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Robert Turman “Distant Dosage”
私は完全に勘違いしていました。米国ノイズ・ミュージシャンBoyd RiceとNONは同じだと思っていたのですが、実は、NONは、Boyd Riceらが結成したグループ名だったのです。いゃ〜参った、参った。それに気付いたキッカケが、Robert TurmanがNONの創立者の1人であったという情報を得てからです。それで、今回、ご紹介するのは、Robert Turmanの初期のソロ作をセルフ・コンパイルした本作品“Distant Dosage”です、その前にNONも少し触れながら、Turmanのバイオグラフィーを書いていきます。彼は、元々San Diego出身で、現在はオハイオ州Oberlinに住んでいます。そんな彼がインダストリアル・シーンに登場するのは、1970年代末で、有名なノイズ・リジェンドNONの相方としてです。1977年作のシングル”Mode of Infection/ Knife Ladder”を録音したことがキッカケですが、その直後、Turmanは彼自身の音楽を追求する為、ソロで活動を始めます。それまで捨ててきたあらゆる影響を融合させる方向に舵を切り、Flux (1981年), Spirals of Everlasting Change (1987年), Way Down (1987年), Chapter Eleven カセット・ボックス・セット(1988年)などの多量のカセット作品をリリースしてきました。そうして、活動休止期後の2005年に、Aaron Dillowayと一緒に活動するようになり、再び多数の素晴らしい作品をリリースしています。この位しか情報が無いのですが、今回の作品は、蘭Dead Mind Recordsからのラブコールで、彼の初期(1980年~1984年)の作品から、ピックアップからした7曲をセルフ・コンパイルしたアルバムとなっています。そしてその内容は、初期インダストリアルと、彼のソロ第1作目の”Flux”の延々と続くミニマル・ミュージックと、彼の第3作目の”Way Down”のリズミックなインダストリアルの間に位置するような音楽で、知らない内に、催眠的なループ音のレイヤーへとゆっくりとシフトしていくような曲になっています。この作品を聴けば、Turmanの初期の作風は殆ど網羅出来ると思います。 それでは、各曲について、ご紹介していきましょう。 A1 “A Kind Of Dance”は、1981年の曲で、機械の駆動音らしき音のショート・ループから成ります。ちょーっとずつループがズレていくようですが、ぼーっと聴いていると分からない程度の変化です。確かに機械仕掛けの人形の為の、無機質な舞踏曲ですね。 A2 “Listen With Your Heart”は、1982年12月の小曲で、比較的高音のシンセと思われる音のループから成ります。これもちょーっとだけ微妙に変化があるようです。この変化が意図的なものなのか?それとも機材の不安定性によるものなのか?はいつか明らかにしたいですね。 A3 “Not Moving”は、1980年の曲で、民族楽器と思われる打楽器と短いメロディらしき音がグルグルの反復する曲で、3日3晩踊り続けるトランス音楽として聴くことも出来ます。ただ、よく聴いていると、少しずつ音に変化があります(テンポほジャストで不変)。 では、B面にいきます。 B1 “Possibilities”も、何らかの具体音のショート・ループから成る曲で、どうもキッチンとかの具体音以外にもヴァイオリンの弓が擦れる音や3時のおやつの時間の時計の音などを音源にしているようです。 B2 “Hello Distant Dosage”は、1982年12月の作品で 多分既存の曲のの断片をループにしているようです。どうもちょっとずつちょっとずつ音がズレてきているように感じられめすので、そこら辺の音のモアレ効果も狙っているのかと思います。 B3 “Espilego”はエスパニア語のループかと思ったら、金属製の打楽器(或いはジャンク・パーカッション)の打撃音のループから成る曲でした。リズムは有るような、無いような。どうも、タイトルはエスパニア語の俳句のことみたいです。 B7 “Mind Meeting”は、1982年12月の曲で、これも何処かの曲の断片をショート・ループした曲で、延々と続いていく様は、正にヒプノティック(催眠的)です。ただ よく聴いていると、僅かに変化していくんですよ。本のちょっとだけですが。 まとめますと、どれもショート・ループから成るヒプノティックですが、恐らく、ディレイなんかのホールド機能を使っているのだと思います(何せ、まだサンプラーは登場していませんでしたから)。なので、ループの速度はほぼほぼ同じですのが、ちょっと飽きてしまうかもしれません。あと、私も、1990年代に、U.G.A.S.名義で、ループだけで1本カセット作品を作っていますが、似たようなことをやっていましたね。