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Tesendalo “Natur Naht”
これまた、謎物件です。外装はグリーンの「薄い畳/護蓙のような」生地で包装されており、表向きには、この作品についての情報は一切記載が無いですが、内側を見て、初めて、独逸のTesendaloと言うアーティストの”Natur Naht”と言う作品であることが分かります。また、この作品には同じ独逸のTelepheriqueがヘルプで参加しています。それで、Tesendaloについて調べてみましたが、Nurnberg在住の独逸人アーティストPeter Schusterのソロユニットらしいことは分かりました。Discogs上では、彼は1980年代後半から2013年頃まで活動していたようです。Schusterは、Die Raphe名義で、よりインダストリアルな音楽をやっていたり、P.C.R. (Partidul Comunist Român)として、Adrian GormleyとConstantin Gormleyと一緒にトリオでも活躍したり、はたまた、Doc Wör Mirranにも参加したりしており、地元Nurbergでは結構、活躍していたようです。しかしながら、それ以上の情報は良く分かりませんでした(すまん!)。また、Tesendalo としては、本作品は3枚目のLPにあたり、それ以外では主にカセットなどの媒体をリリースしています。 それで、作品の内容ですが、A面1曲とB面2曲から成る長尺の曲で、全体的にはドローン・アンビエントな感じを受けます。A面には “Natur Naht I”が収められており、その、ゆったりと流れる通奏低音のような音に、鈴のようなパルス音が簡素なシンセのリフが重ねられて、時間の流れが全く変わってしまいそうです。B1 “Natur Naht II”では分厚い鉛のようなドローン音に微かなシンセのリフと微弱な電子音が入ってくる、これまたドローン・アンビエントな曲ですが、B2 “Natur Naht III”ではミニマルなシーケンスとドローン音をベースに時々、風の様なディレイの掛かったシンセ音が入ってくる、ちょっと動的な曲になっています。全体に渡り、独逸ミニマル電子ノイズ・ユニットであったTelepheriqueの音が良い意味で化学反応を起こしているようです。そう言う意味では、クラウトロックの発展形と言うか、その正統な後継者とも言えるのではないでしょう(と言うのは言い過ぎか?)。しかしながら、余り目立たない存在ですが、独逸のアンビエント・シーンを語る上では、Tesendaloの名前は覚えておくべきでしょう!Let’s Ambient! A “Natur Naht I” (21:34) B1 “Natur Naht II” (12:10) B2 “Natur Naht III” (10:32) A “Natur Naht I” (21:34) https://youtu.be/pJXpV_mhjOU?si=1XFPN4VuS5HdSnnY B1 “Natur Naht II” (12:10) https://youtu.be/-HyzlM_QjSk?si=91QC5BXb2tG8oxCW B2 “Natur Naht III” (10:32) https://youtu.be/s9BpP6c12j8?si=gecrRgxfoXCcs9c8 #Tesendalo #NaturNaht #WhiteNoiseRecords #LimitedEditions #444部 #Drone #Electronic #Synthesizers #Telepherique #PeterSchuster #Experimental #Ambient
Ambient White Noise Records 不明Dr K2
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Cluster & Eno “s/t”
ClusterとBrian Enoのコラボ作です。この両者については、私が紹介するよりも、皆さんの方が詳しいと思いますが、Enoは前に紹介しましたので、”C”の方のClusterについて少々。元々は、1969年にDieter Moebius, Hans-Joachim RoedeliusとConrad Schnitzlerで、”K”の方のKlusterがベルリンで結成され、3枚のアルバムを出しています。その後、Conradが抜けて、”C”の方のClusterとして、デュオで活動します。2人は、最初、ギター、キーボードや自作の電子楽器を用いて、かなり実験的な音楽をやっており、所謂「クラウトロック」の一翼を担ってました。その後、Coney Plankとの蜜月が始まり、第3のメンバーと言われる程、関わっています。そしてリリースされたClusterのファーストアルバム通称”Cluster ‘71”はソフトで、プロト・アンビエント的な作品になっています。その後、Neu!の創設者の一人Michael Rotherを加えて、サイドプロジェクトとしてHarmoniaを作り、2枚のアルバムを1974-1975年に出します。その後、Michaelが抜けて、デュオになりますが、”Zuckerzeit”を1974年にリリース。