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V. A. “Fix Planet!”
以前に一回紹介した国際コンピレーション・アルバムですが、誤って削除してしまったので、再度、ご紹介します。元々は、独レーベルATA TAKが、1981年にリリースしたこのコンピレーションで、当時としては、画期的なアルバムでした。皆さんもこれで、1980年初頭の各国の地下音楽世界を知った方も多いのではないでしょうか? 当時は、まだネットも無く、基本的に郵便で送ったら受け取ったりしていました。そんな中で、これだけのメンツを集めたものは無かったのではないでしょう? と言う訳で、参加者について簡単に紹介していきます。ただ、本来なら、Der Planの7インチシングルも付いていたハズですが、私の購入した商品には付いていませんでした。 ★A1 Sister M. は日本のバンドで、ここに収められている曲は、全て逆回転となっていますが、何となくダークな/ゴスな雰囲気は伝わってきますが、ちょっとあざといですね。 ★A2 Esplendor Geometricoは、今ではスペインの至宝とも言われるバンドで、この時のメンバーは、Arturo Lanz, Gabriel Riaza, Juan Carlos Sastreで、まだ最初期の曲で、影響を受けたDevoやKraftwerkに類似した、ちょっと風変わりな3拍子のキッチュなテクノ・ポップな曲を提供しており、この頃は、まだ、Synth-Bのリフがあったのね。「モスクワ凍結」とのVoを反復しています。 ★A3 この曲は、エクアドルを訪れたEberhardt Steinkruegerが、そこの部族の音楽をそのまま録音した曲とのこと。正に民族音楽そのもの! ★A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61は独逸のTom Dokoupilがやっているようです。林檎を齧る音から始まり、簡素なシンセとドラムや物音パーカッションや鳴り物から成る曲で、その音楽はDokoupilそのもの。 ★A5 Fra Lippo Lippiは、ノルウェーのバンドで、Rune Kristoffersen (B, G, Kbd)とMorten Sjøberg (Drs, Kbd)から成るシンセ・ポップ・デュオです。ドラムマシンに合わせて、伸びやかなシンセやギターを奏でていますが、曲調はややダークです。 ★A6 Vágtá Zó Hallot Kémekは、ハンガリーのシャーマン・パンク・バンドで、グループ名は「Galloping Coroners(疾走する検視官)」と言う意味です。ダルダルなベースや掠れたドラムに、ぶち切れるような歪んだVoから成る「勢い」だけの曲です。 ★A7 Rahaはイランのグループらしく、アコーディオンと古びたピアノの弾き語りで、その内アコギも加わり、しっとりとした感じが、素朴な響きの曲です。 ★B1 Man Ray Bandは、米国のグループで、メンバーは、Philip Culp, Mark Mothersbaugh, Jed Gould, Charles RamirezことChester Lazloとのことですが、実は、DevoのMark Mothersbaughのソロかもしれません。変調したリズムマシン(後で生Drsも加わる)と変調Voに、カッコ良いシンセBとGが絡む曲で、間奏ではSaxも。やっぱりDevoとは違いますね。 ★B2 Peter X, Kolja Yは、当時のソ連(今のロシア)のデュオ(?)らしいです。渋いギターの弾き語りをエアー録音した曲です。雰囲気は東欧的な曲調ですね。 ★B3 Kid Montanaは、1981年から活動しているベルギーのJean-Marc Ledermanのソロ・プロジェクトでしたが、やがてLes Disques du Crepusculeからも作品をリリースするグループとなります。心臓の鼓動のようなリズムに、上物のシンセと掠れたようなVoと言う簡素でやや不明瞭な曲ですが、段々とノリも良くなり、低音シンセも出てきます。 ★B4 Eva Johanna Reichstag & Die Formは、仏のデュオで、Die FormはPhilippe Fichotのソロ・ユニットでしたが、後に、Reichstagも加わり、デュオとなります。重厚なシンセの後に、男女のVoの掛け合いが、焦ったリズムマシンの上で行われる曲で、とても後のDie Formのゴスな曲調とは異なります。 ★B5 Semoeは、ポーランドのグループ(?)らしいですが、メンバー等は不明です。ミニマルな速めのピアノの連打(MIDIかな?)に、単元切りの語りのようなVoが乗る曲で、中毒性があります。 ★B6 Surplus Stockは、英国のニューウェーブ・バンドで、メンバーはRobert Giddens, Phil Renshaw, Robert Clarke,Josef Schenkから成ります。ホワイトノイズによるリズムにシーケンスとVoから成るミニマムな曲で、知らない間にGも入ってきます。 ★B7 M.B.は、本名Maurizio Bianchiのイタリアの宅録ノイズ・アーティストで、一旦、音楽から退きますが、また復活して、今、現役で活動しています。断片化されたピアノのループを元にして、色んなループを重ねていく曲となっていきます。余り電子音は聞こえてこないです。 ★B8 Jad Fairは、米国のHalf Japaneseのメンバーで、ここでは1/2 Japanとして参加しています。ドラムとピアノとVoから成る、Fairらしいはちゃめちゃな曲です。 ★B9 Alexao Sevsekは、オーストリアのアーティストですが、その正体は、NDWで活躍しているXao Seffchequeのことです。加工した歌声と同様に加工したギター(?)の弾き語りですが、如何にも一癖あるSeffchequeらしい曲と思います それぞれ、工夫して意外なセレクトもされており、面白いアルバムだと思います。この時期、国際コンピレーションは良くあった企画ですが、こんなにハチャメチャなのは中々無かったものと思われ、ATA TAKの企画力とコネクションの広さを思い知りますよね? まぁ、独逸のフィルターを通したとも言えますが、それでもこのヴァラエティの広さには驚くでしょう!なので、国際コンピレーションを考えている方は、参考にしても良いかも?! (オマケの7インチは付いていなかったので、レビューは無しです) A1 Sister M.(日) “S.M.” A2 Esplendor Geometrico (西) “Moscu Esta Helado / Moscow Is Frozen” A3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames” A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj” A5 Fra Lippo Lippi (諾) “Fabric Wardrobe” A6 Vágtá Zó Hallot Kémek (洪)“Untitled” A7 Raha (伊蘭)“Marebebus” B1 Man Ray Band (米) “I Feel So Bad” B2 Peter X, Kolja Y (露)“Выше, Выше ! / Higher, Higher !” B3 Kid Montana (白)“Amour D'Electrons” B4 Eva Johanna Reichstag & Die Form (仏)“Valium” B5 Semoe (波) “I Think” B6 Surplus Stock (英) “Let's Kill Each Other” B7 M.B. (伊)“Milan Bruits” B8 Jad Fair (1/2日)“Fish Can Talk” B9 Alexao Sevsek (墺) ”Das Edelweiß” ◼️Der Plan 7-inch Single C Der Plan “Einfachheit, Brot, Klarheit, Liebe, Tod” D Der Plan “Untitled” [incompletely full album (曲順は異なる。