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Thomas Leer “Contradictions”
勢い余って、買ってしまいましたが、この作品に関しては、再発CDの方が良かったかもしれません。と言うとも、CDの方は16曲入りで、本作品は12-inch Maxi-Singles2枚組で7曲入りだからです。ただ、これはCDで持っていたように思ったので、レコードでもと思って購入してしまいました。それで、Thomas Leerについてですが、かの名盤Thomas Leer & Robert Rental “The Bridge”で皆さん、良く知ってらっしゃると思いますし、その後もThomas Leerはアルバムを出していますので、そちらで聴いたこともあるでしょう。それか、ここでも以前に彼の2枚組アルバム”Letter From America”を紹介していますが、確認した所、これら2作品は同年にリリースされており、また内容もほぼ同様のようです。と考えると、今回のこのマキシ・シングル2枚組の購入はほぼダブりなのでは?と感じております。なので、Thomas Leerのバイオグラフィーに関しては、あちらの方をご参照下さい。取り敢えず、各曲について、ご紹介することにします。 ◼️MS1 ★A1 “Hear What I Say” (5:18)は、ホーン風シンセを弾きまくってカーニバル風のダンサブルな曲で、LeerのノリノリのVoまで聴くことが出来ます。BとGもファンキーですね。 ★A2 “Mr. Nobody” (5:22)は、タムを多用したリズムマシンとやはりホーン風のシンセと唸りまくるBから成るダンサブルな曲で、Leerも歌いまくってます。しかしながら、しっかりメロディアスなシンセの旋律も隠し味として入っています。 ★B “Contradictions” (4:49)も、ファンクのリズムパタンに、マリンバ風の旋律とホーン風シンセと唸るBから成る「陽キャ」のダンス・ミュージックで、途中にはホーン風シンセのソロや変調加工Voの挿入もあります。 ◼️MS2 ★C1 “Looks That Kill” (4:58)は、やや怪しげな雰囲気も漂わせてはいますが、やはりSynth-Bとタイトなマシンリズムから成るダンサブルな曲で、Leerも歌いまくってます。ただ、この曲はちょっとスパイ映画風で、純粋なダンス・ミュージックではないように思えます。 ★C2 “Soul Gypsy” (5:17)は、東欧風のリズムパタンをシンセで作り、スラップ奏法のBも交えて、ちょっと変わったダンサブルな曲ですが、それ程クセは強くはありません。クラリネット風シンセも加わり、複雑なアンサンブルを成しています。 ★D1 “Choices” (6:10)は、スパニッシュ系のアレンジが施されたマシンリズムに、Synth-Bやヴァイオリン風シンセやレゾナンスの発信音によるPerc、それに変調加工Voも加わり、また異なった雰囲気でのダンス・ミュージックとなっています。それからGも弾きまくっています。 ★D2 “Gulf Stream” (5:42)は、最初、摩訶不思議なダイナミックなマシンドラムの中近東風の不思議なリズムとシンセやGのメロディから成る似非民族音楽で、テープ音等が挿入され、まるで、Cabsの”Three Mantras”の如し! 流石に、厳選された曲ですね。まぁ、”The Bridge”とは全く異なるゴージャスなダンス・ミュージックではありますが、これはこれで非常に緻密な、ダンス・ミュージックに特化した機能的な音楽ですが、本作品の収録曲は、アルバム”Letter From America”に入ってますし、ヴァージョン違いでも無さそうなので、まあ、よっぽどThomas Leer好きか、クラブDJ仕様だとは思います。なので、気になる方だけ、入手して貰えば良いのではないかと、、、。あと、同時に出たCDの方が収録曲も多く、聴き応えがあると思いますよ! [本作品にセレクトされている各曲はバラバラだったので、1曲ずつURLを貼っておきます] A1 “Hear What I Say” (5:18) https://youtu.be/gqzgIetrqAM?si=0LTbeFQdaUvOtgDl A2 “Mr. Nobody” (5:22) https://youtu.be/u6bs1PEVMYM?si=7IDYdj7GCS4NBcMw B “Contradictions” (4:49) https://youtu.be/2fcZScndGi8?si=0qEXahnQb-eKMz_V C1 “Looks That Kill” (4:58) https://youtu.be/Ix4_twPVmTQ?si=kRabVa53MhyTLH5p C2 “Soul Gypsy” (5:17) https://youtu.be/BVqes5nz3YM?si=D9mTK0FbD4iQGUXF D1 “Choices” (6:10) https://youtu.be/yRVJf7QbXE8?si=4BukP8Frvghh5sP_ D2 “Gulf Stream” (5:42) https://youtu.be/KgjZ2rzjNas?si=7nSFdBKiA79BEbXY [再発CDのfull version] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nWgGTS1Wyz6rrOE3vFsP3yGdrxKJl2BdE&si=qnGNQ-OtUKyQBYVl #ThomasLeer #Contradictions #SpittleRecords #2022年 #Reissue #12-inchMaxiSingles #2枚組 #CherryRedRecords #1982年 #ElectroPop #Industrial #Synthesizers #DrumMachine #CDReissue
Electro Pop Spittle Records (Cherry Red Records) 3630円Dr K2
