-
Andreas Dorau “Das Telefon Sagt Du“
お久しぶりのAndreas Dorauです。今回は、1995年に独UrbanよりCDで、同じく独ElektroMotorより12インチ・マキシ・シングルとしてリリースされた作品”Das Telefon Sagt Du (ダス・テレフォン・ザクト・ドゥ)”の1997年リリースの仏盤を紹介したいと思います。この頃のAndreas Dorauと言うと、アルバムでは1994年作の”Neu!”と1997年作の”70 Minuten Musik Ungeklärter Herkunft”の間の期間で、クラブ・カルチャーに近づいていた立ち位置の為か、アルバムからのシングルカットやリミックス盤が山のように出ていた時期であるらしいです。本作品もアルバム”Neu!”に収録されている元曲”Das Telefon Sagt Du”のExpanded VersionがA面に、またそのRemix VersionがB面に収められたクラブ仕様の12インチ・マキシ・シングルとなっています。A面には、Andreas Dorauの他、Inga Humpe, Tommi Eckartが参加した曲であり、B面は、Milk Inkによるリミックス曲となっています。因みに、1995年にElektroMotorからのCDシングルには、”Das Telefon Sagt Du”のRadio Version, Video Version, Deep Thought Mixに加えて、”Von Siemens Nach Telefunken”(これは未発表曲?)も収録された別内容/別ジャケになっており、同年のUrbanからのCDシングル”Das Telefon Sagt Du (Remix)”では、元曲”Das Telefon Sagt Du”のPerplexer Remix, Star Wash Remix, Mike Ink. Remix, Sensorama Remix, Daniel Klein Remixの5曲が収められており、また、同年にElektroMotorリリースの12インチ・マキシ・シングル”Das Telefon Sagt Du (Remixe)”には、更に、Original Video Cutも収録されています。何か、こう言うのって、一粒で何度も美味しい感じがしますが、何だか他人の褌で何度も相撲を取るみたいで、個人的には余り好きなやり方/売り方ではないですね。それで、本作品でリミックスを行っているMilk Inkとは、1990年代半ばに結成されたベルギーのダンス・ユニットで、ハウスのプロデューサー3人Regi Penxten, Filip Vandueren, Ivo Donckersから成り、時に、Karine Boelaertsがヴォーカルで加わるらしいです。元々は、Milk Incorporatedと名乗っていましたが、最終的にはMilk Inc.となっており、ベルギーで大人気のグループです。と言う、前知識を頭に入れておいて、本作品の各面を紹介していきましょう。 ★A “Das Telefon Sagt Du (Extended Mix)” (5:30)は、キックの重さとかハイハットの刻みがハウスっぽいんですが、DorauのVoやバックのシンセの軽さは、紛うこと無きDorau節を貫いており、ダンス・ミュージックっぽくありながら、「何となく「永遠の少年」的香りを感じることの出来るポップ・ミュージックでもあります。バックコーラスはInga Humpeでしようか。 ★B “Das Telefon Sagt Ab” (6:21)は、当たり前ですが、全く異なるミックスで、リズミックなシンセのミニマルなリフに、重い四つ打ちキックがバックで、そこにDorauの”Das Telefon Sagt Du”と言うVo部分の英詞のサンプリングが適宜挿入される完全にハウスな曲にリミックスされています。 クラブ事情には疎いので、B面がハウスなのか?テクノなのか?も良く分からないのですが、元曲自体が割とハウス寄りの曲なので、A面はすんなり聴けます。一方、B面は、部屋ではなく、フロアで踊る為の機能的な音楽となっています。YouTubeをディグると色んなリミックス・ヴァージョンが出てくるので、好きな方はどんどん掘ってみて下さい!Go to Floor ! Let’s Dance! A “Das Telefon Sagt Du (Extended Mix)” (5:30) https://youtu.be/jLO5POvZos8?si=TSYhIeG5Ue5NTR4V B “Das Telefon Sagt Ab” (6:21) https://youtu.be/55Ex8gkj31A?si=HBEhNo5DQ_SxnTzM #AndreasDorau #DasTelefonSagtDu #DasTelefonSagtAb #PanicRecords #FrenchLabel #1997年 #Urban #CD #ElektroMotor #12-inchMaxiSingle #GermanLabels #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectroPop #Remix #Techno #ClubCulture #ExtendedVersion #MilkInkMix #BelgianDanceGroup #Album #Neu! #SingleCut #IngaHumpe #TommiEckart
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop Panic Records (Urban / ElektroMotor) ¥1700Dr K2
-
