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Bangles “Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”
何で?Bangles? とまあまあ、落ち着いて。これでも多少の思い入れがあって買ったんですよ。でももう、35年位聴いてないですけどね。久々に聴き直してみました。それで、先ず、Banglesのバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。Banglesは、1981年に米国CAのL.A.で結成されたガールズ・バンドで、1980年代にヒット曲を飛ばし、有名になりました。もう少し詳しく書きますね。結成時のメンバーは、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Michael Steele (B, Vo)です。元々、HoffsとVicki & Debbi姉妹は、1980年12月にL.A.でバンドを始めようとして、HoffsがThe Recycle紙にメンバー募集をかけ、Annette ZilinskasとPeterson姉妹のハウスメイトでThose GirlsをやっていたLynn Elkindが反応し、色々話しを聞いたりして、最終的に、Annette Zilinskas (B)が加入することになり、そのラインナップで、1981年にThe Coloursとしと言うバンドになります。その後直ぐに、バンド名をThe Bangsと替え、L.A.のペイズリー・アンダーグラウンド界で活動し、1981年に、自身のレーベルDownKiddie Recordsからシングル”Getting Out Of Hand" c/w "Call On Me"を出しています。その後、Faulty Productsと契約し、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Annette Zilinskas (B, Vo)で、1982年にEP"The Real World"をリリース、これがハリウッドのクラブで掛かり、大いに受けますが、同名のバンドがいたことから、バンド名をBanglesにします。それで、最初のEPをBangles名義にして、1983年にリリースし直し、更にリミックス12㌅EPも出しています。このレーベルは、I.R.S. Recordsが配給するようになりますが、Zilinskasは自身のバンドBlood On The Saddleに集中する為、バンドを脱退します。その代わりに、The Runawaysなどに在籍していたMichael Steele (B)が加入します。そうして、1984年に、Banglesのデビュー・アルバム”All Over The Place”がColumbia Recordsよりリリースされ、そのパワー・ポップな音楽が受けます。シングルカットされた"Hero Takes A Fall"や"Going Down To Liverpool"はThe Beatlesっぽくもあって売れます。その時、MVを作製している過程で、HoffsとLeonard Nimoy (スタートレックのスポック役の俳優)は意気投合しています。そして、Banglesはシンディー・ローパのFun Tourのオープニング・アクトも務めています。これを気に入ったプリンスが、元々自身のグループApollonia 6の為に書いた曲"Manic Monday"をBanglesに提供しており、この曲は米・英・独で第2位のヒットを記録しています。そうして、1986年に、彼女らは、本作品でもあるセカンド・アルバム”Different Light”リリースします。より洗練されたアルバムで、Liam Sternbergによって書かれた曲"Walk Like an Egyptian"はナンバー1のヒットとなり、ビルボード200でも2位となり、一気にメインストリームに躍り出ることになります。その後も、1987年には、Simon & Garfunkelの"A Hazy Shade Of Winter"のカバーを出したり、1988年にも、アルバム”Everything”を出したりして活躍しています。しかしながら、誰がメイン・ヴォーカルを取るか?誰が曲を書くか?で揉めてしまい、Banglesは、1989年に解散してしまいます。その後、1998年に、Banglesは、再結成し、映画”Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”のサントラを手掛けていますが、これは、監督がHoffsの旦那だったと言うこともあるようです。2003年にはアルバム”Doll Revolution”を出し、現在も活動中のようです。 と言うのが、Banglesの流れになります。それでは、セカンド・アルバムである本作品を紹介していきます。内容は両面6曲ずつで、メンバーは先述の通りです。 A1 “Manic Monday”は、キッチュなHoffsのVoとキャッチーなメロディで、コーラス・ワークも完璧な曲です。 A2 “In A Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”は、やや激しい曲で、これぞパワーポップと言う感じで、メインVoはVickiが担当しています。 A3 “Walking Down Your Street”は、美しいコーラスで始まり、舌足らずなHoffsのVoが可愛らしいです。途中ブレイクのギターがカッコ良い! A4 “Walk Like An Egyptian (エジプシャン)”もヒット曲で、軽妙なリズムとメロディが心地良いです。Voは、Vicki, Steele, Hoffsがとってます。 A5 “Standing In The Hallway (ホールウェイに立ちすくみ)”は、飛び跳ねるようなリズムがファンキーな曲で、オルガンが効いてます。VoはDebbiですが、コーラスワークが素晴らしいです。 A6 “Return Post”の出だしは、スパイ映画っぽいですが、その後のVickiのVoは可愛らしくて、如何にもアメリカンな曲調です。 B1 “If She Knew What She Wants”は、軽妙なVoが掛け合いが心地良い軽い曲で、メインVoはHoffsです。この曲はシンディー・ローバとの共作も行っているJules Shearによるものです。 B2 “Let It Go”は、アコギも弾きまくりで、素晴らしいコーラスワークを楽しめるテンポがやや早い曲です。 B3 “September Gurls (9月の少女)”は、Alex Chiltonのカバー曲ですが、すっかりBangles風にアレンジされています。VoはSteele。 B4 “Angels Don't Fall In Love (恋に堕ちた天使)”も、ハイテンポの曲で、VickiがVoですが、何処となくカントリー調ですね。最後の木琴が良い! B5 “Following”はアコギをメインにしたカントリー調の弾き語りで、VoはSteele。でも、染みるなぁ。 B6 “Not Like You”では、一転、跳ねるように明るい曲調となり、VoはDebbiが担当していますが、コーラスが素晴らしい! と言う訳で、聴き直しましたが、何だか、青臭い感じがして、ちょっと気恥ずかしいですね。しかしながら、如何にも「アメリカン」な曲やアレンジは流石にセンスを感じますね❗️こう言う「表」のアメリカンから「裏」に行くと、めちゃくちゃ、個人的には好きなポイントなんですが、偶には、「表」のアメリカン・ポップも良いですね! A4 “Walk Like An Egyptian”[live version] https://youtu.be/JA0VfqtIK_A?si=vFH5Ws7nZl73fWju [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lmP1iUgE5IC8hyq-M3vNP4TlEwJ9JakWU&si=WFyHbP1wOGDotSXA #Bangles #DifferentLights #シルバー・スクリーンの妖精 #CBS/Sony #US #AllFemaleBand #PowerPop #Rock #SecondAlbum #Hit #Prince #ManicMonday #WalkLikeAnEgyptian #SusannaHoffs #VickiPeterson #DebbiPeterson #MichaelSteele #AnnetteZilinskas
Rock / Power Pop CBS/Sony 2800円Dr K2
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Lizard “Babylon Rockers (邪都戦士)”
またまた、紹介します。Lizardのセカンド・アルバム”Babylon Rockers (邪都戦士)”です。この時のメンバーは、Momoyo (G, Synth, Vo, Back-Noise), Waka (B, Back-Noise), Bell (Drs, Perc, Back-Noise )に加えて、Kitagawa (G [A6, B1, B3-5], Back-Noise; 元無限水路の北川哲生)となっており、ゲストとしてKoh (Kbd, Casiotone, Back-Noise), Zeldaのメンバー(Back-Vo [B5]), Ichikawa (Back-Noise)が録音に参加しています。プロデュースは、Momoyoこと菅原庸介とKatohが行っており、録音はSunrise Studioで行われています。なお、敢えて、このアルバムには、JJ Burnelのプロデュースでは無いこと、それとシーケンサーは使用していないことが明記されています。個人的には、Lizardに関しては、このアルバムまでは購入しましたが、その後のゴタゴタの噂等が色んな雑誌(この頃は、それ位しか媒体がない)で書かれていたこともあって、急速に興味を失ってしまいました。今回も40数年振りに聴いてみました。なので、個人的思い入れも強いので、各曲の解説は省略させて頂きますます。このアルバムでは、ファーストと違って、サウンド自体は、「日本のバンドらしく」と言うのも変ですが、国内に向けたような雰囲気になっているように感じました。具体的には、Kohがパーマネント・メンバーでなくなった為、キーボードのアレンジがパッとせず、代わりにギターの比重が多くなっています。