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Karl Bartos “Off The Record”
今回は、1975年〜1990年の期間、あのKraftwerkのメンバーであったKarl Bartosのソロ名義でのセカンド・アルバム”Off The Record”を紹介しましょう(彼は、最初、Electric Musicと言う名義でも活動しており、最初にセルフタイトルをアルバムも出していますので、それを加えると、サード・アルバムとも言えます)。先ず、簡単に、彼のバイオグラフィーを書いておきます。本名Karlheinz Bartosで、1952年5月に独のMarktschellenbergで生まれています。大学生の時(1965年〜1975年)には、The Jokersのドラマーとして活動していますが、その時には、Carlos Bartosと名乗っていました。この後、1975年〜1990年まで、電子音楽グループKraftwerkのメンバーとして、Wolfgang Flürと共に活動していますが、この時期のKraftwerkは最も安定しており、創作活動も充実しています。Bartosは、元々、AutobahnのUSツアー要員として誘われたのですが、Karlhainzと言う本名は、ネオン管で作るには長過ぎるし、費用も掛かるとRalf Hütterに指摘されたので、ステージ名としてKarl Bartosとなりました。Kraftwerkでは、パーカッションを担当していましたが、アルバム”Man-Machine”, “Computer World”, “Electric Café”では作曲にも関わっており、特に後者では1曲、リードVoも担当しています。しかしながら、Bartosは、バンドの創設者Ralf HütterとFlorian Schneiderが、完璧主義に益々拍車が掛かり、バンドとしての活動が極端に遅くなり、それに対して不満が噴出したことから、1990年8月にバンドを脱退しています。それで、Bartosは、Elektric Musicを立ち上げ、1993年にKraftwerk風アルバム”Esperanto”を、1998年にはよりギターポップ的なアルバム”Electric Music”をリリースします。この2枚の間にも、1996年には、Bernard SumnerとJohnny Marrとのコラボを行い、Electronic名義で、アルバム”Raise the Pressure”を、またOMDのAndy McCluskeyと共作して、”Esperanto”とOMDのアルバム”Universal”にそれぞれ名を連ねています。また、スウェーデンのバンドMobile Homesのアルバムもプロデュースしたりして、余りにギターポップだったこともあり、一時期、シンセポップ・ファンを落胆させましたが、このアルバムは商業的には成功しています。その後、彼は、2003年に、Karl Bartos名義で、シンセポップ・アルバム”Communication”をリリースします。2007年には、グラフィック・アーティストJean Giraudに関するドキュメンタリー”Moebius Redux – A Life in Pictures”の音楽を担当しています。そうして、彼は、2008年初頭に、オーディオ・ヴィジュアル展Crosstalkの第1版をオーブンすることを自身のHPで宣言し、21本の映像、リミックス、カバーから成るプログラムを開催し、スウェーデン、ベルギー、蘭、独、英や日本からの素材をマッシュアップしています。2011年3月には、iPhoneのアプリとして、Mini-Composerを出しています。2013年3月5日に、本作品でもあるセカンド・アルバム”Off The Record”をリリースします。その前に、シングルカットされた”Atomium"を2月1日に1000枚限定で世界同時にリリースしています。2020年9月には、彼の公式ニュースレターが、新たなプロジェクトを進行していると公表しましたが、パンデミックの為、それは公開されませんでした。2021年5月12日に、Kraftwerkはロックの殿堂入りを果たし、Schneider, Hütter, Flürと共に、Bartosも賞されています。 ここら辺が、Karl Bartosの経歴ですが、本作品”Off The Record”は、元々、CD作品としてリリースされており、その一部は本作品のようにLPフォーマットでもリリースされています。本作品は両面共6曲ずつ収録されています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Atomium” (3:16)は、7拍子と言う変拍子ですが、全然違和感の無い打ち込みシンセポップに仕上がっています。奇跡! ★A2 “Nachtfahrt” (3:30)は、バックはもろKraftwerk調なのですが、ほぼ生のVoが入ることで、より親しみ易いシンセポップになっています。メロとサブメロの掛け合いも良い塩梅です。 ★A3 “International Velvet” (4:37)は、変調Vo(ここでの「変調Vo」はヴォコーダーを通したVoです)も入った寛ぎのシンセポップで、メロディもテンポも優しい。Kraftwerkよりもずっと人間味に溢れています。 ★A4 “Without A Trace Of Emotion” (3:28)は、ノリの良い陽キャな曲で、この曲では生声で歌っており、ロックすら感じます。途中で7拍子のフレーズや変調Voも入ってくるのも良いアクセント! ★A5 “The Binary Code” (1:41)は、パルス状の電子音の波から成るインスト曲で、頭の中に沁みます! ★A6 “Musica Ex Machina” (5:15)も、ダンスチューンのようなリズムに合わせて、変調Voで歌っており、バックのシンセ音も絶妙なミックスと音色で良きかな。