Sprung Aus Den Wolken “Pas Attendre/Que Pa”
久しぶりに出ました!独のSprung Aus Den Wolken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン;以下SADWと表記)の12㌅マキシ・シングル“Pas Attendre”/“Que Pa“です。SADWは、元々ベルリン在住のKiddy Citnyのソロプロジェクトとして、1981年に活動を開始しており、メンバーの変遷を経て、現在は、CitnyとRenault Schubertのデュオになっているようです。詳細については、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Wim Wenders監督の映画”Der Himmel über Berlin (ベルリン・天使の詩)”のサントラに使われた曲で、Kiddy Citnyの他、後にEinstürzende Neubautenに入るAlexander HackeとJohann Arbeitの他、Peter PrimaとThierry Noirも参加しています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Pas Attendre” (4:34)は、淡々と続く単調なリズムに、不釣り合いな程、感傷的なアコギのカッティングと悲しげに歌い上げるVoが堪らない曲になっています。また、バックのノイズや最後のフリーキーなGソロも聴かせてくれます。 ★A2 “Pas Attendre (Minimal)” (1:48)は、A1の別ヴァージョンで、アコギの弾き語りから始まり、後からDrum Machineが入ってきます。 ★B1 “Que Pa” (3:41)も、エレ・アコの弾き語りで始まりますが、Voが渋い男性低音の語りなので、グッときます。後から入ってくるGソロやアコーディオンやシンセも結構、通好みですね。 ★B2 “Que Pa (Minimal)” (2:56)は、重低音のキックとBに合わせて、語り口なVoが入ってきますが、バックにメタル・パーカッションらしき音やノイズも入ってきて、とてもB1と同じ曲とは思えないですね。 A1やB1は、素直に、心にグッとくる曲で、SADWでもこう言う音楽、ちゃんと出来るんだと感心しますが、問題は、B2のヴァージョンで、これは明らかにAlexander Hackeとかの影響だろうなと思う位、破壊的なミックスがしてあります。特に、バックにメタル・パーカッションなんかを入れる所なんかは「モロ」ですね。いゃ〜凄い振り幅のあるシングルでした。もし、映画も観ている方は、是非、こちらのマキシ・シングルもチェックしてみて下さい! A1 “Pas Attendre” (4:34) https://youtu.be/N_YMhA-yISs?si=LNNoRgDYl5DYGilO B1 “Que Pa” (3:41) https://youtu.be/ebBtUro5z-E?si=hfpGRUc8--BSnhpF #SprungAusDenWolken #PasAttendre #QuePa #LesDisquesDuSoleilEtDeLAcier #MaxiSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Rhythm #KiddyCitny #AlexanderHacke #JohannArbeit #PeterPrima #ThierryNoir #WimWenders #DerHimmelüberBerlin #ベルリン・天使の詩 #Soundtrack
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Les Disques Du Soleil Et De L'Acier 1000円Dr K2
-
Ptôse Production “Early Recordings 79-83”
出ました!仏の地下実験ポップ界の一大勢力Ptôse (プトーズ)またの名をPtôse Productionの初期の音源を集めた2枚組のセルフ・コンピ・アルバム”Early Recordings 79-83“の登場です!版元は独のVinyl On Demandです(毎回、欲しいものばかりなのに、限定品なので困ってしまいます)。Ptôse Productionのバイオグラフィーについては、前回ご紹介していますので、そちらをご参照下さい。この時期のメンバーは、Lionel Jarlan, Benoît Jarlan, Pascal ‘ZZe’ Elineauの3人です。この2枚組のA面では、A1-A6はPPP K005(PPPとは、彼等のレーベルPtôse Production Présenteの略で、K001とはカセット・フォーマットでのリリースのカタログ番号のことです)“Hand-made Electronics”から、A7-A8は、PPP K003 “Seigneurs des Mouches"からの選曲で、B面は、PPP K006 “Apparaitre”からの選曲となっており、C面では、C1-C7は、PPP K009 “Moxisylyte N.”からの選曲で、C8は、仏レーベルSordide SentimentalからのシングルSS45001 “Women In The Moon”の曲となっており、D面では、D1-D4は、PPP K015 “Poisson Soluble”から、D5-D7は、PPP K019 “Night Of The Reptiles”からの選曲と、D8はPPP K018 カセットコンピ “Assemblée Générale 4”に収録した曲から成っています。