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Psychic TV / Z’ev “Berlin Atonal Vol. 1”
このスプリットアルバムを購入したのは、Psychic TVを聴きたかったのでも、Genesis P-Orrifgeのお○んちんを見たかった訳でもなく、ただただ、Z’evの音楽が聴きたかったからなんです。と言う訳で、独逸のBerlin で開催されたフェス”Berlin Atonal (ベルリン無調)”に出演したバンドの内、当時とんがっていた元T.G.のGenesis P-OrridgeのバンドPsychic TVと本名Stefan Joel WeisserことZ’evが選ばれて、このようなライブ録音アルバムの第1弾として本作品がリリースされています。因みに、このシリーズのレコードはVol. 3までで止まっています。先ずはそのフェスBerlin Atonalについて少し紹介します。このフェスは未だベルリンの壁があった1982年から、実験的な音楽アプローチに対するリスペクトが浸透している西ベルリンのKreuzbergで始まり、一旦1991年に休止。2013年に再始動しています.その元々のフェスは、当時からパンクスやアナーキストが集まるライブハウスSO36を会場にして、先鋭的て革新的なパンド(例えば、Einstürzende Neubauten, Psychic TV, Test Dept., 808 State, Nick Cave & The Bad Seeds, Clock DVA, Z’ev, 初期Depeche Modeなど)が集結して成り立っていたフェスであったそうです。音/音楽に対する実験性とそのアートフォームの交換の場として機能していました。その後、ベルリンでは、TresorやBerghainなどの先鋭的クラブ・カルチャー或いはテクノ・カルチャーが花開き、音楽だけではない総合的なフェスとなって復活しています。今回は、その最初のBerlin Atonal フェスからの2組のグループ/アーティストの、ほんの一端を記録したアルバムと言うことになります(意外とPsychic TVはこの後も取り上げららているので、何かコネがあったのだろうか?) それで、今回(Vol.1)で、取り上げられたのは、Psychic TVとZ’evです。ここでは各グループ/アーティストのバイオグラフィーは省略します(また別の機会に単体で紹介していきますね)。先ずはPsychic TVですが、まだ音楽性が確立していない過渡期なのか、単調なビートを刻むドラムの上に、Genesisの呪詛のような叫び声のようなヴォーカルが乗り、更にギコギコしたヴァイオリンやフリーキーなギターなんかが、ぐだぐだにまとわりつくと言うカオティックな音楽2曲が収められています。もう一方のギターの弱々しいリフで辛うじて曲が成り立っています。因みに、この時のメンバーは、Genesis以外には、元妻のPaula P-Orridge, John Gesling, Geff Rushton, Peter Christopherson, Alex Fergussonとなっています。それで、Z’evサイドは、”Titan Night”と題されたメタパー連打の独演会であり、裏ジャケでは、鉄材で組んだ鉄柱からメタパーを吊るしてのパーカッションとしてのメタル・ジャンクをひたすらリチュアルかつトライバルに乱打しまくっていますが、後半はもっと大きな鉄製の大きな箱(?)も連打しており、彼の打楽器奏者としての力量を目の当たりにします。素直にZ’evのメタパー演奏はカッコいいです。実は、私もメタル・ジャンクを集めていた頃、ホームセンターで鉄柱を買ってきて、それを組んで、鉄板を鎖で吊るして録音していた時期がありますが、それはこの時のZ’evのセットと音を真似てみたんですが、意外とメタパーでかっこよく録音するのはむずいと痛感しましたねぇ。まあ、その話しはまたの機会に。それで、本作品は、呪詛的なPsychic TVと、まだ一味違ったトライバルなメタパー演奏を収めた貴重な記録なので、当時が気になる方は、一聴お願いします。追記) Z’evは独逸語では「ツェフ」と読まれて紹介されてましたw ★A1 Psychic TV “Nursery Times” (5:23) Players: Alex Fergusson, Genesis P-Orridge, Geff Rushton, John Gosling, Paula P-Orridge, Peter Christopherson ★A2 Psychic TV “Skinhead Moonstomp 84” (12:25) Alex Fergusson, Genesis P-Orridge, Geff Rushton*, John Gosling, Paula P-Orridge, Peter Christopherson ★B Z’ev “Titan Night” (18:48) side A Psychic TV https://youtu.be/JtDP8ulYXY4?si=ctjSTIDv63ZYEg14 side B Z’ev https://youtu.be/m5NQCkJIeWQ?si=3r72iOd6u7NesIx6 #PsychicTV #Z’ev #BerlinAtonal #AtonalRecords #Berlin #SO36 #SplitAlbum #LiveRecording #ExperimentalMusic #RitualMusic #GenesisP-Orridge #AlexFergusson #GeffRushton #JohnGosling #PaulaP-Orridge #PeterSleezyChristopherson #MetalPercussions #Z’ev(StefanWeisser)
Experimental Music / Ritual Music Atonal Records 不明Dr K2
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Einstürzende Neubauten “Zeichnungen Des Patienten O.T. / Drawings Of O.T.”
