万年筆

初版 2024/01/18 22:48

改訂 2024/01/25 19:35

化石の標本ラベルを用意して、さて記入しましょうという段になって、ふとあることに気づきました。
というのは、はたしてボールペンというものが、ラベルの記入に適しているのかどうか、ということです。
どうも私のイメージする標本ラベルには、ボールペンは相応しくないような気がする。
ボールペンで書く、濃さの一様な字ではなく、濃淡のある水っぽい字のほうがラベルには似つかわしいのではないか、とそんな気がするのです。
これはどうしてもつけペン、もしくは万年筆で書くべきではないか。

まあいまさらつけペンというのも気が重いので、昔使っていた万年筆を抽斗から引っぱり出してみました。
うむ、これならなんとか行けそうな気がする。
インク(リフィルと呼んでいた)はもちろんないので、これは買いに走りました。

さてそうやって万年筆を使える状態にして、じっさいに字を書いてみると──

驚いたことに、かつてそれを使っていたころの感触がありありと記憶によみがえり、若かったころの時間がペン先から流れ出してくるような、ふしぎな感覚を味わいました。
もちろん久しぶりに使うのできれいな字は書けませんが、それでも文字を手で書くことの愉悦のようなものが体験できたのはよかったと思います。

いまの若い人が自分で万年筆を使うことは、もうあまりないと思います。
けれども、たとえば父や叔父、あるいは祖父などが昔使っていた万年筆をある日目にし、興味をもつことはあるだろうと思うのです。

万年筆は消耗品なので、未来永劫使えるものではありませんが、それでも万年というくらいだから、けっこう長く保つのではないか。
父から子へ伝えられるもののうちに、万年筆も加えてやってもいいのではないかと思います。

Author
File

ktr

鉱物と化石の標本を集めています

Default
  • File

    Trilobites

    2024/01/24 - 編集済み

    確かにラベルには万年筆で筆記体は理想ですね。ただボールペンもそうですが水に滲んでしまう弱点があるので、そこだけ気を付けるしかないですね。私は以前は紙ラベルを使用していた時は、私は鉛筆で記入していました。暫く万年筆は遠のいていますし、今は所有すらしていないので、もう感覚は残っていない気はします。

    返信する
    • File

      ktr

      2024/01/25

      たしかに水は大敵ですね。
      しかしカードを濡らす状況がいまのところほとんど考えられないので、たぶん大丈夫ですよ。
      万年筆はインクも安いので、最近では仕事でも使っております。

      返信する