また、C7は、日本のレーベルPinacotheka RecordsのコンピLP “なまこじょしこおせえ/Infecund Infection”に、また、D2は、仏レーベルAAAのコンピLP “Douze Pour Un”に、または、D4は、米国レーベルIdiosyncraticsのコンピ・カセット”On-Slaught No. 5”にも収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ◼️Tracks From PPP K003 and PPP K005 (1979-1980) ★A1 “Interlude” (2:44)は、ミニマルなシーケンスから成る曲で、ピコったシンセが絡む曲で、ドラムマシンのアレンジが多彩。 ★A2 “The Baby's Song” (3:52)は、シーケンスに早回しVoと物音系Percからユーモラスな曲。後半のシンセも出鱈目で面白い。 ★A3 “Ouch!” (1:46)は、モヤったシーケンスに、鶏の首を絞めたようなVoから成る小曲。 ★A4 “Fernsehapparat / TV” (3:37)は、直線的シーケンスが多層化していき、合ってるかどうかも不明な曲。声も入っていますが、メロディは無いです。 ★A5 “Here Comes The Spotnics” (3:32)は、パルス音とホワイトノイズをリズムに、ウニョウニョしたシンセや不明瞭なVoが絡む曲で、The Residentsっぽい。 ★A6 “+Bonus” (1:04)は、ミニマルなシーケンスとキックとPercから成る小曲です。 ★A7 “Effritt” (3:35)も、パルス音のリズムに、ピュンピュンしたシンセが絡む曲で、テープ・スクラッチみたいな音も。 ★A8 “Wise And Busy” (3:20)は、ユニゾンっぽいシーケンスに、通常Voと早回しVoとが絡む、ユーモラスな曲です。シンセも出鱈目なアレンジで入っています。 ◼️Tracks From PPP K006 (1980) ★B1“Voyelles” (2:51)は、ホワホワしたパルス音とシーケンスを中心に聴き取りにくいVoとヘンテコなシンセから成る面白い曲です。 ★B2 “Apparition” (3:10)は、四つ打ちキックとミニマルなシーケンスのリズムに、歪んだGとシンセ音が絡む曲です。 ★B3 “Ritual” (2:11)では、ノイズっぽいバックの音に、明確なカシオトーンのメロディが乗っています。ぴょんぴょんしたシンセも可愛らしい。 ★B4 “Epoche” (2:45)も、不明瞭なパルス音をリズムに、「あー」って言うヴォイスが支配する曲です。 ★B5 “Dance” (1:50)は、シーケンスによるワルツのリズムに、へなへななシンセとGのメロディが乗る小曲です。 ★B6 “La Grande Epreuve” (1:46)も、パルス音によるミニマルなリズムと何ちゃってなシンセによるメロディとホワイトノイズのスネアとから成る小曲です。 ★B7 “Ignobles Limaces” (1:30)でも、不明瞭なリズムで、その代わりにシーケンスがテンポをキープし、途中、変調Voやグニュグニュなシンセも入ってきます。 ★B8 “Le Mort Qui Fuit” (2:49)も、シンセ・パルス音をリズムにユニゾンのようにシンセ音が多層化してくる曲です。 ★B9 “Part La Fenêtre” (2:21)も、キックに近い低音パルス音をリズムにして、ミニマルなシンセが乗る曲で、途中でピョロピョロ/ポワポワしたシンセも入ります。 ◼️Tracks From PPP K009 and SS45001 7" (1981) ★C1 “Proteus Mirabilis” (2:22)では、チープなリズムマシンとミニマルな手弾きシンセにGを弾きまくってます。 ★C2 “Fractions Ribosomales” (3:33)は、チープなリズムマシンとミニマルなシーケンスにGとピアノと言う組合せのインスト曲です。 ★C3 “Corazon” (5:15)も、DR-55のリズムとパルス状の低音シンセに引き攣るG、更に意味の無い鼻歌も!Gと共に段々盛り上がっていきます。 ★C4 “Le Jardin Inconnu” (2:37)も、チープなマシンリズムと手弾きのシンセBに、エレピが絡んでくるインスト曲です。 ★C5 “Légère Altération” (2:57)も、チープなマシンリズムとピコったシンセやらGやらが混然となる曲で、濁声Voも!宅録テクノ? ★C6 “J'ai Mal Au Coeur!” (2:24)は、手弾きシンセBと弱々しいリズムに手拍子と腑抜けたシンセのメロと言うインスト曲です。 ★C7 “Ecrasez La Vermine!” (1:57)は、お馴染みの曲の別アレンジですね。リコーダーとかも使っています。何とも言えないグダグダのVoも良きかな。 ★C8 “Women In The Moon” (4:40)は、直線的で単調なシーケンスに変調Gと不明瞭な変調Voと言う曲で、Ptôseらしい偏執狂的アレンジが光ります。 ◼️Tracks From PPP K015 and PPP K019 (1982-1983) ★D1 “Eat Your Fish” (2:34)は、グレードアップしたリズムマシンとシンセBに、金属的シンセやVoやGが乗る曲で、これも代表曲の別アレンジです。 ★D2 “Boule (Viens Ici!)” (2:35)では、太いシーケンス音とリズムマシンに、子供のようなVoや木琴、Gを使った曲で、これも代表曲の別アレンジです。 ★D3 “Waiting For My Soul” (3:31)も、代表曲の別アレンジで、マシンリズムとシーケンスに、GとなよっとしたVoから成ります。