ボートラ含む)] https://youtube.com/playlist?list=PLsQEhHuQnR5MfDH1NVr8O_rYNBS1ctifC&si=mnw6sfTFFdfdRlDH 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、この曲です。 https://youtu.be/FjmMDGvtjuU?si=zjQZxqkoVZeJcSWS 上記のリストのA3 Unknown Artist (厄) “Fiesta De Virgin Del Carmen, Atacames”は、A4 Bruchotin Automatic Band / Siluetes 61 (独) “Adam's Apple / Vsichni Praznj”です。 #VariousArtists #FixPlanet! #AtaTak #InternationalCompilationAlbum #Experimental #Electro #SynthPop #Avant-Pop #SisterM. #EsplendorGeometrico #Equador #BruchotinAutomatiBand/Siluetes61 #FraLippoLippi #VágtáZóHallotKémek #Raha #ManRayBand #PeterXKoljaY #KidMontana #EvaJohannaReichstag&DieForm #Semoe #SurplusStock #M.B. #JadFair #AlexaoSevsek
New Wave / Experimental Pop / Electro ATA TAK 不明Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
来ました!師弟の共作です!そうです。ギターの先生Holger Hillerとその生徒Andreas Dorauの共作マキシ・シングル”Guten Morgen Hose (グーテン・モルゲン・ホーゼ; 「お早う、ズボン」の意)”です。この作品は訳が分からないのですが、バックの曲は、確かにDorauとHillerのコラボ曲なのです。しかしながら、この作品のコンセプトは、実に難解と言うか可笑しな程バカバカしいものみたいです。「クラウトロック大全」の小柳カヲル氏によると、「現代表現主義大全」なる権威のある書籍を適当に開いたところで、目に付いた記述を元に、2人が即興で演じた不条理音楽劇らしいのです。筋書きとしては、人妻Lucyを巡って、父親Johnny (Dorau)、絨毯、ズボン(Hiller)とが争うと言うことらしいのですが、全く持って意味が分からないです。因みに、脚本は、Catherine Lienertとなっています。それで、歌手をスカウトしに大学に行って、偶々、そこにいた守衛と女性清掃員が抜擢されたとか。と言う訳で、次のような役が振られています。 ◼️歌; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (ズボン合唱団; Catherine Lienert, Hagar Groeteke, Moritz Reichelt) Lucy (Erika Kochs) Die Hose (ズボン; Holger Hiller) Der Teppich (絨毯; Sol Rubio) ◼️喋り; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (Jochen Liedisch) Lucy (Claudia Kaloff) Die Hose (Holger Hiller) と言うことを踏まえて、曲/音楽劇を紹介していきましよう。 ★A “Guten Morgen Hose”は、重厚なポリシンセで始まり、可愛らしい電子音や具体音のサンプリングに変わって行き、やがて男性Vo(Dorau)とバックの物音系音へ。そしてズボン合唱団を挟んで、はたまた男性Vo(Dorau)とバックの音へ。いつの間にか、女性Vo(Lucy)も出演して、シタール風のシンセやヴァイオリンの爪弾きをバックに男性Vo(Dorau)へ。そしてズボンVo(Hiller)も現れます。と言う風にコロコロと音とVoは変わっていきます。 ★B “Guten Morgen Hose”も、絨毯Vo(Rubio)が流れる中、バックの音はどんどん変わっていきますが、これはサンプラーによるのでしょう。ここら辺で男女のを挟んで、再びズボン合唱団のコーラスが。そしてまたもやサンプリング音と女性Vo(Lucy)をバックにズボンVo(Hiller)が。相変わらず、バックの音はシンセとサンプリング音で忙しないですが、男性Vo(Dorau)が絨毯を刺しで、自死します。最後にはズボン合唱団の独逸らしい歌が、バックのホーンのリズムに合わせて、ユニゾンで聴こえてきますが、雨音と爆発音とで終わります。 まあ、確かに音楽劇としたら、この2人ならこんな感じかなぁと納得はしますが、これを本当にレコードとして出すかぁ?と言われれば、ちょっと首を捻りますね。まあ、私は独逸語を聞き取れないので、この音楽劇の内容まではよく分かりませんが、音楽として聴くのであれば、かなりHiller色の強い音楽だとは思います。独逸語の分かる方は何を言っているのか?教えて下さい。でも音楽としても面白いので、特にHolger Hillerファンの方には受け入れられるのではないでしょうか!実は、蘭では、この音楽劇を映像化しているので、動画と一緒に聴いてみれば、何と無く言いたいことが分かるかも? https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=r7ywa70KZ4eypIPl #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchMaxi-Single #不条理劇 #音楽劇 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #CatherineLienert #HagarGroeteke #MoritzReichelt #ErikaKochs #SolRubio #JochenLiedisch #ClaudiaKaloff #DieHosen #DerTeppich #Hosenchor #Lucy #Johnny
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop ATA TAK 4800円Dr K2
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Lost Gringos “Nippon Samba”
久しぶりに入手しました。そうです、独ATA TAKのLost Gringosの12㌅EP “Nippon Samba”です。発売当時、私はこのEPは認識してはいたのですが、ジャケの余りにもやり過ぎ感が強くて、どうにも触手が伸びませんでした。しかしながら、NDWを極めようとする中で、どうしても聴いておかなきゃと思い立ち、海外購入した次第です。Lost Gringosについては、前回のEP “Troca Troca”の時に書いてありますので、そちらをご参照して下さい。それで、Lost Gringosは、Eberhardt Steinkrüger (Piano, Vo, Tapes; エバーハルト・シュタインクリューガー)とPete Jekyll (G, Sax; Programming [A1, B1]; ピート・ジェキル)のデュオで、今回は、Keiko Miller (Vo), Zins Zinsius (B, Wood-B), Karl-Heinz Tango (Drs, Perc, Vibraphone, Marimba), Hideto Sasaki (Back-Vo), Laurie Lovecraft (Back-Vo), Rudi Glaser (Back-Vo)が、ゲスト参加しており、A面2曲については、Pyrolatorがマスタリングを担当しています。