最後の転調もグー! ★B1 “The Tuning Of The World” (3:33)は、優しいメロディと変調Voによるシンセポップで、人間味溢れた曲調がKraftwerkとは違い、言わばシンセ弾き語り! ★B2 “Instant Bayreuth” (3:36)は、スローで簡素なリズムに、通奏低音と単音のシンセによるメロディが心に沁みるインスト曲です。 ★B3 “Vox Humana” (2:56)は、人間臭いリズムと人声サンプリング、それにピロピロしたSE的シンセが絡む、何かが言いたいような曲で、途中途中でテンポが変わります。 ★B4 “Rhythmus” (4:16)は、その表題通り、強靭な打ち込みリズムを強調した曲で、変調ロボットVoと生Voとを使い分けており、そこら辺に秀逸さを感じます。 ★B5 “Silence” (0:06)は、ポリシンセの2フレーズだけのSE的小曲です。電子音楽のNapalm Death? ★B6 “Hausmusik” (3:29)は、陽キャなメロディのシンセポップで、軽く変調したVoと軽やかなシンセのメロディもツボを押さえていますね。 と言う訳で、Karl Bartosの”Off The Record”を聴いてみましたが、Kraftwerkに似た部分もあるのですが、多分見ている方向が真逆で、打ち込みによるシンセポップながら、非常に人間臭いものを感じました。そこら辺も意識しているのかも知れませんが、大きな違いだと思います。根本にはバピネス指向ではありますが、所々に批判精神も感じられ、そう言う意味では、一聴の価値ありと思いますので、本作品を是非聴いて欲しいですね❗️ A6 “Musica Ex Machina” (MV) https://youtu.be/msAFXe4PEVU?si=e7dF7yd5FmouGqzv [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_klyXA2OKwTf5C0xO5fdbpzYSRfIQzrcdc&si=me56ZwJowKJ1PmiY #KarlBartos #OffTheRecord #BureauB #ElectroPop #Synthesizers #Kraftwerk #SoloAlbum #2ndAlbum #変拍子 #Humanity #German #ElectricMusic
Electro Pop Bureau B £14.81Dr K2
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Bill Nelson “The Love That Whirls (Diary Of A Thinking Heart) / La Belle Et La Bête (Beauty And The Beast)“
今回は、Be-Bop Deluxe〜Red Noiseと良質なポップ・ミュージックを作り続けてきたBill Nelsonのソロ作品として4作目”The Love That Whirls (Diary Of A Thinking Heart) / La Belle Et La Bête (Beauty And The Beast)“をご紹介します。どうも調べてみると、前者単体1枚だけのものと、2枚組み仕様のものがあるようです。今回は、後者の2枚組みの方をご紹介します。その前に、Bill Nelsonのソロ・アーティストとしてのバイオグラフィーについて、ご紹介しておきます。Bill Nelsonは、英国YorkshireのWakefield出身で、弟Ian Nelsonとは、Be-Bop Deluxeの名曲”Ships In The Night”を共作し、Flat Lux成るバンドも結成しており、1979年には、Ian Nelsonは、Red Noiseの”Sound On Sound”にも参加して、更に、2004年のBill Nelson & The Lost Satellitesのツアーにも参加しています。話しを戻しますと、Bill Nelsonは、地元のWakefield College of Artに通っていましたが、その時には、詩人で映像作家でもあるJean Cocteauに興味を持っており、同時に、ミュージシャンとしては、ギタリストDuane Eddyに影響を受けていました。Nelsonの最初のレコードは、Brian Calvert, Chris Coombs, Ted Hepworth, Mike Levon and Brian Wilsonと制作したアルバム”A-Austr: Musics from Holyground”です。その後、1971年にAstral Navigations のアルバム”Lightyears Away”にも参加、このアルバムで、アシッド・ロック・スタイルでの演奏で、重要な役割を果たします。Nelsonは、1973年に、ファースト・ソロ・アルバム”Northern Dream”を自身のレーベルSmileからリリースし、BBCラジオのDJ John Peelの気を引いたこともあって、彼のバンドBe-Bop Deluxeは、EMIの傘下Harvest Recordsと契約し、1974年に、Be-Bop Deluxeのアルバム”Axe Victim”をリリースしています。翌年には、オリジナル・メンバーを入れ替えて、セカンド・アルバム”Futurama”をリリースします。この時のメンバーBill Nelson (G), Andrew Clark (Kbd), Charlie Tumahai (B), Simon Fox (Drs)で、1976年にアルバム”Sunburst Finish”と”Modern Music”の2枚を、1977年には、ライブ・アルバム”Live! In The Air Age”をリリースし、1978年には、このメンバーでの最後のアルバム”Drastic Plastic”を出しています。