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ADN’ Ckrystall “De Unicornis Veritate”
ADN’ Ckrystallって聞いて、知ってるって方は相当のシンセマニアですね。私は全然知らずに、まあ中古だから買っちゃおうか位の気持ちで購入しました。この作品は1982-1983年に録音され、1983年には出来上がってはいたのですが、今までリリースはされていなかった「幻のセカンド・アルバム」と言うお蔵入り物件です。それで、スペインのWah Wah Recordsが発掘して、2021年にリリースしたと言う訳です。それで、ADN’ Ckrystallと言うのは、仏のシンセ奏者/宅録者であるErick Moncollinのソロユニット名で、その意味は、ADNと言うのは仏語でDNAのことで、Ckrystallと言うのは、先ず、Ckが本名のeriCkから、Yは彼自身のレーベル或いは曲名Ysil-puckiesから、LLは”aLL… Viola !”のLLから取って、”Jazz’ Mad (彼の中では1980-1983年らしい)”を思いついた「森」を繋げて作った造語です。先ず、Erick Moncollinのバイオグラフィーを調べてみました。Moncollinは、南仏Tarbes近郊の街で生まれ、子供の時に独に4年、パリに3年、そうして仏Tourouseに居を構えています。幼少期には、King Crimsonや”The BeatlesのWhite Album”, T-Rex等を聴いており、その内、Hawkwind, Captain Beefheart等を聴いて育ち、大学時代には、Gong, Utopia, John Cale, Magma, The Stooges, Amon Duul 2, Guru Guru, Tangerine Dream等の電子音楽系クラウトロックにのめり込んでいます。時に仏のCatharsisがお気に入りだったとか。それで、Oberheim 2-4 & 8, SEM Voices, EMS Synthi 100, VCS 3, RMI Kbd Computer 1のシンセに触れたくて仕方がなかったそうです。しかし、シンセ・ショップで、Korg MS-20 flat prototypeを試してみて、凄い音が出ることに気付き、気に入ったそうで、その時に、Yamaha CSQ80のテストをしていたVangelisと、またはMini-Moogを弾いていたTim Blakeともジャムっていたそうです。その2週間後、最初のリズムマシン, ピアノ-ストリングスKbd, エフェクター2台, モノ・シンセを購入し、1977-1979年はToulouseのアートスクールでシンセを使い倒して、色んな実験をしています。1980-1983年が”Jazz’Mad”の年になりますが、その時期に、Moncollinは洞窟や重機置き場、農場のような場所で、ライブ活動を始めています。その時に、地元でシンセの達人Benoit Hutinと出会い、そのライブ音源を聴いたHutinがADN’Ckrystallのアルバムを出すように言われ、初めてスタジオでの録音を経験しています。その時には、Moncollinは、Crumar, ブラス・エフェクターとヴォリューム・ペダルを繋いだMultiman 52, 2台のKawai Synthi 100-F, Roland CR-65, Korg PS-3200, Roland Jupiter-4, Boss Flanger, MXR phaser、それにTEAC 8トラック・レコーダーを使っていましたが、その後のライブの前に、Roland SH-05とSCI Pro-Oneも購入しています。そうして、最初はシンセ奏者のいるバンドを参考にしていましたが、どうも彼等はシンセ以外の楽器も演奏しており、シンセの可能性を拡大しようとはしていないようでした。1977年にパンクが勃興してきた時に、Gary Numan/Tubeway ArmyやSimple Mindsが出てきましたが、仏ではそれ程シンセポップ指向のバンドは多くはなかったとのこと。しかし、1980-1990年には、ゴス/ガレージ/バットケイヴ/ニューウェーブ/エレクトロ/ニューロマ/パンク/実験音楽/ファンク/ポップ・バンドがゴロゴロ出てきましたが、玉石混交でした。一方、ADN’Ckrystallのライブは、そのアナログ機材のセッティングは大変でしたが、Moncollinはそんな機材を無理矢理パッチングしたりして乗り切っていました。この時期(Jazz’Mad)のライブで覚えているのは2回だけで、1回目は、1982年12月のクラブL’Enferで、Moncollinは中心に位置し、その周りに観客が配置されていました。観客は踊っており、1980年代ニューウェーブの反応だなと思っていたそうで、ライティングもあってサイケなニューウェーブ・パーティーとなっていました。もう一つは、ピレニア山脈のクラブ活動Le Puouletでのライブで、Moncollinが歌っている時、酔っ払った警官が、彼のシンセを弾きたがって、演奏の邪魔をしてきたので、クラブのオーナーがこの警官を叩き出し、店を閉めて、もう一度、最初からリプレイしたことらしいです。Moncollinは、特にシンセが上手く弾けた訳ではありませんが、とにかく、彼はシンセの音が好きであったとのこと。ある友人は、「Jazz’Madはまるでロード・オブ・ザ・リングのサントラのようだ」と言っていたそうですが、Moncollin自身はクラウトロックからの影響が大きいと思っていたそうです。彼は、1982年作のアルバム”Jazz’Mad”時代から、割とコンスタントにアルバムをリリースしており、本作品が22枚程のアルバムとなります。この後に、1枚10㌅Mini-LP”Frankraut”を2023年に出しています。ちょっと、データと言うよりも、彼の回想録みたいな感じなんですが、彼が、ADN’ Ckrystallとして、買い集めたシンセを使い倒して、エレクトロな音楽をずっとやり続けてきたのは分かってもらえたでしようか? と言う訳で、本作品”De Unicornis Veritate”を紹介したいと思います。この作品は、ファースト・アルバム”Jazz’Mad”をリリースした後に、セカンド・アルバムとして、直ぐに出す予定だったのですが、何故かお蔵入りになってしまった作品なので、1983年と言う時代背景で聴いてみたいと思います。なお、作曲・演奏・打ち込み・録音等はMoncollin1人やっています。では、内容と各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “De Unicornis Verythème”は、細やかなシンセの手弾きによる、ちょっと悲しげな旋律から成る小曲です。 ★A2 “In Mutabilitate”も、割とアップテンポなリズムマシンも使ったシンセの手弾きで、音色も余り変わらないですが、一発録りっぽいのか? ★A3 “De Codex Unicornis”も、懐かしいヴィンテージモノのアナログ・シンセによる曲で、リズムマシンも使ってます。ここでは、シンセらしいSE的音作りも披露しています。多分、シーケンサーも使っていないのでは? ★A4 “Unicornis Garden”もチャカポコしたリズムマシンに、ポリシンセのコード進行と、モノシンセによるメロディが組み合わさった曲ですね。如何にも1980年代初頭のシンセの音色です。 ★A5 “Dragonus, Dragonis”も手弾きシンセとリズムマシンによるややアップテンポの曲ですが、リズムマシンの音色が、どうもエレクトーンに付属しているようで、懐かしいです。 ★B1 “De Spirito Signo”は、大体同じようなリズムパターンで、手弾きによるアナログ・シンセのインスト曲なのですが、そのテクニックは凄いです。リズムマシンに、ポリシンセによるコード進行がメロディ代わりになっていますね。 ★B2 “De Unicornis Creature”は、ベース・シンセとコードを弾くポリシンセに、柔らかいモノシンセのメロディが乗ると言う曲ですね。 ★B3 “La Corne Spiralée”は、リズムマシン無しで、ポリシンセのコード進行にモノシンセによるメロディと言う簡素な弾き語り(勿論Voはないですが)から成る曲ですね。後半にもリズムも出てきます。 これは、正直、余りにもテクノロジーを使わな過ぎて、全部、手弾きでほぼ一発録りのようで、聴いていて、折角のシンセなんだから、もっと音色だけでも替えたりした方が良いのでは?と思いました。そうですね、私がまだ多重録音していなかった高校生時代に、一発録りで曲を録音していた時のことを思い出しました。せっかく、色々集めたシンセを沢山持っているのに、そこら辺は惜しいです❗️多重録音すれば、更に表現が広がったと思いますよ。また、全曲、インストなのも、ちょっと残念です。そう言う意味では、最近の作品も聴いてみたいですね! [live at Kernknach on Oct. 27, 2012] https://youtu.be/Mznj142vaaY?si=RSWkpunweeO7Pye5 [本作品はYouTubeにもBandcampにも無かったので、同時期のアルバム”Jazz’ Mad”を貼っておきます] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lWul6UC9qOn0dEDUFlBB_GNddVqBszYF0&si=PNf4QkRxfv6q3_J_ #ADN’Ckrystall #DeUnicornisVeritate #WahWahRecords #French #Synthesist #SynthMania #幻のSocondAlbum #1983年recording #2021年release #PreviouslyUnreleased #SynthWave #一発録り #インスト曲 #Synthesizers #ErickMoncollin
Minimal Wave / Experimental Wah Wah Records 3000円Dr K2
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V.A. “391 | Selezione 2”
伊のSpittle RecordsのシリーズVoyage Through The Deep 80s Underground In Italyの第二弾です!特に、地域別と言う訳ではないのですが、CDでリリースされている”391”シリーズは地域別になっていますので、気になる方はそちらも要チェックですね。 それでは各曲を紹介していきます。 A1 Marginal Note “Rain Tells Stories“ : Gabrielle Bruzzolo (Perc, G Harmonics)とChristian Patat (G, Kbd, Vo)のデュオで、Trevisoで活動。1989年作、チャカポコしたデルソルなリズムの合わせて、カリプソな男性ヴォーカルが乗ると言う曲です。ラウンジ・ミュージックとネオ・アコのミッシング・リンク。 A2 Cauchemar “Fuga“ : Enrico Arias (G), Maurizzio Liguori (Kbd, Programming), Marco Tullio (B), Alberto Pietropoli (Sax)から成る4人組で、Bolognaで活動。1986年作で、ドラムはLinnDrumだろうか?最初はシンセのメロディが良いなと思っていたら、結構、ギターとか弾きまくってます。またサックスもムーディで、良い感じのインスト曲です。良質なラウンジ・ミュージックかな?Tuxedomoonにやや近いか! A3 Alphaville “Tonino Spara (La Polizia Risponde“ : メンバーはFranco Bolelli (Ghost Writing, Scratch Box), Luca Majer (Tapes, Drum-Box, B, G), Paola Vanzetti (B), Tonino Curagi (Alto Sax)の4人組で、Milanoで活動。1983年の曲で、ラウンジ・ミュージックのような落ち着いたインストの音楽に仕上がっています。こんな音楽も伊の地下音楽だったんですね。 A4 Angelo Vaggi “The Two Sides Of The Moon“ : Angelo Vaggi (Synth, Samples, B, G)で、JFK (Vo)が参加。Vaggiは、1970年代に活動していたFourth Sensationと言うバンドのメンバーでもあります。Milanoで活動。1988年作、細かいシーケンスから始まって、突如、結構カッコ良くて、ダンサブルなドラムやギターなどのバックに、演説(? これがJFK[ケネディ大統領]ってこと?)のサンプリングから成る曲に変わります。 A5 Mr. Andrew “New York“ : 本名Andrea Piccitto (Vo, Synth, Programming)で、Bolognaで活動。1983年の曲で、ミニマルなシーケンスとドラムマシン、可愛らしいシンセのリフに、やや粗暴な男性ヴォーカルで、宅録感が溢れていますが、メロディは秀逸で、全体の印象はシャレ乙ですね。 