また、NONでのレコード盤とかを使う「反復」手法を忠実に受け継いでいるのは流石です❗️万人に受けるとは思いませんが、AMKとか、RRR500 Locked Grooveが好きな方にはお勧めします❗️ A3 “Not Moving” https://youtu.be/aK1DCgYz45w?si=QYnnyH_e9eDjpg8F [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mYYDY0-zsP6Nrg_6-7V0JrcHeZBw90qcs&si=zT7RRQ-9l-nn6vlZ [BandcampのURLも貼っておきます] https://dead-mind.bandcamp.com/album/distant-dosage #RobertTurman #DistantDosage #DeadMindRecords #NON #Solo #EarlyWorks #1980-1984 #Industrial #Minimal #Experimental #Noise #USComposer #SelfCompilationAlbum #Loop #ShortLoop #具体音 #既成曲 #U.G.A.S
Experimental / Musique Concrete Dead Mind Records 3597円Dr K2
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Smegma “Infringements”
またまたSmegmaの登場です。今回は、限定230部のアルバム”Infringements”を紹介します。Smegmaのバイオグラフィーニは既に書いてありますので、そちらを参考にして下さい。 それで、本作品の内容に入る前に、参加メンバーを書いておきます。Craig, Iso, Dennis Duck, Ju Suk Reet Meate, the Revenged Todd-Eater, AOS, Amy (Amazon Bambi), Chuck-o-Fats (D.K.), Teed Bumsとその他と言う雑多なメンツ(皆、ニックネームなので良くは分かりません)が参加しています。録音は1974年5月〜1975年5月と言う1年間掛けて、米国CAのPasadenaとTempleで行われたとされています。なので、蔵出し音源と言うことになります。まあ、誰が何を演奏しているかなんて野暮なことは、ここでは書きません。それで、A面2曲、B面1曲と言う長尺の曲が収められています。もう、その音楽は、最早「Smegma節」と言う緩〜〜い自発的即興演奏からなっており、まあ、正直言って、好き嫌いは分かれそうですね。いつ始まって、いつ終わるのかも明確ではない演奏ですから。即興演奏における通常の意味での「緊張感」はゼロに近く、寧ろ、ソファーに寝っ転がって、ぼーっとして聴いても良いような副交感神経優位の「適当な」音楽です。それでも、A面の後半とかには、途中にスリリングなインタープレイも含まれています。まあ、通常のヒーリング・ミュージックやフリージャズでもないのですが。そこら辺のポイントを突いてかる辺りが、Smegmaなんでしようね。そんなSmegmaの初期音源をちゃんとリリースしたAlga MarghenとPig Face Recordsに感謝です❗️ただし、230部限定ですので、見つけたら、即買いですよ! 本作品はYouTubeに上がっていなかったので、1976年のジャムセッションを貼っておきます。 https://youtu.be/mI150wG-NTA #Smegma #Infringement #AlgaMarghen #PigFaceRecords #Avant-Garde #Improvisation #SlowAvant-Garde #LosAngelsFreeMusicSociety #1974-1975 #Craig #Iso #DennisDuck #JuSukReetMeate #theRevengedTodd-Eater, #AOS #Amy(AmazonBambi) #Chuck-o-Fats(D.K.) #TeedBums #Others
Avant-Garde / Experimental Alga Marghen / Pig Face Records 3597円Dr K2
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M.B. “Verrückt”
これは、都市伝説かもしれませんが、1987年に、日本のCriminal Partyと言うノイズ・ユニットが、伊のインダストリアルの重鎮Maurizio BianchiことM.B.とスプリット・カセットを出したと言う話しがあります。この話しの真偽については色々と囁かれていますが、私はこの事に関してはどうでも良かったんですが、ここに来て、M.B.側が、このスプリットに提供したとされる曲を抜粋して、リリースしてきたことに驚きました。と言う訳で、今回は、その噂の作品”Verrückt”を購入してしまいました。M,B.については、既に、そのバイオグラフィーは紹介してありますので、詳細は以前の記述を参考にして下さい。 それで、今回は、先述のように、幻の音源とされたCriminal Partyとのスプリット・カセットからの抜粋になります。A面B面とも”Verrückt A”とされていることから、元曲は1曲であった可能性が高いと思われます。なお、ここでのM.B.の演奏は、MadeletronicsとCrazynoisesと表記されていますが、正直、余りM.B.