ただ、Pete Jekyllは、ATA TAKのスタジオ・ミュージシャンのようで、このLost Gringosが本当の意味での「デュオ/グループ」だったのか?それともレーベルが仕掛けた洒落みたいな存在(ゲストも含めて)だったのか?は、今持って不明です。と言うことを念頭に置いて、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Nippon Samba (Receitap'ra Sambar)” (5:30)は、打ち込みから始まるサンバ調の曲で、「歌え、踊れ、叫べ、行け、行け、日本サンバ!」を始めとして日本語の歌詞をKeiko Millerが歌っており、思わず脱力しますが、時に挿入される牛の鳴き声や自動車のクラッシュ音等が中々味わい深く、コラージュのセンスの良さを感じますね。 ★A2 “Ohne Dich (Sinti)” (2:25)は、一転、スパニッシュ調で、男性Vo(Steinkrüger?)が、フラメンコGとリムショットとWood-Bに合わせて朗々と歌っており、これはこれで脱力してしまいます。 ★B1 “Tambo Machay” (4:32)は、ドラムマシンとシーケンスに、シタール様の弦楽器が何となく中近東風で、囁くような男性Voがしっとり歌っています。細かいGやKbdも中々捨て難いポイントになっていますし、コーラスによる盛り上がりや民族楽器調のSaxもグー! ★B2 “Vida De Inés” (2:20)は、鶏の声で始まり、女性による語りと微かなアコーディオンらしきバックで始終さる曲で、正直、意味不明です。 この作品も、無国籍風というか、日本&ブラジル〜スペイン〜中近東〜スペインと言うように何の脈絡も無く、しかも沙汰なくこなしており、このレコードの存在意義自体が既に意味不明です。ですが、A1での歌詞もさることながら、サウンド・コラージュのカットインとかの手法は、当時としては画期的であり、そこに実験性を見出すことはできます。しかしながら、全体としては、ジャケのゴチャゴチャ感が彼等の本質なんだろうなと想像しますが、どうなんでしょう?それとも、単なる語呂合わせ的なおふざけなんでしょうか? Pete Jykeyll氏に直接問いたくなっちゃいますね。そんな珍盤です!好事家の方にもお勧めです。 https://youtu.be/kDF-9hyIOzA?si=T5Y7t9YS0kKzgpMJ #LostGringos #NipponSamba #AtaTak #1982年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #MondoMusic #NewWave #KeikoMiller #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #ZinsZinsius #Karl-HeinzTango #HidetoSasaki #LaurieLovecraft #RudiGlaser #Mastering #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK €20.00Dr K2
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Ja Ja Ja “s/t”
しかしながら、ATA TAKは、いつも凄いバンドを見つけてくるよなー。と言う訳で、今回、ご紹介するのは、当時、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の渦中にあったバンドJa Ja Ja (ヤーヤーヤー)の唯一のアルバムです。もう、ジャケからして脱力してしまう、このバンドは、米国人のJulie Jigsaw,に、独逸人のWietn Wito (ヴイートン・ヴィト)とFrank Sambaから成るトリオです。 それで、ちょっと調べていたら、VoのJulie JigsawことJulie A. Ashcraftのちょっとした自叙伝みたいな記事を見つけましたので、なるべく簡潔に書いておきます(現在はJigsawnovich名義で活動)。どうも、彼女は米国在住であったようで、1980年にNYCのPratt研究所に通う為にDallasから引っ越して、そこで、美学生のTed Parsons (Drs)とGregory Grinnell (G)とで、最初のバンドGroup of Treesを組んで、彼女はVoとCasiotoneを担当しています。彼女曰く、サーフの影響を受けたポストパンク/ノーウェーブなサウンドであったとのこと。しかし、ParsonsはThe Swansに、GrinnellはThe Toastersに加入して、バンドは消滅します。話しが少し前後しますが、1978年〜1980年には、彼女は、Liquid Liquid, Siouxsie & The Banshees, Bad Brains, The Slits, Captain BeefheartやDevoのライブを観ており、その中で、CrassのSteve Ignorantとも直接会っています。一方で、彼女は、京劇や小野洋子, Der Plan, DAF, Holger Hiller, The Wirtschaftswunder, ? & The Mysterians, The Residents, Kraftwerk, Mars, DNA, PIL, Wire, Ornette Colemanなんかも聴いていました。それで、週1回、ラジオ局WPIRのPratt RadioでDJをやるようになります。1981年に、彼女はDer Planのアルバム”Geri Reig”をジャケ買いし、独逸語のサウンドが大好きになって、Der Planの曲を歌おうと練習していました。そして、彼等にファンレターを送り、そのアートワークとか彼等の求めている音楽とかについて尋ねます。それに対して、レーベルのグラフィック・デザイナー兼リードVoのMoritz Rから返事ももらい、その後、手紙やカセット作品の交換を経て、独逸に来ないかと誘われます。それで、彼女はDüsseldorfに行き、ATA TAKスタジオのゲストルームに住みつきます。そこで、PyrolatorことKurt DahlkeとFrank Fenstermacherらと、かなりディープな哲学的な会話を交わすようになり、特に、Dahlkeが”同一性”について語ったことを、彼女にもっと詩的に書き直させて、それが後のJa! Ja! Ja! (意味は「はい!はい!はい!」)の持ち歌の歌詞になります。それで、彼女は、ピアノでメロディを、ドラムでリズムを作っていたりしましたが、ATA TAKスタジオにあったベースやトランペット、シンセにもチャレンジして、Fenstermacherには「天然の才能だね」と言われ、Dahlkeも友人を紹介するからと言って、Frank SambaとWietn Witoを連れてきました。会った日の晩に早速3人でセッションを行い、即興で歌詞も歌も付けてジャムっていました。それを聴いていたDahlkeがサッと録音ブースに入って、そのセッションを録音しています。その中からベストテイクを選び、Witoの一言で、”Wahrheit (ヴァールハイト; The Truth)”として、1982年のコンビ・アルバム”Klar! 80 Sampler, ALLES ODER NICHTS (アーレス・オーダー・ニヒツ; EVERYTHING OR NOTHING)”に収録し、その翌日、3人で、”Katz Rap”(カッツ・ラップ; Cat Rap)と“Mom”の2曲をシングルとして、ATA TAKからリリースしています。その時に、グループ名をJa Ja Jaとしています。1981年〜1982年に、彼女は、Blixa BargeldやGudrun Gut, Bettina Köster, Robert Görl, Andreas Dorauらと会い、NMEの記事の為に、Holger Hillerにインタビューし、実際にPalais SchaumburgやEinstürzende Neubauten, Der KFCのステージも観ています。