B1 Modelli Prodotti “Jessica“ : Aldo Bruschi (G, Synth, Vo, Beat-Box), Riccardo Castald (Drs), Marco Lavagetto (Synth, Tapes, Vo)のトリオで、Genovaで活動。1982年作の未発表曲。ディレイの掛かったシンセの上昇するパルス音を中心に進行するやや実験的な音楽で、個人的には松武秀樹氏の”Loop”を想起しました。 B2 East Wall “Guardami Ancora“ : 元Kirlian CameraのKbdだったFabrizio Chiari (Kbd)とWilma Notariとが1982年に結成したダーク・ウェーブ・デュオ。後にKirlian KameraのAngelo Bergaminiのアレンジとシンセのヘルプでリクルートしてきています。1985年にシングル“Eyes Of Glass”でデビューし、独で成功を収めています。1991年には、メンバーは、Fabrizio Chiari (Kbd), Tiziana Wells (Vo, Synth), Gianni Defelici (Kbd)でバンドとなり、Parmaで活動。その年に、アルバム”Silence”をセルフ・リリース。タイトル曲は元々Kirlian Cameraの曲で、定番のRoland, Yamaha, Oberheimのシンセで作製されています。1977年の曲。これまた結構、ダンサブルな電子音とシーケンスによる展開が面白いです。マリンバのリズムや伸びやかな女性ヴォーカルもグッドです。 B3 Lynx Avenue “Inside Memories“ : Massimo Gusella (Drs), Paolo Milani (Sax), Michele Perli (Vo), Michele Piovesan (G), Giovanni Reginato (B), から成る5人に、今回はSteve Dal Col (G)がゲスト出演しています。Bassano Del Grappaで活動。1984年の曲。これまた、オシャレで良質なラウンジ・ミュージックで、ムーディなサックスまで入っています。また、途中で転調するアレンジも見事です。 B4 Opium Club “I.C.E.“ : Omar Codognotto (Synth, Drum Machine)とGiampaolo Diacci (B, G)のデュオで、VeneziaのMestre地区で活動。1989年作、ピアノみたいな音でシーケンスを組んで、結構、カッコ良い、勢いのあるインスト曲に仕上げています。ギターのカッティングもフリーキーでカッコ良いです。 B5 La Cosa “9/8“ : Thomas Baierline (Sax), Tony Bek (B), Guiseppe Belluardo (Drs, Perc), Michele Calzavara (Kbd, Synth), Lorenzo Monguzzi (G, Vo), Piero Mucilli (Piano)の6人組で、Milanoで活動。1989年の曲で、細かいドラムとスラップ奏法も使うベースの上に、ゆったりとした爬虫類系の男性ヴォーカルやサックスが乗るスタイルで、落ち着かないラウンジ・ミュージック?とも言えるかな。 第二弾も中々、楽しめました。こちらの方が、ラウンジ・ミュージックっぽい大人し目の曲が多かったですが、この時代だからこそ、そう言う音楽も地下で活動していたのだと思います。また、日本のD.D. Recordsなんかとの共通性もあって、興味深かったです。やはり、どの国も1980年代の地下音楽は面白い❗️さあ、皆さんも聴いてみて下さい! B3 Lynx Avenue “Inside Memories“ https://youtu.be/SDMAQPCbvAA B5 La Casa “9/8” https://youtu.be/ez6pn3DbGA4 Bandcampのリンクも貼っておきます。 https://spittlerecords.bandcamp.com/album/v-a-391-selezione-2 #VariousArtists #391|Selezione2 #VoyageThroughTheDeep80sUndergroundInItaly #SpittleRecords #1980年代 #Compilation #PierpaoloDeIulis #GianlorenzoGiovannozzi #391Project #MarginalNote #Cauchemar #Alphaville #AngeloVaggi #Mr.Andrew #ModelliProdotti #EastWall #LynxAvenue #OpiumClub #LaCosa
Synth Wave / New Wave / Rouge Music Spittle Records 3000円Dr K2
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V.A. “391 | Selezione 1”
伊Spittle Recordsが放つ、1980年代伊地下音楽への航海Voyage Through The Deep 80s Underground In Italyシリーズの第一弾が、”391 | Selezione 1”です。そもそも、この391プロジェクトは、1983年に始まっています。伊の奥地の何もない街Ascoli Picenoから来た2人のティーンエイジャーPierpaolo De IulisとGianlorenzo Giovannozziが、伊の地下音楽をスナップショット的に集めたコンピ・カセットをやろうとした計画のことなんだそうです。そのタイトルは、Francis Picabiaが編集していた雑誌”New York Dada”と同様にして、伊の端っこの方の地方都市別に存在する○○ウェーブとかポスト・パンクのバンドの音楽を集める意図で、当時のイタリア・フリンジ・ミュージック・シーンを地域別にまとめてみて、その地図を作ろうとした目的も含まれていました。多分、彼等は、1977年のパンクの勃興以降に芽吹いた新しい音楽/ロックのアイデンティティを最も明確に表せられるじゃないかと考えた訳です。いざやってみると、膨大な数の音源が集まったのは良かったのですが、計画自体は1985年に頓挫してしまいます。その直前に、丁度、Marche地方とUmbria地方の分から成る最初の2巻分はリリースされていました。そうしている内に、Spittle Recordsの新しいシリーズと一緒に、彼等2人がやったプロジェクトを上手く結び付けられないかとの提案があり、それで、2人は、30年以上経って、まだ未発表の伊のディープな地下音楽を掘り返すべく、391プロジェクトを再開したと言うことで、今回、LP2枚分の音源をリリースすることができたと言う訳です。 