Nelsonは、固定メンバーでの演奏や録音に困難さを覚え、アルバム”Drastic Plastic”のインスト曲では、Foxの叩いたDrsをループさせて、Nelson (A-G)とClark (Kbd)だけが演奏すると言う実験的な録音も行っています。また、以降のソロ作品ではアンビエント調になっていきます。1983年のInvisibility Exhibitionツアーでは、こうやって作ったバックトラックに合わせて、Bill Nelson (G)とIan Nelson (Sax)が演奏する形態で行っており、後にアルバム”The Chamber of Dreams”としてもリリースしています。この方法は、2003年作と2015年作のソロアルバム”Painting With Guitars”シリーズや2007年作”And We Fell into A Dream”でも使われています。そうして、1978年秋には、TumahaiとFoxを解雇し、Be-Bop Deluxeを解散します。そして、新バンドRed Noiseを結成し、1979年2月にアルバム”Sound On Sound”をリリースします。ただ、Harvest側は、Red Noiseのセカンド・アルバム”Quit Dreaming And Get on the Beam”のリリースには難色を示し、お蔵入りしてしまいます。その頃、Nelsonは、プロデューサーのJohn Leckieと知り合い、またパンクバンドThe SkidsのStuart Adamson (G)とRichard Jonson (Vo)とも親交を深めています。マネージャーのMark Ryeは、Harvestと話合い、Nelsonの未発表曲を一部を、RyeとNelson自身のレーベルCocteau Recordsからリリース出来るようにしており、シングル”Do You Dream in Colour?"をリリース、BBC1ラジオもこれを掛けまくって、英国シングル・チャートで52位まで行きます。それで、大手のPhonogramが版権を買い取り、1981年にアルバム”Quit Dreaming And Get on the Beam”をMercury Recordsから出しています。このアルバムは宅録された実験的アンビエントのインスト曲”Sounding The Ritual Echo (Atmospheres for Dreaming)”もボートラで収録されています。そして、次のアルバム”The Love That Whirls”を出しますが、このアルバムには、Jean Cocteauの1946年作映画”La Belle et la Bête/Beauty and the Beast”のサントラ盤も付いています(これが、本作品となります)。同時に、Cocteauの”Das Kabinet”のサントラや、Robert Wieneの映画”The Cabinet of Dr. Caligari”のサントラも制作しています。その後、Nelsonは、この時期に膨大な数のシングルやアルバムをCocteau Recordsより出しています。そうして、Nelsonは、実験的エレクトロ・ミュージックから成る4枚組みLPsボックス”Trial by Intimacy (The Book of Splendours)”やアンビエントの2枚組みアルバム”Chance Encounters in the Garden of Lights”を、更には、1989年にも4枚組みCDボックス”Demonstrations of Affection”も出しています。この頃には、英国ニューウェーブにも、彼の名が知られ、Gary Numanは好きなギタリストとして、Nelsonを名を挙げており、また、David Sylvianの1986年作アルバム”Gone to Earth”にもゲスト参加したり、1987年放映のTVドラマ”Brond”にも曲を提供しています。また、1980年代には、CBS Records傘下のPortrait Recordsは契約上のミスから、アルバム”Getting the Holy Ghost Across” (米国題名 “On a Blue Wing”)を出し損ねたりした為か、Nelsonは、1980年代後半は、Enigma Recordsと契約していますが、1980年代には、彼は、離婚や印税問題、マネージャーとのシビアな著作権問題、またはマネージャーが勝手に未発表アルバムをメールオーダーで売っていた問題等で、精神的にも参ってました。しかし、1992年になると、4本のギターと2台のドラムで作ったデモ音源からアルバム”Blue Moons”と”Laughing Guitars”をVirgin Recordsからリリースしています。そうして、宅録ワークから4CDs+2CDs作品”My Secret Studio”と6CDs “Noise Candy”をリリース、同時に、彼は、Rodger EnoとプロデューサーのKate St Johnとで、アルバム”The Familiar”を制作。これがキッカケで、アンビエントのスーパー・グループChannel Light Vesselを結成しています。1995年に、Nelsonは、2枚の趣向の異なるアルバムを出します。一つは、インスタレーションに使うようなアルバム”Crimsworth (Flowers, Stones, Fountains And Flames)”を、もう一つは、ギターでのインスト・アルバム”Practically Wired, or How I Became... Guitarboy! ”です。そして、翌年には、NelsonはBとDrsと共に、David Bowieから影響を受けたアルバム”After The Satellite Sings”を制作しています。翌年1996年までに、先述のマネージャーとのトラブルは解決し、晴れて、アルバム”Simplex”を2001年と2012年にリリースすることができました。また、1990年代後半に、Nelsonは、レーベルPopuluxeを立ち上げ、Robert FrippのDiscipline Global Mobileと配給を協力しますが、次第に低迷していきます。