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Wire “s/t”
またまた、来ました!今回は、Wireのセルフ・タイトルのアルバムをご紹介します。普通、セルフ・タイトルって、ファースト・アルバムなんかに付けることが多いのですが、そうしないで、何十枚も出してから、セルフ・タイトルを付けるのって、如何にもWireらしいと思いませんか? ここら辺までのバイオグラフィーは前回までに書いていますので、そちらの方をご参照下さい。まあ、メンバーは、Colin Newman (Vo, G, Kbd; A-G [A1, A2, B2], Baritone-G [A1, B1, B2, B5], Mandola [A6]), Graham Lewis (B, Back-Vo [A1, A4, B3, B4], high-B [A3], B-Fx [A6], Kbd [B2]), Robert Grey (Drs, Water Tank [A6]), Matthew Simms (G, 12弦E-G [A2, A3, B3], Kbd [A1, A2, A4, A6], Modular Synth [A4, A5, A6, B2, B3, B4], Lap Steel G [A3, A6], Loops [B2], Fx [B5])とまあ、鉄壁の4人なのですが、メンバーそれぞれ(特に新入りSimmsは、G以外にも、色んな楽器担当)が様々な楽器を担当して、アルバム作製に関わっています。それでは、各曲についてご紹介していきます。 ★A1 “Blogging”は、アコギやバリトンギターの小君良いカッティングとNewmanの優しいVoがマッチした名曲で、Simmsのシンセも効果的です。 ★A2 “Shifting”もLewisのBとGreyのシンプルなDrsに支えられて、NewmanのソフトなVoがよく映えています。間奏のGがWireらしい。 ★A3 “Burning Bridges”も確固たるリズム隊とVoの対比が物凄く良い感じにミックスされ、Gもシンプルで邪魔になっておらず、SimmsのスチールGも良い隠し味。 ★A4 “In Manchester”は非の打ち所がないシンプルな音楽で、間奏のKbdがより引き立てています。 ★A5 “High”も同様にソフトなVoと完璧なアンサンブルで、聴いていると、雲の上で横になっているようです。 ★A6 “Sleep-Walking”は、3rdアルバム”145”を想起させる重いキック(実は貯水タンク?)と切羽詰まったようなアレンジが秀逸です。 それではB面にいきます。 ★B1 “Joust & Jostle”はアップテンポの曲で、これまたカッコ良いです。多分、曲がシンプルだからでしょう。 ★B2 “Swallow”は、アコギの刻みで始まり、最初はBでリズムを取っていますが、Drsが入ってきて、より活き活きした曲になります。勿論、Voはソフトタッチです。最後にシーケンス(ループ?)だけが残ります。 ★B3 “Split Your Ends”は、またアップテンポの曲で、コード進行も含めて、本当にこの手の曲はカッコ良いし、多分、シンプルなリズム隊によると思います。 ★B4 “Octopus”もアップテンポで、これもカッコ良いです。サビのコード進行とアレンジが独特で、Wireらしい。 ★B5 “Harpooned”は一転して、スローテンポな曲ですが、雰囲気としての「重さ」は無く、寧ろ奥行きを感じさせる曲で、Voにも悲壮感等は漂ってはいないです。この曲も名盤”154”を彷彿とさせます。本作品には珍しく歪んだGの音が新鮮です。最後、ループて終わるのも渋いですね。 総じて、思ったのは、全体的にシンプルな構造やコード進行で進む曲が多く、またNewmanのVoも極めて冷静かつソフィストケートされた声で歌っている為か、「普通」過ぎて、「普通」じゃない音楽になっていると感じました。それとGreyのシンプル極まりない禁欲的なドラミングも特筆すべきでしょう。なので、この時期のWireの音楽は形容し難いです。と言うことは、彼等は既にジャンルとかの枠を易々と飛び越えてしまったようです。私は、そんな奇跡的音楽を奏でているWireに一生付いていきます!本当に「ロックじゃなければ何でも良い」音楽となっていますので、マスト・アイテム! https://youtu.be/aIuh5ySdyKM?si=BMYGKJIe9Ud9FDz1 #Wire #self-titled #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #2015作 #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #Multi-Instrumentalists
Post Punk Pinkflag 2773円Dr K2
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Michael Ranta “Yuen Shan”