ちょっと、前置きが長くなりましたが、それぞれの内容について紹介していきたいと思います。今回は、”Selezione 1”収録分です。 A1 The Gam Ones “Take Me Soon“ : VeniceのLivorno地区で1983年に結成されたバンドで、メンバーは、Fabrizio Marinari 'J. Inox' (Vo), Stefano 'Steve' Lunardi (G), Rolando 'Roli' Calabrò (B), Sergio Adami (Drs), Mirco Pacini (Perc)。Livornoで活動。1984年の曲で、ダンサブルなポストパンク調の伸びのあります。 A2 VCO “Radiomad“ : VeniceのMestre地区のNew Waveで、Gianni Visnadi (Electronics, G, Objects)とMassimo Zennard (Kbd, Synth, Vo), Pippo Monad (B)のトリオ。VeneziaのMestre地区で活動。1981年の曲で、リズムボックスにスラップ奏法のベースの組合せから成り、こちらもダンサブルです。ラジオ音やシンセ音を使っているところが一味違うようです。 A3 Next “Living In Tobruk“ : Andrea Bartoli (Drum Machine, Programming)とGiulio Curiel (Synth, Programming, Vo)のデュオでTriesteで活動。1984年の曲で、1984年の未発表曲で、ピコってるドリーミーなテクノポップです。最初期のDepeche Modeっぽい。 A4 Reverie “The Only Tam-Tam In Town“ : Marcello Luce (Synth, Programming, Vo), Ivan Calligari (Synth), Vladimiro Duna (Vo)のトリオで、Bresciaで活動。1986年の曲ですが、こちらは硬派なビートが効いたEBM的なシンセウェーブです。ヴォーカルスタイルを含めて、少しHuman Leagueっぽいかな? A5 Shaming Borsalino “Dea No” : Vincenzo Vasi (Vo, B, B-Synth, Drum Programming, Lyrics), Piero Mambelli (Programming, Lead G, Kbd), Roberto Bucci (Rhythm G), Valerio Vasi (Perc)の4人組で、Riminiで活動。1986年の未発表曲で、ミディアムテンポで、じっくり聴かせる良質なポップミュージックです。 B1 XIF “Your Game“ : Ugo Solenghi (Vo, Lyrics), Ivan Cattaned (Electronics), Valter Cattaned (Electronics)のトリオで、Parmaで活動。1989年の曲。リズムもシンセで作り込んでいると思われる、ちょっと変わったシンセウェーブで、「数学的」な曲。ヴォーカルも語り口調です。 B2 Centro Uh! “Japanese Match (抜粋)” : Angelo Pretolani (Vo, Drum Machine, Lyrics), Roberto Rossini (Kbd, Vo), Marco Canepa (Kbd, Tapes, Sound Engineering)のトリオで、Genovaで活動。1981年作。逆回転ヴォイスから始まり、ホワイトノイズとアジテーション調のヴォーカルの絡みへ、更にパーカッションとシンセの絡みへとなる、やや実験的な曲です。出来れば全部聴きたかった。 B3 Catene Della Cresima “Zilpha Marsch” : Massimo Braghieri (Kbd, Programming)とAlberto Callegari (B, G, Programming)のデュオで、Piacenzaで活動。1987年の曲です。Braghieriは、現在、彼はLondonを拠点にDJやプロデューサーとして活躍しています。ここでの曲は、ポップと言うよりもインダストリアルのように重めのリズムと変調ヴォーカルが特徴的です。 B4 Celery Price “Tra Il Mare E la Notte“ :メンバーは、Francesco Pirro (Kbd, Programming), Graziano Marchetti (B), Marco Sabatini (Vo), Mauro Pettirossi (Kbd)の4人組でOsimoで活動。1988年の曲で、ゆったりと流れるようなアンビエント色が強いシンセ音ですが、後半はビートもあって、スポークン・ワード的ヴォーカルとマッチしています。この時期になると、リズムはヒップポップ調ですね。 と言う訳で、Selezione 1の方を聞いてきましたが、驚いたのは、どれも音が良いと言うこと。まあマスタリングにもよるのでしようが、こんな良い音で、当時の音楽を聴くことができるのには感謝です。多分、音源を集めていた2人の趣味もあるとは思いますが、バンドらしい感じの曲が少なく、宅録派(実際にはライブもやっていたんでしようが)の曲が多かったのは、個人的には楽しめました。こう言う企画が世界で行われて、再評価されることを強く望みます‼️ A1 The Gam Ones の他の曲”Wild Game https://youtu.be/Jd3sLr5eAzg Bandcampのリンクも貼っておきます https://spittlerecords.bandcamp.com/album/391-selezione-1 #VariousArtists #391|Selezione1 #VoyageThroughTheDeep80sUndergroundInItaly #SpittleRecords #1980年代 #Compilation #PierpaoloDeIulis #GianlorenzoGiovannozzi #391Project #TheGamOnes #VCO #Next #Reverie #ShamingBorsalino #XIF #CentroUh! #CateneDellaCresima #CeleryPrice
Synth Wave / New Wave / Post Punk Spittle Records 3000円Dr K2
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Embryo “Opal”