っぽさを感じないです。また、1987年と言うのは、M.B.自身が音楽をやめていて、「エホ○の証人」に加入していた時期ですので、本当に彼の作品かどうかも疑わしいです。それでも、聴いてみると、やはりM.B.っぽい音の腐り方(これは良い意味で)はしていますが、ちょっと単調な感じもあるようにも思えます。それでも、B面の方が「よりM.B.っぽい」かな? ん〜、この音源については思わず唸ってしまいました。M.B.第1期最後の作品”Armaghedon”の路線に近いような気はしますが、何とも言えません。しかしながら、この音源を、Bianchi自身がOKを出して、再発したと言うことは、この音源は紛うことなきM.B.の音源であると本人が認めたことを意味しますので、そう言うことなんでしよう。まあ真実は分かりませんが、信じて聴きましょう❗️因みに、これは88部限定ですので、聴いてみたい方はお早目に! 今回はYubuteにもBandcampにも無かったので、音源は貼ることができませんでした。 #M.B. #Verrückt #St.An.Da. #MaurizioBianchi #CriminalParty #1987年 #SplitCassette #Reissue #LimitedEdition #Noise #ElectronicNoise #Madelectronics #Crazynoises #都市伝説
Electronic noise St.An.Da. 3597円Dr K2
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V. A. “Ex-Yu Electronica Vol. IX”
これは大変珍しいコンピです。1983年〜1990年の期間のスロヴェニア(旧ユーゴスラヴィアを含む)の地下音楽のコンピで、今までにVol.Xまで出ています。そのスタイルも様々で、大変興味深いものです。2010年から始まった、他のコンピ・シリーズを聴いてはいませんし、また、またそれぞれの単独作も聴いたことは無いので、調べながら聴いてみました。このコンピの首謀者はスロヴェニアのバンドCenter Za DehumanizacijoをやっているDušan Hedlを中心とした4人のようです。それでは、各グループ/各曲についてご紹介していきます(グループ名や曲名、人名の読み方は分かりませんので、そのまま記述しています)。 A1 Tužne ušiは、Saša Kesić (G)やDinko Fazinić (Vo)及びVicko Krivić (Back-Vo)によって結成されたSplitのポストパンク/ゴス・ロックの草分け的存在で、Davor Bilić (B, Vo), Mirjam Jovanović (Drs), Dragan Lukić (Kbd)も加えて、名ライブ・コンピ・アルバム”Omladina '87 - Najbolji Uživo”にも収録されています。“Hod Kroz Maglu”もそこから取られた曲で、Joy Division的な翳りを持ったゴス・ロックですが、後半のギターソロは上手いです。ライブ音源ですが、音の分離や音質は良いです。 A2 SexAは、Ratko Danilović (Drs), Saša Last (Synth, Tapes, B), Nikica Valentić (Vo), Nino Prišuta (B), Ivan Bitz (G)から成る1980年代の旧ユーゴ地下音楽シーンの重鎮で、彼等はPere Ubuや Sonic Youth〜Minimal ManやFactrixの音楽性を持っており、5枚のアルバムを出しています。”Cvijeće”は、確かに、Sonic YouthとFactrixの間を埋める音楽性を持った曲で、中々カッコいいです。 A3 RLSはGoran Lekić, Mirjam Jovanović (Tužne ušiのドラマー), Nikola Radmanの3人組で、後にRumplstinskiとなり、1990年代のバンドに大きな影響を与えています。“Holokaust (early version)”は、単調なドラム(ドラムマシン?)を背景に、情緒たっぷりなシンセとギターのアルペジオが絡むセクシーなインスト曲です。切ない感じが何とも沁みますね。 A4 Nowy LEFことGoran Lišnjićは、1985年にMetroplie Transとミックス・メディア活動を開始、電子音楽からアンビエント・コラージュまで3本のカセット作品を出しています。 “Financial Capital. Fear Of Silence”は彼がMetropoli Transを脱退し、Lebensformerを結成する1992年までに作った曲で、轟々たるバック音とポエトリー・リーディングが主体を占めていますが、その間にクラシカルで重厚なシンセ音のメロディが聴かせてくれます。 A5 Satan PanonskiことIvica Čuljakは1979/1980年にKečer II名義で音楽活動を始め、パンクバンドPogrebのVoをやっていましたが、1987/1989年にSatan Panonski名義でソロで活動、1981年に殺人で10年間精神病院に入院して、テープを使ったLo-Fiな実験的音楽やミニマル・ミュージックをやっています。