やっと辿り着きました❗️独逸が産んだガラクタを音楽に変えてしまうバンドEinstürzende Neubauten(以下ENと表記)❗️1981年に出た”Kalte Sterne”以来、いや,もっと言うなら世紀の名盤”Kollaps”以来、その動向を常に見続けてきたENです。今回、取り上げるのは、彼等の2枚目のレコード・アルバム”Zeichnungen Des Patienten O.T.”(邦題「患者O.T.のスケッチ」)です。この時のメンバーはBlixa Bargeld, Alexander von Borsig, F.M. Einheit, Marc ChungそしてN.U.Unruhの黄金のクインテットです。因みに、このタイトルは、オーストリア生まれの画家Oswald Tschirtner (オズワルド・チルトナー)のことで、彼は第二次世界大戦で捕虜となり、精神を病んで精神病院で暮らしながら、そこで絵の才能を認められたアウトサイダー・アーティストです。また、彼は、精神に障害を持ったオーストリアのアーティストの集団を代表する画家としても知られており、その作品を世に紹介した医師の本のタイトルが、今回のアルバム・タイトルに採用されています。 ENのバイオグラフィーを少し。元々、Bargeldが1980年4月1日に西ベルリンのMoon Clubで何かやらないか?と言われたことから、ENは始まったらしいです。それで、彼はちょとした友人に声をかけて出演しましたが、その友人たちは離れていき、その結果、コアメンバーとなるBargeld、F.M.EinheitとN.U.UnruhでENは本格的に始まったとされています。本当かどうかは分かりませんが、当時、メンバーは極度の金欠だった為、ドラムセットを売り払い、代わりに鉄屑とかを拾ってきて、打楽器代わりにして演奏していたとされています。確かに、ファーストアルバム ”Kollaps”の裏ジャケにはベルリンオリンピック会場跡で、当時使っていた「楽器」がずらりと並べられており、それだけでも飯が3杯食える程、カッコ良かったですね。その後、ENはベース奏者のMarc Chung氏と、当時、西ベルリンで天才少年とまで噂されたAlexander von Borsig (Alexander Hacke)氏が加わります。それにJon Caffery氏も演奏とミックスで関わっています。そうして作製されたアルバムが本作品になります。ENはメタル・パーカッションを初めてロックのフォーマットに落とし込んだバンドであり、本作品でも、充分にメタパーの打撃音などが楽しめます。また、スプリングを用いた自作打楽器や工事現場での削岩機なども使われています。この頃は、BargeldもVo/G担当でしたね(本当にGを弾けるのかは別として)。後,特筆すべきは、歌詞は頑なに独逸語に拘って作られており、その独特の語感やBargeld氏の発声法(特に引き攣るような吸気による発声は思い当たるアーティストではUltra Bideのヒデ氏だけです)で、独自のヴォーカリゼーションを展開している点です。アルバム全体としては、ファーストの”Kallaps”程、混乱したものではありません。寧ろ、より音楽的になっていると思いますが、それでも、「音の出るものは何でも楽器である」的な曲作りには舌を撒きます。正直言って,初め聴いた時はちょっと大人しくなったイメージだったんですが、聴き込むと随所に実験的なミックスが為されていることに気が付きました。そして、ENは非楽器と楽器を組み合わせた独自の路線で進むことになります。しかしなから、Blixaのヴォーカリゼーションは凄いわぁ!そんなENを聴いてみませんか? A1 “Vanadium I-Ching” (4:54) A2 “Hospitalistische Kinder / Engel Der Vernichtung” (5:09) A3 “Abfackeln!” (3:32) A4 “Neun Arme” (2:34) A5 “Herde” (1:24) A6 “Merle (Die Elektrik)” (2:20) B1 “Zeichnungen Des Patienten O.T.” (3:23) B2 “Finger Und Zähne” (0:17) B3 “Falschgeld” (2:42) B4 “Styropor” (2:24) B5 “Armenia” (4:57) B6 “Die Genaue Zeit” (7:06) https://youtu.be/jbwSQqtscD0?si=Am6a_mNYUeQX_joY [full album + bonus tracks] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_krxomPRDeGhy0DFC_gPTt9SS2-jSFsVk0&si=jAz7kvH00r54AA-q #EinstürzendeNeubauten #ZeichnungenDesPatientenO.T. #MetalPercussions #Experimental #Rock #HandMadeInstruments #SomeBizarre #BlixaBargeld #F.M.Einheit #N.U.Unruh #MarcChung #AlexanderVonBorsig #JonCaffery
Experimental Rock / Industrial Some Bizarre 2000円位?Dr K2