今回は、ちょっと毛色の違うクラウトロック・バンド、Embryoを紹介します。Embryoは独のミュンヘンのバンドで、Christian BurchardとDieter Serfasが10歳の時に、即ち、1950年代にBavariaで出会っていたことが、元々の端を発するバンドです。1969年に、マルチ奏者Christian Burchard (Drs, Vibraphone, Santur, Kbd)とEdger Hofmann (Sax, Flute)が再び会って、Embryoが結成されました。メンバーの入れ替わりが激しく、Charlie Mariano, Trilok Gurtu, Ramesh Shotham, Marty Cook, Yuri Parfenov, Allan Praskin, X.Nie, Nick McCarthy, Monty Waters, Mal Waldronが在籍はしていましたが、最も長く続いたメンバーは、Edgar Hofmann (Sax, Vln), Dieter Serfas (Drs), Roman Bunka (G, Oud), Uve Müllrich (B), Michael Wehmeyer (Kbd), Chris Karrer (G, Oud, Vln, Sax), Lothar Stahl (Marimba, Drs), Jens Polheide (B, Flute)でした。因みに、KarrerはAmon Düül IIのメンバーでした。それで、彼等は、独のバンドTon Steine Scherbenと共に、1976年に、独逸発の自主制作レーベルSchneeballを作ります。1979年には、Embryoは、9ヶ月に渡るバスでのツアーを開始し、その様子を”Vagabunden Karawane”と言う映画にしています。また、彼らは、ジャズ・ロック的なクラウドロックか、ワールド・ミュージック・バンドへと変遷していきます。彼等は、4大陸制覇ツアーをしながら、各地でフェスに出演もしています。因みに、1991年には日本の和歌山でのフェスにも参加しています。これらのツアーの功績で、Embryoは、2008年のTFF Rudolstadt Festivalで、ドイツ・ワールド・ミュージック賞RUTH 2008を受賞しています。しかしながら、1981年に、Uve MüllrichとMichael Wehmeyerがバンドのやり方に反対を唱え、脱退し、Dissidenten(反体制派)と言うバンドを結成しています。その後、Christian Burchardがモロッコで心臓発作を起こし、その為、娘のMarja Burchard (Drs, Vibraphone, Vo, Trombone, Kbd)がバンドを率いることになります。なお、2018年1月17日に、Christian Burchardは71歳で、ミュンヘンにて他界しています。 大体のEmbryoの流れは上記のようになります。それで、彼等の本作品”Opal”について紹介したいと思います。この時のメンバーは、Christian Burchard (Drs, Vibraphone, Santur, Kbd), Edgar Hofmann (Sax, Vln, Flute), John Kelly (G) Ralph Fischer (B, Vo)の4人(正確な担当楽器は不明ですが)で、ゲストとして、Holger Trülsch (Bongos), Roberto Detrèe (MotoCello), Bettsy Alleh (Vo)も参加しています。両面とも4曲ずつ収録されていますが、B1 “Got No Time”なんかは1分半しかありません。それで、まだ、この作品ではワールド・ミュージック系ではないですが、とにかく各人のテクは凄いです。なので、敢えてジャンル分けをするならば、ジャズ・ロックと言うことになるでしょうか? 特に、A1 “Opal”やA2 “You Don't Know What's Happening”でのヴァイオリンとベースの掛け合いほ白熱していますね。A3 “Revolution”でのギターとドラムの掛け合いにフリーキーなサックスが絡むのも緊張感があって良いです。A4 “Glockenspiel”のベースのヘビーさもカッコいいです。B2 “Call”ではギターとドラムとサックスの掛け合いに、オルガンまで巻き込んで、トルネードのようです。フェイドアウトがちょっと残念。B3 “End Of Soul”では、男性のスポークン・ワードと唸りまくる太いベースが堪能できます。B4 “People From Out The Space”の異常なグルーヴ感は何なのだろうか? とまあ、最後の盛り上がりとか最高だな。いやー満腹です。今聴き直すと、意外と各々の個性がぶつかり合ってよいですねぇ。それで、個人的に思ったのが、ベースの録音仕方が上手いと言うこと。そこだけでも面白かったので、皆さんも聴いてみて❗️あと、ジャケのデザインも秀逸なので、是非アナログで! A1 “Opal” (2:44) A2 “You Don't Know What's Happening” (4:50) A3 “Revolution” (4:34) A4 “Glockenspiel” (4:59) B1 “Got No Time” (1:20) B2 “Call” (3:31) B3 “End Of Soul” (4:10) B4 “People From Out The Space” (7:26) https://youtu.be/H-Z_SG6FmaI?si=DD8lllFZVzAX8Dpf [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lz6r3K6gnyxjhovhrlupKsmQQS8urWMfs #Embryo #Opal #Ohr #1970年 #Reissue #BreezeMusic #2020年 #FirstAlbum #Krautrock #JazzRock #AmonDüülII #Dissidenten #ChristianBurchard #EdgarHofmann #JohnKelly #RalphFischer #Guests #HolgerTrülsch #RobertoDetrèe #BettsyAlleh
Krautrock / Jazz Rock Ohr / Breeze Music 3000円Dr K2
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Neo Zelanda “Mix Zelánea”