結構、Gのリフがキモです。 ★D4 “Our Only Food” (2:32)は、結構カッコ良いアレンジのサーフっぽい曲で、ここでもGとVoが大活躍です。 ★D5 “Night Of The Reptiles 2” (2:46)も、テンポは早いですが、代表曲の別アレンジです。Vo以外、殆どをシンセで演奏しています。これはカッコ良い! ★D6 “In Your Bush” (1:18)は、似非土俗的リズムとストリングスやVoが面白い曲です。 ★D7 “The Bogyman” (2:29)は、強力なマシンリズムにふんだんに使われたシンセ音とVoやGの掛け合いも興味深いです。 ★D8 “La Nuit Des Sauriens” (3:05)は、一転、ダウンテンポで、スライドGや手弾きシンセ等が、鬱々感を出すような曲です。 私がPtôse Productionを知ったのは、メール・アートをしていた時期で、丁度、1980年〜1983年頃であったので、仏に面白いグループがいると言うことは聞いていたのですが、直接コンタクトは取っていませんでした。今回、聴き直してみて、シアトリカルなVoやスライドGの使用は、The Residentsとの共通点もあるのかな?と思いました。一括りには出来ない程、個性的な音楽ですが、この時期は機材の面でもどんどんグレードアップしていたのが、良く分かりました。もし、1980年代初頭の宅録実験ポップに興味のある方は、入手困難とは思いますが、是非とも聴いてみて下さい❗️ クレジット LP1: Tracks From PPP K003 and PPP K005 A1 “Interlude” (2:44) A2 “The Baby's Song” (3:52) A3 “Ouch!” (1:46) A4 “Fernsehapparat / TV” (3:37) A5 “Here Comes The Spotnics” (3:32) A6 “+Bonus” (1:04) A7 “Effritt” (3:35) A8 “Wise And Busy” (3:20) Tracks From PPP K006 B1“Voyelles” (2:51) B2 “Apparition” (3:10) B3 “Ritual” (2:11) B4 “Epoche” (2:45) B5 “Dance” (1:50) B6 “La Grande Epreuve” (1:46) B7 “Ignobles Limaces” (1:30) B8 “Le Mort Qui Fuit” (2:49) B9 “Part La Fenêtre” (2:21) LP2: Tracks From PPP K009 and SS45001 C1 “Proteus Mirabilis” (2:22) C2 “Fractions Ribosomales” (3:33) C3 “Corazon” (5:15) C4 “Le Jardin Inconnu” (2:37) C5 “Légère Altération” (2:57) C6 “J'ai Mal Au Coeur!” (2:24) C7 “Ecrasez La Vermine!” (1:57) C8 “Women In The Moon” (4:40) Tracks From PPP K015 and PPP K019 D1 “Eat Your Fish” (2:34) D2 “Boule (Viens Ici!)” (2:35) D3 “Waiting For My Soul” (3:31) D4 “Our Only Food” (2:32) D5 “Night Of The Reptiles 2” (2:46) D6 “In Your Bush” (1:18) D7 “The Bogyman” (2:29) D8 “La Nuit Des Sauriens” (3:05) https://youtu.be/3PC2iXdBixU?si=Pxu0pM4C-Lh1Gqzf #PtôseProduction #EarlyRecordings79-83 #VinylOnDemand #SelfCompilation #DoubleAlbums #FrenchUnderground #SynthPop #ExperimentalPop #Synthesizers #1979年-1983年 #PtôseProductionPrésente #K003 #K005 #Hand-MadeElectronics #K006 #Apparaitre #K009 #MoxisylyteN. #SS45001 #WomenInTheMoon #Single #K015 #PoissonSoluble #K019 #NightOfTheReptiles #AssembléeGénérale4 #LionelJarlan #BenoîtJarlan #PascalZZeElineau #ErickaIrganon #LiKhui #PatrickPichon
Synth Wave / Experimental Pop Vinyl on Demand 不明Dr K2
-
Heldon “Third (It’s Always Rock’n’Roll)”
