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Bolshie “1979 Unreleased Studio Tracks + Live”
Bolshie (「ボルシー」と発音)、その名前を聞いたのは、まだ私が田舎の高校生だった時だろうか?まあ、当然、その頃は、「東京ロッカーズ」に注目していた訳 で、その第二弾みたいな感じで、東京のパンクバンドのオムニバス「東京ニュー・ウェーブ’79」も発売されていましたが、その時にBolshieの名前だけは知っていました。まだ高校生なのにパンクバンドを組んで、いち早くレコードにも収録されていたのが、そのBolshieだった訳です。何故か、その時は余り聴く気になれず、そのオムニバス・アルバムを購入したのも、随分後の事だったと思います。なので、リアルタイムではBolshieは聴いていませんでした。それで、最近、Bolshieの5枚組CDが発売されたので、ちょっと気にはなっていた所、本作品“1979 Unreleased Studio Tracks + Live“を知ったと言う訳です。先ず、彼等のバイオグラフィーを簡単に書いておきます。1977年頃、英国パンクの洗礼を受けた横山知幸 (G)は、原宿の洋服屋「赤富士」や「極楽鳥」に入り浸り、結構早くからパンク・フッションをきめていました。更に、彼は、洋服屋「Smash」に出入りするようになり、そこで、メンバー募集を介して、Bolshieのオリジナル・メンバーである石田健司 (Vo, B)、村上”またろう”博 (Drs)、タカオ (Vo)と知り合うことになります。これが1978年5月です。彼等は極初期にはRolling Stonesの曲をパンク風にカバーしたりしていたそうですが、その内、オリジナル曲も増えていきます。丁度、その頃、六本木S-Kenスタジオで東京ロッカーズのムーブメントが注目を浴び始めます。1978年8月に、Bolshieは、S-Kenスタジオで初ライブを迎えますが、その前にタカオ (Vo)が脱退しています。ライブは月1〜2回の割合で行っており、その頃、ドラムは田島一史に代わり、またキーボードに岩井博が加入してきます。そうする中にも、初期ピンク・フロイドの影響を受けたり、3拍子の曲を作ったりと自分達のオリジナリティを追求する為に試行錯誤を繰り返しています。1979年までこの状態は続きますが、やがて岩井博 (Kbd)が脱退し、更にギターも持田幸雄に代わって、トリオで活動を続けていました。そして、1979年5月、江古田キッド・アイラックのライブを最後にBolshieは解散してしまいます(Discogsによると、1979年8月5日の新宿ロフトでのライブで解散となっています)。石田はLondonへ渡り、また横山はその影響で、日本のネオ・モッズ・ムーブメントの火付け役となります。 大体の流れはこんな感じでしょうか。本作品は未発表スタジオ録音曲とライブ音源が収録されています。なお、この時のメンバーは、石田健司/ Kenji Ishida (Vo, B), 横山知幸 / Tomoyuki Yokoyama (G, Vo), 田島一史 / Kazuhito Tajima (Drs), 岩井誠 / Makoto Iwai (Kbd)の4人組の頃です。大部分の曲は1979年春の渋谷YAMAHAエピキュラスでのスタジオ録音で、B6-B9が1979年8月5日新宿ロフトでのライブ音源が収録されています。なお、今回のレコード化に当たってのマスタリングは中村宗一郎がやっています。また、A7とB7 “Part-2”は、Pink Floydの"Take Up The Stethoscope And Walk"のパンク・ヴァージョンです。私的には、Bolshieは3人組だと思っていましたので、ここにキーボードが入っているのは意外でしたね。どの曲も初々しいと言うか若々しい荒削りなパンク・ロック・サウンドで、キーボード(多分シンセとか)の効果音的使い方とかペースを中心とした曲の展開とかが、私的には好みでした。先述の「東京ニュー・ウェーブ’79」に収められていた”Robot In Hospital” (私的には好きな曲)もヴァージョン違いで2曲も収録されており、個人的には嬉しかったです。やっぱり、盛り上がりつつあるシーンで活動していたバンドの迫力みたいなものを感じられて、演奏はまだまだ拙いものの、その一旦を聴くことが出来たのは、嬉しい限りです。そんな貴重な音源をちゃんとリリースしてくれたBaseレーベルに大感謝です‼️YouTubeにも殆ど音源はアップされておらず、Bandcampにも無いので、ほんと、有り難かったです!日本のパンク黎明期に興味のある方にはマスト・アイテムですね。また、如何にもパンクらしいごちゃごちゃしたアートワークもグーです。 