- Mahaltaji Museum
- 6F 人工結晶
- 人工結晶 アルムK(Alum-(K))
人工結晶 アルムK(Alum-(K))
別名:明礬、カリ明礬、白礬、Potassium Alum
産地:日本(自作)
小学校の夏休みの自由研究の定番?のミョウバンの結晶。鉱物名はアルム。硫酸カリウムと硫酸アルミニウムの複塩で、カリウムがナトリウムに置換したものはアルムNa(*1)、アンモニウムならばチェルミガイト、タリウムならばランムチャンガイトという鉱物になる。また、アルムは12水和物であるが、11水和物の希少鉱物としてカリナイト(Kalinite)が存在する。
古代から媒染剤や防水・消火剤、皮なめし剤、水質浄化のための沈殿剤、食品添加物、止血剤、殺菌等々多くの用途で重宝されてきた。
日本では1664年に渡辺五郎右衛門が豊後国鶴見村(現在の大分県別府市鶴見)の温泉を利用して鉄分を含んだ青粘土(スメクタイト)上に湯の花(ハロトリカイト、Fe2+Al2(SO4)4・22H2Oやアルノーゲン、Al2(SO4)3・17H2O)を成長させて採集し、これに灰汁(カリウム)を加える方法でミョウバンの製造に成功させた。しかし製造には広い土地を要した上、設備の維持管理が大変なため採算が取れずに廃業してしまう。後に脇屋儀助が幕府との協議で輸入品の明礬を駆逐して専売状態にすることで国産品が国内に流通するようになった。ただこれも明治になり、海外から安価な代替品が輸入されるようになったことで温泉を利用した国内生産は終わってしまった。
本結晶は薬局で市販されているミョウバンを再結晶して作成。
*1:アルムNa
→人工結晶 アルムNa(Alum-(Na))