今回は、米国生まれの独逸在住パーカッショニスト、Michael Rantaを紹介します。その中でも、彼のソロ名義のアルバムとしては3枚目”Yuan Shan”を紹介します。それで彼のバイオグラフィーですが、元々は、ミネソタ州Duluth生まれで、1960年〜1967年ではイリノイ大学で、打楽器についてはJack MackenzieとThomas Siweに師事し、作曲についてはLejaren HillerとHerbert Brünに師事していました。その後、Rantaは1967年〜1970年に、独逸Kölnで、Mauricio Kagel, Helmut Lachenmann, Josef Anton RiedとKarlheinz Stockhausenの元で働いています。その時に、1970年に開かれた大阪万博でStockhausenの曲で参加しています。翌年には、日本のNHK電子音楽スタジオでも働いていました。その後、1973年〜1979年には台湾に住んでおり、芸大よりの依頼で、Gwang-renアカデミーで音楽史学の教授になっています。そこで、長い年月(40年以上?)をかけて、”Yuen Shan (Round Mountain)”の打楽器と8チャンネルテープの為の作曲に取り掛かります。その後、1979年にRantaは、Kölnに戻り、打楽器アンサンブルTransitを結成し、翌年には、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会を開催し、更に1981年にはケルン打楽器フェスティヴァルも開催しています。また、一方では、KölnのTanzforumやUrania劇場でも働いており、1989年には、Ulmer劇場のバレエアンサンブルの為に”Die Mauer (The Wall)”と言うバレエ曲や、Jaroslav Poncarsの映画”Tibet”にも”Ton zum Himmel (Gate for Sky)”と言う曲を作曲しています。また、1989年には、ケルン・ドームの750年記念式典での、Günther Oellersの曲”Die Steine der Singenden (Singing Stone)”にも出演しています。 それで本作品”Yuen Shan”ですが、実はこの曲は、2005年に、Rantaは、Cabaza Percussion Quartetと共にCDで音源を残しています(私は未聴)。また、前述のように、この作品は、1972年に着想を得て、完成するのが2014年と言うもので、大きく4曲(“Yin‐Chu”, “Gu‐Luan”, “I‐Shr”, “Li‐Huai”)から構成されています。それで、Ranta自身はガチガチの即興音楽家ではなく、元々はきちっとした作曲をやる方でもあるので、一聴すると即興演奏のようにも聞こえますが、そこは間違えないで下さい。また、本作品では、鳴っている音が、生のパーカッションの音か?予め録音した「音素材」か?分からないようにも感じますが、恐らくは、予め録音されていた音素材の方がメインなのではないでしょうか? A面はいきなり無音から始まりますので、聴いていて不安にもなりますが、様々なパーカッションを使って、彩り取りな音風景を紡ぎ出しています。個人的には、C面の”I-Shr”が好みですねぇ、最後にちょっとしたアクセントもありますし。そんなRantaのソロ作品ですが、気になる方は一度お聴きすることをお勧めします。因みに、Metaphonは、ベルギーの音響系ノイズの重鎮Timo Van Luijkが2007年から運営しているレーベルで、要注目です!! ◼️LP1 A “Yin‐Chu” (18:39) B “Gu‐Luan” (18:05) ◼️LP2 C “I‐Shr (2014)” (21:42); Klaus Giese (Original Recording Of Sound Material Used In I-Shr) D “Li‐Huai” (20:29) C面”I-Shr” (21:42) https://youtu.be/6RA90X_-wAs?si=FpbsbuNjm857KJtD #MichaelRanta #YuenShan #Metaphon #ModenClassic #Contemporary #Experimental #Percussionist #Percussions #FieldRecording #Composition
Modern classic / Experimental Metaphon 不明Dr K2
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Akira Sakata & Jim O’Rourke with Chikaramochi & Merzbow “すっ飛び篭”
この組み合わせは結構、興味深いな。ミジンコ研究も行うジャズ界の小さな巨人坂田明さん (altoSax,Vo)と神出鬼没で現在、日本在住のJim O’Rourkeさん(G, harmonica, electronics)のコラボに、更に、ChikaramochiことChris Carsano (Drs)とDarin Gray (double B, Perc)及びノイズ・ゴッドMerzbowの秋田昌美さん(noise electronics)が加わったブツです。もうメンツについてはバイオグラフィーはいいでしょう。LPの片面づつ、それぞれPart 1からPart 4までが2枚組LPとして収められています。Part 1では坂田さんのジャジーなSaxに、JimさんのプリペアードGが絡んできて、徐々にChikaramochiのドラムやベースが、そして控えめではあるが秋田さんのエレクトロニクスが絡んでくると言った展開になっております。