私は1980年代初頭にメール・アート&ミュージックをやっていた関係で、Neo Zelandaの名前(及び音楽も?)は知っていましたが、まさか、Neo Zelandaの作品がリイシューされるとは思ってもみませんでした。それで、Neo Zelandaのことを調べてみました。私はNeo Zelandaのことをグループ名と思っていたのですが、実は、スペインのAni ZincことMaría José Gonzálezのソロユニットだったのですね。先ずこれにビックリしました。そして、Diseño Corbusierのトリオ(或いはデュオ)のメンバーでもあり、レーベルAuxilio De Cientosの共同運営者でもあったということにも驚きました。更に、意外だったのが、1986年にリリースされた本作品が、唯一のアルバムだと言うこと、1982年にファースト・カセット”Radio Sabotage”位しかリリースされていないことを知りました。しかしながら、当時は良く名前を聞いていたように思ったのですが、、、。まあ調べてみても、その位しかわかりませんでしたが、彼女が当時のスペイン地下音楽を支えていたは確実ですね。それで、本作品でのメンツを紹介しておきます。Ani Zinc (Vo, Voice操作, Perc, Vocoder, Tapes, Kbd, Effects)で、ゲストにJosue (Kbd), Javier Marin (Kbd, Perc), Vox Populi! (Perc)が参加しています。この編成から分かるように、Neo Zelandaでは、彼女の自由奔放なヴォイス・パフォーマンスを中心にした音楽をやっており、その声を時には変調したり、加工したりして、そのバックに簡素なパーカッション(多分リズムマシン)やシンセが鳴っている音楽と言えばいいでしょうか?どちらかと言えば、スカスカな音で、ビートレスな曲も多いんですが(特にB面)、それを補って余る程に、彼女のヴォーカリゼーションとその加工仕方はアイデア満載で面白いです(勿論、Diamanda Galasとはタイプが全く違いますが)。B1などは鼻歌なんですが、声の重ね方や変調具合が抜群です。彼女の音楽は押し付けがましさがなく、何だかこの世のしがらみから自由になれそうなものです。なので、未聴の方は一度は体験された方が良いと思いますよ! https://youtu.be/yHocfNxcsEs #NeoZelanda #MixZelánea #MunsterRecords #AuxilioDeCientos #Reissue #AniZinc #SoloUnit #Spain #1986 #VoicePerformance #Experimental #EffectedVoice
Experimental Pop Munster Records (Auxilio De Cientos) 3000円Dr K2
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Big Black “Songs About Fucking”
先日、久しぶりにBig Blackを聴いたら、一時期、CDでよく聴いていた”Songs About Fucking”のレコードが欲しくなり、丁度、出品されていたブツ(未開封)を競り落としました。やっぱり、Big Black、カッコええわぁ!となった次第であります。CDだとこれにボートラとして、Cheap Trickの”He’s A Whore”のカバーが入っていましたが、このタイトルからしてヤバい❗️なお、バイオグラフィーは前回書きましたので、ここでは省略させて頂きます。なお、この時のメンツは、Dave Michael Riley (B), Melvin Belli (G: Santiago Durangoの別名), Steve Albini (Vo, G)の黄金のトリオです。音の全てがraw、Roland TR-606も全開です。歌詞や曲名が何となくヤバいでのは伝わりますが、英語やそのスラングが分かれば、かなりヤバいと思いますよ。もうアルバムタイトルからして英語圏では駄目なのですが、私が最初に見た時には"Songs About F○○King"と言う風にシールが貼ってありました。内容の方は、前回紹介した"The Hammmer Party"より音的には数段良くなっています。重くなったリズムマシン、キリキリした金属質な2本のギター、それを支えるベースも低音カットされて、最早、"低音ギター"如し。そのアンサンブルは見事です。マシンロックの最高峰ですね。また、Kraftwerkの"The Model"のギターロック的カバーも素晴らしい出来です。もうベタ褒め状態です。特に"L Dopa", "Colombian Necktie", "Fish Fry"辺りの曲は大好きですね。単純なコード進行なんですが、アレンジが絶妙で、何度でも聴きたくなる中毒性があります。なので、皆さんも聴く時は充分に注意してください!因みに、最近になって、Steve Albiniは、Big BlackやRapemanでの「悪趣味なテーマなどは若気の至りだった」と反省の弁を述べたみたいです。大人になったね、Steve Albini! ◼️Happy Otter A1 “The Power Of Independent Trucking” A2 “The Model” A3 “Bad Penny” A4 “L Dopa” A5 “Precious Thing” A6 “Colombian Necktie” ◼️Sad Otter B1 “Kitty Empire” B2 “Ergot” B3 “Kasimir S. Pulaski Day” B4 “Fish Fry” B5 “Pavement Saw” B6 “Tiny, King Of The Jews” B7 “Bombastic Intro” https://youtu.be/s0xCAZLE7c8?si=Dl_e_1He8SyUtEzL #BigBlack #SongsAboutFucking #TouchAndGoRecords #MachineRock #SteveAlbini #MichealRiley #MelvinBelli #SantiagoDurango #JunkRock #CoverSong #TheModel
Junk rock TOUCH AND GO RECORDS 3000円Dr K2
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The Flying Lizards “Top Ten”