彼女はその時に、ベルリンの壁で、西側と東側の両方から、その緊張感やスクワットや暴れ方を実体験しており、独の若者達から「米軍基地の為に、冷戦中、しなければならない業務があるのだ」と言うことを再度伝えて欲しいと言われ、その体験から、“Habt Nicht Mehr Angst (Have No More Fear)”の歌詞が出来たとか。それで、NYCで書いていた歌詞に加えて、Ja Ja Jaでの新曲では、彼女は、全て独逸語で歌詞を書くようになりました。それと、1982年にリリースした”Katz Rap”で、彼女は、欧州で最初の女性ラッパーとして録音されたらしく、また、同年のその後、“Graffiti Artists International”も欧州で最初に「落書きアート」に関してのラップ曲となったとも言われています。また、ジャケ絵は、David Icke (デヴィット・イケ)によるモノで、バンドの曲”I Am An Animal”に関係しています。一方、他の2人は、素晴らしいミュージシャンHenry Scott IIIをバンドに加えることを提案し、実際、ライブでも凄かったらしいです。ただ、3人の音楽性がバラバラで、良い意味で、バンドとしては、色んな要素を含んでいました。例えば、Zurichでのライブでは、観客の半分はゴリゴリのパンクスで、残りの半分はオタクのような若者と言う感じだったとか。彼等は、独、蘭、スイス、ベルギーのクラブや大学、フェスでライブ活動を行っていますし、NYCのダンステリア・クラブからのオファーもありました。John Peelも、BBCラジオ番組で”Katz Rap”を掛けてくれていますし、Zurichの独逸語ラジオ番組でもインタビューも受けています。後、NDWの裏番長Xao Seffchequeが1曲、彼女(Julie Jigsaw)のことを取り上げた曲”Julie In Germany”を1982年にリリースされたコンピ”Klar und Wahr – Sounds Rettet Deutschland (クラー・ウント・ヴァール-サウンズ・レテッテ・ドイッチュランド)”に収録したのは、彼女にとっては嬉しかったようです。Ja Ja Jaでは、彼女が歌詞とメロディを作り、他の2人がアレンジして曲にすると言うやり方でしたので、クレジットもそれぞれ別にしていましたが、ある日、Witoが新曲を書いたと言ってきて、彼の主張によると、複数のクレジットにしてもらえないかと言うことでした。また、彼自身は、よりプログレ・ジャズの方向に向かっていましたが、Jigsawはもっとヒップポップ的にしたかったようです。そう言うこともあって、彼女は、1983年にNYCに戻り、ヒップポップ・ムーブメントにどっぷりハマり、また落書きアーティストとしても活動していくことになり、独でのJa Ja Ja は自然消滅してしまいます。 ちょっと長くなってしまいましたね。すいません。それで、即席セッションから発展したJa Ja Jaの唯一のセルフ・タイトルのアルバムを紹介していきます。先述のように、このバンドは、Julie Jigsaw (Vo, Casiotone, Harmonica), Wietn Wito (Fretless-B, Chapman Stick), Frank Samba (Drs[Sonor], Perc, Vibes)から成るトリオで、本作品には、Henry Scott III (Trumpet, Flugelhorn, Vo)がゲストで参加しています。またプロデューサーは、PyrolatorことKurt Dahlkeです。内容的には、A面4曲/B面6曲を収録しています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Ain't Gonna Give Up Yet” (2:33)はChapman Stick (以下Stickと表記)とカシオの音に導かれて、不思議なメロディとなる曲で、B級感満載です。 ★A2 “Graffitti Artists International” (6:29)も、Stickのリフから始まり、Drsとカシオが被って行きますが、VoがモロRap調で、NDWとしては異端的ですね。間奏にはホーン類が吹きまくってますし、Stickのソロもあります。 ★A3 “Mom” (3:48)では、ミュートしたBから静かに始まったかと思ったら、いきなり急かすようなアンサンブルが始まります。Slap奏法も交えて、凄い迫力です。 ★A4 “I Am An Animal” (3:36)は、カシオの音とVoから成るキュートな曲ですが、バックの演奏は高度です。この曲でジャケが決まったとのことですが、私にはその理由は良く分かりません。 ★B1 “On The Other Side” (2:36)でも、Stickの高度な演奏とビートをキープするDrsに、英詞のVoがシアトリカルに絡んできます。 ★B2 “Red” (3:36)は、アップテンポで手数の多いDrsとBをバックに、元気一杯なVoが乗っかる曲ですが、途中、鉄琴ソロで、一息付けます。 ★B3 “Katz Rap” (2:51)は、Slap奏法も冴えるBとDrsとVoで始まりますが、やがて更にアップテンポになって、ややRap調のVoとStickの速弾きが最高にファンキーでご機嫌です。 ★B4 “Ja! Ja! Ja!” (2:20)は、リバーブの効いたDrsに、Bと囁くようなVoが被ってきますが、間奏にハーモニカのソロも良い味付けです。 ★B5 “Destiny” (3:50)は、ホーン類のユニゾンで始まり、強力なリズム隊と、爽やかなVoが独自の空間を作り上げています。間奏のトランペット・ソロも良し!更にそれに絡まるBソロとの掛け合いも凄いです。 ★B6 “Habt Nicht Mehr Angst!” (1:45)は、地を這うようなリズム隊に、Voが独語歌詞を不貞腐れたように歌い、間奏には歪んだStick(?)のノイジーなソロも聴取できます。 これは、当時のNDWの流れの中では、異色作ですね。多くはどちらかと言うとミニマルで、ドラムマシンを使うことが多い印象でしたが、Ja Ja Jaは、上手過ぎるStick/Bの演奏(私は当時、Chapman Stickを弾きこなすNDW関係のアーティストを知らなかったです)とそれに耐えうるDrsの力量からして、別格で、更に曲もプログレっぽくもあり、アレンジも最高です。まだ、Jigsawが米国人の為、独逸語の歌詞が極端に少なく、その点でも通常のNDWとは異なります。購入当時、個人的には、そのStick/Bとかの速弾きがどうにも腑に至らず、そのまま、余り聴いていませんでしたが、今聴くと、凄っく面白いです❗️しかも、これが、ATA TAKからあんなジャケでリリースされたことに驚愕してしまいます。なので、ジャケとかに惑わさらないで、聴いてみて下さい! https://youtu.be/m_-iH3Y8PD4?si=uCMdjUDHfCVGMYzt #JaJaJa #ATATAK #First&LastAlbum #1982年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #JulieJigsaw #NewYorker #WietnWito #FrankSamba #Drums #Casiotone #ChapmanStick #HipHop #Rap #Guest #HenryScottIII #Producer #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) ATA TAK 不明Dr K2
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Der Plan “Die Letzte Rache”