JimさんのGは段々と痙攣したフリーキーなものになっていき、大円団を迎えます。Part 2は最初はJimさんのと思われるプリペアードGから静かに始まります。次第にヴァイオリンらしき弦楽器の音と秋田さんのサンプリング・ノイズらしき音或いはJimさんの歪ませたGの音で盛り上がったところで、静かに坂田さんのクラリネットが立ち昇ってきて、次第にChrisのDrsがジャジーに絡んできますが、鎮静化してフェイドアウトしていきます。Part 3は激し目のDrsとBと電子音に加え、朗々としたサックスとファズと掛かったギターが最初から5つ巴になって鳴り響きます。私的には、このテイクが本作品の白眉だと思います。Part 4は坂田さんのSaxの嵐のような独奏からChilaramochiのDrsとBは.そのに絡む電子音。次第にMerzbowと思われるハーシュノイズと坂田さんの唸り声になっていきます。果てはドラムンノイズになっていき、大円団のなります。 全体的にジャズ色が強いのですが、Part 3や4になってくるとジャンルレスな即興ノイズ的になってくるので、ノイズファンにも好まれそうです。また、ちょっと検索したところ、Chikaramochiの2人は以前より坂田さんやJimさんと度々セッション・アルバムを作ってきており、今回が初めてではなかったようです。とすると、Merzbowがその中で異化作用をもたらしたのでは?と想像します。ロックもジャズも取り込んだそんなフリーな音楽が本作品に詰まっています。もし、そのようなジャンルのボーダーを越えた音楽に興味があれば、是非とも聴いて頂きたい❗️マスト❗️ https://youtu.be/3GpdODzdTL4 #AkiraSakata #JimO’Routke #Chikaramochi #Merzbow #FlyingBasket #坂田明 #すっ飛び篭 #FamilyVineyard #Improvisation #FreeJazz #Electronics #Sax #Guitar #Drums #DoubleBass #NoiseElectronics #Harmonica #Voice
Improvisation / free jazz / Noise Family Vineyard 不明Dr K2
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Conrad Schnitzler & Pyrolator “Con-Struct”
この組み合わせ、最高ー‼️(私にとってですがw)。絶倫電子音楽魔Conrad Schnitzler先生とDer Planの音楽的頭脳PyrolatorことKrut Dahlke氏の世代を越えたコラボ作品で、なおかつ、Conrad氏の”Con-Struct”シリーズの第3段です。もうConrad SchnitzlerとPyrolatorのバイオグラフィーは散々書いてきましたので、ここでは省略させて頂きます。どちらもシンセ音を中心とした作曲・演奏に携わっているベテラン電子音楽家(まあ、歳は一回りくらい違いますが)ですし、その音楽に独特のユーモアを感じさせる点でも共通点があります。それで、この”Con-Struct”シリーズは、ベルリンのレーベルm=musicが2010年にConradのアルバムを2枚リリースした時に、そのレーベルのJens Struverが彼に、膨大な電子音の素材があるのであれば、リミックスするのでは無く、それを使って誰がとコラボしてはどうかと提案したことに端を発っしたようです。それで今回は、NDWの中心に位置するシンセ奏者Pyrolatorに白羽の矢が立ったと言う訳です。それで内容ですが、結構、デジタル・シンセを多用しているのか、結構クリアーでややクールなトーンの電子音から成っており、また、多くの曲で四つ打ちのキックが用いられており、結構、モダンでダンサブルな印象を受けます。時にはアンビエント風の曲やウネウネとした音からなる変態的電子楽曲も収録されていますが、どちらかと言うと、そのような曲は例外的ですね。それにしても、しかも、2人とも自由にやっているようで、師弟関係故なのか、裏ジャケの写真も微笑ましいです。この作品を聴いて、強く思ったことは、「電子音楽の抽象性」ですね。だから、電子音楽を聴いた時は、初めて聴くような新鮮さがいつもありますし、聴く度に違う印象を受けますね。そんな電子音楽のコラボ作品、聴いてみてはどうでしょう。きっと良いヴァイブレーションを感じることができますよ。 https://youtu.be/adOGsFSCXOc #ConradSchnitzler #Pyrolator #KurtDahlke #Con-Struct #BubeauB #Electronic #Synthesizer #Collaboration #GermanRock #Krautrock #NeueDeuitscheWelle
Electronic Music / Experimental Bureau B 7821円Dr K2
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Ti-Tho “Freuziel”