まあ、それが良かったのか悪かったのかは別の話なんですが。また、A面(Babylon Rockerサイド)での、如何にも「東京」とか「下町」をベースにした曲や歌詞(特にA3 “Asakusa Rock / 浅草六区”やA6 “Moonlight Lover / 月光価千金”)は、東京以外の地方出身のリスナーには共感し辛く、キツかったですね。また、A5 “Kids/Babylon Rocker”やB2 “Kwangju Fighting / 光州市街戦”はまるで、初期のPublic Image Ltdのようなダブ・サウンドで、当時のトレンドもしっかり取り入れていますね。個人的には、当時は、水俣病を独自の表現で指し示したB4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)”が一番響きましたね。 と言う訳で、ファーストと比べて聴いてみると、全体の印象として、Momoyoの独特の視点/単語の選び方/唱法は一貫していると言えば良いのですが、彼のワンマン的或いは個的な側面が強く出てきた印象です。バンドと言う集合体の密度がやや希薄になっている感じですが、これを当時の東京在住のファンの方々とかはどう感じていたのでしょうか?ちょっと興味がありますね。また、このアルバムも2回程再発されていますが、その時に初めて聴いたリスナーさんの感想も聴いてみたいです❗️皆さんはどうですか? A面:Babylon Rockerサイド A1 “Rock 'N' Roll War (宣戦布告)” A2 “Goodbye! Plastic Age (さよならプラスティック・エイジ)” A3 “Asakusa Rock (浅草六区)” A4 “Instant Dream (自動販売機で愛を買ったよ)” A5 “Kids/Babylon Rocker” A6 “Moonlight Lover (月光価千金)” B面: Junky Townサイド B1 “Lizard Song” B2 “Kwangju Fighting (光州市街戦)” B3 “Baby, Hit Yourself (まっぷたつ)” B4 “Sa. Ka. Na. (サ・カ・ナ)” B5 “Gum Gum........ (ゴム)” [full album] https://youtu.be/ELsLxZJFtbo?si=8N8L8Ojewlfg-9QY #Lizard #BabylonRockers #邪都戦士 #KingRecords #Windmill #SecondAlbum #NewWave #PunkRock #JapaneseUnderground #TokyoRockers #Momoyo #Waka #Bell #Kitagawa #AsakusaRock #浅草六区 #Sa.Ka.Na. #サ・カ・ナ
NEW WAVE, Punk Rock King Records (Windmill) 2500円Dr K2
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Lizard “s/t”
私が、まだ田舎の高校生だった頃、東京ロッカーズとかのオムニバスを聴いており、そこに収められているバンドに大層憧れていた訳ですが、国内盤がリリースされたのを知って、早速購入したのが、Lizardのファースト・アルバムです。その頃は良く聴いていました。今回、棚を漁っていたら、見つけましたので、40数年振りに聴いてみましたので、ご紹介します。その前に、先ず、Lizardのバイオグラフィーを書いておきます。1970年頃、灰野敬二の即興演奏のライブにて、初ステージを踏んだMomoyoとKatsuを中心に、幻想鬼、通底器、エレクトリック・モスという名前で活動し、1972年に前身バンドである紅蜥蜴が結成されます。そして、2枚のシングル”Sexus”と”The Destroyer & Another Noise”をリリースした後(因みに、1980年には、唯一のアルバム”けしの華”が出ています)、バンド名が、現在のLizardに改名されて、本格的に活動を開始します。その頃、丁度、日本でのパンク的な活動を始めた5つのバンド(S-Ken, Friction, Lizard, Mirrors, Mr. Kite)が東京ロッカーズを名乗って、六本木S-Kenスタジオを中心に活動を広め、Lizardもそのムーブメントを牽引していきます。ただ、Lizardの音楽性は、もろパンクと言うよりも、キーボードやシンセを積極的に入れたニュー・ウェーブ寄りのサウンドでした。また、当時から、Momoyoのカリスマ性等から人気があり、Lizard Armyと呼ばれる親衛隊もいたそうです。そうして、1978年からS-Kenスタジオで、東京ロッカーズのシリーズ・ギグが行われ、1979年には、オムニバス・アルバム”東京Rockers”に、Lizardも2曲参加しています。その時のメンバーは、Momoyo (Vo, 本名:管原庸介), Waka (B, 本名:若林一彦), Katsu (G, 本名:塚本勝己), Koh (Synth, 本名:中島幸一郎), Belle (Drs, 本名:吉本孝)でした。同年11月に、King Recordsより、本作品であるセルフ・タイトルのファースト・アルバムを、英国The StranglersのJean Jacques Burnelのプロデュースでリリースしています。録音は、英国LondonのEden Studioで行われおり、その際には、Jean Jacques Burnel & Rowena Doe (Back-Vo)もゲスト参加しています。同時に、シングル”T.V. Magic”もリリースされています。この英国録音の為か、JJのプロデュースと為か、当時は大きな反響がありましたが、この渡英の為の資金繰りで、後にバンド・メンバー脱退が引き起こされたと言う噂もあります。1980年には、Momoyo自身のプロデュースで、セカンド・アルバム”Babylon Rockers”とシングル”浅草六区”がリリースされており、インディー・レーベルJunk Connectionより、Momoyo & Lizard名義で、水俣病をテーマにしたシングル”Sa Ka Na”をリリースしていますが、メンバーの交通事故や相次ぐ脱退、フロントマンのMomoyoの麻薬取締法違反容疑での逮捕(この時、裁判資金のカンパに対するお礼の意味で、シングル”Save Momoyo”がライブで無料配布されています)などが重なり、以降は断続的活動になっていきます。そんな中で、1981年には、サード・アルバム”Gymnopedia”をTrio Recordsからリリースしています。その後は、Momoyoは、元P-Modelの秋山勝彦と一緒に活動したり、ソロ・シングルをTelegraph Recordsよりリリースしたりしていますが、1986年に、Telegraph RecordsからLizard名義でミニアルバム”変易の書”をリリース、更に翌年にもアルバム”岩石庭園”をリリースして、活動を休止しています。そうして、2009年に、オリジナル・メンバーのMomoyo, Waka, Kohに加えて、Kieth (Drs, 元ARB)を加えて復活し、1973年〜2008年の全曲を網羅した10枚組CD+未公開ライブ映像DVDのボックス・セット”Book of Changes - Complete Works of Lizard”をリリースし、同年には、22年振りのスタジオ・アルバム”Lizard IV”をリリースしています。そして、2010年には、新宿Loftでワンマン・ライブを行い、その時には、30年振りにJJ Burnelと共演しています。現在はどうなっているのかは定かではありませんが、ただ、ベースのWakaは、国会前での反原発運動やロックバンドLoud Machineにも参加していました。個人的には、SNSで繋がっていましたが、つい最近(2023年)、アパートで孤独死していたのが見つかったと聞いています。 Lizardのバイオグラフィーは大体、こんな感じです。それでは、彼等のファースト・アルバムでもある本作品”Lizard”の内容を紹介したいと思います。メンバーは、先述のように5人組と言う最強の布陣で、JJ Burnelプロデュースによる英国録音(多分、日本のロックバンドでも海外録音としては早い方ではないかな?)と言う話題性もあって、当時のリスナーは大きな期待を持って聴いていたと思います(私もそうでした)。A面5曲/B面6曲が収録されており、地引雄一氏の写真を使ったジャケ写のイメージが、そのサウンドにもマッチしています。今回は、私自身の思い入れが強過ぎるので、各曲の解説はしませんが、本作品でのサウンドは、Wakaによる太く存在感のあるベースとKohのソフイストケートなシンセに、Momoyoの押し潰したような独特のヴォーカルが加わって、当時としては、例外的にタイトでカッコ良い仕上がりになっていたと思います。歌詞は全て日本語なんですが、何となく、当時、関心がありそうな/話題を呼びそうな/反発的な単語(例えば、「プラスティック」/「コンピューター」/「TV」/「マーケッティング」/「コンビナート」などのアンチ・ヒューマン或いは人工物や物質主義など)を選んで使ったり、時には自己陶酔的な詩的表現と混在したりして、今聴くと、何かあざといと言うか気恥ずかしいと言うかそんな感じもしますし、また、Momoyoの声質/唱法が独特なので、好き嫌いは分かれるのではないかと思います。ただ、アルバム全体のサウンドは、単にパンクとかニューウェーブとかの枠では収まらない絶妙なコンビネーションによって支えられており、今聴いても完成は素晴らしいです❗️それが、JJ Burnelのプロデュースによるかどうかは分かりませんが。その後も何度か再発されており、その時代時代での評価なんかも気になるところではあります。皆さんはどうですか? A1 “New Kids In The City” A2 “Plastic Dreams (プラスティックの夢)” A3 “Radio Controlled Life” A4 “Guyana (ガイアナ)” A5 “Asia (記憶/エイジャ)” B1 “T.V.Magic” B2 “Market(Ing) Research (マーケット・リサーチ)” B3 “Don't Touch The Switchboard (そのスウィッチに触れないで)” B4 “Modern Beat” B5 “Love Song” B6 “Kingdom (王国)” [full album] https://youtu.be/uWOKqNKL6IE?si=rKV67XdqCuS73qYZ #Lizard #KingRecords #Windmill #Change2000 #FirstAlbum #TokyoRockers #JapaneseUnderground #NewWave #PunkRock #UKRecording #Synthesizers #YosukeSugawara #JeanJacquesBurnel #Producer #Momoyo #Waka #Katsu #Koh #Belle
