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Killing Joke “Fire Dances”
時々、思い出すのが、Killing Jokeなのですが、私は正直、このバンドがどう言う立ち位置なのかは今だに良く分かりません。前回、Killing Jokeのバイオグラフィーはこのアルバムの直前まで書いてありますので、それで大体のことは分かると思います。少しだけ補足をしておきますと、サード・アルバム”Revelations”を出した1982年頃に、メンバー、特にJaz Coleman (Vo, Synth)は、オカルト、それもAleister Crowleyの黒魔術に心酔しており、同年2月には、ColemanはKevin "Geordie" Walker (G)を誘って、直ぐにもやってくると信じていた黙示録的終末を避ける為に、暫くアイスランドに逃亡し、Þeyrと言うバンドと一緒にNicelandなるプロジェクトをやっています。残されたYouth (B)はそのまま英国に留まっていましたが、Killing Jokeを脱退し、Paul Ferguson (Drs)と共にバンドBrilliantをやり始めます。ただ、Fergusonは、アイスランドに行き、新メンバーPaul Raven (B)と共に、新生Killing Jokeを始めます。1982年には、このメンツで、シングル”Birds Of A Feather"を、またカナダのトロントで制作した10㌅ミニ・アルバム”Ha!”をリリースしています。そうして、1983年には、本作品でもある5枚目のアルバム”Fire Dances”をリリース、そこからシングルカットされた”Let's All Go (to the Fire Dances)"もリリースし、彼等は初めてのMVを作製し、プロモーションを行っています。更に、同年10月には、アルバム未収録曲”Me or You?"も出しています。まぁ、ここら辺で辞めておきましょう。 こんな経歴で、Killing Jokeは、ポストパンクにもヘビメタにも人気があると言う特異な立ち位置のバンドであるとは分かってもらえましたか? 再掲になりますが、この5枚目のアルバム”Fire Dances”の参加メンバーは、Jaz Coleman (Vo, Synth), Kevin “Geordie” Walker (G), Paul Raven (B), Paul Ferguson (Drs, Vo)の4人組です。それでは、本作品(両面5曲づつ)の各曲を紹介してい曲ましょう。 A1 “The Gathering” (3:12)は、跳ねるようなリズム隊に、結構カッコ良い歪んだGと堂々と歌うVoが乗ってくる曲で、コーラスも間奏のGもグー! A2 “Fun & Games” (4:07)も、時計の音の直後に、跳ねるリズム隊と電流を通したようなGに、呟いたり、歌い上げたりする自在なVoが良く映える曲です。 A3 “Rejuvenation” (4:00)は、直角的なDrsと分厚いGとBから成る曲で、独特の歌い方のハキハキしたVoが迫ってくる曲ですね。 A4 “Frenzy” (3:48)も、メタリックなGに切羽詰まったようなリズム隊が追いつき、Voも生き生きしてます。ブレイクがカッコ良い! A5 “Harlequin” (3:56)は、四つ打ちっぽいキックに導かれて、太いBやGのリフが乗ってきますが、相変わらずVo(叫び声ではないのがまた良い!)に痺れます。 B1 “Feast Of Blaze” (3:34)は、またノリの良い曲で、サビでのGとBの絡みがイカしてますね。Voも良く通っています。 B2 “Song & Dance” (5:13)では、歪み気味のGのリフとVoから始まり、ドコドコしたリズム隊が挿入してきます。演奏自体は本当に上手いです!特にDrsとG! B3 “Dominator” (4:30)では、ややファンク調のリズム隊の演奏で始まり、Gは控えめで、時にKbdの不協和音が入ってきます。これはダンサブルですね。 B4 “Let's All Go (To The Fire Dances)” (3:20)は、DrsのスネアとGで始まり、直立的リズムが押し出された曲です。特に杭打ちのようなB!曲の熱量が凄い! B5 “Lust Almighty” (3:48)では、ジャングルのようなドコドコしたDrsに引き攣るGが真っ向勝負しています。 なんだろうなぁ。演奏もVoも上手いし、カッコ良いのだが、どうも心に残り難いような印象を持ちます。一つは、曲の並びに緩急が余り無いと言うこと。もっと言えば、心に残るリフとか曲の展開とかが余り無いように感じるってことです。1曲1曲は凄く良く出来ているし、演奏自体も上手いのですが、どうもアルバム単位で聴くとちょっと辛いかなぁ? それから、ColemanのKbdプレイが1曲(B3)だけしか聴こえなかったのも、今いちだったかも。そこら辺に物足りなさも感じたかなあ? しかしながら、曲自体は良く出来ていますので、好きな人には堪らないアルバムだと思いますよ❗️なので、気になる方は聴いてみては如何かな❓ B4 “Let's All Go (To The Fire Dances)” https://youtu.be/JV6ZUPp_mtQ?si=uavwi-0UYMr5syXa [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLVpuNR2HpwPgbkAWHnQjJ1XYdjV7eDa5z&si=9mFDBPmXoc-o5vmf #KillingJoke #FireDances #EGRecords #PolydorRecords #日本盤 #5ThAlbum #PostPunk #AlternativeRock #HeavyMetal #Synthesizers #JazColeman #KevinGeordieWalker #PaulRaven #PaulFerguson