皆んな、大好き、Der Planを久々に紹介します。今回は、彼等のサード・アルバム”Die Letzte Rache”ですが、当時は、セカンド・アルバム”Normalette Surprise”までは人気がありましたが、このサード・アルバムは今ひとつパッとしなかったですねー。彼等のバイオグラフィーは以前にも書きましたので、ここでは省略させて頂きます。メンバーは、Frank Fenstermacher, Moritz R, Pyrolator ことKurt Dahlkeの3人で、どうもこのアルバムは、映画のサントラとして制作されたらしいです(裏ジャケに曲名やコンセプトが載っていますが、デザイン上、非常に読み辛くなっています、と言うか読めません)。この作品は、Rainer Kirberg (ライナー・キルベルク)監督による、舞台のセットが舞台の実験映画”Die letzte Rache (英題: The Last Revenge: 邦題: 最後の復讐)”の為の音楽で、映画の方も筋書きがあって無いような内容だとか(私は未見)。と言うことを念頭に置いて、本作品の内容をご紹介していきましょう。因みに、映画の内容によるのか、A面14曲/B面16曲と短い曲がパッツンパッツンに詰まっています。 ★A1 “Die Wüste” (1:26)は、重厚なシンセによるアンビエント調の曲で、ちょっと物々しいです。 ★A2 “Sechs Fingen An - Titelsong Der Früchte Der Bestimmung” (0:54)は、物音系Percとシンセとふざけたような変調コーラスから成る曲です。 ★A3 “Aufbruch - Der Weltkenner Durchschneidet Den Zaun” (0:45)は、ワルツのようなトランペットが主体となった曲です。脱力しちゃいます。 ★A4 “Am Grab Des Sohnes” (1:07)は、怪しげな雰囲気のビートレスな曲です。室内楽的弦楽器も使用しています。 ★A5 “Im Unterirdischen Wassersaal” (1:02)も、怪しげな雰囲気の曲で、押しては引くシンセ音から成ります。 ★A6 “...Denn Alles War Nur Ein Trick! - Die Früchte Der Bestimmung” (0:41)は、軽いリズムと早回しVoから成る似非ボサノバな曲です。 ★A7 “Zur Alten Dschunke - Thema Der Großen Stadt” (0:53)は、強力なリズムにシンセや豪快なシンバルやホーンやらが絡む(昭和)歌謡的曲です。 ★A8 “Denkmal Des Scheiterns - Eröffnugsfeier” (2:08)は、A7に連続して、ごちゃごちゃした音に続いて、男性ナレーションが取って代わる曲です。最後に勝利のホーンが雄叫びをあげます。 ★A9 “Es Ist Schön, Schön Zu Sein - Der Schöne Mann” (0:32)は、ジャジーな雰囲気の曲です。Voも入っています。 ★A10 “Donnerwetter! - Der Starke Mann” (1:06)は、生DrsとBとファズGに素っ頓狂なVoと言う、彼等にしては珍しい編成の曲です。 ★A11 “Oh, Oh, Oh! - Der Kluge Man” (1:11)は、モールス信号のような金属質なシンセ音のシーケンスから成る曲です。 ★A12 “Der Kommissar - Ist Schon Da” (0:25)も、セクシーでジャジーなSaxとPercから成る曲です。 ★A13 “Ich Bin Es! - Der Weltkenner” (0:53)は、トランペットとマーチングDrsと挑発的Voから成る曲です。 ★A14 “‘Du Bist Es Nicht’ Junger Mann - Die Teenager” (2:29)は、いつものDer Planらしい戯けた曲で、シンセもたっぷりです。子供のようなVoと男性Voの掛け合いが面白い。 ★B1 “Früchte-Radio-Special” (0:50)は、ちょいとジャジーな雰囲気でのピアノ独奏(+ハイハット)です。 ★B2 “Des Kerkers Loch - Die Früchte” (0:29)は、シンセをバックに、何とも調子はずれなコーラス曲です。 ★B3 “Die Unterirdische Fabrik” (0:52)は、B2に連続して低音シンセの波状攻撃に、金属Percが降りかかります。 ★B4 “Oder Nicht? - Die Tötungsmaschine” (0:36)は笑い袋と変調Voや物音系Percから成る曲で、B3と連続して始まります。 ★B5 “Der Kommissar - Ermittelt Weiter” (0:25)も、ジャジーなSaxから成る曲です。 ★B6 “Chor Der Gefangenen” (1:18)は、単音のスカスカなシーケンスに、メンバーによるコーラスが被る曲です。 ★B7 “Der Assistenten-Song” (0:40)は、戯けたスパイ映画のような似非サスペンス曲です。 ★B8 “Chor Der Ausgebrochenen” (0:53)は、ヘンテコなシンセをバックに、何とも調子外れなコーラスから成る曲で、生Drsも加わります。 ★B9 “Schauet Her - Die Früchte” (0:32)は、アコーディオン風シンセと子供のコーラスから成る曲です。 ★B10 “Schönheit Der Macht - Monolog Des Herrschers” (1:41)は、ゆっくりしたキックと単音シンセとトイ・ピアノを中心に、感情のままに歌う曲です。 ★B11 “Zerstörung Der Grossen Stadt” (1:20)は、ゴジラ登場曲のような何とも仰々しい曲です。シンセとホーンも使ってますが、色々とギミックもあります。 ★B12 “Das Zimmer Der Tochter” (1:19)は、何とも悲しげなリコーダーの独奏曲です。 ★B13 “Showdown” (1:04)は、駆け回るネズミのような忙しないシンセ曲で、背景に時計の音も。 ★B14 “So Wurden Wir Zu Ihm Gemein - Sohn Und Tochter” (1:33)は、B13に連続しており、ややファンキーな雰囲気の曲で、BとDrsのリズム隊が、子供達のコーラスとマッチしています。 ★B15 “Das Ende” (1:26)は、不明瞭なオルガンとピアノをバックに、弦楽器らしき音や効果音や人声等が散りばめられた曲で、シンセのメロディが何故か物悲しい。 ★B16 “Der Todesmonolog - Gerät Dem Ausgespaceten Weltkenner Doch Noch Versöhnlich” (3:25)は、静かなアンビエント風の曲で、段々とそれぞれの音が明確になってきますが、いきなり、物音系PercやキックやシンセやVoから成るいつもの”Der Plan”節に替わってしまいます。 以上がサード・アルバムの内容になりますが、とにかく1分にも満たない曲が多く、また統一感もないので、元の映画を想像しにくいのですが、実験映画だったらしいので、きっと上手くマッチしていたのではないでしょうか? 映画のサントラと言う性格上、前作・前々作とはかなり異なった印象ですが、こんな実験的な音楽も出来るんだ!と感心してしまいます。是非とも映画を観てみたくなりますよね❗️ A14 "’Du Bist Es Nicht’ Junger Mann - Die Teenager” https://youtu.be/idRFkIfXZJM?si=N22uhWKVMtc0vNxz [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mnr4AMevgB9CTHvMgkhBgwx8rxSSNccOY&si=ETExTWcwZ2X6tvax #DerPlan #DieLetzteRache #ATATAK #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ThirdAlbum #ExperimentalPop #Synthesizers #MusicForFilm #Soundtrack #RainerKirberg #Experimental Film #FrankFenstermacher #MoritzR #Pyrolator #KurtDahlke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