A1 “Robot In Hospital” A2 “Clockwork Art” A3 “Nostalgic Boy” A4 “Paranoia Place” A5 “Heavy” A6 “M & S” A7 “Part-2” A8 “Patient No. 1984” B1 “殺したい (House Of Wax)” B2 “Old Cheaper” B3 “Nothing” B4 “Like Iran” B5 “1/3” B6 “Paranoia Place (Live)” B7 “Part-2 (Live)” B8 “Nostalgic Boy (Live)” B9 “Robot In Hospital (Live)” [trailer] https://youtu.be/fSlZXCY0rAw?si=I8So0LnPuiCAtJcf “Robot In Hospital” https://youtu.be/xIfmzg7IFxc?si=DlKlbE9FwILwn11O #Bolshie #1979UnreleasedStudioTracks+Live #Base #Punk #Tokyo #1979 #JapanesePunk #石田健司 #横山知幸 #田島一史 #岩井誠 #KenjiIshida #TomoyukiYokoyama #KazuhitoTajima #MakotoIwai
Punk Base 3500円Dr K2
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Lasse Marhaug “Context (Part 1~7)”
付き合いは長いのですが、中々、アナログを入手出来ず、ここまできてしまいました。ノルウェーの実験音楽/ノイズ・ミュージックの重鎮Lasse Marhaugの登場です。彼は1990年から活動を開始し、最初はノイズ・ミュージックのフィールドで活動していましたが、その後、即興音楽、ジャズ、ロック、エクストリーム・メタルなどのフィールドでも活躍しています。多分、皆さんにはJohn HegreとのデュオJazkamer (2004年以前はJazzkammer)が良く知られているかもしれませんね。Marhaugは元々、映像、劇場音楽、ダンス、サウンド・インスタレーションなどでも活動をしていました。来日もしています。彼は積極的にツアーを行い、各地のアーティストと知り合うことで、様々なミュージシャンとコラボなどをしており、一方で、Pica DiscやTWR Tapes或いはSmalltown Supersoundなどのレーベルを複数運営し、また他方でほPersonal Bestと言うファンジン(と言っても、かなり質の高い雑誌ですね)も出版しています。八面六臂の精力的にやっており、未だに現役バリバリのミュージシャンで、そんな彼の演奏はエレクトロニクス、ラップトップ、テープ、ヴォイスからなり、それ故に所謂ラップトップの高速コラージュからドローンまで幅広い音楽性を持っています。また、彼の本職はデザイナーでもあり、そのスタイリッシュなCDジャケなどのデザインはシャープな佇まいをみせています。そんなMarhaugの新作が、本作品である ”Context”です。曲名は全て”Context Part 1”と言うように数字で表され、”Part 1”から”Part 7”までが収録されています(その昔、友人のノイズ・ミュージシャンの1人は曲はできるが、それにタイトルを付けるのが一番難しいと言っていました)。多分、ラップトップを使っていると思われますが、カットアップ・コラージュみたいな使い方はしておらず、割と淡々とした電子音楽/ノイズになっています。曲によってその印象は異なり、割とアンビエントな曲からやや騒がし気な曲まで含まれています。ただ、それでもデジタル独特のややヒンヤリとした音質の音/ノイズ要素がここかしこに感じられます。なので、全体の雰囲気は電子工作音楽のような印象を受けることができますね。そんなに激しくは無く、またハーシュ・ノイズでもないので、デジタル・ネイティブの方はきっと取っ付き易いかもしれませんね。それと.、どうも低音に重きを置いた音作り或いはマスタリングをしているようで、ここら辺も現行のクラブ・カルチャーとリンクするかもしれません。また、幾らデジタルだからと言っても、作られた結果は表情豊かで、有機的ですらあります。正にマジカル‼️とにかく、電子音楽に興味のある方は一度、聴いた方が良いかもしれません。是非是非‼️ B1 “Context Part 4” https://youtu.be/MjO7c8e17bE [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_njN0l8-ghYBr1j6ebdrN-0lMPhWx5FuLQ #LasseMarhaug #Context #SmalltownSupersound #ExperimentalNoise #Experimental #Electronics #LapTop #Digital #Ambient #電子音楽 #SoundDesign
