったが、黄旗区間で減速を行ったとしてタイムが認められた。
ベッテルはシケインでアロンソの走行ラインを妨げたとして、予選後にスチュワードから呼び出されたが、戒告処分に留まり、ポールポジション剥奪はまぬがれた。
予選結果
1セバスチャン・ベッテル レッドブル-ルノー1'30.839 1
2マーク・ウェバー レッドブル-ルノー1'31.090
3小林可夢偉 ザウバー-フェラーリ1'31.700
4ロマン・グロージャン ロータス-ルノー1'31.898
5セルジオ・ペレス ザウバー-フェラーリ1'32.022
6フェルナンド・アロンソ フェラーリ1'31.833

決勝
決勝日も快晴のドライコンディションとなった。気温は23℃、路面温度32℃、湿度52%、風は西ストレート追い風で7m/s。タイヤに厳しいコース特性から、ピットインは2回が予想された。
ポールポジションのベッテルが好スタートを切る一方、2番グリッドのウェバーは出遅れ、小林が2位にポジションを上げて1コーナーに侵入した。
後方ではアロンソがアウトに寄せた際、行き場を無くしたライコネンのマシンのフロントウィングと接触。右リアタイヤがパンクし、アロンソは1コーナーでスピンしてリタイアした。
2コーナーではペレスと順位を争っていたグロージャンが目測を誤り、ウェバーのマシンに追突。ウェバーはスピンして最後尾に落ち、後方にいたロズベルグもセナに追突されリタイアした。のちにグロージャンには10秒ストップアンドゴー、セナにはドライブスルーのペナルティが課された。1・2コーナー付近のアクシデントの処理のため、直ちにセーフティカーが導入された。
3周目のレース再開時点で、上位はベッテル、小林、バトン、マッサ、ライコネン、ハミルトン、ペレス、ヒュルケンベルグ、マルドナド、リチャルドの順となる。
先頭のベッテルはハイペースで後続を引き離し、小林とバトンが2秒ほどの差で2位を争う。6周目、ヘアピンでペレスがハミルトンのインを差し6位に浮上した。
14周目、3位のバトンがピットインしてニュータイヤに交換すると、小林もこれに反応して翌周ピットインし、バトンの前でコースに復帰した。両者ともピットインを行っていないリチャルドの後ろでペースが上がらず、18周目にピットインしたマッサがポジションを2つ上げて2位に浮上した。
ピットストップの間にハミルトンに再び先行されたペレスは、19周目、ヘアピンでアウト側からハミルトンを抜こうとしたが、スピンしてグラベルにはまりリタイアした。
ベッテルと2位マッサは互いにファステストラップを更新しながら、10秒ほどの間隔で走行する。マッサから3秒差で小林が続き、4位バトンは無線でギアボックスの不調を訴えた。
レース中盤にはマクラーレン勢のペースが上がり、4位バトンは小林、6位ハミルトンはライコネンとの差を詰めた。30周目ライコネン、32周目小林とハミルトン、37周目にバトンが2回目のピットインを行い、ハミルトンはピットアウト後の1コーナーでライコネンを抑えて5位にポジションを上げた。
2回目のタイヤ交換後はベッテル、マッサ、小林、バトン、ハミルトン、ライコネン、ヒュルケンベルグ、マルドナド、ウェバー、リチャルドの順となり、23番手スタートのシューマッハは11位まで挽回した。
レース終盤はバトンが小林との差をじわじわと縮め、3位争いが白熱する。バトンより5周早くタイヤ交換した小林はタイヤが苦しくなり、DRS圏内の1秒差まで追い詰められるが、ミスを犯すことなくオーバーテイクの機会を与えなかった。
ベッテルは残り2周でこのレースのファステストラップを記録し、マッサを20秒引き離してトップチェッカーを受けた。ベッテルは優勝、ポールポジション、ファステストラップのハットトリックに加えて全周回1位で昨年のインドGP以来自身2度目となるグランドスラムを達成。日本GPでは2009年・2010年に続く3勝目となり、ポイントリーダーのアロンソが無得点に終わったため、ポイント差を一気に4点差にまで縮めた。
2位マッサは今季初表彰台で、フェラーリのシート残留へ結果を残した。
小林はバトンを抑えて3位を守り抜き、地元グランプリで自身初のF1表彰台を獲得した。日本人の表彰台獲得は1990年日本GPの鈴木亜久里、2004年アメリカGPの佐藤琢磨に続く3人目となった。
表彰式の前には満員のグランドスタンドから「可夢偉コール」が発生し、小林は英語と日本語でファンの応援に対する感謝を述べた。
決勝結果
1セバスチャン・ベッテル レッドブル-ルノー1:28'56.242
2フェリペ・マッサ フェラーリ+20.639
3小林可夢偉 ザウバー-フェラーリ+24.538
4ジェンソン・バトン マクラーレン-メルセデス+25.098
5ルイス・ハミルトン マクラーレン-メルセデス+46.490
6キミ・ライコネン ロータス-ルノー+50.424

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