これは!ATA TAK、最強の2人、Andreas DorauとHolger Hillerのコラボ作!見つけた!! 地味なジャケだったので、気付かなかったよぉ。今、小柳カヲルさんの「クラウトロック大全」で調べたら、DorauはHillerにギターを習っていたとのこと。ビックリです。じゃあ、これは師弟対決(?: まあ、対決ではないですが)!! 読みにくい独逸語のライナーが裏ジャケにあるのですが、細か過ぎて読めません。どうも、両面とも一種のオペラとか歌劇となっています。配役はJohnnyがAndreas Dorau, Hosenchor(ズボン合唱団)がJochen Liedisch (& Moritz Reichelt, Hagar Groeterr), 人妻LucyがClaudia Kaloff or Erica Kochs, Die Hose (ズボン)がHolger Hiller, Der TeppichがSol Rubioとなっています。A面とB面でやや配役が代わっています。内容は、Johnnyとズボンが人妻Lucyを奪い合うとことで、そのLucy役の女性は近所の掃除のおばさんらしいです。取り敢えず、少々調子っ外れなメインVoはオペラチックに歌うと言うか抑揚を付けて喋ると言うかなんですが、バックの演奏がもう、Hiller丸出しの複雑怪奇或いは荒唐無稽なアレンジで、そこにスパイス的にDorauが味付けしていると言った感じでしょうか? で、出来上がったのが、この”German New Opera”とも言うべき破茶滅茶な歌劇ですね。 確かにストリング・シンセなんかの使い方はまだクラシックのような面もありますが、個々の音は、Hiller的に分断された音をサンプリングして切り貼りしているようです。企画ものかもしれませんが、ほんと面白い内容になっています。7インチシングルもあるみたいですし、ジャケ違いもあるようですが、この一枚、持っていても損はないです。そんな一枚ですね。後、このマキシ・シングルは、蘭で放送された際に、深い哲学的意図があるとして、MVが作製されており、それを観ながら聴くと何となく筋が分かります。 A “Guten Morgen Hose” B “Guten Morgen Hose” https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=SLszJZ5dY8ilc401 #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ModernOpera #Avant-Opera #不条理劇
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental ATA TAK 不明。Dr K2
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Lost Gringos “Troca Troca”
ATA TAKも、こんなん出していたのね。で登場するのは、Lost Gringosの12㌅EP”Troca Troca”です。それで、Lost Gringosのメンバーは、Eberhardt Steinkrüger (Vo, Tape, Perc)とPete Jekyll (G, Synth, Perc, Piano)のデュオですが、本作品では、Ruprecht Schwarzburger (B), Walid Raschid Mutlak (Congas, Perc, Drum machine), Sameh Mina (Dr), Pyrolator (Synth, Sequencer), Dahmen (Piano, Synth, Perc, Congas)も客演しています。B1の"Stella, Dein Make-Up"は、Dr. John Rebennackの曲"Right Place/Wrong Time"のカバーです。"Ramona"はFred Buscaglioneによる曲"Torero"のカバーです。本作品もATA TAKらしいユーモアと実験性が同居しており、ラテン風の仕上がりになっています。それらもフェイクなんですけどね。あとこのデュオは”Nippon Samba”と言う途轍もないパロディ作品も出しています。しかしながら、本作品でもスラップするペースと過剰やテープ音がダンサブルなA1“Troca Troca Culebrero”やB1”Stella, Dein Make-up”のファンキーな曲もある一方で、A2”Tea And Biscuits”は本格的ないジャズ風曲も盛り込ませてあり、結構、ガッツリと聴くこともできます。本作はフルのアルバムではありませんが、彼等は1982年〜1985年までは活動していたようです。バイオグラフィーの元がなくて、充分に紹介できませんが、どうかご容赦下さい。彼等のフル・アルバムは”Endstation Eldorado”しかないようです(私は未聴)。本作品も如何にもATA TAKらしい、そこはかとないユーモアが漂っていますので、好きな人は好きでしよう。こんなの一枚、持っていてもいいでしょうね!皆さん! A1 “Troca Culebrero” (5:05) A2 “Tea And Biscuits” (2:04) B1 “Stella, Dein Make-up” (6:42) B2 “Ramona” (3:03) https://youtu.be/SZNvxTF_3ZQ?si=CArz1kXsLFUM7y1z #LostGringos #TrocaTroca #ATATAK #12inchEP #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #Funk #Jazz #Humor #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #CoverSongs #Dr.JohnRebennack #FredBuscaglione #Guests #RuprechtSchwarzburger #WalidRaschidMutlak #SamehMina #Pyrolator #Dahmen
Neue Deutche Welle (German New Wave) my ATA TAK 不明Dr K2
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Pyrolator “Ausland”
ええっと、続きましても、Kurt Dahlkeの偽名Pyrolatorです。今回はソロとしてはセカンドの”Ausland”です。Pyrolatorのバイオグラフィーについては、以前に紹介しましたファーストの”Inland”を参照して下さい。それで、本作ですが、前作がダーク・エレクトロだったのに対して、かなりガラッと変えて、無国籍風の変態ポップな仕上がりになっています。また、リリースもWarning RecordsからATA TAKになっています。今回はゲストも多彩で、確認してみると、Frank Fenstermacher(Der Planのメンバー), Werner Lambertz, Frank Samba, Eberhardt SteinKrueger, Marine, Carmen, Bossa Nova, Ludwig Goetz, Frederik Nilsen, Mortitz Rrr (Der Planのメンバー), Holger Hiller(❗️), Ina, Obiobiです。知ってる人は少ないんですが、この中にLAFMSのFrederik Nielsenがクロス・ストリング・ギターで参加してるのには驚きました❗️今回はDer PlanのFrankとの共同作業もあるみたいで、ラテン系のリズムやスキャット風或いはラップ調ヴォーカルさえ聴取できるポップナンバーなのです。でも、そこはそれ、Der Plan色もあって、一筋縄では行かない独特の脱臼したアレンジで引っ張ってくれます。