私はこのデュオは全然知らなかったです。NDWには、まだまだ隠れたグループやアーティストが居そうですね、Suezan Studioさん!その名もTi-Tho (「ティ・トー」と読むのかな?)。当時、13歳だったChristina Marisa Calcagnoが、10歳年上のギター教師のThomas Stelterと組んで結成したのがこのTi-Tho。ユニット名は各人の名前の一部をくっつけたもの、要するに、Chris-Ti-naのTiとTho-masのThoをくっつけた造語です。1982年に獨逸Zick Zackから”Traumtänzer (夢見るダンサー)”でデビューしています。その直後、彼等は大手レーベルTeledec、更にはPolydorと契約し、7年間の活動中に、合計4枚のシングルを出しましたが、アルバムまでは出していませんでした。その後、Christinaは俳優、歌手、声優として活動を続けますが、Thomasは2010年に他界した為、再結成は永遠にできなくなってしまいました。Christianは今でも、MarisRPやLovezillasと言うバンドを率いて、第一線で音楽活動を続けています。と言うのが、このTi-Thoのダイジェスト版バイオグラフィーです。そんな彼等に目を付けたのが、Vinyl-On-Demandですね。どうも、Thomasの家には、未発表曲やヴァージョン違いの曲の音源が多量に残っており、その中から選出された曲をコンパイルしたのが、本作”Freuziel”です。A面はシングル曲の再録や未発表曲から成り、B面はそれらのヴァージョン違いなどが多く収められています。内容は女性Voとバックを堅めるシンセやシーケンサーやドラムマシンと言った、典型的男女デュオの音楽で、所謂シンセ・ウェーブと言ったところです。ただ、Christinaのロリコン的キャラが立っており、思春期の女の子のコケティッシュな感じがバックの電子音と合っています。曲が短いので、そんなに収録曲が多い訳ではありませんが、たんまり聴いた感じがします。また、バックのシンセ音にもトラップがあり、それも楽しいですね、あと、初期は、リズムマシンはBOSSのDR-55を使ってましたが、段々とリズムマシンが豪華になっていくのも面白いです。詳しいバイオグラフィーなどはSuezan StudioからリリースされたCDをご参考にしてください。独逸の地下はヤバいですね。興味のある方は、このアルバムよりもSuezanさんのところから買ってみて下さい!! ◼️ A1 “Asterix [Die Große Überfahrt]” (3:40) A2 “So Groß Wie Der Mond” (3:02) A3 “Traumtänzer” (2:54) A4 “Die Liebe Ist Ein Abenteuer” (2:28) A5 “Elefantenjäger” (2:50) A6 “Ich” (2:40) A7 “DoDona / Tiere Der Nacht [First Version]” (3:26) A8 “Säulen Aus Stein” (3:16) A9 “Tunnel [End-Variation]” (1:18) A10 “Blitzgeräte” (2:09) B1 “DoDona / Tiere Der Nacht [Musical Version Planetarium]” (3:20) B2 “Grauer Stahl” (3:50) B3 “Säulen Aus Stein [Plastic Version]” (4:05) B4 “Telekoma Wesen [Elefantenjäger-Variation]” (3:40) B5 “Elefantenjäger [Musical Version]” (2:53) B6 “Ich [Short Musical Version]” (1:03) B7 “Fieber” (3:10) B8 “Traumtänzer [Short Version]” (1:44) B9 “So Groß Wie Der Mond [Espresso Version]” (3:05) B10 “Bandschleifen” (1:06) ◼️L.C.B.A.P. 7"-A1 “L.C.B.A.P. Love Can Be A Pain [Short Single Version]” (3:41) 7"-A2 “Beat Of The Moment [Plastic Version]” (2:59) 7"-B1 “Take She Bum” (3:03) 7"-B2 “Fly High [Short Love Version]” (1:54) 7"-B3 “X-Rays” (3:13) A2 “So Groß Wie Der Mond” (3:02) https://youtu.be/ektuf-VegAE?si=YRdv8FHFn2yN29mA A3 “Traumtänzer” (2:54) https://youtu.be/7kOOulv1fiE?si=BluhTFLvQzF8zXHU A4 “Die Liebe Ist Ein Abenteuer” (2:28) https://youtu.be/eAS9xSrq55w?si=vYvDw1OMFFsR2CbK A10 “Blitzgeräte” (2:09) https://youtu.be/jZcbOI5TTdY?si=PVZwxJkKIOsXTyuK B1 “DoDona / Tiere Der Nacht [Musical