カッコいいねー、仏のプログレ・バンドHeldonの3枚目のアルバムのタイトルは”Third (It’s Always Rock’n’Roll”ですよ!「いつでもロックンロール」ですよ!凄いタイトルだなって、痺れるねー。Heldonについては、既にバイオグラフィーは書いているので、前回以前を参照にして下さい。今回は、Richard Pinhas自身のレーベルDisjunctaからリリースされたオリジナルではなく、それを独Bureau Bがリマスタリングした再発盤です。この時のHeldonのメンバーは、Richard Pinhas (Synth [Arp, VCS3], Mellotron, G, B, Tapes), Aurore (Vo) , Alain Renaud (G, Synth)で、それ以外に、Gilbert Artman (Drs), Georges Grünblatt (Mellotron, G, Other Devices), Ariel Kalma (Indian Harmonium), Jean-My Truong (Drs), Patrick Gauthier (Synth-Solo[Arp])がゲスト出演しています。それで、内容なんですが、「いつでもロックンロール」と言う割には、ビートの効いた曲は無くて、どちらかと言うと、シンセのうねるような重厚な音とPinhasの伸びやかなギターが絡んだ「一種のアンビエント風」の音楽から成り立っており、ちょっとびっくりしました。本作品は2枚組で、A面には4曲、B面とD面は1曲ずつ、C面は3曲と、割と長尺の曲が多いです。確かにドラムの入っている曲(A3 “Méchamment Rock”やD “Doctor Bloodmoney”)なんかはそれなりにビートもあり、いわゆるプログレ・バンドとしてのHeldonらしさも感じるのですが、如何せん、ノンビートの曲が多く、その印象が強いですね。そんな中でも、特に、C3 “Zind Destruction (Bouillie Blues)”のガタガタとしたバックの電子音に、ワウをかけ過ぎた異様なギターソロが際立ってカッコいいです。あと、”No Wave”の著者でもあるMarc Mastersがライナーノーツで興味深いことを書いています。「このアルバムにはDark Energyが詰まっている。それは決してネガティブなことではない。また、このアルバムはある種のブルースだ」と。それは良く分からなかったですが、”dark energy”と言うのは何となく感じることができたかも? 後期の完成されたマシン・ロックのような疾走感はありませんが、Heldonを語る上で、避けて通れない「電子音とギター」の掛け合いが存分に楽しめますので、是非とも、本作品も体験して欲しいですね‼️ Heldon live at Paris, 1975 https://youtu.be/Ub4q5RjgqyI [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mC5Tzg4y_emD8cp-hVP7YVQgX2Z_WbNbU #Heldon #Third #It’sAlwaysRock’n’Roll #BureauB #Disjuncta #Reissue #Remastering #ThirdAlbum #2枚組 #ProgressiveRock #Electronics #Synthesizers #Guitar #HeavyAmbient #Beatless #RichardPinhas #Aurore #AlainRenaud #GilbertArtman #GeorgesGrünblatt #ArielKalma #Jean-MyTruong #PatrickGauthier
Progressive Rock / Electronic Bureau B (Disjuncta) €32.99Dr K2
-
Tesendalo “Natur Naht”
これまた、謎物件です。外装はグリーンの「薄い畳/護蓙のような」生地で包装されており、表向きには、この作品についての情報は一切記載が無いですが、内側を見て、初めて、独逸のTesendaloと言うアーティストの”Natur Naht”と言う作品であることが分かります。また、この作品には同じ独逸のTelepheriqueがヘルプで参加しています。それで、Tesendaloについて調べてみましたが、Nurnberg在住の独逸人アーティストPeter Schusterのソロユニットらしいことは分かりました。Discogs上では、彼は1980年代後半から2013年頃まで活動していたようです。Schusterは、Die Raphe名義で、よりインダストリアルな音楽をやっていたり、P.C.R. (Partidul Comunist Român)として、Adrian GormleyとConstantin Gormleyと一緒にトリオでも活躍したり、はたまた、Doc Wör Mirranにも参加したりしており、地元Nurbergでは結構、活躍していたようです。しかしながら、それ以上の情報は良く分かりませんでした(すまん!)。また、Tesendalo としては、本作品は3枚目のLPにあたり、それ以外では主にカセットなどの媒体をリリースしています。 それで、作品の内容ですが、A面1曲とB面2曲から成る長尺の曲で、全体的にはドローン・アンビエントな感じを受けます。A面には “Natur Naht I”が収められており、その、ゆったりと流れる通奏低音のような音に、鈴のようなパルス音が簡素なシンセのリフが重ねられて、時間の流れが全く変わってしまいそうです。B1 “Natur Naht II”では分厚い鉛のようなドローン音に微かなシンセのリフと微弱な電子音が入ってくる、これまたドローン・アンビエントな曲ですが、B2 “Natur Naht III”ではミニマルなシーケンスとドローン音をベースに時々、風の様なディレイの掛かったシンセ音が入ってくる、ちょっと動的な曲になっています。全体に渡り、独逸ミニマル電子ノイズ・ユニットであったTelepheriqueの音が良い意味で化学反応を起こしているようです。そう言う意味では、クラウトロックの発展形と言うか、その正統な後継者とも言えるのではないでしょう(と言うのは言い過ぎか?)。