単純化して言うと、ミニマルなのに、そうは思わせないシンセなどを入れてきたり、生楽器でリズムにメリハリを付けたりと,非常に高度な構成力のあるポップスと言えば良いのでしょうか。でも、こう言うアレンジって独逸っぽいと言うよりもDer Planっぽいと思いました。確かにシーケンサーは使っているんですが、そのアレンジによって随分と多彩な音楽になってる印象です。そんなカラフルでテクノな音楽を聴いてみてはどうでしょうか(ジャケもDer Plan的ですし)? 曲順 A1 “Max” (3:18) A2 “Die Haut Der Frau” (3:10) A3 “Mein Hund” (2:06) A4 “Elefantendisco” (3:07) A5 “Fricandel Speciaal (Gaat Swingen)” (1:51) A6 “Gold + Silber” (2:51) A7 “Bacano Brothercito!” (3:45) B1 “180°” (2:59) B2 “True Love” (6:15) B3 “Studio Fatal” (4:18) B4 “Cassiopeia” (1:48) B5 “Du Bist So... Ich Träume” (3:59) A7 “Bacano Brothercito!” https://youtu.be/oV9CxSUkcYI?si=kXtdgy7LPN21hx3P [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lAeTmsj04dyPKC53AsjV8_CT_GEg17YDI&si=w3N4v0c1T1I4MkES #Pyrolator #KurtDahlke #ATATAK #Ausland #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #DerPlan #ElectroMusic #Synthesizers #Guests #FrankFenstermacher #WernerLambertz #FrankSamba #EberhardtSteinKrueger #Marine #Carmen #BossaNova #LudwigGoetz #FrederikNilsen #MortitzRrr #HolgerHiller #Ina #Obiobi
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Die Doraus und Die Marinas “Blumen und Narzissen”
出ました❗️Neue Deutsche Welle (German New Wave)界のロリコン・バンドDie Doraus (又はAndreas Dorau) & Die Marinasのファーストアルバムです。初期にはマネージャーChristian Kellersmannも関わっていましたが、実際の音楽はAndreas Dorauが一人で作っていて、ほぼほぼ彼の演奏と多重録音とメインヴォーカルから成り、Die Marinasは10代の女の子による少女合唱団 (Carmen Gaspar, Christine Süßmilch, Claudia Flohr, Dagmar Petersen, Isabelle Spelly, Jupp Knöll, Michelle Milewski及びYoung Hack Chi)で、バッキング・コーラスを務めているだけです。1981年にDie Doraus und Die Marinas名義でリリースした”Fred vom Jupiter”がヒットしたので、注目を集めました。それまでのAndreas Dorauの経歴はよくは分からないのですが、Palais SchaumburgのHolger Hillerとコラボ・シングル”Guten Morgen”を1984年にリリースしています。その後、Die Manirasと共にセカンドアルバムまで出しますが、その後は、ソロのシンガーソングライターとして活動を続けています。また、彼はミュンヘン・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学の映像学部に在籍して、映画音楽やビデオ作品の音楽を作っていました。その後、1992-1997年には、ベルリンのTommi Eckartと2raumwohnung と言うデュオで活動しています。その後はDie Tödliche DorisのWolfgang Müllerとも歌詞/テキストを書いています。1997年には、後々有名となるテクノ・レーベルKompactのWolfgang Voigtsの”Grungerman Remix”に参加し、彼の”Girls in Love”がフランス語圏でトップテン入りを果たします。ライブでも、Liga der gewöhnlichen GentlemenやSuperpunkと言ったバンドで時々プレイしていたようです。 2014年には、50歳の誕生日に、ベストアルバム”Aus der Bibliothèque”をリリースしており、現在はハンブルグに住んでいるとのこと。 それで長くなりましたが、Die Doraus und Die Marinasのファーストアルバムについてですが、ほぼほぼ、どの曲もテクノ・ポップ(らしき録音)です。しかしながら、メロディがドイツ民謡調と言うか素朴かつ単純な曲調なので、それなりに楽しめます。特にヒットした”Tulpen und Narzissen” や”Fred von Jupiter”は名曲ですね。特に後者はDie Marinasの合唱が前面に出ており、キャッチーですね。歌詞は、何となくちょっと「ロリっぼい」ような気もしますが、案外、メルヘンチックな歌詞かもしれません。あと彼のヴォーカルの「生気の無さ」が特徴的と言えば特徴的ですね。こんなヘンテコ・ポップな内容なので、レーベルATA TAKとは親和性があったのでしょう。まあ、皆さんも、覗き趣味として、このアルバムを体験しては如何でしょうか? A1 “Tulpen Und Narzissen” (2:06) A2 “Einkauf” (3:00) A3 “Junger Mann” (2:25) A4 “Reisen Um Die Welt” (2:11) A5 “Fred Vom Jupiter” (2:40) A6 “Nordsee” (4:10) B1 “Ich Hab Das Glück” (2:21) B2 “Ernst” (2:25) B3 “Lokomotivführer” (2:50) B4 “Alter Maler” (2:46) B5 “Arrivederci” (4:43) https://youtu.be/EXXoQvZ_qGg?si=3gryk7NhayAL2Unq [full album + other songs] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ka5B26eawBIK_mtNmyNr3kWexSOvn59MQ&si=lOUrz4QGf0cJVWZK #DieDorausUndDieMarinas #BlumenUndNarzissen #AtaTak #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #FredVonJupiter #AndreasDorau #CarmenGaspar #ChristineSüßmilch #ClaudiaFlohr #DagmarPetersen #IsabelleSpelly #JuppKnöll #MichelleMilewski #YoungHackChi
Neue Deutche Welle (German New Wavw) ATA TAK 不明Dr K2
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Der Plan “Normalette Surprise”