Noise / Experimental Smalltown Supersound 2995円Dr K2
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K2 / Hakobune “Disambient”
ええっ〜‼️K2とHakobuneが一緒にぃー❗️と言う訳で、今回もまた、自分関係のレコードを紹介します。因みに、この作品はコラボではなく、スプリットです。K2についてはちょっと前にも書きましたが、この頃のは第3期K2の時期で、なおかつミキサーのフィードバックを使っていた頃の録音です。強いて言うならば、第3期初期〜中期と言うところでしようか? 一方、Hakobuneは、今や世界中のカセットをいち早く入荷して、日本のカセット・カルチャーを牽引しているTobira Recordsを店主依藤貴大 くんのソロユニットのことです。彼は、アンビエント作家として、2007年頃より、今までに膨大な種類の作品(主にカセット)を世界中のレーベルからリリースしています。そんな依藤くんと何でスプリットを作ろうと思ったのかはよく覚えていないのです。その結果は、まあ当然と言えば当然ですが、K2サイドはもろノイズ・ミュージックを、Hakobuneサイドはゆったりとしたアンビエントを収録しています。また両A面仕様で、ジャケもそれぞれ別のレーベルがジャケのデザインを担当しています。それで、内容をもう少し掘っていきますが、先ず、K2サイドはミキサーのフィードバック・ノイズ(junk electronics)を中心に、生ピアノや電子ヴァイオリンを用いたラウド・ノイズから成る曲”Medal Merq Mehre”(このタイトルは当時、夢に出てきた文字を羅列したものです)を収録しています。この時期はピアノを取り込むことが多かったですね。一方、Hakobuneサイドは、ベースとエフェクターを用いたゆったりと沈み込むようなアンビエント曲”Hange-Ame (半下雨)”を収録しており、さながら、深海に潜っていくような感覚になってきます。お互い、スタイルの違いはあったと思いますが、音楽に真剣に向き合うと言う点で一致していたものと考えます。そんな再生時に音量設定に困るような作品ですが、もし見かけたら、聴いてみて下さい。現物は300部限定です❗️そしてTobira Recordsにも行ってみよう(と言いながら私もまだ行っていないw)❗️ Hakobune / K2 https://k2music3.bandcamp.com/album/disambient #K2 #Hakobune #Disambient #UndergroundPollutionRecords #AutisticCampaign #IkebukuroDada #RohsProd #Anarchofreaksproduction #Pianoise #Cut-UpLoudNoise #Bass #DeepAmbientMusic #SplitAlbum
Noise / Ambient Underground Pollution Records / Autistic Campaign / Ikebukuro Dada / Rohs Prod / Anarcho Freaks Production 不明。Dr K2
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Decimus “Decimus 1”
Decimus??? この名前を聞いて、すぐにピーンと来るリスナーさんは少ないでしょう。私自身も「なんじゃ、これ?」と思った位、地味で、素っ気ないジャケなんで、全然、購入していたことを思い出せませんでした。Decimusは、米国No-Neck Blues Band (NNCKと表記)のメンバーであるPat Muranoのサイドユニットのことです。ここで、NNCKについて少し書いておきます(と言うか、Decimusについては情報が極めて少ないので)。NNCKは、1992年、米国NYCで結成されたフリーフォームな即興音楽集団であり、メンバーはDave Nuss, Keith Connolly, Dave Shuford, Jason Meagher, Pat Murano, Matt Heyner, Micoからなっています。そして彼等は毎週、HarlemのSpaceで演奏しています。あと、John Fell Ryanもメンバーでしたが、彼はExcepterと言うノイズバンドに移っています。