ファーストとセカンドは持ってましたThe Flying Lizardsですが、サード・アルバム”Top Ten”はすっかり忘れてました。それで急いでヤフオクで買った訳です。セカンドの”The Fourth Wall”が商業的イマイチだったので、このサード・アルバム”Top Ten”では、タイトルからして分かる通り、再びメジャーをおちょくるような出来になっています。1984年にリリースされたこのアルバムではSally PetersonがVoで、ファーストに近い、感情の無いロボットような非人間的な歌を中心に、James Brownの”Sex Machine” と”Dizzy Miss Lizzy”のカバーやLeonard Cohenの”Suzanne”のカバーも演っています。この”Suzanne”は、アルバムリリース後に、映像も作ってプロモーションの為に録音されています。後、バックは殆どの楽器をDavid Cunninghamが担当していますが、楽器の方は格段に良い楽器を使っています。また、ゲストとして、Julian Marshall (Piano), Michael Upton (Voice), Peter Gordon (B), Steve Beresford (Piano)が、数曲で演奏しており、またElisabeth Perry & Alexander BalanescuやThe Flying Lizards Stringsがバッチリ脇を固めています。ドラムは恐らく生ドラムではなくて、ドラムマシンですね。そして、バックの楽器も簡素ですが、時に入るStringsが良い味を出しています。完成度は高かったのですが、このアルバムは日本では無視されてましたね。要所要所にダブ的なアプローチもあり、適度にポップで、適度に実験的で、ある意味、David CunninghamがThe Flying Lizardsでやりたかったことが、バランスよくやれていると思います。なので、そんな音楽が聴きたくなったら、是非ともThe Flying Lizardsを聴いてみてくださいね。この「適度」って言うのがミソですよ。 ★A1 “Tutti Frutti” (2:42); John Greaves (B) ★A2 “Dizzy Miss Lizzie” (2:05); Julian Marshall (Piano) ★A3 “Sex Machine” (5:09); Julian Marshall (Piano), Michael Upton (Vo) ★A4 “What's New Pussycat” (3:49); Peter Gordon (Sax, Clarinet) ★A5 “Suzanne” (5:30) ★B1 “Then He Kissed Me” (2:54); Peter Gordon (Perc) ★B2 “Whole Lotta Shaking Goin' On” (3:33); John Greaves (B) ★B3 “Purple Haze” (4:14) ★B4 “Great Balls Of Fire” (1:57); Julian Marshall (Piano) ★B5 “Tears” (4:31); Steve Beresford (Piano) https://youtu.be/Nb8BDwL8Y9A?si=gxwLNRO85Ygbkmpl [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLCm4iNayhwum2fr-NYwNrZE6hnHrTEqMD&si=PYI1gC24s8w5JiWQ #TheFlyingLizards #TopTen #StatikRecords #SallyPetersin #DavidCunningham #ElisabethPerry #AlexanderBalanescu #TheFlyingLizardsStrings #ThirdAlbum #ExperimentalPop #AvantPop #Guests #JulianMarshall #MichaelUpton #PeterGordon #SteveBeresford
Avant-pop Statik Records 3000円Dr K2
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Ultravox! “Retro (Live)”
こ、こ、これは泣けますねぇ❗️John Foxx先生在籍時の初期の曲4曲入りのシングルです。でもちょっと高かったかな?まあ劇レア盤なので仕方ないかな。 Ultravox! (ビックリマークが付いているのは大事です)はやはり好きだわぁ。収録曲は”The Man Who Dies Every Day”, “Young Savage”, “The Wild, The Beautiful And The Damned”, “My Sex”でファーストからサードアルバムからの曲です。Ultravox!のライブ盤なんて無かったですからね。貴重です。音もそれ程悪くはないですし。ちょっとざらついた音が如何にもライブらしいんですけど、アレンジが良いのか、殆どスタジオ・テイクと同じ展開なんですよ。プロデュースはバンドとSteve Lillywhiteがやっています。この人のプロデュースは信用できますね。と言う訳で、皆さんの中で、初期Ultravox!好きなファンがいましたら、是非とも買って聴いてみて下さい‼️まあ、ファンでなくても良いですが。 A1 “The Man Who Dies Every Day” A2 “Young Savage” B1 “The Wild, The Beautiful And The Damned” B2 “My Sex” B1 “The Wild, The Beautiful And The Damned” https://youtu.be/Wvvr5h03hdY?si=6USIKoof_cpZQbDZ [full EP + other songs] https://youtube.com/playlist?list=PL1_LD0Tf16Uc5re9NVspyra4vbWaH1C_Y&si=y9Q7ACZ5qwxOVsPQ #Ultravox! #Retro(Live) #IslandRecords #JohnFoxx #StevieShear #BillyCurrie #WarrenCann #ChrisCross #LiveTracks #EarlyEra
Experimental Pop Island Records 3000円Dr K2
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Masami Akita & Eiko Ishibashi “公園兄弟"