“Posljednji Dinosaur Umire (edited)”は彼のファーストカセットからピックアップされており、恐らくは弦を緩めたギター音やヴォイスのテープ速度を落とした音に、適当に叩いたパーカッシヴな音も加わった実験的な曲です。 では、B面にいきます。B1 Fritz Und Hansは、FritzことFaris StankovićとHansことZeljiko AndrićそしてRobaことRobert Banićのトリオで、DAFやGranzoneなどの独逸ニューウェーブから影響を受けています。“Luda Kutija”は、所謂、チープなリズムマシンを使ったシンセ・ウェーブな曲で、使われている電子音は砂糖菓子のように可愛らしいです。Voがちょっと弱いかな? B2 Trobecove Krušne Pećは、ユーゴで1981-1987年に活動していたDamir Prica (Kbd), Darko Begić (Vo, G), Ivica Vinski (G), Mario Barišin (B), Gordan Dorvak (Drs)から成る5人組で、Zabregの地下音楽界で活動、1枚のLPと1枚のライブアルバムを残して、1987年に解散しています。”Aualida”は、ドタバタしたドラムと怪しいKbdからはポストパンクです。Voは不明瞭ですが、どうも逆回転みたいです。そう言う意味で中々面白い曲です。 B3 Masakerは1979年にSelnica ob MuriでMasakr として出てきましたが、後にMasakerに改名。メンバーはMariborの電子工学科の学生Dušan Hedl, Marko Derganc, Viljem Musekがコアメンバーで、後にMarjan Bone (G)とGran Podgorelec (Drs)が加入しています。彼等はNovi Rock Fesにも参加し、また西欧州にもツアーをしています。なお、1984年にHedlは脱退し、C.Z.D. Masakerを結成。“Dol Z Bando”は、初期SwansやMissing Foundation或いはEinstürzende Neubautenを想起させる重いパーカッシヴな音/メタパー音と絶叫Voからなり、めちゃカッコいいです。 B4 Abbildungen Varieteは、Branko Mirt, Darko Senekovič, Igor Zupe, Marko Ornikがメンバー。1983年1月に結成され、最初はDrsと歪んだGとラジオで、Novi Rock ‘83 Festivalに参加。1984年初頭にグループは解散。彼等は主にギャラリーやアート関係の場で活動していました。特に、Maribor Synagogueでの展示は有名とのこと。“Republikanski Marš (edit)”は、バックにループ音を配しながら、単調な重いドラムのキック音とパーカッション類が鳴り響く曲です。そこに暗いメロディも絡んできて、Laibachみたいです。 B5 Mario Marzidovšekは、ユーゴ/スロヴェニアのノイズ・インダストリアル・ミュージックの草分けで、1984年にカセット作品を自身のレーベルMarzidovsek Minimal Laboratrium (MML)からリリースし、メールアート・シーンで1988年まで活動しています。その後は蘭、その後、独逸に移住し、1991年にSlovenska Bistricaに戻ってきています。“Elektrizität VI”は、恐らくタンテやテープ再生の速度を調節したコラージュ的な曲で、ビートレスで、かつディレイ処理も施している曲で、如何にも宅録ノイズです。 とまあ、スロヴェニアの地下音楽の一端を垣間見ることのできたコンピですが、殆どのバンドが聴いたことの無い音楽だったので、楽しめました。もし、このシリーズのコンピに出会ったら、即買いですね❗️ A1 Tužne uši “Hod Kroz Maglu” https://youtu.be/Cfi1m_JRcgA A2 SexA ”Cvijeće” https://youtu.be/FMynLsfJ63I A3 RLS (Rumplstinski) “Holokaust“ https://youtu.be/T1Kv5GWGmXs A4 Nowy LEF “Toward The Silence”(YouTubeに無かったので、同バンドの別曲です) https://youtu.be/Qu39VltHtYU A5 Satan Panonski “Posljednji Dinosaur Umire” https://youtu.be/PHho3eolLJI B1 Fritz Und Hans “Luda Kutija” https://youtu.be/MRe26BnOBQE B2 Trobecove Krušne Peć ”Aualida” https://youtu.be/ELYXzey2VY8 B3 Masaker “Dol Z Bando” https://youtu.be/ghsIMr4U1Xg B4 Abbildungen Variete “Republikanski Marš” https://youtu.be/xsAOA87wgCk B5 Mario Marzidovšek “Elektrizität VI” https://youtu.be/6bTLTPC-r8E #VariousArtists #Ex-YuElectronicaVol.IX #Monofonika #SubkulturniAzil #Slovenia #Ex-Yugoslavia #Compilation #1983-1990 #Tužneuši #SexA #RLS #NowyLEF #SatanPanonski l#FritzUndHans #TrobecoveKrušnePeć #Masaker #AbbildungenVariete #MarioMarzidovšek