Punk Rock / New Wave King Records (Wildmill / Change 2000) 2500円Dr K2
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Lou Reed “Berlin”
またまた、紹介します。「私の趣味外」だけれども持ってるレコード、それはLou Reedのソロ3作目”Berlin”です。多分、当時は、勉強のつもりで購入したのだと思いますが、それ以来、殆ど聴いていませんでしたね。Lou Reedと言うと、The Velvet Undergroundの創設者/メンバーであった訳で、ここで、私がごちゃごちゃ言うよりも詳しい方は沢山いらっしゃるとは思いますが、まあ、私個人の整理も兼ねて、紹介していきたいと思います。Lou Reedと言えば、米国の音楽家/作曲家/詩人/写真家である訳ですが、NYC生まれで、その音楽のキャリアは、1958年に、高校生バンドThe Jades (ドゥーアップ・グループ)のメンバーとして録音したことから始まっています。その後、彼は、1960年代初頭に、Syracuse大学に進学した時に、神経衰弱から鬱や不安神経症などを発症し、その為に、電気ショック療法(ECT)を受けています。後に、この時の経験を”Kill Your Sons”と言う曲にしています。また、この時期に、Reedは、一時的な記憶喪失と同時に、自分がホモセクシャルではないかと思い込むようになります。そのなこともありましたが、彼は大学で、詩について学んでいましたが、様々なバンドを結成していました。しかし、そこで彼は、自分の指導教官でもある詩人/作家Delmore Schwartz教授に大きな衝撃を受けており、後にThe Velvet Undergroundの曲”European Sun”を捧げています。それで、卒後に、Pickwick Recordsの専属のソング・ライターとなりますが、やがて、1964年に、John Caleと出会い、The Velvet Undergroundを結成しています。ここら辺の経緯は以前にThe Velvet Undergroundの作品を紹介した時に書いていますので、はしょります。結局、Reedは、1970年にThe Velvet Undergroundを辞めています。その後、家計を助けることもあって、1971年にRCA Recordsと契約し、初のソロアルバム”Lou Reed”を英国Londonで、Yesのメンバー達やセッション・ミュージシャン達と作製、しかしながら、このアルバムは、評論家受けは良かったのですが、余り売れませんでした。その後、Reedは、1972年11月に、よりコマーシャルな作品として、David BowieとMick Ronsonの共同プロデュースで、アルバム”Transformer”をリリース、特に英国のリスナーを意識して作られたそうです。シングルカットされた"Walk on the Wild Side"は、実は1960年代後半にAndy WarholのThe Factoryでの様子を歌ったものだそうです。その後、ReedはBowieとつるむようになりますが、Reedが暴力を振るうようになって、Bowieは離れていきます。1972-1973年は、NYのバー・バンドThe Totsを引き連れて、”Transformer”のツアーを行なっていましたが、更に鍵盤奏者のMoogy Klingmanを加えた5人体制で、次の録音に取り掛かります。それが、本作品でもある”Berlin”で、1973年から作製されますが、丁度、ReedがBettye Kronstadと結婚した時期でもあり、コンセプト・アルバムとなっています。つまり、DVやアル中、売春、死と言ったネガティブで退廃的なテーマを持った曲を収録しています。その為、評論家や同業からは酷い評価でしたが、2003年には聴くべきアルバム500にも選ばれていまし、英国アルバムチャートでは7位になっています。それでも、余り売れなかったこともあり、Reedは、Blood, Sweat & TearsのSteve Katzと組んで、The Velvet Undergroundの完全なるライブ・バンドを目指し、その結果、1974年2月にアルバム”Rock’n’Roll Animal”をリリースします。このアルバムには、The Velvet Underground時代の曲が多く含まれていますが、これで漸く、Reedが求めていたライブ・ロック・サウンドが完成したと言われており、事実、このアルバムは、ビルボード200で、28週間連続で最高45位までいき、Reed最大のヒット作となっています。その後、1974年8月に、アルバム”Sally Can't Dance”をリリース。1970年代のReedは、アルコールとメタムフェタミンの中毒で、時にはステージに立たない/許可が降りない状態でした。そんな中で、1975年にリリースされたのが、ロック史上最大の問題作”Metal Machine Music”です。ギターのフィードバック音が延々と続く2枚組アルバムで、Reed自身はLa Monte Youngのドローン・ミュージックに触発されたと言っていますが、当時のファンや評論家からは最悪と評され、数週間で何千枚の返品があったそうです。そして、同年リリースされたアルバム”Coney Island Baby”は、当時のReedのトランスジェンダーのパートナーRachel Humphreysに捧げた作品になっています。その後、1978年には、当時、勃興してきたパンクロック・シーンにインスパイアされて作製されたアルバム”Street Hassle”をリリースし、NYパンクの殿堂CBGBでもライブをやっています。1979年には、ジャス・トランペット奏者Don Cherryをゲストにアルバム”The Bells”をリリースし、欧州/米国ツアーを行なっています。取り敢えず、Lou Reedのバイオグラフィーは長いので、今回は1980年手前までとしておきます。 それで、本作”Berlin”について紹介していきたいと思います。先述なように、ネガティブな要素の多いアルバムなので、リリース当時は全く良い評価はされていませんでした。それはプロデューサーのBob EzrinがReedに推し進めたようで、JimとCarolineが、ドラッグに溺れ、売春をし、鬱になり、DVが酷くなり、そして自死すると言う「堕落した」ロック・オペラになっています。このアルバムには、Lou Reed (Vo, A-G, Choir), Bob Ezrin (Piano, Mellotron), Steve Hunter (G), Dick Wagner (G, Choir), Jack Bruce (B [A2, B2以外]), Aynsley Dunbar (Drs [A2, B2以外]), Steve Winwood (Hammond organ, Harmonium), Michael Brecker (Tenor Sax), Randy Brecker (Trumpet), Tony Levin (B [B2]), B. J. Wilson (Drs [A2, B2]), Allan Macmillan (Piano [A1]), Gene Martynec (A-G, Synth [B3], B [A2]), Jon Pierson (Bass Trombone), Blue Weaver (Piano [A3]), Steve Hyden (Choir), Elizabeth March (Choir)が参加しています。では、各曲を紹介していきます。 A1 “Berlin”は、いきなりカオスなテープ音とリリカルなピアノで始まり、呟くような音量でReedのヴォーカルが入っています。 A2 “Lady Day”は、オルガンとピアノの効いたシアトリカルなロックで、緩急の付け方が絶妙です。サビの部分は印象的です。 A3 “Men Of Good Fortune”は、Reedのヴォーカルから始まる曲で、ここではギターやベースの存在感も負けてはいません。割とドラマチックな曲ですが、歌詞の内容自体はネガティブっぽいです。 A4 “Caroline Says I”は、DVに関する曲らしいのですが、割と明るめの曲調で、アコギが中心になって、途中ではメロトロンも高らかに奏でられています。また、歌詞も余りDV的な内容ではない様に思います。 A5 “How Do You Think It Feels”は、A4と連続して始まり、Reedの独特のヴォーカルが活きている曲となっていますが、どうも歌詞の内容はドラッグを暗に指し示しているようです。そのせいか、曲の後半はプラスとギターが響き渡ります。 A6 “Oh, Jim”では、フェイド・インしてくるドラムに、Reedのヴォーカルもブラスとが絡み合うゴージャスな曲なんですが、後半にアコギ一本をバックにロックンロール調にReedが歌う部分があり、ちょっとフラッシュバックしました。歌詞は暗にJimの自堕落な生活とCarolineへの強制を歌っているように感じました。 B1 “Caroline Says II”は、A4のリフレーズから成るアコギとピアノのバックで独白の様に歌われますが、歌詞は、愛するが故の暴力とかDVとかを示唆していると思います。しっとりした曲調がより一層そのことにスポットします。 B2 “The Kids”も、アコギをバックに独白調にReedが切々と歌っていますが、どうも歌詞の内容は大人になり切れない2人(或いはCaroline)がやがて、立ちんぼになってしまう様子のようで、スライドギターの音色と最後の赤ん坊の泣き声や叫び声がやるせないです。 B3 “The Bed”も、アコギをバックに独白調なんですが、Reedの声は消え入りそうで、Carolineの自殺を思わせる曲になっています。もう取り返しが付かない感じです。 B4 “Sad Song”は、B3から連続していますが、何故か、ブラスやギターも入ってきて、上を向いて生きよう的な雰囲気にもなりますが、逆を言えば、フランダースの子犬のように天に召された後のJimの心境かも知れませんね。 この作品に関しては、歌詞が非常に重要だと思いますので、是非国内盤で聴く方が良いです。