しかしながら、余り目立たない存在ですが、独逸のアンビエント・シーンを語る上では、Tesendaloの名前は覚えておくべきでしょう!Let’s Ambient! A “Natur Naht I” (21:34) B1 “Natur Naht II” (12:10) B2 “Natur Naht III” (10:32) A “Natur Naht I” (21:34) https://youtu.be/pJXpV_mhjOU?si=1XFPN4VuS5HdSnnY B1 “Natur Naht II” (12:10) https://youtu.be/-HyzlM_QjSk?si=91QC5BXb2tG8oxCW B2 “Natur Naht III” (10:32) https://youtu.be/s9BpP6c12j8?si=gecrRgxfoXCcs9c8 #Tesendalo #NaturNaht #WhiteNoiseRecords #LimitedEditions #444部 #Drone #Electronic #Synthesizers #Telepherique #PeterSchuster #Experimental #Ambient
Ambient White Noise Records 不明Dr K2
-
P16.D4 “Distruct”
アナログで欲しい!欲しい!と探っていたら、いきなり、再発が!これはもう前後も見ずにポチりました。だって、DiscogsやeBayでもオリジナルは全然出てこないし、どうしようかぁ?と思っていたところなので、この再発は待ちに待ったと言うジャストなタイミングでした。そうです、私のアイドル、独逸のP16.D4のセカンド・アルバム”Distruct (Distant Structure)”です。ジャケが赤になったのは仕方ないですが、ホントこれはアナログで聴きたかった!もうご承知かも知れませんが、これは、P16.D4が、遠く離れた所にいる他のグループやアーティストから音源を集め、その音源と自分達の音源とを組合せ、更に加工・変調し、コラージュした「距離のある」コラボレーション・アルバムと言うコンセプトからできた作品なのです。それは元々、この前にリリースされたコンピ”Masse Mensch”に参加したSmegmaのHarry C. Pooleが「何千マイル離れていてもテープは完成する」と言っだことに着想を得たと言うものです。因みに、そう言ったPoole本人は音源は送ってきませんでした。この時のP16.D4のメンバーはRalf Wehowsky, Ewand Weber, Roger Schönauerの3人で、更に協力者として、Peter Lanbert, Thomas Kenkler, Gerd Neumann, Stefan Schmidtも参加しています。更に音源提供者として、Bladder Flask (英), Déficit Des Années Antérieures (仏), De Fabriek (蘭), The Haters (加), Philip Johnson (英?), Hiroki Kocha (日), Merzbow (日), Fredrik Nilsen (米), Nocturnal Emissions (英), Nurse With Wound (英), Onnyk (日), Harold Schellinx (蘭), Die Tödliche Doris (独), Vortex Campaign (英)が参加しています。それで、P16.D4のいつものやり方なんですが、先ず、誰か(2人の場合もある)がコンセプトを決めて、作業をし、最終的に仕上げると言う、如何にも独逸人らしい理路整然とした方法をとっています。彼等は1982年12月から1984年10月まで、この作業に取り掛かってました。彼等は基本的に計算し尽くした上で、何度もトライしながら音の配置や変調具合を実践するので、何とも途方もない作業だったと思います。ファースト・アルバム”Kühe In 1/2 Trauer”はグループ内での共同作業とすると、セカンド・アルバムである本作品は距離のあるコラボとも言え、S.B.O.T.H.I.とのコラボを含むサード・アルバム”Nichts Niemand Nirgends Nie!”は距離の無いコラボとも言えるのではないでしょうか? ここら辺の作品は本当、ノイズ・ミュージックの一つの潮流なので、押さえておかなければならないと思います。今回の再発盤ではリマスターしてあるからか、音の「キレ」が一層冴えていますね。各曲の紹介や細かいことは全部省きましたが、敢えてであって、もう聴くしかないです❗️しかし、仏のSonoris、今回は良い仕事してくれました。皆さんも是非とも入手して、自分の耳で確かめて下さい。マストです! A1 “Kultstudien Zu Anselm Weinberg” (7:02) A2 “Meere Giganten Und Berge” (10:01) A3 “External Symbols” (3:20) B1 “Aufmarsch, Heimlich” (3:59) B2 “Svenska Förtäring” (0:21) B3 “Kryptogramme (7-11)” (4:37) B4 “Upset Twilight” (2:05) B5 “Les Honteuses Alliances” (3:39) B6 “Martello Tower” (0:24) B7 “Luxus & Mehrwert” (4:42) [前回の再発CD full album] https://youtu.be/FLhCRoepOFo?si=q_OfFc0c2iD0AG1Q #P16.D4 #Distruct #Sonoris #Selektion #Reissue #Remastering #Noise #Experimental #Collage #Collaboration #DistantStructure #RalfWehowsky #EwandWeber #RogerSchönauer #ExchangedMusic