Electronic Pop / Industrial / EBM / Noise/ Post Punk Monofonika / Subkulturni Azil 3597円Dr K2
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Strange Men In Sheds With Spanners “s/t”
Strange Men In Sheds With Spannersと聴いても、皆さん知らないですよね?じゃあ、英国のパンクバンドBuzzcocksは知ってますか?じゃあ、そのVo/GのPete Shellyは知ってますよね? そのPete Shellyが当時、実験音楽にも興味を持っていたことも知ってますよね? と言う訳で、今回、紹介するのは、Peter McNeish ことPete Shellyが、Bob Warlock, Francis Cookson, Wayne Wormと一緒になって、1980年〜1984年に録音されていた音源です。その中で、リリースされなかったものを集めた未発表曲集が、この度、米国Drag Cityから今回、リリースされました。それが、本作品となります。Pete Shellyは当時から独逸のクラウトロックからの影響を公言しており、彼自身の実験音楽レーベルGroovy Recordsからもソロアルバム”Sky Yen” (1974年作、1980年リリース)で強烈な電子実験音楽を披露したり、ソロで”Homosapien” (1981年)と言うエレ・ポップなアルバムも出しています。なので、割と、彼は電子音楽にフィットしていたと思われます。それで本作品ですが、上記のメンバーで、シンセ或いは自作オシレーターなどを駆使して、更にベースやドラム、ドラムマシン或いはギターも交えた、実験色の強いインスト主体のエレ・ポップ風音楽を披露しています。曲名自体は数字だけで、かつ、アルバム・タイトルもバンド名(これ自体もShellyがガムラン・オーケストラの公演を聴いた時の感想に由来するらしい)のセルフタイトルですし。まあ一種の発掘音源なので、そう言う扱いになっているのかもしれませんね。曲調はミニマル・ウェーブ的(曲によってはニュー・ウェーブ的なのもあります)で、その意味でも同時代性を感じさせられます。まあしかし、これをやっているのが、バリバリのパンクバンドのVo/Gと言うのも特異なことですが、Public Image LimitedのJohn Lydonがクラウトロックのファンであったことからも、英国には、そう言う地盤が元々あったのかも知れませんね。と言う訳で、漸く日の目を見たバンクな電子音楽に興味のある方は是非とも聴いてみて下さい❗️面白いですよー。 A1 “1” A2 “2” A3 “3” A4 “4” A5 “5” A6 “6” A7 “7” A8 “8” B1 “9” B2 “10” B3 “11” B4 “12” B5 “13” A4 “4” https://youtu.be/1ir76dVHItI?si=5xdLoKho8SyVQ_KR [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL4sM12m_4hSfU28tm6BR9s0ZvONpiWqld&si=2pVeZzpYvvebjHTh #StrangeMenInShedsWithSpanners #DragCity #PreviouslyUnreleased #GroovyRecords #PeteShelly #Electronic #ExperimentalPop #1980-1984 #BobWarlock #FrancisCookson #WayneWorm #Synthesizers #NewWave
Experimental Pop / Electronic Drag City (Groovy Records) 3597円Dr K2
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Mecanica Popular “Baku: 1922”