Version Planetarium]” (3:20) https://youtu.be/rdoi_w9tLMg?si=PFRmqfOd6S27MINO B5 “Elefantenjäger” (2:53) / B6 “Ich” (1:03) https://youtu.be/Y_EougWltgs?si=0WTfhFZ3ucn8mhRz [incompletely full album] https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fJlYTKfZkxquync0ZDtnAfv&si=pETN6CfVeGpRC_uV 7"-A1 “L.C.B.A.P. Love Can Be A Pain [Short Single Version]” (3:41) https://youtu.be/vdK0Va7-BgM?si=vHFuCti4PI_ljjKP 7"-A2 “Beat Of The Moment [Plastic Version]” (2:59) https://youtu.be/Bsr2aLd1lfs?si=7E1Od0_CzrI6v166 7"-B3 “X-Rays” (3:13) https://youtu.be/Fwfa-G-f_n8?si=fgx0b3g8IBtuYPnD #Ti-Tho #Freuziel #Vinyl-On-Demand #SelfCompilation #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthWave #Synthesizers #GirlVocal #ChristinaMarisaCalcagno #ThomasStelter #Duo
Neue Deutche Welle (German New Wave) Vinyl on Demand $60.00Dr K2
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Rocket From The Tombs “Black Record”
君は知っていたか?あのPere Ubuの前身バンド、Rocket From The Tombs (RFTTと表記する)を❗️RFTTは、米国オハイオ州Clevelandで1974年中盤から1975中盤まで活動していましたが、その後も2003年くらいから、時々リユニオンはちょこっとしたりしていました。1974年6月16日にRFTTほClevelandのヴェニューで初ライブを行なっています。その時のメンバー、Crocus Behemoth (Vo, B), Kim Zonneville (B, Vo), Glenn “Thunderhand” Hach (G,Vo), Tom “Foolery” Clementという編成でしたが、メンバー間のイザコザから、所謂よく知られている編成に代わります。David Thomas (Crocus Behemoth), Peter Laughner, Craig Willis Bell (Darwin Layne), Gene O’Connor (Cheetah Chrome), Johnny Madansky (Johnny Blitz)です。その後、RFTTは3つに分裂します。一つはCheetah ChromeとJohnny BlitzはVoにStiv Batorsを加えて、Frankensteinを結成、このバンドは後にDead Boysになります。諸パンクですね。2つ目はPeter LaughnerとDavid Thomasは、Tim Wright(B)を加えて、より実験的なバンドPere Ubuを結成しますが、Peterは長年のアルコール摂取とドラックのやり過ぎで、急性膵炎で亡くなります。そして3つ目は、Darwin Layneほコネチカットに移り、Saucersを始めたそうです。RFTTは所謂、プロト・パンクとかアヴァン・ガレージとか言われてきましたが、録音物をちゃんと残しておらず、好事家たちが、ライブ音源やデモテープからのブートレッグを時々出したりしていました。その中で、2002年にSmog Veil Recordsがブート音源をまとめてCDとした”The Day The Earth Met The Rocket From The Tombs”を出しており、これが縁になって、RFTTは正式にリユニオンを果たします。Crocus BehemothことDavid Thomas (Vo, Musette, Duotronic), Cheetah ChromeことGene O'Connor (G)それにDarwin LayneことCraig Willis Bell (B, Vo)のオリジナルメンバーと他にTelevisionのRichard Lloyd (G)とSteve Mehlman (Dr)も加わります。本来ならPeter Laughnerも加わるところでしたが、彼の体調が悪くRichard Lloydが抜擢されました。2004年にSmog Veil RecordsとMorphiusは”Rocket Redux”を2003年のラインナップで録音してリリースします。その後、David Thomasは2006年に、ちゃんとバンドをリユニオンして、新しい曲でUSツアーをするとアナウンスして、2006年夏にツアーやっています。