また、続きです。そう、Der Planのセカンド ・アルバム”Normalette Surprise (ノルマレッテ・ズルプリーゼ)です。本作品は、変則アルバムで、”Wat’s Dat? & 14 weitere Schlager”収められてるB面は45回転、A面は33 1/3回転となっています。ファーストよりは、悪ふざけなところは抑えられてますが、それでも、チープなシンセを存分に使った(割とちゃんとした)曲は一聴して、Der Planだなと分かるオリジナリティを持っています。 それから彼らのバイオグラフィーが前々回、あまり書いていなかったので、少し補強しておきます。 Der Planは、1979年初頭にDüsseldorfで、Moritz Reichelt (Moritz R®のこと)とKai Horn及びFrank Fenstermacherとによって結成されたWeltaufstandsplan (World Rebellion Plan「世界叛乱計画」の意味)と言うバンドが、その前進となっています。Kai Hornはファーストアルバム前に脱退し、後にDAFのメンバーとなるChrislo HaasとRobert Görlがヘルプで加わり、ジャムセッションを繰り返して、このメンツでファーストシングル(このシングルだけはダークで音楽性も異なり、激レア物件です)が作製されました。1980年になるとPyrolatorことKurt Dahlkeが加入し、音もかなり音楽的になり、シングル”Da Vorne Steht 'Ne Ampel”が欧州で大ヒットして、NDWの中心バンドとなって活躍して行くことになります。彼は自分たちの音楽をElectronic Schlage或いはSynth Popと呼んでおり、同時に自身のレーベルATA TAKを設立します。1982年には 短編映画”Die letzte Rache”のサントラを担当。1984年にはメジャーレコード会社WEAからシングルを出しますが、ヒットしなかったみたいです。一方、彼等は、日本公演の成功からか、”JaPlan”なる作品を1984年にリリースします。このアルバムは日本ではヒットしましたが、世界的には全然ヒットしませんでした。その後、1988年に彼等のベストアルバム”Perlen”をリリースしました。その後、1992年に一旦、Der Planは解散しますが、2003年にDer Plan vet.4.0として復活します。ザックリとしたDer Planの略歴ですが、元々、NDWのシーンはメンバーが入り混じっており、お互いにヘルプし合って、活動していたようです。また、Der Planは、初期には、米国のThe Residentsや英国のThrobbing Gristleに影響を受けていたそうですが、意外と言えば意外な一面があるのだなと思いました。そんな初期のアルバムにも触れてみて下さい。 クレジット曲順 ◼️side A: Normalette Surprise A1 “Lebdoch” (2:10) A2 “Renate” (2:14) A3 “Meine Freunde” (2:02) A4 “Sie Hat Mich Verlassen” (1:53) A5 “Pausen-Sassa” (1:59) A6 “Wenn Der Sonne Ist Verblüht” (2:10) A7 “Kleine Schlager-Revue” (2:33) A8 “Frl. Nicol” (2:05) A9 “Ich Bin Ein Komputer” (1:10) A10 “Robot-Bolero” (1:43) A11 “Generäle Essen Erdbeereis” (2:59) A12 “Das Insekt” (1:35) ◼️side B: Wat's Dat? B1 “Wat's Dat?” (2:09) B2 “4 Stapfen Im Schnee” (1:11) B3 “Zurück In Die Atmosphäre” (2:25) [full album: bonus version] https://youtu.be/tXaT-qLSPIk?si=QPz2iAlSnKfXxiMp #DerPlan #ATATAK #NormaletteSurprise #変則LP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #ExperimentalPop #Synthesizers #MoritzR #FrankFenstermacher #Pyrolator #KurtDahlke #Weltaufstandsplan
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 不明Dr K2
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Der Plan “Es Ist Eine Fremode Und Seltsame Welt”
Der Planは、1979年に Frank Fenstermacher, Moritz R, Robert Görl, Chrislo Haasの4人組として結成されましたが、その後、メンバーの入れ替えがあり、PyrolatorことKurt Dahlkeが正式に加入して、Frank Fenstermacher, Moritz Rとトリオで活動していきます。また、彼等はATA TAKと言う自主レーベルも運営してきています。丁度、Neue Deutsche Welle(German New Wave)の勃興の真っ只中で、紙芝居のような段ボールの被り物をしてカラオケでライブすると言うスタイルで、彼等の人気は上昇していくことに。本作は彼等の6枚目のアルバムで、過去の作品もセルフカバーしてるのかな?と思われます。独特の、斜に構えた諧謔性はやや緩んだ感じもしますが、それでもおもしろ音遊びは聴けます。ジャケはダークで全て黒字で、凹凸のみで判読可能なのですが、内容は素晴らしいです。因みに”Der Plan”はドイツ語で「道化」と言う意味。名は体をなす!と言うことでしょうか。因みに、初来日の時は、カラオケを流してのストリップショーだったようで、賛否両論でした。まあ、それも考えてやったみたいですが、、、。 A1 “Get Out!” (2:47) A2 “Bye Bye!” (2:25) A3 “1 Mann, 1 Ball” (2:47) A4 “Kennen Sie Köln?” (2:57) A5 “Ich Hab Den Jordan Gesehn” (2:20) A6 “Press »G«-Punkt!” (2:04) A7 “Wenn Du Nicht Zuhause Bist...” (3:09) A8 “Kreuze Niemals Deinen Weg!” (1:05) B1 “Bleib Gold!” (2:20) B2 “Komm Zurück!” (3:28) B3 “Die Paranoia-kritische Methode” (3:14) B4 “Die Geschichte Des Schwarzen Goldes” (2:27) B5 “1 Moment = 2 Sec” (3:25) B6 “Frisch Verliebt” (2:35) B2 “Komm Zurück !” https://youtu.be/s80DffydW1w?si=-xB2tqb3_oa01tfl [full album: 曲順は異なります] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m4mRHouFTo3r3r8ErKxHS1__KZQPRDF70&si=S7n8E577vNrqiBjh #DerPlan #EsIstEineFremodeUndSeltsameWelt #GermanNewWave #NeueDeutscheWelle #ATATAK #Pyrolator #KurtDahlke #FrankFenstermacher #MoritzR #6ThAlbum #RobertGörl #ChrisloHaas #SynthPop #ExperimentalPop #Electro #Synthesizers
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK 3000円?Dr K2