Wha Wha Recordsの偉業ですね。スペインのミニマル・実験ポップ・デュオMecanica Popularのセカンドアルバム”Baku: 1922”のリイシューです❗️前作ファーストアルバムの時にバイオグラフィーは大体書きましたので、省略させて頂きます。Mecanica Popularと題されたデュオは、サウンドエンジニアであり、キーボーディストでもあるEugenio MuñozとサウンドエンジニアでもあるLuis Delgadoであり、1978年に結成されました。以後、スローペースではありますが、3〜4年に1作品と言うペースでアルバムをリリースしています。本作品は1987年にリリースされたセカンドアルバムで、”Baku:1922”と題されています。彼等の面白いところは、サンプラーも余り出回っていない時期に、テープループをやってミニマルなリズムを作り上げ、それをポップな曲に落とし込んだところでしょう。流石、マドリッドのRCAのスタジオ・エンジニアです❗️本作品も、前作の曲作りを踏襲してはいますが、より音を素材扱いしているドライな点でしょう。何となくリズムは作られていますが、その実、クールな音作りをやっています。兎に角、作り込んだミニマル・ミュージックで、後々仏のVivanzaやベルギーのHuman Fleshにも通じる音楽形態をこの時代にやっていたのには驚きますね。しかも元音は結構アコースティックな音や声などを使っているのが渋いです。もし、反復する音に敏感なリスナーさんは聴いてみて下さい。結構、ハマると思いますよぉ〜❗️ https://youtu.be/r6_1vqPGJZw #MecanicaPopular #Baku:1922 #WahWahRecords #Spain #TapeLoop #EugenioMuñoz #LuisDelgado #RCAStudio #MinimalPop
Experimental Pop Wah Wah Records (Grabaciones Accidentales) 3597円Dr K2
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Mecanica Popular “¿Qué Sucede Con El Tiempo?”
このスペインのデュオ、知ってる人方は相当なマニアですね。もうバンド名からしてそそりますよね?このスペインのデュオはEugenio MuñozとLuis Delgadoとによって1978年に結成されました。EugenioはKbd兼サウンド・エンジニアで、1972-1978年はMusigramaで働いており、その後、1979年からスペインのRCAのスタジオで働くようになりました。このデュオの前にもCarlos Martosと一緒にやってたみたいです。一方、Luisもサウンドエンジニアで、RCAのスタジオに雇われたみたいです。当時のマドリッドのRCAのスタジオは、24チャンネルのレコーダーに24チャンネル・ミキサーを完備して、最新の機器が揃えられており、それらを使って、EugenioとLuisは納得行くまで約4年も要してファーストアルバムである本作品”¿Qué Sucede Con El Tiempo?”を作り上げます。タイトルの意味は「そんな天気で何があったの?」或いは「そんなテンポで何があったの?」と言うことらしいのですが、本当は、スペイン語による単なる言葉遊びによって名づけられたみたいです。彼等の渾身の作品は.このデュオの魅力を解ってくれる人Servando Carballarの為に作ったと言っても過言ではありません。このServandoはAviador Dro y sus obreros especilizadosのリーダーであり、Discos Radioacivos Organizados (DRO)のCEO に最近なった人です。結果、Servandoはこれ大層気に入り、直ぐに、DROからのリリースを決めたとのこと。その後、1987年にセカンドアルバム”Baku: 1922”をリリースします(この作品については別に紹介します)。このデュオは2019年までに4作のアルバムを出していますが、結構、時間をかけて作り込むタイプだと思います(3-4年に1作ぐらいのペースで)。 それで、本アルバムですが、どうも彼等は楽器を演奏するのではなく、演奏された/音が発せられた素材を使って異なる再生スピードで重ね合わせて曲を作っているらしく、当然、ピッチのズレやタイミングのズレが生じますが、それを含めて曲に仕上げると言う、如何にもサウンド・エンジニアらしい曲作りだなぁと感心します。当然、ループを多用するので、一種のミニマル・ミュージックとしても可聴できます。それとシンセなどの電子機器も使っているのですが、パーカッションには非楽器なモノの音がも使っているのが特徴でしょう。そこら辺はある種ののノイズ・ミュージックともリンクするようです(特にB面)。私が入手したのはリイシューされたものですが、気の利いたジャケやシールなども復刻されており、マニア心を揺さぶりますね。そんな一風変わったミニマル・ウェーブなMecanica Popular、聴いてみませんか?玄人好みですが。 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_n0hXdPB1Onl3km54Dr-P8oFXvbnTvTmU8 #MecanicaPopular #¿QuéSucedeConElTiempo? #DRO #SoundEngineer #MinimalWave #Loop #StudioWork #Spain #Sampling
Experimental Pop Wah Wah Records (DRO) 3597円Dr K2