各メンバーは色んなバンドのサブメンバーに属しており、例えば、Angelblood, Eye Contact, Izititiz, K. Salvatore, Malkuth, Enos Slaughter, Suntanamaなどなどが知られています。Pat MuranoによるDecimusもその一つと言えましょう。2001年に、彼等のファースト・スタジオ・アルバム”Sticks and Stones May Break My Bones but Names Will Never Hurt Me”は、John FaheyのRevenant Recordsからリリースされています。それ以外にも彼等の作品は彼等自身のレーベルSound Oneからも多数リリースされています。さらに独逸のプログレバンドEmbryoとのコラボ・アルバム”Embryonnck”もリリースしています。このような自由度の高いバンド活動の一つが、Decimusであると言う訳です。ここでは”Decimus 1”を紹介しますが、既に11作まで出ています! そこで、本作品の 内容ですが、 A面B面1曲づつで、タイトルも表記がありません。そこで鳴っている音楽は、不明瞭なヴォイス、竹で出来ているであろうパーカッション、マグマが流れ出すかのようなバックトラックから成るアブストラクトな音風景。しかしながらパーカッション様の連打がメリハリをつけています。音自体はアブストラクトですが、展開があり、またテープの摩擦音或いは鋭いシンセ音のようなアクセントもあるので、すんなり聴き通すことができます。もう片面は秋の虫の音に低音電子パルスが重なり、更にシンセのリフが入ってくると言うアンビエント調の曲から成ります。あと、ジャケは紙ではなく、壁紙仕様なので、その点も評価したいと思います。これを聴いて、他のDecimusシリーズも聴きたくなってきました。皆さん、こう言うアプストラクトは聴きますか?聴くでしょう! A “Untitled” B “Untitled” YouTubeに無かったので、ライブ音源を貼っておきます。ライブはかなりインダストリアル寄り? https://youtu.be/Da1KkVvoUwQ?si=nnoMfgWLq__neGqG #Decimus #Decimus1 #Kelippah #No-NeckBluesBand #PatMurano #Abstract #AbstractNoise #SoloWork #Electro
Experimental Kelippah 不明Dr K2
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Thirdorgan “Jinzojingen (人造人間)”
これはある意味、レアですよ。1990年代に活動していた、大阪のジャパノイズ・ユニットThirdorganのアルバムです。Thirdorganは、大阪在住の清水アキヒロさんが、1990年代初頭からやっているソロ・ノイズ・プロジェクトであり、今でも活動しているようです。当初は多量のエフェクターを使ったテーブル・トップ・スタイルで、所謂「ジャパノイズ」の典型的スタイルでもって大音量のハーシュ・ノイズを奏でていましたが、割と早い時期にラップトップ・スタイルに移行しています。詳しいバイオグラフィーが無いので、これ以上は書けませんが、今も録音物はリリースされているので、そちらの方で確認してください。 それで本作品ですが、全編、砂嵐のような轟々たる大音量の電子ノイズの一斉放射からなります。しかしながら、これが単調にならならず、色んな音像を見せながら、生き物のようにのたうち回る様は快感的でもあります。”Do you Love Hakaider?”や”Do You Believe In Loch Ness Monster?”或いは”Do You Know Glynis Barber?”と言う曲名やジャケがしますように、TVの特撮モノの影響を受けているようです。ここら辺は「時代」ですね。久しぶりに聴いたのですが、良くも悪くも、ジャパノイズを象徴する音だなぁと感服しました。多分今は、ラップトップなので、また違った音(=ノイズ)をやっているのでしよう。なので、1990年代のジャパノイズを知りたければ、このアルバムを聴くことをお勧めします。絶品です!因みにレーベルのHarbinger Soundは親日家のSteve Underwoodが運営しており、来日もしています。 Youtubeになかったので、別の曲で。 https://youtu.be/d4dQw3T03OA #Thirdorgan #Jinzouningen #人造人間 #Hakaider #Harbinger #HarshNoise #Japanoise #AkihiroShimizu #TableTop
Noise Harbinger Sound 不明Dr K2