Noise, Experimental, Collage Sonoris (Selektion) 3377円Dr K2
-
Sprung Aus Den Wolken “The Story of Electricity”
また発掘しました。独逸のベテランNDW(Neue Deutsche Welle)直系のSprung Aus Den Wolken (以下SADWと記載)の登場です。これの前の作品、12㌅EP”Pas Attendre / Que Pa”が1985年なので、実に3年振りの作品になります。SADWについては前回紹介した時のバイオグラフィーを参考にしてください。 今回のメンバーは、Kiddy Citny, PrimaことPeter Prima, VoovことChristian Graupnerで、全面的にAlexander Hackeもヘルプで参加しています。音は格段にクリアになり、録音技術の良い場で録音したんだなあと感慨深いです。が、そこはそこ、流石、SADWらしいタイトなハンマービートに乗せて、打楽器やシーケンサーや変調Voが乗ると言う構造は今までと同様ですが、ギターは中期Die Kruppsのような機械的はリフを刻んでいます(多分、サンプリングした音ではないかな?)。まあ、ここら辺は好き嫌いが分かれますが、このある種洗練されたSADWも受け入れるか?以前のようなローファイにしてスカスカなアナログ音源のSADWだけを受け入れるのか?まあ、好みですね。私はどっちも好きですが(しかしながら、音の感じは別バンドのようです)。それから、B面(Father Sideと表記されている)1曲目は”Itch I-Ni-San-Shi“だし、B面3”Be Quiet!”ではモロ日本語の台詞が使われています。ここら辺は、独逸と日本の文化的親和性を強く感じますね。それと、NDWの多くのバンドが放っている独特のユーモアも、しっかり受け継いでいますので、聴きながら、ニヤッとして下さい。 とまあ、SADWは初期でも中期でも健在であったのが、証明されましたね。NDWがどのように絶頂から一度落ちて、そこから更に立ち上がってきたかのドキュメントの意味もありますね。なので、旧作と聴き比べるのも一興ですね。 ◉Mother A1 “Shakin Your Body” (1:48); Alexander Hacke (G) A2 “Röck-N-Röll” (2:08); Thierry Noir (Vo) A3 “Lion - Could Be Me” (3:24) A4 “RoundAndAroundShadow” (2:52) A5 “Electricity Break” (1:36) A6 “D.J.-D.J.” (2:43) A7 “Could Be You - Lion” (3:15) A8 “Body Your Shakin” (3:40) ◉Father B1 “Itch I-Ni-San-Shi” (1:53) B2 “All To Yah Cosma” (3:00) B3 “Be Quiet” (2:41) B4 “Shadow Knows” (1:39) B5 “Lion” (2:44); Luciano Castelli (G), Shinobu Nomula(日本語Vo), Jimmy Moussa Sarr (セネガル語Vo) B6 “D.J.D.J.D.J. .Bow” (3:29) B7 “Cosma” (3:37) A1 “Shakin Your Body” (1:48) https://youtu.be/vsqsV7zqF_Y?si=7wBjg4jcvq7oEaGB A2 “Röck-N-Röll” (2:08) https://youtu.be/sxk2JT4r3Hs?si=g7WEEqwdzA5NAcDT A4 “RoundAndAroundShadow” (2:52) https://youtu.be/_wH7fGEFrMM?si=F-dKNqkbwAppUQqz A5 “Electricity Break” (1:36) https://youtu.be/64vCaWfFdUE?si=TJiSPPSHDJPLJsxO B5 “Lion” (2:44) https://youtu.be/RvUJ_mVnqj4?si=stWSIVZbtw5FGqWt B7 “Cosma” (3:37) https://youtu.be/g4YNhLZUkSY?si=PLHVEC3Pyw-KW_m0 #SprungAusDenWolken #TheStoryOfElectricity #LesDisquesDuSoleilEtDL’acier #NeueDeutscheWelle #ExperimentalPop #Rhythmic #KiddyCinty #Prima #PeterPrima #Voov #ChristianGraupner #Guests #AlexanderHacke #ThierryNoir #LucianoCastelli #ShinobuNomula #JimmyMoussaSarr
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Les Disques Du Soleil Et De L’acier 不明Dr K2
-
Die Form “Archives & Doküments”