と言うのも、このアルバムが、ロック・オペラとして作製されていますので、アルバム自体に物語り性があり、JimとCarolineが、退廃と混乱の街Berlinで会い、ドラッグに溺れたり、暴力を振るったり、そのせいでCarolineが売春したり、でもやっぱり辛くて彼女は自殺してしまい、それをJimは呆然と見て、俺は何てことやってたんだ!と言うところまで、理解しないと中々、この作品の本質には辿り着けないかと感じました(解釈は他にもあるとは思いますが)。そう言う意味では非常に良く出来たアルバムだと思います❗️青二歳の当時の自分に言ってやりたくなりました!まあ、なので、ノリの良い曲は殆ど無いんですが。 A1 “Berlin” A2 “Lady Day” A3 “Men Of Good Fortune” A4 “Caroline Says I” A5 “How Do You Think It Feels” A6 “Oh, Jim” B1 “Caroline Says II” B2 “The Kids” B3 “The Bed” B4 “Sad Song” B1 “Caroline Says II” https://youtu.be/Y793DlD0Sxg?si=Ih-dcdiMdfNeWXY3 [full album] https://youtu.be/GyhJh1SMpVg?si=F9qvrDqZDXiRf92f #LouReed #Berlin #RCA #3RdSoloAlbum #RockOpera #ConceptualAlbum #Psychedelic #Jim&Caroline #BobEzrin #SteveHunter #DickWagner #JackBruce #AynsleyDunbar #SteveWinwood #MichaelBrecker #RandyBrecker #TonyLevin #B.J.Wilson #AllanMacmillan #GeneMartynec #JonPierson #BlueWeaver #SteveHyden #ElizabethMarch
Rock / Psychedelic RCA 1800円?Dr K2
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James Blood Ulmer “Black Rock”
ちょっと意外なモノも投下。何で買ったか?よく覚えていないJames Blood Ulmerの日本盤で、彼の4枚目のアルバム”Black Rock”を紹介してみます。「みます。」と言うのも、私自身はブラックなものはてんで駄目なんで、これを聴き直して、さて、どうしたもんか?と思う可能性もありますので、そのような表現になってしまいました。なので、これも買ってから、40年位聴いていないんですよ。それなので、先ずは簡単に彼のバイオグラフィーを紹介したいと思います。James Blood Ulmer、本名Damu Mustafa Abdul Musawwir。米国サウス・カロライナ出身のブルース、ジャズ、フリー・ファンクのギタリストでありヴォーカリストです。彼のキャリアは、1959年〜1964年にビッツパークでのソウル・ジャズ・アンサンブルで始まり、1964年〜1967年はOhio州Columbusに移り、1964年にオルガン奏者Hank Martとの録音を行い、その後、1971年にNYCでArt Blakey’s Jazz Messengersに加入しています。1970年代には、UlmerはOrnette Colemanと一緒に演奏するようになり、Colemanにとって、初めてのエレキ奏者となり、フュージョン志向だったColemanの信頼を勝ち取っています。Ulmerは、また、Arthur Blytheの2枚のアルバム、1979年作”Lenox Avenue Breakdown”と1980年作”Illusions”に参加、同時にColumbiaレコードと契約を結びます。その勢いで、彼は、3枚のアルバム”Free Lancing”, “Black Rock”, “Odyssey”をOdyssey The BandのドラマーWarren Benbowとヴァイオリン奏者Charles Burnhamと共に作り上げます。このトリオは評論家に"avant-gutbucket"と呼ばれ、「Skip JamesとAlbert AylerがMississippi Deltaでジャム・セッションをしているようだ」と評されています。また、1980年代になると、彼は、David Murrayと共にUlmer formed Music Revelation Ensembleを結成し、このアンサンブルは、後にはArthur Blythe, Sam Rivers, Pharoah Sanders, John Zornを加えて、1990年代まで続きます。また1980年代には、Ulmerは、Sax奏者George AdamsとPhalanxカルテットも結成し、よりブルース志向のアルバム”Memphis Blood”, “No Escape from the Blues”, “Bad Blood in the City”, “Birthright”をリリースしています。Ulmerは、2005年に、ある雑誌のインタビューで、「ギター・テクニックはJimi Hendrixの死後、発展していない」と発言し、更に、「もしかしたら、ピアノのようにギターも終わりかもしれない」とも発言しています。その後、2009年に、Ulmerは、レーベルAmerican Revolutionを設立。そして、2011年春には、James Carterのオルガン・トリオにゲスト出演し、Blue Note New Yorkで6晩連続で演奏しています。大体の彼の流れはこんな感じですが、私には今一ピーンとはきませんでした。 それで、本作品を聴いてみて、紹介していきたいと思います。内容はA面4曲/B面5曲で、Damu Mustafa Abdul Musawwir & James Blood Ulmer (G, Vo)の他、Amin Ali (B), Ronald Drayton (Rhythm G [A1-A4, B2, B3]), Grant Calvin Weston (Drs), Cornell Rochester (2nd Drs [A1, A3, B1-B3]), Sam Sanders (Sax [A3, B3]), Irene Datcher (Vo [A4, B2])と言う布陣で録音をしています。 A1 “Open House”は、ゴリゴリしたベースと複雑かつノリの良いビートを叩き出すドラムが自由自在に演奏され、その間を、Ulmerのフリーキーなギターが駆け巡る熱いインスト曲です。 A2 “Black Rock”では、複雑かつバネのある演奏に黒人独特のソウルフルなヴォーカルも聴くことが出来ます。結構、ギターが即興的に弾きまくられてますね。 A3 “Moon Beam”も、スラップ奏法も交えたファンキーなベースとドラムの強力なリズム隊と要所要所を押さえたギターに加え、フルートやサックスも入ってくるインスト曲です。 A4 “Family Affair”では、しっとりと始まり、女性ヴォーカルとUlmerのデュエット/掛け合いで、結構、落ち着き気味ですがソウルフルに仕上がっています。しかしながら、盛り上がる所は盛り上がる緩急のついた曲です。 B1 “More Blood”は、トリオによる完全即興演奏で始まりますが、その内、グルーヴが生まれていくのてすが、あくまでもフリーな演奏に始終する、カッコ良いインスト曲です。こう言うのは好きですよ、私も! B2 “Love Have Two Faces”は、今までと一転して、落ち着いたブルース調の曲で、Ulmerのヴォーカルも沁みますね。しかしながら、サビではニューウェーブみたいな曲調に変わり、彼のキャパの広さを感じます。 B3 “Overnight”では、再び、トリオにサックスを交えた強力なバネのあるフリーキーなファンク・サウンドをぶちかましてくれます。途中のドラムソロもカッコ良し!なお、これもインスト曲です。 B4 “Fun House”は、怪し気で完全フリーな即興演奏から始まりますが、アイコンタクトなのか、ブレイクが決まるので、垂れ流しにならないです。また、この曲はヴォーカルも入っているのですが、ソフトな印象で、それ程「黒く」はないです。因みにヴォーカルはベースのAliみたいです。因みにThe Stoogesの曲とは同名異曲です。 B5 “We Bop”は、やはり、基本に戻って、ファンクな曲なんですが、単に踊らせるだけではなく、複雑なリズム構造や流れを持っており、正しくフリー・ファンクとも言うべきインスト曲になっています。 それで、40年振りに聴いてみたのですが、単にファンクとかソウルと言う訳ではなく、かなりフリー・インプロヴイゼーションの要素が強く、それがあって、このアルバムを買ったのだなと一人納得しました。ただ、如何にもソウルフルなヴォーカル曲はやはり苦手ですね。インスト曲は単純に強力な演奏に感服しました❗️また、これからは「黒い」音楽も聴いていこうとおもいました。 A1 “Open House” A2 “Black Rock” A3 “Moon Beam” A4 “Family Affair” B1 “More Blood” B2 “Love Have Two Faces” B3 “Overnight” B4 “Fun House” B5 “We Bop” https://youtu.be/OKUrb0Rw-4Q?si=qbNfss8HgGga3Ssx #JamesBloodUlmer #BlackRock #CBS/Sony #4ThAlbum #FreeFunk #Soul #Blues #Improvisation #DamuMustafaAbdulMusawwir #GrantCalvinWeston #CornellRochester #AminAli #RonaldDrayton #SamSanders
Free Funk / Soul CBS/Sony 2500円?Dr K2
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ヒカシュー “s/t”
