村枝賢一先生 直筆イラスト レッド & ヘイトソング@『RED』

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オークションにて入手した物です…見覚えあるイラストに、出品画像見た当初は我が目を疑いました (^^;
一方、此方の出品について出品者サイドによる御品書としては決して十分・正確な記載ではなく、例えばイラスト自体が直筆なのか否かもしっかり書かれているわけではありませんでした。
ですが、画像を精査し直筆物と判断、かつ自身の持っていた情報と照合し、その真筆と判断して本気度Max.で入札に臨み、落札した次第です。

本イラスト、初出は「電撃HOBBY MAGAZINE」2000年11月号に掲載されたもので、その雑誌掲載イラストと本イラストとでは筆致、彩色等完全一致しています。
つまり、この雑誌に寄稿されたイラストの“原画”と言うことになります。
※ 故にジャンルは「生原稿」にカテゴライズしておきます。
(なお、この初出についても、出品者からは何も明示されていませんでした…私自身が件の雑誌の切抜きを所有していたので気が付けたに過ぎません。)
私にとっては大好きな作品の、連載時リアルタイムで描かれたバリバリ公式な原画…目を疑った理由もご理解頂けましょう。

イラストが寄稿されたのは、同誌連載記事「CHARACTER GUNS FILE」、その第11回。
この回で村枝賢一先生作『RED』から、主人公レッドの銃・「ヘイトソング」のフルスクラッチモデルガンが紹介されました。(画像参照)
その記事に寄せられた描き下ろしイラストなのです。

正直、「何でそんな物が中古市場に出てきてるんだ?」と訝しんだのですが…。
その手掛かりとなるのは、イラストに施された「水谷さん」なる為書。
(この為書自体が、作品と不可分な貴重な背景情報と判断されるため、また氏の業績とも連関していることから、マスキングせずそのまま画像掲載させていただきます。)

実は、このモデルガンを製作されたのは水谷JUZO氏…架空銃製作等でそちら界隈で有名な御方です。
つまり、為書の「水谷さん」とは、水谷JUZO氏では?…いや、それ以外にこのイラスト原画を所有し得る「水谷さん」なんて思いつきませぬ((((;゚Д゚))))

考えられるのは…このモデルガン製作経緯の中で、村枝先生からイラスト原画が水谷氏に製作へのお礼として贈られた可能性。
これは非常に有り得ると思いますし、実際、サイン&献呈名記載はその証左と考えます。
ですが、そうだとするならば、何故、中古市場に出てしまったのか?
普通に考えて、当の水谷JUZO氏が手放すとは絶対思えません。
そこで調べたところ…氏が既に鬼籍に入られている事を知ります。

改めまして、謹んで哀悼の意を表させていただきます。

そして、今回の出品者ですが、他の出品一覧の様相より中古業者ではと推察されました。
出品者評価コメントの中には、出品者を指して「遺品整理業者」とされている方もみえましたし、この推測は恐らく正しいと思ってます。
なれば…水谷JUZO氏の没後、遺品整理等の結果として市場に流出した物なのでは?、と。
御遺族、或いは一度は形見分けされたどなたかが、恐らくこのイラストの由来も詳しくないままに、専門業者でもない身近ないわゆるリサイクル業者で引き取ってもらったのでは…と推察。
対して、この業者の方もサブカル関係に対して専門知識は無かったのでしょう。
それどころか、簡単な確認さへしていない模様…だって、これ「色紙」として出品されてたのです。
額装されていたけれど、そもそも色紙ですらない…実際は画用紙(?)様の紙であり、そりゃ、元々が雑誌に載せる為のイラスト原画なのだから当然。
初期設定価格も驚くほど低額…まあ、オークションなので、競り合いが始まればスタート価格などには意味ない話なのですが (^^;

しかし、ぶっちゃけ今回は競合者はお一人だけで、しかも入札額も大して積まれず。
覚悟し予め目途を立てていた資金(競り合いが加熱した時に備え、最大火力の資金投下で迎え撃つべく勘定していたのですw)の1割未満で落札出来てしまいました。
もし、出自確認込みでMだらけの大オークションにでも流れたのなら、少なくとももっと上振れしたゾーンで攻防が起こったのではと思われるのですが…。

そういうワケで、一介の市井のファンでは本来は手に入る事が能わぬ物が、思いがけず入手できてしまいました。
だってヘイトソングの描き込み具合の半端なさときたら…正に原稿としての緻密さですよ。(画像参照)

まあ、諸々の偶然や状況が重なった結果ではありましょうが、一方でファンとしての自身の知見を以て手繰り寄せられたって自負もあります。
結果、今はこのイラスト原画は私の手元に在ります。
ですが、気持ちとしては…この作品にとっての仮初の宿として、“故水谷氏より受け継ぎ、その背景もろとも村枝先生からお預かりした物”と言う想いを以て、大事に保管してゆく所存です。
(とは言え、私とて何時か居なくなる…直近で病を患い、そんな思いを強くしております。
ですから、作品とその由来考察を以て、その何時かに備えミームとしてここに展示しておきます。
何時か“その時”がきた時には、熱心な次のファンの元に情報と共に届きますよう…いえ、未だ未だ手放す気は更々ありませぬがw)

他に代え難きものとして、勿論、星は5つとします。

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