さあさあ、皆さん、来ましたよぉ〜。フランスのエロティック・グループDie Form (これはドイツ語で「ディー・フォルム」と呼ぶ。「形」の意。また、英語の”Deform”及び仏語の”Difforme”ともかけている)の登場です。このDie Formですが、1977-1978年にフランスRennesでPhilippe Fichotによって活動を始めました。なお、Éliane P. は1986年から合流し、現在はこの二人のデュオと言っていいでしょう。彼らは、エロスや死などのタブーとされた事象をテーマとしてきており、そのコンセプトはジャケやアートワーク等に反映されてきています。ただ、彼の音楽はちゃんとした構築やリズム、メロディのあるエレクトロ・ミュージックであり、同年代のThrobbing GristleやWhitehouse、M.B.達とは全く別のアプローチをしているのが、興味深かったですね。1977年にファーストカセット”Die Form 1”から1982年のファーストLP”Die Puppe”まで自身の作品をBain Totalからリリースしていました。1984年にリリースされた”Some Experiences With Shock”から1986年にリリースされた”Poupée Mécanique”では、よりコマーシャルな音楽性に方向転換し、実験的側面とメロディックな側面を持つようになります。特にこの二面性は”Photogrammes”で顕著で、Vo兼モデルのEliane P.の参加した1991年リリースのアルバム”Corpus Delicti”でもその路線は受け継がれています。また、1992年 weリリースのアルバム ”Confessions”からの曲”Silent Order”は何と!クラブ・ヒットとなっています。まだまだバイオグラフィーはあるのですが、ここら辺で一区切りしております。 それで、本作品ですが、1983年から1988年に発表された作品から選りすぐりの曲をコンパイルした3LPであり、それぞれに副題が付されています。LP1には”Leçon 1 - Second Vision Of Fetish (1986)”、LP2には”Leçon 2 - Es Lebe Der Tod (1987-88)”そしてLP3には”Leçon 3 - Lustful Collection (1983-88)”となっていることから、彼らの中では、エロス・タナトスがメインテーマになっているようです。如何にも耽美的で、ダークなメロディは彼らのお得意とするところですが、その中でもLP3にはかなり実験的な曲が多く収録されています。やはり時代ですかねぇ。個人的にはLP3が一番好みです。また、本作品はボックスセットになっており、ブックレットには、これまた、エロス・タナトス・ヴァイオレンスなイメージを喚起するような際どい写真が並んでいます。このようなヴィジュアルもこの時期のDie Formの特徴だと言えましょう。3枚通して聴くのは大変ですが、インダストリアルな時代において、独自の楽曲的アプローチと時代に呼応するエロス・タナトスを併せ持った楽音的徒花であるDie Formを是非体験してみてください。 ◼️Leçon 1 - Second Vision Of Fetish (1986) A1 “Face Against The Ground” A2 “Bondage” A3 “New York” A4 “Serenade” A5 “Serial Clones” A6 “Deadline 2” A7 “North Valley” B1 “Necron X” B2 “Third Generation” B3 “Shaved Girls” B4 “Was” B5 “Nostalgia” B6 “Tomorrow” ◼️Leçon 2 - Es Lebe Der Tod (1987-88) C1 “Reflex 3” C2 “Criminal Passion” C3 “Sing Song” C4 “Dance Music” C5 “Maldoror (Chant Troisieme)” D1 “Es Lebe Der Tod 3” D2 “Murder/Projection” D3 “Tote Kinder Aus Deutschland” ◼️Leçon 3 - Lustful Collection (1983-88) E1 “Purple Pain” E2 “Hunt” E3 “Topography” E4 “Dog Handler” E5 “Tenebra” E6 “Newel/Light” F1 “Flesh Wounds” F2 “Sade Memory” F3 “Oltre” F4 “Post-Mortem” F5 “Sade Memory (End)” B3 “Shaved Girls” https://youtu.be/r74hTEYTboE?si=_UbhWX6ehO0-IrNL [full albums] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mfICfx9jIcyNDUnKTyAOVCi1SPP0RX07w&si=Cei8f9tMfEqjXpGu #DieForm #Archives&Doküments #NormalRecords #Reissue #Remastering #Eros #Thanatos #BoxSet #3LPs #1983年-1988年 #PhilippeFichot #ElianeP. #ElectronicMusic #DarkWave #Leçon1 #SecondVisionOfFetish #Leçon2 #EsLebeDerTod #Leçon3 #LustfulCollection
Dark Wave / Post Industrial NORMAL RECORDS 不明Dr K2