2011年9月13日にアルバム”Barfly”をリリースし、ツアーもやっていましたが、Richard Lloydがツアー前に脱退し、また、2011年12月30日にCheetah Chromeがバンドを抜けることに。オリジナル・メンバーはDavid ThomasとCraig Willis Bellだけになってしまいました。そうして2015年11月に本作品”Black Record”がリリースされた訳です。 このアルバム”Black Record”では、Crocus Behemoth (Vo, Musette, Duotron), Gary Siperko (G,Vo), Buddy Akita (G), Craig Bell (B, Vo), Steve Mehlman (Dr)で、ゲストにLament Thomas (Vo, back-Vo, tambourine), Lawrence Caswell (back-Vo), Chris Kulcsar (Synth, back-Vo)が参加しています。新録のようですが、名曲”Sonic Reducer”も演っていて、もうそれだけでも涙が出ますね。しなしながら、他の曲もガレージ色が強くて、中々カッコいい曲が目白押しです。Pere Ubuから捻くれた実験性を薄めで、よりストレートなロックン・ロールの粉末をまぶしたとでも言うか、まあ、カッコいいです。しかし、David Thomasが歌うと、全て彼のキャラで持っていかれますね。凄いアクの強さだと思いますよ。そんな彼等RFTTの2015年のアヴァン・ガレージ・ロックを聴いてみませんか? A1 “Waiting For The Snow” (3:04) A2 Welcome To The New Dark Ages” (2:19) A3 “Strychnine” (1:56) A4 “Sonic Reducer” (3:38) A5 “I Keep A File On You” (1:24) A6 “Nugefinger” (3:07) B1 “Spooky” (4:03) B2 “Coopy (Schrödinger's Refrigerator)” (3:20) B3 “Hawk Full Of Soul” (3:00) B4 “Read It And Weep” (2:23) B5 “Parking Lot At The Rainbow's End” (1:50) A4 “Sonic Reducer” (3:38) https://youtu.be/2s8a3z4qlDY?si=byLFO0sHzYPP1HXw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l4qWmSynZ62lpQuNLSDllvPsI_Qwd-gO4&si=Is4JkPOfVZRKsT99 #RocketFromTheTombs #BlackRecord #FireRecords #PereUbu #DeadBoys #CrocusBehemoth #CraigBell #AvantGarageRock #SteveMemann #SonicReducer
Avant-Garage Rock Fire Records 1999円Dr K2
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Mauthausen Orchestra “From Homicide To Slaughter”
Mauthausen Orchestra (以下MOと記す)は、1982年にイタリア人Pierpaolo Zoppoが始めたデス・インダストリアル・ノイズ・プロジェクトで、1986年にMOとしての活動を停止しています。この作品は1982/1983年にリリースされたカセット作品から集められた曲をコンパイルしたもので、再発に重きを置いている伊Urashimaが2015年に199部でリリースしたものです。MOは、当初からあらゆるネガティブな事柄(極限でのセックス、異常性癖、ナチズム、拷問や病気)に興味を持って、活動しており、ノイズや歪んだ電子音及び非人間的な(金切り声)ヴォイスなどの暴力的なコラージュがMOの真骨頂です。こう言う指向ってイタリアン・ホラーとかと関係あるのかな?初期の音源は、彼自身のレーベルAquilifer Sodalityからリリースされていました。また、1997年に復活しましたが、MOと名乗るより、単にMauthausenとしかクレジットしなかったりしていました。しかしながら、1988年に録音された音源が、10年後にXn Recordingsからリリースされていますので、完全休止期ではなかったようです。2008年からはアンビエント調に音楽性も変化していきます。死因は不明ながら、彼は2012年6月16日に亡くなっています。また、同国のM.B.(こちらも復活後のニューエイジなスタイルとの時期)とも親交があり、コラボ作”Material Modulations”や”Spiritual Noises”と言ったものも出しています。私は、1980年代に国際コンピレーション・カセットで、初めてMOの音楽を聴いたのですが、それこそ暴力的なシンセノイズのド直球なトラックに打ちのめされましたね。 それで、本作品なんですが、曲名も何もクレジットがなく、ちょっと困ってしまいました。まあ、再発専門(?)