これはこれは、危うく忘れそうになってしまうところでした。ヒカシューのファースト・アルバムです。当時は、P-ModelとPlasticsと共に「テクノ御三家」と呼ばれてましたね。そのバンドの成り立ちについては以前に書いてありますので、そちらをご参考にして下さい。ただ一つだけエピソードを。まあヒカシューはキーボード2人にル・インチの3人が合体して出来たバンドですが、彼等が活動していて、少し認知度が上がった頃、何と大阪Vanity Recordsからアルバムを出さないか?と(故)阿木譲さんより声がかかったらしいのですが、良く考えたら、機材を持って行く手段が無いことに気付いて、結局、断ったとのこと。もし、それが実現していたら、また変わったのかもしれませんね。それで、当時、イケイケだった(?)近田春夫さんにプロデュースしてもらって、このデビュー・アルバムが出来上がったと言う訳です。それで、当時、田舎の高校生だった私は、このアルバムを早速購入し、当時はヘビロテしてましたね。特にA6 “プヨプヨ”とB6 “幼虫の危機” (この曲はヒカシュー結成前に巻上さんがディレクションした演劇の劇中歌からきています)は、毎日聴いてから登校してました。まあ、今から思うと、彼等の「変態性」に陶酔していた、遅れてきた厨二病だったのでしょう。まあ裏ジャケは、如何にも「テクノポップ」と言う感じで、そそりましたが、、、。この時期のメンバーは、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 海琳正道 (G, Vo), 戸辺哲 (Sax, Clarinet, G, Vo), 井上誠 (Mellotron, Synth), 山下康 (Synth, Rhythm-Box)でしたが、アルバムの録音には、ゲストとして、高木利夫 (Drs). 泉水敏郎 (Drs), 若林忠宏 (Sitar, Tabla), 菅谷憲 (Chorus), 森勉 (Chorus), そしてPhewことモリタニ・ヒトミ (Voice)も参加しています。ある意味、象徴的だったのが、Kraftwerkの”The Model”の日本語カバー(A2)を演っていることですね。また、戸辺さんのフリーキーなSaxや海琳の巧みなギター、そして変態的な曲を作る山下さん(ひょっとしたら「プヨプヨ」は独逸Clusterの”Zuckerzeit”A1からヒントを得たのかな?)も凄かったです。決して、それまでのロックとかポップとかの様に「カッコつけた」ところが無く、どちらかと言うと「ダサい」んですよ。まあそれは近田さんのプロデュースもあったのかなあと想像しますが、意外と本人達のキャラなのかもしれませんね。そんな彼等の出発点を聴いておいても良いのではないでしょうか? https://youtu.be/ua1BN8w6Iik #ヒカシュー #FirstAlbum #Eastworld #TechnoPop #NewWave #テクノ御三家 #Synthesizers #Sax #Mellotron #RhythmBox #Guitar #Bass #Vocal #巻上公一, #海琳正道 #戸辺哲 #井上誠 #山下康 #プヨプヨ #幼虫の危機 #モデル
Techno Pop / New Wave Eastworld ¥2500Dr K2
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巻上公一 “民族の祭典”
今回は、ヒカシューでもお馴染みの巻上公一さんのソロアルバム「民族の祭典」を紹介します。この作品はソロとしてはファースト・アルバムになります。1978年にヒカシューを結成し、独特のヴォーカル・スタイルで異色の「テクノ御三家」の一つとなっています。その時は、巻上さんはベースも弾いており、時にはトランペットも吹いていました。その後、ヒカシューはサード・アルバム「噂の人類」にて脱テクノ化をはかり、メンバーチェンジを経て、現在は即興と楽曲の間を行き来する特異なポジショニングを得て、世界中でフェスなどに参加、好評を得ています。そんなヒカシューのメイン・ヴォーカルの巻上さんですが、現在は、口琴やテルミンも演奏しており、トゥパホーメイの日本支部にも携わっている活動家でもあります。それで、今回、ご紹介するのは、巻上さんのファースト・ソロ・アルバム「民族の祭典」です。参加者は、巻上公一 (Vo, B, Trumpet), 泉水敏郎 (Drs), 立花ハジメ (G, Alto-Sax[B3, B5]), 海琳正道 (G), 板倉文明 (特殊チューンドG [A4,B3]), 上野耕路 (A-Piano [A5], Synth [A3, B1]), 柿崎譲二 (A-Piano, Accordion [A2]), 山下康 {Piano, Vibraphone, Perc, Alto-Sax), 井上誠 (Synth), 戸川純 (Vo [B2])で、アレンジは巻上さんが、プロデュースは巻上さんと海琳でやっています。まあ選んだ曲もヴァラエティに富んでおり、民族音楽から民謡や古い歌謡曲、更にはヒカシューの曲の別アレンジまで含んでいます。A1 「森の小人」ではエセ民族音楽風のシンセや途中にフリーな部分も含みます。A2「国境の町」やA3「桑港のチャイナ街」は古い歌謡曲ですが、巻上さんのヴォーカルが良く合っています。A4「アルタネイティヴ・サン」はヒカシューのセカンドアルバム「夏」に収録されてた曲をアコースティックかつスローかつインド音楽風にアレンジし直した曲。A5「私の青空」は米国音楽家Walter DonaldsonとGeorge Whitingと”My Blue Heaven”をアレンジしたシャレ乙な曲ですが、最後にパンク調に。B1「イヨマンテ(熊祭)の夜」は巻上さんのヴォーカリゼーションが最もマッチした民謡。B2「おおブリネリ」では戸川さんと巻上さんのVoのせめぎ合いとそのバックの即興演奏が如何にもな出来です。B3「マヴォの歌」は民謡(?)をアレンジした曲で少しコミカルにアレンジしてあります。B4 「赤い靴」は民謡ですが、かなり不気味にアレンジされてます。B5「不滅のスタイル」はこの頃のヒカシューとしても良い曲で、これで締めています。もし、巻上さん初期の活動に興味がある方は、是非とも押さえておくべき作品だと思いますよ。 https://youtu.be/DZFDF1XmPjU #巻上公一 #民族の祭典 #Eastworld #東芝EMI #SoloAlbum #First #ヒカシュー #Vocalist #民謡 #民族音楽 #WorldMusic #Folk #歌謡曲 #Self-Arranged #泉水敏郎 #立花ハジメ #海琳正道 #板倉文明 #上野耕路 #柿崎譲二 #山下康 #井上誠 #戸川純
Experimental Pop / Vocalization Eastworld (東芝EMI) 2500円位?Dr K2
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Sham 69 “That’s Life”
このアルバムは高校生の時に買ったアルバムで、パンクに興味がかなりあった頃ですね。そうです、Sham 69のセカンド・アルバム”That’s Life”です。諸パンクですね。最初にバイオグラフィーを簡単に書いておきます。Sham 69は、1975年にSurreyのHershamで、Jimmy and the Ferretsとして結成されました。「Sham 69」と言うバンド名は、建物の壁に描いたサッカーチームの落書きから取っています。Walton and Hersham ‘69と描かれていた文字が一部消えかかって、Sham 69と見えたので、それをJimmy Purseyがバンド名にしたとのことです。それで、Sham 69ほ1976年11月号のNMEにリハのことが掲載されていました。ヴォーカルのJimmy Purseyだけが今後オリジナルメンバーとなります。最初、ギターはJohnny Goodfornothing (本名John Goode)とNeil Harrisでしたが、彼等はDave Parsonsと交代します。ドラムのBilly Bostik (本名Andy Nightingale)もMark Cainと交代しましたが、ベースのAlbie Slider (本名Albie Maskell)は残って、1977年に彼等のファースト・シングル”I Don’t Wanna”をインディーレーベルStep Forward RecordsよりJohn Caleのプロデュースでリリース。その後、ベースのSliderがDave Tregunnaと交代。この時のラインナップが1979年まで続きます。1978年1月、シングル”Borstal Breakout”で英Polydor Recordsよりメジャー・デビューします。Sham 69は他のパンクバンドと異なり、アートスクール出ではなく、サッカーのクラブとの関係が大きかったこともあって、労働者階級のリスナーから支持を受けています。それで、Sham 69のスタイルは、サッカーの応援歌のような一体型のシンガロングスタイルを取り、後のOi!パンクの元になったとも言われています。ただ、ライブではパンクスとスキンズが喧嘩ばかりして、ライブ活動に支障をきたすようになります。逸話として、1978年のLeding Festivalて、”If The Kids Are United”を歌って、観客の喧嘩を止めようとしましたが、全く収まらない状況に絶望し、Purseyはステージ上で泣いたというものがあります(本人は否定)。また英国の極右団体National Frontが暴れて、ステージをめちゃくちゃにしたこともあったみたいです。ただ、レコードは商業的にも成功しており、1978年にファースト・アルバム(スタジオトラックとライブトラックから成る)”Tell Us The Truth”をリリース、同年には、本作品でもあるセカンド・アルバム(スタジオアルバム)”That’s Life”をリリースします。この頃になると、バンドの人気はTop of the Popsに出演したり、映画”D.O.A.”への出演で盛り上がります。しかしながら、1980年にバンドは、4枚目のアルバム”The Game”をリリースして、解散してしまいます。Purseyは、Sex PistolsのSteve JonesとPaul CookとSham Pistolsをやりますが、短命に終わり、ソロで活動していきます。しかしながら商業的成功には恵まれません。その後、1988年にPurseyとParsonsによってSham 69は再結成されます。あとは色々あって、Sham 69を名乗るバンドが2つ存在するようになり、現在に至っています。 それで、本作品の内容なんですが、とにかく、声を挙げて歌い易いパンク・ソングが目白押しで、更に、曲間には何気ない労働者の日常会話を挿入しているところもポイント高いです。まあ、当時は私も田舎の高校生だったこともあって、その熱量と取っ付き易さに一時期ヘビロテしてましたね。