闇の奥
映画「地獄の黙示録」の
原作小説として知られる作品です。
地獄の黙示録では
1960年代のベトナム戦争が
物語の舞台になっていたのに対し、
本作では19世紀末の
植民地コンゴが舞台となっています。
横暴な手段で支配を行う欧州人と
下級身分ながら理性的な原住民たち、
そして川の上流で象牙貿易を展開する
奥地出張所の社員クルツ。
彼らが照らし出す「闇の奥」の実像とは…
野蛮な風習を取り去るために
植民地へ赴いたはずの先進国の人間が
原住民支配のために蛮行に走る矛盾と
人間を狂気へと走らせる大自然の魔性。
コンラッド自身の実際の体験をベースに
描かれた、まさに「地獄の恐怖」の物語。