の伊の浦島からの素っ気無い編集盤と言うことでご勘弁を。殆どの曲が、恐らくはカセットMTRで宅録され、ラジカセでマスターを作ったかのような、或いはラジカセ一発録りで作ったかのようなチープな音質なので、万人にはお薦めしませんが、マニアの人は是非とも!何だか短波ラジオらしきノイズを含めて、シンセと思われる不明瞭な電子ノイズやテープ音(多分ナチ関係?)が収められています。ただ、先述のようにペラペラの音質なので、正直言って迫力はイマイチです。一番最初に聴いたのが、先述の国際コンピだったので、どうにもこうにも、食い足りないですね。ただ数曲はちゃんとした録音とマスタリングをしてあるので、これはこれで、初期M.B.っぽくてカッコいいです。そんなレコード、聴いてみますか?(悪夢を見そうです!) https://youtu.be/U40uKs2YyYo #MauthausenOrchestra #FromHomicideToSlaughter #Urashima #Industrial #Noise #PowerElectronics #Remaster #ConcentratedCamp #SelfCompilation
Noise Urashima 不明Dr K2
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Brume “Friction”
仏有数のノイズ系アーティストであるChristian Renouのソロユニットが、このBrumeです。日本では今ひとつ人気の無いBrumeですが、ヨーロッパでは評価は高いです。また、多作家でもあり、Brume名義だけでも119作品(本人名義で14作品)もありますし、コラボ作品も多数発表しています。 1985年に自身のレーベルBrume Rec.からカセットアルバムをリリースした後の、2000年〜2008年にBrumeの名前を用いており、その前後は本名名義になっているらしいです(でもこの記述はDiscogsのインフォと合いませんが)。基本的には音響系ノイズのコンポーザーと言うイメージが強いですが,その振り幅は広く、ミュージック・コンクレート、サウンド・コラージュ或いはインダストリアルまで手掛けています。彼は最近(?)では、サウンド・インスタレーションなどの作品も作っているようです。本作品ですが、これは仏レーベルRotorelifが同じデザインのジャケで、アーティスト名だけ変えてリリースしているシリーズの一つです(RRRのPureみたいなものですね)。仏のーティスト/グループが多いようです。それで、内容ですが、前述のように、元々振り幅の大きいアーティストなので、今回は、ややインダストリアル寄りの曲が多いように思います。躍動感のあるリズムとパルス音に加えて、唸るようなシンセや効果的なテープ音或いは残響処理や逆回転の挿入などが目立ちますね。でも引くべきところは引いて、静謐な音像も聞かせてくれます。これは最早、「ノイズ」とかの範疇を越えていますね。私も彼とコラボしていますが、彼はその時は、本名名義でしたが、非常に繊細ながらダイナミズムを感じさせる曲を作り上げ、思わず舌を巻いてしまいました。そんなBrumeの音楽に一度は触れてみて下さい。 追加: 最近、ChristianはBrumeとしての音楽活動を止めると宣言しています。最近(2024年)、新作CDを出したみたいで復活しているようです。 追々加: Rotorelifはフランスのノイズミュージックを専門に扱うレーベルです A1 “Frikture 1” (6:53) A2 “Matrix Degenerate” (4:35) A3 “Frikture 2” (4:06) A4 “Friktion” (5:23) B1 “Muzak Stimulattak” (5:23) B2 “Rawa Ruska” (6:40) B3 “Microbes Part 1” (6:36) B2 “Rawa Ruska” https://youtu.be/ArN5crzjiBQ?si=BGS4xQG8rFgQhLvt #Brume #Friction #France #Experimental #Noise #Electro-AcousticNoise #Rotorelif #ArchivesDesMusiquesIndustriellesDeFrance #ChristianRenou
Experimental / Electro-Acoustic Rotorelif 不明Dr K2
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G.X.Jupitter-Larsen & The New Blockaders “Live At The Schimpfluch Carnival”