今回、40数年振りに聴いたんですが、ブルース臭い曲や日常会話のバックで流れるレゲエ調の曲などもあって、メリハリのついたアルバムになっています。まあ日常会話と言うのは、訳を見ると、ある英国の庶民的な青年が会社に遅刻して、それでクビになり、パブち行って、友人とダベったり、女の子にちょっかい出したりと言うようなものなのですが、当時はそうなんだぁと感心してました。あとPurseyの濁声なヴォーカルは矢張り唯一無比ですね。そんなアルバムですが、当時の熱気をも感じることが出来るので、興味のある方は聴いてみて下さい。 A1 “Leave Me Alone” A2 “Who Gives A Damn” A3 “Everybody's Right, Everybody's Wrong” A4 “That's Life” A5 “Win Or Lose” B1 “Hurry Up Harry” B2 “Evil Way” B3 “Reggae Pick Up Part I” B4 “Sunday Morning Nightmare” B5 “Reggae Pick Up Part II” B6 “Angels With Dirty Faces” B7 “Is This Me Or Is This You ?” https://youtu.be/Aa_TSPfLHuo?si=UeEAc593oyamW29E #Sham69 #That’sLife #PolydorRecords #Punk #SecondAlbum #StudioAlbum #Oi!Punk #Football #SingalongStyle #JimmyPursey #Dave Parsons #BillyBostik #MarkCain #AlbieSlider #DaveTregunna
Punk Polydor Records 不明Dr K2
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The Pop Group “Y (最後の警告)”
アンファン・テリブルだった英国のポストパンクバンドThe Pop Groupのファースト・アルバム”Y (最後の警告)”です。まだ紹介していなかったので、これは是非ともと思い立ち、今回、紹介します。この時のメンバーはMark Stewart (Vo), Simon Underwood (B), John Waddington (G), Gareth Sager (G, Kbd), Bruce Smith (Drs)の5人組です。バイオグラフィーは以前にも書きましたので、今回は省略させて頂きます。The Pop Groupは元々、英国ブリストルでのThe Stranglersの前座をやった時に、Hugh Cornwellに見出されたローカル・バンドでした。Hughは彼らの為にデモテープの作製などでヘルプしていますが、高校を卒業したらと言う条件で待っていたところ、突然、Rader Recordsと契約したと言う経歴があります。また、その時のマネージャーになったDisc O'Dellも彼らを推していたとのこと(その後、Y Recordsのオーナーとなります)。それで作製されたThe Pop Groupのファーストがこれになります。正直に言って、私はこのアルバムを聴いた時は、余りピーンと来ませんでした。理解不能と言って良いかとも思います。唯一気に入ったのはA5 “We Are Time”だけでした。それでも理解しようと何度も聴いていたと思います。しかしながら、彼等のセカンドアルバム”How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder ?”とシングル”We Are All Prostitutes”はホントに理屈無しにぶっ飛びましたね。やっぱり、これは理屈で理解する音楽ではないんだと再認識しましたね。ファンク、フリージャズ、ダブ、ロック、アヴァンギャルド、アジテーション、民族音楽、、、などがごちゃごちゃに混ざった音楽なのですが、こんな分析はそもそも不要な音楽だったと後になって気づきましたね。要するに、聴き手は自らの精神をオープンにして、ありのままを体感するべき音楽だったのです。それはこのアルバムから学んだことです。そんな重要な音楽を詰め込んだアルバムですが、もう一度聴き直してみてはどうでしょうか! 新たな発見があるかも。初心者の方も聴いてみて、己の体感度を試してみて下さい。因みに2021年に、この作品を更にダブ・ミックスしたアルバム”Y In Dub”がMuteから出ています(私は未聴)。 A1 “Thief Of Fire” (4:33) A2 “Snowgirl” (3:21) A3 “Blood Money” (2:54) A4 “Savage Sea” (2:58) A5 “We Are Time” (6:27) B1 “Words Disobey Me” (3:23) B2 “Don't Call Me Pain” (5:35) B3 “The Boys From Brazil” (4:13) B4 “Don't Sell Your Dreams” (6:35) https://youtu.be/viqOIqGLLgI?si=o2w2dgmYgfXfbgdr #ThePopGroup #Y #RaderRecords #Funk #FreeJazz #Dub #Punk #Agitation #Avant-Garde #BruceSmith #GarethSager #JohnWaddington #MarkStewart #SimonUnderwood #Mixing #DennisBovell
Avant Rock Rader Records 不明Dr K2
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The Doors “s/t”
地下音楽を紹介していくこの場でThe Doorsを紹介するのも、何で⁉️と思われる方もいるかもしれませんし、私より詳しいファンの方やリスナーの方も沢山いらっしゃるとは思いますが、まあ、一つのルーツ探しみたいなこと紹介できればと思っています。私がこのバンドに興味を持ったのは2つのことに寄ります。一つはThe Stranglersに影響を与えたとされるバンド、もう一つはベースレス・バンドだったことです。その前に簡単にバイオグラフィーを。The Doorsは、1965年に米国Los Angelesで結成されたバンドで、メンバーは、Jim Morrison (Vo), Ray Manzarek (Kbd), Robby Krieger (G), John Densmore (Drs)の4人組で、ベース担当者がいませんでした。バンド名はAldous Leonard Huxley著書「知覚の扉(原題 The doors of perception)」から取られています。彼等はWhisky a Go Goと言うクラブで演奏していましたが、そこそこの人気があって、元々、ManzarekがMorrisonの書いた歌詞をみて、曲を付けたことに端を発して、バンド結成になる訳ですが、Manzarekはその時に既に兄とRick & the Ravensと言うバンドをやっていました。また、John Densmoreもthe Psychedelic Rangersと言うバンドもやっていましたが、1965年8月にManzarekの誘いでバンドに加わります。1965年後半になって、フラメンコギタリストRobby Kriederが加わり、更にその時にはManzarekの兄弟は抜けています.Patty Sullivanがベースで参加し、デモテープを作製しています。バンドはWhisky A Go Goなどのナイトクラブで人気が出てきます。そこに目を付けたのが、Elektra RecordsのプロデューサーPaul A. Rothchildで、バンドは、1966年にElektraと契約します。それでファースト・アルバムの録音にかかりますが、この時からベースレスで、Manzarekが左手でエレピのベース・パートを弾くことで肩代わりしています。あと、ベース奏者はレコーディングや後期のライブではヘルプで入りますが、正式メンバーではなく、あくまでもヘルプと言う形です。そうして出来上がったのが、本作品でもあるファーストアルバムです。アルバム用の録音は数日間で収録され、ほとんどの曲は第一テイクが採用されたとのことです。それでプロモ用のシングル”Break On Through”でしたが、歌詞にドラッグを想起させる部分があり、レーベル側がその単語を消してしました。アルバムは衝撃的で反応も良かったみたいです。そこで、セカンドシングル”Light My Fire (ハートに火をつけて)”をリリース。Billboard誌では1967年7月29日に、週間ランキング第1位を獲得しら1967年の年間ランキングでは第2位となっています。とまあ、初期はこのようにThe Doorsは幸先の良いスタートだったと思います。しかも、MorrisonはステージやTVショーで過激な言葉や行為(マスかき?)などをしばしば行い、警察沙汰になっており、意識的に自身を「セックスシンボル」として振る舞っていたとされてます。しかしながら、彼は、すっかり肥満で容姿が変わってしまい、7枚目のスタジオアルバム”L.A. Woman”を作製後、1971年に休養と称して、恋人とパリに渡りますが、同年7月3日にアパートの浴室で死亡しています。恐らくはドラッグによるものと噂がありました。残った3人はKriegerやManzarekがVoを取る形式でバンド活動を続けていましたが、やはり、Morrison抜きではThe Doors足り得なかったようです。そんなこともあって、1972年にアルバム”Full Circle”を出して、解散することになります。また、2002年に「21世紀のドアーズ」として再出発を果たすが、ドラムのDensmoreが誘われなかったことから、彼はバンド名に関する裁判を起こしたいています。結局、KiegerとManzarekは二人の名前をつけたバンド名で活動することに。 とまあ、ザックリと言うとこんな経歴のバンドですが、私的疑問の一つでもあるベースレス問題についてはManzarekが左手でベース・パートを弾いていたので解決しました。第2の疑問、The StrangersのDave Greenfield (Kbd, Vo: 故人)との関係は思っている程顕著ではないなぁと思いました。本作品には”Break On Through”や”Light My Fire”の他にも、10分位ある”The End”が収められており、この曲は何となくAunt Sallyの「ローレライ」を思い起こさせるなぁと思いました。だって、ファースト・アルバムの最後の曲が”The End”なんて、不穏過ぎる❗️しかしながら、それら以外の曲も珠玉の隠れた名曲はあるし、良く出来たアルバムと思います。まあ私がここで言わなくても、それは当然だとは思いますが、、、。まあ、聴いてちょ! “The End” https://youtu.be/BXqPNlng6uI “Light My Fire” https://youtu.be/qoX6AKuYWL8 #TheDoors #ElektraRecords #PsychedelicRock #JimMorrison #RayManzarek #RobbyKrieger #JohnDensmore #LightMyFire #TheEnd #BreakOnThrough #Drug #BasslessBand #Organ