一体「公園兄弟」って何のことだろう?と首を傾げてしまったアルバムは、ノイズ・ミュージックの帝王Merzbowこと秋田昌美氏と最近では「Drive My Car」の映画音楽有名にもなったマルチ奏者の石橋英子さんとのコラボ・アルバムです。私は元々、石橋さんと知り合うキッカケはSNSで何か気になる人がいるなあと思って、YouTubeで検索した時に、Merzbowと一緒に演っているのを見かけたり、吉田達也さんとも一緒にCDを出していたりで、興味を持っていたんですが、その頃は、元Panicsmile位としか知りませんでした。それで、私は石橋さんにコラボはどうですか?と声をかけた所、割と良いレスポンスが帰ってきて、CD ”Compressed Happiness”を出し、その後もRNAと言うバンドでもご一緒させて頂いてます、一方、秋田さんは初期の頃、交流があり、同じメール・アート/ミュージックをやっていたこともありました。そんな2人が、あのedition Megoから、LPを出すことがアナウンスされて、これは買わなきゃと思って買ったんです。それで一度だけ、石橋さんに「なんでMerzbowとコラボ・ライブやるのですか?」と尋ねたところ、「(Merzbowってポップだから」との返答。思わず唸りましたね。私たちより下の世代はそう言う感覚なのかぁ。私からすると、Merzbowは徹底したノイズの求道者だと思っていたのですから。それはそれとして、本作品は恐らく、今は無き六本木Super Deluxeでのライブ音源を元にしてGOK Soundで仕上げたのでは?と推測します。そして担当楽器は秋田さんが、Noise Electronics, PCとDr、石橋さんはPiano, DrとSynthとなっていますが、秋田さんがいつものように暴風雨の様なノイズをかますかと思いきや、柔軟に演奏しています。そして、時々聴こえるリリカルな石橋さんのピアノ。特にB面は表情豊かな音楽を聴かせてくれます。片面1曲ずつですが、ダレるところは有りませんし、また聴くことを強要することもありません。それぞれが場の状況を察知しながら、不定形の「音楽」を紡いでいるかのようで、全体として纏まった感があります。二人とも演奏できるドラムも効果的ですね。因みにミックスはJim O’Rourkeで、彼の卓越した感性が本作品を良い結果に導いていると思います。そんな「何にも取って代わらない」音楽を、貴方も体験してはどうでしようか、 https://youtu.be/BUmR-0sKFTY #MasamiAkita #EikoIshibashi #公園兄弟 #EditionMego #SuperDeluxe #GOKSound #Experimental #JimO’Rourke #Piano #Drums #PC #Electronics #Synthesizers
Experimental, noise Edition Mego 3000円Dr K2
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Mark Cunningham “Blood River Dusk”
Mark Cunninghamって聞いて、即答出来る人いるかなぁ❓ そうです、あの”No New York”に収録されているMarsのベーシストです❗️元は米国NYCに住んでいた彼はひょんなことから、スペインに移住していたのです。しかも、ベースからトランペットに持ち替えて,音楽活動を続けていました。そこら辺を経緯をちょっと紹介したいと思います。1980年代にMarsは解散し、その後,Mark CanninghamはDon Kingと言うバンドで80年代は活動を続けていましたが、それ以外にもRaeo, Bel Canto Orchestra, Bèstia Ferida, Blood Quartetなどのバンドやデュオに加わっていました。それで、MarkはDon Kingに籍を置いてツアーをしていた時、1986年にスペインのバルセロナを訪れており、そこで、Anton IgnorantやGatなどの即興演奏家のシーンを知ったようです。その後、毎年、行っていたので、自然と仲良くなり、1990年代にはバルセロナに移住していました。その頃のNYCシーンに疲れたとも。それで、彼はRaeoと言うグループを真っ先に結成して活動していました。そんな訳で、彼はソロアルバムを作ることになります。それが本作品であり,彼のファースト・ソロ・アルバムになります。ただ、録音機材は4 Track Rrcorderとちょっとしたエフェクターで行っており、また、現地のバンドCormac McCarthy’s Blood Meridianにインスパイアされただとのこと。また、録音は、Superelvisから借りたAdarを使って、Raeoのリハーサルスタジオで、残りは家で作ったものらしいです。そんな事情で作られたのが本作品になります、 それで,内容ですが、彼が使っている楽器は、トランペット、ベース、リズム・ループ、サンプラー、Korg MS-20, Toy Pianoで,協力者のSilvia Mestresはギターと声、Oriol Rossellが一曲でリズムトラックを担当。まあ、殆どがらMarkが作っているようなものです。結果、熱病にうなされたファンクとも言うべき音楽になっています。彼のトランペットは弱々しく吹き鳴らされ、熱病の細菌を撒き散らすが如くです。時には熱いサルサっぽいリズムやブレイクコアなリズムも聴こえますが、やはり病的な印象ですね。No Wave関連の人のその後は、やはり違うな!とも思いました。彼のうなされる様なトランペットを聴いてみて下さい。 A1 “Magnesia” A2 “Breathbeat” A3 “Duelo Al Sol” A4 “Blood Meridian” B1 “Duelo A La Sombra” B2 “Night Tripper” B3 “Smoke Signals” B4 “Pagan Sunday” B5 “Sonora Hi-life” A4 “Blood Meridian” https://youtu.be/-3UlD_CdVYw?si=KrMYz4tlty0K7kcG B2 “Night Tripper” https://youtu.be/dB3gpiOzqms?si=h8D87C7yN6iOiX1g #MarkCunnimgham #BloodRiverDusk #FeedingTubeRecords #Reissue #2013年 #PorCaridadProducciones #1997年 #Ex-Mars #Trampet #Bass #RhythmLoop #Sampler #Synthesizer #KorgMS-20 #ToyPiano #Collaborators #SilviaMestres #OriolRossell #Spain #Raeo’sRehearsalStudio #4channelRecorder
Experimental Feeding Tube Records (Por Caridad Producciones) 3000円Dr K2