イギリスを代表するノイズ・グループTNBことThe New Blockadersとアメリカを代表するノイズ・ミュージシャンG.X.Jupitter-Larsen (The Hatersを名乗る)のコラボライブ録音作が、本作品です。スイスのアクショニズム・グループSchimpfluch Gruppeが主催する企画でのライブのようです。片面はTNB(この時のメンバーはどうもRichard Rupenus, Mark Durgan, Michael Gilliam, Phil Julianのようです)とGXのがっぷりよつのぶつかり合いで、TNBの放出するガキガキ/ゴツゴツした金属音とGXの不明瞭だが強力なノイズ音が絡み合い、凄まじい音塊になって、リスナーの耳を直撃します。もう片面は、西海岸LAFMSの重要人物の一人Ace Farren FordとGXのコラボ音源にTNBが協力する形で行われたようです。このテイクでは、主体は、恐らくAceが吹く緩やかでジャジーなサックスが主体をなし、真にフリーな音楽を奏でています。始めはGXの出す通奏低音のようなノイズが聴けますが、途中から観客の歓声らしき音も混じっていますが、、、これはワザと?と言うか、これはライブ音源を使ったスタジオ録音ではないのかな? また、機会がある時に、TNBやGX(The Haters)のことは個別に書きたいとは思いますが、今回はコラボライブ音源と言うことで、細かいことは省略させて頂きました。因みに、両者のキーワードは「ニヒリズム」ですので、そこからの観点で聴いてみても良いかと思います。 この作品も250枚限定のクリア盤なのですが、更に7inchが付いたスペシャルな限定盤(50部)、更に更にこれに7inchが付いてハンドメイドのジャケから成る超スペシャルな限定盤(10部)もあるようです。 もし、ノイズ・ミュージックに興味がある方は、TNB (The New Blockaders)とG.X. Jupitter-Larsen(The Haters)の名前は覚えておいて下さい。きっと良い作品に出会えると思います。 ★A: GX Jupitter-Larsen With The New Blockaders “Live At The Schimpfluch Carnival” (22:44) ★B: Ace Farren Ford & GX Jupitter-Larsen With The New Blockaders “These Things Happen” (14:00) A: GX Jupitter-Larsen With The New Blockaders “Live At The Schimpfluch Carnival” (22:44) https://youtu.be/rCrmC5bzC68?si=GFfO858LgxUP0LZ1 #G.X.Jupitter-Larsen #TheNewBlockaders #RichardRupenus #MarkDurgan #MichaelGilliam #PhilJulian #TheHaters #AceFarrenFord #LiveAtSchimpfluchCarnival #NoiseMusic #LAFMS #LiveAlbum #CollaborationLive #LimitedEditions #250部
Noise Tourette Records 不明Dr K2
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Mars “Mars Archives volume one:China to Mars”
Brian Enoがプロデュースしたことで世界に衝撃を与えたコンピレーション”No New York”の中でも、更に衝撃的だった4人組Mars。近年、発掘音源が出されてきており、これも1977年のライブ音源。まだこの頃はヴェルヴェット・アンダーグランドと影響を感じることができる演奏だが、ここに各パートが合わせることを拒むような彼等の方向性を見出すことも可能。なお、メンバーの内、DrのNancy ArlenとVo/GのSamner Craneは病死している。これはわざわざスペインのレコード店から直で購入した。 Side A China名義 (February & June 1977) A1 “Cry” A2 “No Idea” A3 “Can You Feel It?” A4 “Big Bird” A5 “Red” A6 “Look At You” A7 “E (Early Version)” Side B Mars名義 (September 1977) B1 “Cats” B2 “Cry” B3 “3E” B4 “Plane Separation” B5 “Compulsion” B2 Mars “Cry” https://youtu.be/60fbb724HJU?si=0UiwhlBbXOHjq-00 B4 Mars “Plane Separation” https://youtu.be/XTwKq0ZzjRg?si=_t-Yllm20YawqFGQ B5 Mars “Compulsion” https://youtu.be/WduJVYKb8Kw?si=JTenj7AHihiMDuIl #Mars #MarsArchivesVolumeOne:ChinaToMars #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #China #LiveAlbum #LimitedEditions #800部 #LiveRecording #EarlyRecording #NoWave #ConstanzaBurg #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #SumnerCrane
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam ¥3000くらい?Dr K2