Psychedelic Rock Elektra records 2500円位Dr K2
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Public Image Limited “First Issue”
もう既に、このバンドのセカンドとサード・アルバムについては紹介済みですので、バイオグラフィーはそちらを参考にして下さい。そのバンドとは、Public Image Limited (PILと表記)です。それまでパンク・ロックの代名詞であったSex PistolsのVo, Johnny Rottenが本名John Lydonとして、早々にポストパンクを始めてしまった訳です。PILのネーミングは、世間の目から見たJohn LydonやPILのイメージを売り捌く会社だと言う意味でしょうか(Sex Pistolsでの問題点を逆説的に解釈したのかな?如何にもJohnらしい)。そしてリリースされたのが、このファースト・アルバムであります。この時のメンバーはJohn Lydon (Vo), The Clashに短期間在籍していた事もあったKeith Levene (G: 2022年11月に他界), 本名 John Wardleで、John Lydonの古い友人Jah Wobble (B), オーディションで選ばれたカナダ人留学生のJim Walker (Drs)です。彼等は、ダブのようなファットで目立つベースと金属質でフリーキーなギタープレイを武器に、それまでの(パンク)ロックを根底から覆すような、恐らく聴いたこともないような音楽をやり始めた訳です。それとJohnのヴォーカルにもエフェクトをかけた曲があったりとやりたい放題です。兎に角、こんな4ピースバンドで「パンクな死んだ」とばかりに、「世間の目なんて気にしない、俺(達)はやりたいようにやる」と言った態度が潔い。A2 “Religion I”はVoの独唱だし、B3 “Attack”Voにエフェクト掛けすぎて、歌詞が聴き取り不可能だし、B4 “Fodderstompf”の単調で虚なリズムと絞ったVoが対照的で興味深いです。こんな音楽をロックのフィールドでやってしまったことが凄いです。そんな彼等のファーストアルバムを聴いてみて下さい。何か音楽感に響くかも? ❓ (因みに、先ずこれを買った時に私が思ったのは、Jahが座ってベースを弾いていること及びジャケ写のJohnの髪の毛がキッチリ七三分けであったのが、衝撃的でした。) A1 “Theme” (9:05) A2 “Religion I” (1:40) A3 “Religion II” (5:40) A4 “Annalisa” (6:00) B1 “Public Image” (2:58) B2 “Low Life” (3:35) B3 “Attack” (2:55) B4 “Fodderstompf” (7:40) A4 “Annalisa” (6:00) https://youtu.be/Ns3yZ7tnhm8?si=4F_HGtIHIwvHMlxX https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_k5a0ADTvoA8lT2XDoTkDfcpaUxzIlRxRQ&si=ru7o72Fahbq-36TO #PublicImageLimited #FirstIssue #FirstAlbum #VirginRecords #PostPunk #Dub #JohnLydon #KeithLevene #JahWobble #JimWalker
Post Punk Virgin Records 2500円?Dr K2
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The Damned “Damned Damned Damned (地獄に堕ちた野郎ども)”
The Damned、最も早くシングルとアルバムを出した英パンクバンドにして、最も早く解散した英パンクバンド(その後、再結成している)。これを購入したのは、高校生の時だった。まるで、何かのコントのようなジャケ写(これはこれで怪しかった)、裏ジャケもカッコいい。取り敢えず、田舎でも国内盤が普通に売っていたので、購入した覚えがあります。この作品から、パンクの中で最高にカッコいいギターを知ったと言う訳です。この時のメンバーは、Dave Vanian (Vo), Brian James (G), Captain Sensible ことRay Burns (B), Rat ScabiesことChris Millar (Drs)の4人。捨て曲無し❗️Brian Jamesのノイズの様な引き攣ったギター、めっちゃカッコいいと思いました。当時の音楽雑誌ではCaptainがバレリーナの格好をしているとか書かれていたので、何か色モノっぽいなと聴くまでは思っていたんですが、兎に角、ぶっ飛びました。それにテンポは速目の曲が多く、またそれでいて、DaveのVoは、ガナるではなく、歌い上げるように歌うのも魅力でしたね。それとシンバルを多用するRatのドラムも素敵に思えました。あと”New Rose”のイントロのドラムは今聴いても最高です。まあ40数年振りに聴きましたが、やっぱりカッコいいとしか言えません(反論は受け付けません❗️) 未だにバンドが続いているのはホントに凄いです。そんなカッコいいバンドThe Damnedのファースト・アルバムを是非とも聴いてください。「世界遺産もの」のパンクです。 A1 “Neat Neat Neat” (2:41) A2 “Fan Club” (2:50) A3 “I Fall” (2:10) A4 “Born To Kill” (2:40) A5 “Stab Yor Back” (1:00) A6 “Feel The Pain” (3:50) B1 “New Rose” (2:41) B2 “Fish” (1:50) B3 “See Her Tonite” (2:30) B4 “1 Of The 2” (3:10) B5 “So Messed Up” (1:54) B6 “I Feel Alright” (4:31) https://youtu.be/38l9cEHW87M?si=6k9GpBJ8SPqoSiJP #TheDamned #DamnedDamnedDamned #StiffRecords #地獄に堕ちた野郎ども #FirstAlbum #Punk #DaveVanian #BrianJames #CaptainSensible #RatScabies
Punk Stiff Records 2500円?Dr K2
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Magazine “The Correct Use of Soap”
確か、Magazineを買ったのは、田舎の高校生の時でした。まあ、キーボードのメンバーのいるニューウェーブ・バンドだったからだと思います。しかしながら、その時はそんなに気に入らなかったんですが、今回、久しぶりに聴き直してみました。その前に、Magazineのバイオグラフィーを少し。元々は1977年初頭までパンクバンドBuzzcocksに少し在籍していたHoward Devotoが、より先鋭的な音楽をやろうとして、ギターのJohn McGeochと共に結成したのが、Magazineです。Howard Devoto (Vo), John McGeoch (G), Barry Adamson (B), Bob Dickinson (Kbd), Martin Jackson (Drs)がオリジナルなラインナップです。しかしながら、クラシックや前衛音楽の素養のあったBobは、1977年終わり頃にすぐに脱退しています。バンドは4人でシングル”Shot by Both Sides”をリリース、その後に、元St. Louis UnionのDave FormulaがKbdで加入します。因みに、このシングルはBazzcocksの曲でもあるとPete Shellyが指摘しています。1978年にデビューアルバム”Real Life”をリリース、英国チャート30位に入っていますが、7月末にMartin Jacksonが脱退し、代わりにPaul SpencerがDrsで加入します。この頃になるとギグやTV出演することが多くなりますが、Paul Spencerはツアー中にSpencermetersに加入する為に直ぐに脱退し、同年10月にはJohn Doyle (Drs)が加入します。翌年1979年にセカンドアルバム”Secondhand Daylight”をリリース、英国チャート40位に入ります。このアルバムでは大々的にシンセが使われています。1980年にバンドは、本作品でもあるサードアルバム”The Correct Use of Soap”をMartin Hannettのプロデュースでリリース、トップ30にはランクいんします。しかしながら、John McGeochは、それ程売れなかったこと及び余りギター重視でない曲作りであったと言う理由で、脱退し、Siouxsie and the Bandheesに加入しています。一方、Magazineには、Ultravox!にいたRobin Simon (G)が加入しています。バンドは欧州・豪州ツアーを敢行し、ライブアルバム”Play”をリリース。しかしながら、またしてもRobin Simonも、John Foxxのソロアルバムに参加するためにバンドを脱退します。Hawardは、大学時代の友人でAmazorbladesのBen Mandelson (G)を加入させて、1981年に”Magic, Murder and the Weather”を作製しますが、リリース前の数ヶ月、リリースをストップをかけます。