それで、1998年に、彼の新レーベルでは最後になったアルバム”Atom Shop”をリリースしています。まだまだ、2000年以降も活動しているのですが、長くなり過ぎるましたので、この位で辞めておきます。 それで、本作品なのですが、LP1 “The Love That Whirls (Diary Of A Thinking Heart)”では、ほぼ全ての楽器をBill Nelsonが演奏しています(Casio MT 30, Synth [Casio VL-1, Mini-Moog, ARP Omni String Machine], Marimba, Autoharp, Drum Machine [Roland TR808], Effects [Fostex 3050 Digital Delay, Eventide 910 Harmonizer, Marshall Time Modulator, MXR Phase 100])。そうして、両面とも6曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 LP1: The Love That Whirls (Diary Of A Thinking Heart) ★A1 “Empire Of The Senses”は、リズムマシン(通称「ヤオヤ」)を用いたノリの良い曲で、ファルセットも混じえたVoが程良いスパイスになっています。マリンバのフレーズも小気味良い! ★A2 “Hope For The Heartbeat”は、やや中華風のメロディの曲で、正直、YMOなんかよりも良い感じに仕上がっています。ベースラインはミニマルです。 ★A3 “Waiting For Voices”は、ゆったりしたシンセの波から成るインストの小曲です。 ★A4 “A Private View”も、良質なポップ・ミュージックで、シンセやドラムマシンのアレンジが秀逸です。間奏のギターソロも伸び伸びしていて良い感じです。 ★A5 “Eros Arriving”は、疾走感あるドラムマシンで始まる曲ですが、途中で中華風のサビやファルセットVoも挟んで、飽きさせないですね。 ★A6 “The Bride Of Christ In Autumn”は、目一杯シンセとかエレピなどを使った豪華なインストの小曲で、リズムに逆回転のパルスを用いてます。 ★B1 “When Your Dream Of Perfect Beauty Comes True”は、カッコ良いリズムマシンとシーケンスに、軽やかなマリンバが踊るインスト曲で、それに絡むシンセもまた良いです。意外とミニマル。 ★B2 “Flaming Desire”は、重めで強力なリズムマシンを中心に、NelsonのVoも良くマッチしており、また脇を固めるシンセも捨て難いリフで、カッコ良いです。 ★B3 “Portrait Of Jan With Flowers”では、如何にもなリズムマシンの音と、2台分のピアノの絡みが美しいインストの小曲に仕上がっています。 ★B4 “The Crystal Escalator In The Palace Of God Department Store”も、独特のパターンのリズム隊に、ギターとシンセが乗って、バックを固め、そこに乗る落ち着いたVoも効いています。 ★B5 “Echo In Her Eyes (The Lamps Of Oblivion)”も、ゆったりしたシンセによる小曲で、これはアンビエントと言ってもよいのでは? ★B6 “The October Man”は、スケールのデカい曲で、テンポ、ギター、打ち込み、シンセ、Vo、どれを取っても完璧で、心地よいポップ・ミュージックです。 この1枚を聴くだけで、如何にBill Nelsonが音楽好きかがよく分かります❗️そして、それを具現化するだけのテクとセンスと機材を持っていたと言うのも重要な点です。それと、音が結構詰まっているようにも思えるのですが、聴いている時は、そんなゴチャゴチャな感じは無く、スッキリと聴くことが出来るので、彼のアレンジ力も侮れないなと思いました。と言う訳で、この1枚だけでも、是非聴いてみて下さい‼️ では次に、本作品の付録的な2枚目よサントラ・アルバム”La Belle Et La Bête (Beauty And The Beast/ 美女と野獣)”を紹介していきましょう。こちらは、C面9曲/D面18曲が収録されていますので、1曲ずつの紹介ではなくて、全体の紹介をしていきたいと思います。The Residentsの”The Commercial Album”の如く、短いけれどもメロディやハーモニーのある曲や小鳥の鳴き声や馬の足音等がバックで聞こえる曲が詰まっています。メロディのあるものが多いですが、中には一瞬で終わるSE的な曲(?)もあります。ここら辺のコンパクトでもちゃんと聴かせるセンスが流石としか言いようがありませんね。音楽の方もそうですが、これがサントラとして使われた映像作品の方も観たくなりますね。 LP2: La Belle Et La Bête (Beauty And The Beast) C1 “Overture” C2 “The Family” C3 “Sisters And Sedan Chairs” C4 “In The Forest Of Storms” “The Castle” C5-A “The Gates” C5-B “The Corridor” C5-C “The Great Hall” C5-D “Dreams (The Merchant Sleeps)” C5-E “Fear (The Merchant Wakes)“ C6 “The Rose And The Beast” C7 “Magnificent (The White Horse)” “Beauty Enters The Castle” C8-A “The Door” C8-B “The Mirror” C8-C “Candelabra And Gargoyles” C9 “Beauty And The Beast” D1 “Transition No. 1” D2 “Transition No. 2” D3 “The Hunt” D4 “The Gift” D5 “The Garden” D6 “Transition No. 3” D7 “Transition No. 4” D8 “The Tragedy” D9 “Transition No. 5” D10 “The Enchanted Glove” D11 “Tears As Diamonds (The Gift Reverses)” D12 “The Beast In Solitude” D13 “The Return Of Magnificent” D14 “Transition No. 6 (The Journey)” D15 “The Pavilion Of Diana” D16 “Transformation No. 1” D17 “Transformation No. 2” D18 “The Final Curtain” と言う訳で、音楽に取り憑かれた天才Bill Nelsonの4作目のアルバム”The Love That Whirls”と、映画「美女と野獣」のサントラを聴き直してみましたが、やはり彼の才能には当てられてしまいました❗️Be-Bop DeluxeやRed Noiseも良いですが、ソロ作品も彼独自の「美学」があって良いです。なので、皆さんも是非とも聴いてみて下さい❗️ [LP1: full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_l45KW5UxyIppGrMRu-G06X_orG7qFl2RE&si=wZjLsLnySJQRiRBK C5 “The Castle” https://youtu.be/Xi8nfST_cDY?si=wuvz8lR8xTckC3Fj D17 “Transformation No. 2” https://youtu.be/fNx0iz-UBb4?si=iSXotIBXHI7UtxZJ D18 “The Final Curtain” https://youtu.be/ts9WcfN9Jpo?si=uO57Nxjblbq0Qztd #BillNelson #TheLoveThatWhirls #DiaryOfAThinkingHeart #LaBelleEtLaBête #BeautyAndTheBeast #MercuryRecords #SoloAlbum #4ThAlbum #CompleteSolo #Multi-Instrumentalist #PopMusic #Electro #Soundtrack #Guitar #Synthesizers #DrumMachine #Vocal #Instrumental
Electro Pop MERCURY Records 不明Dr K2
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Depeche Mode “Violator”
今回は、Depeche Modeのアルバム”Violator (冒涜者)”を紹介したいと思います。まあ、初期の頃も大好きだったのですが、段々と人気が出て、アリーナ・クラスのバンドにまで成長しましたから、ちょっと避けていました。オリジナルは、1990年作ですが、世界中で再発されたり、各国のヴァージョンかあったりと約150種類のヴァージョン/フォーマット違いがあるようてす。Depeche Modeのバイオグラフィーについては、以前に書いてありますか、補足を少ししておきます。本作品はスタジオ・アルバムとしては7作目なのですが、私が購入したのは、それの再発盤で、リマスタリングされています。オリジナルは1990年にリリースされています。その時のメンバーは、Alan Wilder, Andy Fletcher, Dave Gahan, Martin Goreの4人です。Dave Grahaは1980年にDepeche Modeの結成時からVoであり、バンドのフロントマンで、曲も書きます。Martin Goreもバンドの創設期からのメンバーで、G/Kbd/Synthを担当、曲も書き、時にはリードVoも取ります。Alan Wilderは、最初期にVince Clarkが脱退した後、ツアーメンバーでありましたが、正式なメンバーとなり、1982-1995年の期間、Depeche Modeのメンバーとして、Kbd/Synth/Piano/Drs/B/G/Flute等を担当しています。Andy Fletcherは通称Fletchとも呼ばれ、バンド創世期からのメンバーで、ずっとKbd/Synth/Bを担当してきましたが、2022年5月26日に、60歳の若さで他界しています。 と言う訳で、本作品”Violator”を紹介します。A面5曲/B面4曲が収録されていますので、各曲について紹介していきますね。 ★A1 “World In My Eyes”は、複雑な打ち込みリズム隊に憂いのあるVoと抒情的なボリシンセが乗っています。流石、”Depeche”節とも言えるメロディラインが一貫していますね。 ★A2 “Sweetest Perfection”は、しっとりしたスローな曲ですが、打ち込みでこのテンポの曲作りは意外と難しいんですよね。間奏での「室内楽」がワンポイントです。 ★A3 “Personal Jesus”は、6/8拍子のリズムを採用した、ノリは良いがややヘビーな曲です。スライドGも使っていらのかな?ちょっとアメリカンな風味もありますが、基本は極めて「英国的」ですね。 ★A4 ”Halo”は、シンセ・オケを上手く使った壮大な曲で、GahanのVoが切ないです。この曲も”Depeche”節全開です。 ★A5 “Waiting For The Night”は、ポツポツとしたシーケンスを基本にした電子バラード調の曲で、やはりGahanのVoが良く映えていますね。 ★B1 “Enjoy The Silence”は、四つ打ちリズムに乗せて、絶妙なシンセやGが絡むヒット曲ですね。モロ”Depeche”節が炸裂です。最後に”Crucified”と言う隠しトラックが入っています。 ★B2 “Policy Of Truth”は、シーケンスとGの刻みで始まりますが、8ビートでちょっと物悲しい曲になります。ここら辺もブレませんね。やっぱり、曲作りも表現力も良いんでしよう。 ★B3 “Blue Dress”でも、凝ったリズムの打ち込みに、優しげなってGahanのVoが切々と歌うのは、堪らないです。また、Gも前面には出ていませんが、要所要所で効いています。 ★B4 “Clean”は、シーケンスと重いリズム(ロータム)のコンビネーションに、ストリング・シンセと歌い上げるVoが乗る曲で、ここでも”Depeche”節が炸裂しています。 やはり、Depeche Modeは、Goreの曲作りが”Depeche”節を担っているのと、それをGahanのVoが上手く歌い上げているところが、最大の魅力でしようね。多分、私が”Depeche”節と呼んでいるのは、一種の英国の持つ物悲しさのような節回しで、これを聴くと、一発で「嗚呼、Depeche Modeだなあ」と分かる雰囲気なんですよね。暗いとも悲しいとも言えるような複雑な感情を、機械的なマシンリズムとシーケンスに乗せて歌い上げるのが、その真骨頂ですね。まあ、メジャーバンドだとか抜きにして、一度、この”Depeche”節を堪能してみて下さい❗️ A3 “Personal Jesus” https://youtu.be/u1xrNaTO1bI?si=Ui6_5eEBZW6HYay9 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLo8SRTJOJ2EZWCZKfAVLhjDPBgUO_FRg2&si=34SbNnxj7V5I3HAj #DepecheMode #Violator #MuteRecords #SonyRecords #Reissue #Remastering #180g #Gatefold #7ThStudioAlbum #ElectroPop #PopMusic #Synthesizers #AlanWilder #AndyFletcher #DaveGahan #MartinGore
Electro Pop Mute Records / Sony Records 4500円Dr K2
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Ryuichi Sakamoto & Robin Scott “The Arrangement”
このミニアルバムは、特に意味も無く、Yellow Magic Orchestra (以下、YMO)関係の作品が聴きたくなって、思わずヤフオクでポチった作品なんです。しかしなが、現在(2023年11月)、ご存命なのは細野晴臣氏だけと言う、何とも悲しい事態になっていますが、取り敢えず、聴いてみようと思いました。今回は、YMOの坂本龍一氏と1980年頃にM名義で世界的に大ヒットした曲”Pop Muzik”を飛ばしていたRobin Scott氏のコラボ・ミニアルバムとなっています。まあ、この頃は2人ともイケイケでしたね。バイオグラフィーについては、私が書くまでも無く、詳しい方もいらっしゃると思いますし、以前にも書いたと思いますので、ここでは、省略させて頂きます。本作品は、1981年7〜8月と1982年4月に東京のAlfa Studio “A”と、1981年10月にロンドンのRoundhouse Studioとで録音されており、その際には、3M D.M.S. Digital Recording Systemが用いられたとのことです。それでは、本作品の各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “The Left Bank”は、多分、Robin Scottの人間臭いVoと坂本龍一氏のミニマルなピアノとから成るビートの効いた曲ですが、2人のイメージとは違った結果になっています。 ★A2 “The Arrangement”は、重いビートと分厚いシンセから構成された曲ですが、途中でいきなりScottの語りとシンセだけのブレイクになってビックリしますが、相変わらず、ScottのVoはUKポップスのそれですね。 ★B1 “Just About Enough”も、ScottのVoとゴージャスなコーラス及び弾むリズム隊が際立つダンス・チューンになっており、確かに坂本氏のシンセも聴取できるのですが、うん〜どうも存在感が薄いです。 ★B2 “Once In A Lifetime”は、一転して、民族音楽調のリズムと、合っているか外しているか分からない男女のVoで構成された曲ですが、途中からリズムマシンが入ってきて、マニアックなギターやシンセのソロも聴取できます。 個人的な印象から言うと、全体にRobin Scott色が強く、坂本龍一氏の良い所が余り出ていないように感じました。やはり、世界のMは凄いのかな? この頃なら、坂本龍一氏ももっと前面に出て良かったのではと思ってしまいます。そんなミニアルバムですが、ポップ・ミュージックとしては良く出来ているので、気になる方は是非一聴してみて下さい❗️ [Lexington Queen] https://youtu.be/1SeiHhsC1ds?si=C-hVXczNKBoAs9LL [full album] https://youtu.be/FxENrTAq52E?si=YL0GvF_xmwsFVDiF #RyuichiSakamoto #RobinScott #TheArrangement #AlfaRecords #Mini-Album #Collaboration #PopMusic #Electronic #坂本龍一 #M #Synthesizers
Electro Pop Alfa records 1500円Dr K2