今度ははっきりしたメロディやビートのある作品になります。1976年に初めてEnoと作業して、”Tracks and Traces”を作る上げますが、1997年までリリースされませんでした。1976–1979年はClusterが最も活動していた時代で、その流れで、1977年にEnoと再び、共同作業をしますが、ゲストとして、CanのベーシストHolger CzukayとシンセでAsmus Tietchensが参加しています。どうもEnoはClusterをもっと国際的に認知されるバンドにしようとの意図があったみたいです。その後、MoebiusはConny Plankとコラボしており. Moebius, Plank, Mani Neumeier (Guru Guruのドラマー)で、アフリカン・リズムなアルバム”Zero Set”を1983年に出しています。一方、Roedeliusもアンビエント的な作品を多数作製しています。ここら辺で、第1期Clusterは終わります。その後、1989年に最初のリユニオンを果たしますが、続きはまた今度。 それで、本作品ですが、リリカルなピアノや穏やかなシンセの音色が全体に染み渡っており、アンビエント風ではあります。簡素なベース・トラックで辛うじてテンポも感じられますが、それ程リズミックでなありません。また、ギターやヴァイオリンらしき弦楽器も使われていますが、俺が俺が!とは前面にはしゃしゃり出てきません。また、B面ではリズミックな曲やシタール風の音を使った曲もあります。流石、MoebiusもRoedeliusもマルチ奏者ですので、引き出しが多いですね。真に「揺蕩う」音楽です。それにしてもEnoの嗅覚は凄いですね。因みにEnoはHarmoniaともコラボしてます 曲順です。 A1 “Ho Renomo” A2 “Schone Hande” A3 “Steinsame” A4 “Wehrmut” B1 “Mit Simaen” B2 “Selange” B3 “Die Bunge” B4 “One” B5 “Fur Luise” B3 “Die Bunge” https://youtu.be/mOU85gNAaQ8?si=3aIJqJS-_lCPs4Au [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kE1ABv5jWSB29bNA9O663dPt7CwpFtIS0&si=EZjXy1mFca0F-pff #Cluster&Eno #SkyRecords #DieterMoebius #Hans-JoachimRoedelius #BrianEno #Ambient #Krautrock #Electronic #Synthesizers #Piano
Ambient Sky Records 4300円Dr K2
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Core “An Area's Era Aria”
これを知ってるリスナーさんは相当なマニアだと思います。独逸の謎CranioclastのメンバーでもあるChi MojaとSankt KlarioのデュオであるCoreと言うバンドのセカンドアルバムです。なお今回はヘルプにPia Pankokが参加している模様です。ただでさえ、その構成メンバーとか挙動がよく分からない、ある種の匿名性を持ったバンドであるCranioclastの、更に分派なんて,皆んな知らないでしょう?謎が謎を呼ぶアイテムですので、バイオグラフィーを調べようとしましたが、残念ながら、これ以上の情報は得られませんでした(すまん)。それで本作でも、更に進化した/深化したアンビエント・サウンドを片面に1曲づつ配置しています。ただ、最近流行りの電子音によるアンビエントでは無く、フィールド・レコーディングした音を使っての切り貼りと変調によるアナログな音作りが逆に新鮮ですね。寧ろritualな感じすらしますね。それと本家のCranioclastとも共通するのですが,廃棄されたサイロやコンクリートの建造物の写真が豊富に掲載されており、そこに侘び寂びを感じますが、本作品では、本家より簡素で静謐な音作りである為、更に激渋な内容になっています。それこそ、CraniocrastのコアがこのCoreであるかのようです。また、タイトルも何かのアナグラムでしょう。あとナンバリングはしてありませんが、多分、プレス数は少ないと思いますので、気になる方は見つけたら、即ゲットですね。個人的には最近のアンビエントよりも,こちらのアナログな方により「アンビエント」を感じます。そんなアルバムですので、アンビエント好きにはもう一度聴いてほしい一品です。 A “I” B “II” 本作はYouTubeになかったので、前作“At the End of the Concrete”を貼っておきます。 https://youtu.be/b94MzgNReVE?si=n79HLt7ILdWongZa #Core #AnAreasEraAria #CoC #Cranioclast #Ambient #廃棄物 #Ritual #ChiMoja #SanktKlario #Collaborator #PiaPankok
Ambient CoC 不明Dr K2