Post Punk / Alternative Rock Polydor Records (EG Records) 不明Dr K2
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Wire “Silver/Lead”
今回、入手したのは、あのポスト・パンクと言うか何と言うか、新生Wireのトータル16枚目のスタジオ・アルバム”Sliver/Lead”です。Wireについてはこれまでも書いてきましたが、ここで「新生Wire」と言ったのは、1999年にそれまで抜けていたオリジナルメンバーだったRobert Grey (Drs: Gotobedの本名)が戻ってきて、2004年にオリジナルメンバーのBruce Gilbert(G)が脱退し、代わって、2010年にIt Hugs BackのMatthew Simms (G)が加入してきてからのアルバムだからです。なので、現在のWireは、Colin Newman (Vo, G), Graham Lewis (Vo, B), Robert Grey (Drs), Matthew Simms (G)のラインナップで活動しています。それで内容ですが、上記のメンバーの内、Greyを除く3人は、基本的なパートは勿論、それ以外にもSynthやSampler, Mandela, Kbd, Modular Synthなど多彩な楽器を曲によって使い分けており、出来上がった曲はストレートでシンプルながらも、豊かな表現となっています。またGreyのドラマはタムを使わないシンプルで禁欲的なビートを刻んでいるので、それに乗っかる3人の音もストレートで、聴き応えのあるアンサンブルになっています。初期の3作の内、”Chairs Missing”辺りに近いかも知れませんが、ギターやベース、更にシンセなどの上物を、自分達でコントロールしている点で、よりナチュラルなアレンジになっているのかも? 因みに、このアルバムはWire結成40周年としてリリースされています。個人的には、先行シングルカットされた”Diamonds In Cups”とかが好みです。Newmanの落ち着いたVoが心地良いですね。そんな「新生Wire」の長い活動の一つの区切りアルバムを是非体験して下さい!! ★A1 “Playing Harp For The Fishes” Matthew Simms (G, Synth MS-10), Graham Lewis (Lead-Vo, Loops, Sampler) ★A2 “Short Elevated Period” Graham Lewis (Back-Vo), Matthew Simms (G, Mandola), Colin Newman (Lead-Vo) ★A3 “Diamonds In Cups” Graham Lewis (Back-Vo), Matthew Simms (G, Synth MS-10), Colin Newman (Lead-Vo, 12弦G) ★A4 “Forever & A Day” Matthew Simms (G, Effects), Graham Lewis (Lead-Vo, Loops, Sampler) ★A5 “An Alibi” Matthew Simms (G, Modular Synth), Colin Newman (Lead-Vo, A-G) ★B1 “Sonic Lens” Matthew Simms (G, Effects, Synth MS-10), Colin Newman (Lead-Vo, A-G) ★B2 “This Time” Matthew Simms (G, Modular Synth), Graham Lewis (Lead-Vo), Colin Newman (Software Instrument [M-Tron Baritone] ) ★B3 “Brio” Graham Lewis (Back-Vo, Loops, Sampler, Synth SK-1), Matthew Simms (Lap Steel G, Autoharp), Colin Newman (Lead-Vo, A-G, Mandola) ★B4 “Sleep On The Wing” Matthew Simms (G), Colin Newman (Lead-Vo, A-G) ★B5 “Silver/Lead” Matthew Simms (G), Colin Newman (Lead-Vo, A-G, Effects) B4 “Sleep On The Wing” https://youtu.be/qo73io1OEB0?si=nd4rBAe-CmCVsoA9 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLDZjcAUlBFE4CV8EU85JCfmcymRLcJRBb&si=iMFzwZoyCnlGHfZn #Wire #Silver/Lead #Pinkflag #PostPunk #AlternativeRock #The40thAnniversary #ColinNewman #GrahamLewis #RobertGrey #MatthewSimms #SimpleArrangement
Post Punk / Alternative Rock Pinkflag 2010円Dr K2