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Thomas Leer “Letter From America”
Thomas Leerのことは知ってますよね?あの名作”Private Plane”やRobert Rentalとのコラボ・アルバム”The Bridge”をインダストリアル・レコードから出していたアーティストです。簡単に彼のバイオグラフィーを書きます。ScotlandのPost Glasgow生まれのThomasはそこで地元のポップバンドで演奏していましたが、パンクシーンが盛り上がった1970年代にロンドンに引っ越し、Pressureと言うパンクバンドを結成しますが、1978年にはジャーマン・ロックとかシンセ・ポップに影響を受けた音楽にシフトしていきます。その年に、彼は、デビューシングル”Private Plane”を彼自身のレーベルから650枚限定でリリースします、これは当時、大変な注目を浴びて、NME誌でSingle of Weekに選ばれています。1979年には、Robert Rentalとのコラボ・アルバム”The Bridge”をリリース。1981年にCherry Redと契約を結び、EP”4 Movements”をリリースしています。また、彼はさらに二つのレーベルとも契約して、Arista Recordsから、初のソロとしてはフルアルバム”The Scale of Ten”を1985年末にリリース。その2年後、彼は元Propagandaのヴォーカル Claudia Brückenと共にActを組んで、ZTT recordsと契約、4枚よシングル(その内の”Snobbery and Decay”はマイナーな英国ヒットになります)と1枚のアルバムをリリースしますが、Claudiaがソロ・キャリアを積みたいということで、このデュオは消滅しました。Thomasはこの時点で音楽からリタイアします。しかし、2003年にニューアルバムを引っ提げて再び音楽界に戻ってきます。2009年にはStefano Panunziのアルバム”A Rose”に ”Tonight”と言う曲を提供するなどして、今も現役として活動しているようです。 それで本作品ですが、これはThomas Leerのソロアルバムとしてはセカンド・アルバムになります。しかも2枚組と言う気合の入った作品です。これの前にRobert Rentalとのコラボはありますが。それからすると、この作品は「陽」の部分が全開で、ポップスの王道とも言える程、ゴージャスでトロピカルな曲が並んでいます。”The Bridge”で見せた実験性は皆無で、何処をとってもポップスですね。なので、”The Bridge”のような音楽を期待すると、ずっこけますね 笑)。しかも作詞・作曲は勿論、全ての楽器及びヴォーカルもThomas自身がやっている、正真正銘の「ソロ」アルバムです。でも、彼がやりたかったのは、こう言うポップスなんでしょうね。結構、シンセやリズムマシンを使ってますが、それ以上に彼のパッションが弾けてるような音楽で、こう言うシンセウェーブと言うか初期テクノポップな人は、初めは機材が余りないので、仕方なしにミニマルな展開の曲や実験的な曲をやっていたのでしようね。だから機材さえ在れば、本当はこう言うやりたかったと言うようなことが往々にしてできるんでしよう。なので、そう言う固定概念に縛られずに聴くといい感じに聴こえるのでは?まあ、聴いてみてください。 A1 “Looks That Kill” (4:56) A2 “Soul Gypsy” (5:18) A3 “Mr. Nobody” (5:17) B1 “Letter From America” (4:05) B2 “Contradictions” (14:01) C1 “Hear What I Say” (5:16) C2 “Choices” (6:10) C3 “Gulf Stream” (5:42) D1 “Don't” (5:31) D2 “West End” (4:29) D3 “Tight As A Drum” (4:33) A1 “Looks That Kill” (4:56) https://youtu.be/Ix4_twPVmTQ?si=2SsO-9FVPEjpkq_0 A2 “Soul Gypsy” (5:18) https://youtu.be/BVqes5nz3YM?si=1eAf17VlmjTYU1v4 A3 “Mr. Nobody” (5:17) https://youtu.be/u6bs1PEVMYM?si=sz7Rok6qafFFM_a- B2 “Contradictions” (14:01) https://youtu.be/n90zalW0N_Q?si=QeFveLWdHc3ekcY9 C1 “Hear What I Say” (5:16) https://youtu.be/gqzgIetrqAM?si=oeKRlSN6jbP7czfu C2 “Choices” (6:10) https://youtu.be/yRVJf7QbXE8?si=Fj7ODGZsEOgtcocv C3 “Gulf Stream” (5:42) https://youtu.be/kzwpZLyvZwU?si=lqRgg-pcJRel7GZt D1 “Don't” (5:31)/B1 “Letter From America” (4:05)/ D3 “Tight As A Drum” (4:33)/D2 “West End” (4:29) https://youtu.be/wUVHv4nWqnY?si=60DskDB8LmoIylSB #ThomasLeer #LetterFromAmerica #CherryRedRecords #SoloAlbum #SecondAlbum #2LPs #ElectroPop #PopMusic #Synthesizers #DanceMusic #4Movements
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