そんなこともあって、他のメンバーも解散することを決めます。メンバーはそれぞれ、他のバンドなどで活躍しますが、Howard Devotoは音楽を止めて、写真家として活動していました。John McGeochは2004年に48歳と言う若さで他界しています。それから、2008年7月にHowardはMagazineを再結成することを考え、2009年2月にHoward Devotion, Dave Formula, Adamson, John DoyleとJohn McGeochの代わりにThe RadioheadのJohnny Greenwood (G)で再結成を行い、ツアーメンバーも加わって、現在でも活動中です。 それで、本作品ですが、良くも悪くもニューウェーブ的な音作りなんですが、兎に角、Howard Devotion の抑制したような、絡みつくようなエロいVoが特徴ですね。ギターとシンセを配合良く調剤したメロディアスな曲調も本作、と言うかMagazineの特徴と言えるでしょう。その分、爽快感は抑えられていますが、それはHoward自身が言っているように、「ロックンロールは音楽的スターでもなく、モダーン・ミュージックに興味があるだけだ」と言うことも強ち言い過ぎではなく、常に新しい音楽——その時代時代の音楽—-を目指していたからだと思います。私も、正直、聴き直してみて、中々、良いじゃないか!とも思いました。ただ、HowardのVoスタイルや声質には好き嫌いが分かれるところではありますが。次回はファーストアルバムやセカンドアルバムを聴いてみたいですね。また歌詞が文学的との評もありますが、英詩なので良く分からなかったです。そんな時代に対してモダーンであり続けたMagazineの円熟した音楽を聴いてみてください。 A1 “Because You're Frightened” (3:54) A2 “Model Worker” (2:51) A3 “I'm A Party” (3:01) A4 “You Never Knew Me” (5:23) A5 “Philadelphia” (4:08) B1 “I Want To Burn Again” (5:16) B2 “Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)” (3:38) B3 “Sweetheart Contract” (3:18) B4 “Stuck” (4:04) B5 “A Song From Under The Floorboards” (4:07) https://youtu.be/3c5Yxi98umI?si=EB0kFfhiHWk--jG7 #Magazine #TheCorrectUseOfSoap #VirginRecords #ThirdAlbum #NewWave #ArtPunk #Manchester #Keyboards #HowardDevoto #JohnMcGeoch #BarryAdamson #DaveFormula #JohnDoyle
New Wave Virgin Records 2500円Dr K2
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IPPPPU-DO (一風堂) “Normal”
皆さん、一風堂(ラーメン店ではなく、バンド)を覚えていますでしようか? 1979年に結成されたバンドですが、その頃は、山本翔(ロックシンガー)のバックバンドとしてでしたが、1980年に、土屋昌巳さん (Vo, G, Synth) が中心となって、見岳章 (Kbd, Vln)、赤尾敬文 (B), 藤井章司 (Drs)のメンツで、一つのバンド一風堂としてメジャー・デビューしています。そこでのデビューアルバムが本作品”Normal”です。この時の売り出し方は、テクノ・ポップ或いはニューウェーブの流れに乗ろうとしていた印象です。その後、メンバーは抜けていき、最終的には土屋さんと見岳さんのデュオになっています。1984年に活動停止(解散とは言っていないとのこと)。しかしながら、2009年2月6日に藤井章司が自宅にて心筋梗塞で他界(享年54材)。2013年には、結成時のメンバーであった平田謙吾が病死(享年58)。1982年7月にリリースされた「すみれ September Love」がCMソングで有名になっています。活動停止後、リーダーの土屋さんはソロで活動していますし、またバンド自体も英国のバンドJapanやそのメンバーとも親交が深いです。 私が高校生の時、このアルバムを購入したのは、単にキーボードが入っていて、シンセを多用するとのことで、当時のテクノ・ポップ・ブームに乗っかっていたので、琴線に触れた訳です。その時の印象は上手過ぎて、音がごちゃごちゃと詰め込まれているなあと。なので、好きな曲と言っても、A1 “Adventure”とA2 “Break-out Generation”位でしたね。まあ「テクノ歌謡」のようなもの、芸能界的な匂いを感じでしまったからでしょう。今回、聴き直してみたんですが、結構、この時代の海外のニューウェーブ・バンドのフレーズをモチーフにしていたり、歌詞の内容が顔が真っ赤になる程、情けないと言うか歌謡曲のような色恋沙汰なんで、そう言うところが、イマイチ踏み込めなかったのだと再認識しました。ただ、全曲、作曲・作詞・編曲を担当している土屋さんの才能は只者じゃないとは認めます。曲自体は良いです。なので、彼の才能や当時のテクノ・ポップな歌謡曲を興味が有ればA面始めの2曲だけでも聴いてみて下さい。 “Break-out Generation” https://youtu.be/HX-a8BG4t38 #Ippu-Do #一風堂 #Normal #Epic/Sony #テクノ歌謡 #MasamiTsuchiya #FirstAlbum #土屋昌巳 #TechnoPop #Adventure #Break-outGeneration
Techno Pop / New Wave Epic/Sony 2500円Dr K2
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XTC “Black Sea”
実は、私はBarry Andrewsが抜けた後のXTCには、そんなに触手が動かなかったんですが、このアルバムだけは何故か買ってしまいました。それはテクノポップの終焉と新しい英国大衆音楽への昇華を聴きたかったのかもしれませんね。XTCについては、既にバイオグラフィーは書いていますので、ちょっとだけ補足を。ええっと、Barry Andrewsが抜けた後にDave Gregoryが加入していますが、彼はGとKbdを担当しています。ここら辺の人選にXTCの方向転換のセンスの良さを感じますね。そのメンツで”Drums and Wires”を1979年にリリースして、翌年、本作品である”Black Sea”をリリースしています。よく見るジャケ写は実はその上に緑色の紙袋で包まれていたんですよ。プロデューサーにSteve Lillywhiteを起用しており、この時代特有のドラムの録り方をしています。そうです、キーワードはドラムです(例えば、P-Modelが”Perspective”でドラムを残響音バリバリの録音にしたように)。ここでは、Andy PartridgeとSteve Lillywhiteの化学反応が成功した例でしよう。ギターの金属質な音色やリフが、やや実験的なプレイをしても、Colin MouldingのBとTerry ChambersのDrsがしっかり支えて、ポップ・ミュージックとして成立させています。また、A3”Living Through Another Cuba”でのダブ的ミックスは秀逸です。このアルバムを買った時の印象は「何か音が詰め込み過ぎ」だったのですが、今、聴くと丁度良い感じですね。まあ、Andyのヴォーカルはいつも暑苦しいんですけどね(苦笑)。しかしながら、2人のギターのカッティングやリフの絡みはカッコいいですね。あとColinのBは凄く上手くて、出過ぎず、引っ込み過ぎずで良い感じです。あと、B面の曲の繋ぎがこれまたカッコいいんですよ、聴いてみれば分かります。B5 “Travels In Nihilon”での先進性とP-Modelの”Perspective”との類似したリズムのヴァリエーションは、やはり時代の音ですね。そんな訳で、本当久しぶりに聴いてみましたが、やっぱりXTCは凄かったです。次世代のポップミュージックをこの一枚で作ってしまったのですから。因みに、ジャケ写に”X”, “T”, “C”の三文字が隠れているの、気付きましたか?そんな所にも彼等の洒落っ気があります。是非とも今聴いておくべきアルバムですね。 A1 “Respectable Street” (3:34) A2 “Generals And Majors” (4:00) A3 “Living Through Another Cuba” (4:41) A4 “Love At First Sight” (3:04) A5 “Rocket From A Bottle” (3:27) A6 “No Language In Our Lungs” (4:52) B1 “Towers Of London” (5:17) B2 “Paper And Iron (Notes And Coins)” (4:17) B3 “Burning With Optimism's Flame” (4:12) B4 “Sgt. Rock (Is Going To Help Me)” (3:54) B5 “Travels In Nihilon” (6:54) A3 “Living Through Another Cuba” https://youtu.be/BTp_qgh-i4g?si=Po80cYSt04ufb-yw [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLp1k2ZbbaLB3kJBadXRQu6z198pXmb1fN&si=OPs0nBthJW4Ij6-7 #XTC #BlackSea #VirginRecords #FourthAlbum #PopMusic #NewWave #BritishRock #AndyPartridge #ColinMoulding #DaveGregory #TerryChambers #SteveLilliwhite
New Wave / Pop Music Virgin Records 2500円Dr K2